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    かけはし2019年1月14日号

東アジアの民衆と連帯し改憲止めよう


2019年の闘いで安倍政権打倒へ

首相「年頭所感」は何を提起したか


「成果」宣伝にからみつく危機意識


にじみ出る危機感

 安倍首相は、新年恒例の「年頭所感」で、二〇一二年一二月の総選挙で民主党から政権を奪還して以来の第二次安倍政権の六年間の「成果」を、次のように並べ立てた。
 「六年が経ち、経済は成長し、若者たちの就職率は過去最高水準です。この春の中小企業の皆さんの賃上げ率は二〇年間で最高となりました。生産農業所得はこの一九年間で最も高くなっています」。
 「故郷を想う皆さんの情熱によって、被災地は力強く復興を遂げつつあります。地域の皆さんが磨きをかけた伝統、文化、心のこもったおもてなしによって、外国人観光客は1千万の壁を突破し、3千万人を超えました」。
 「景気回復の暖かい風が全国津々浦々に届き始める中で、地方の税収は過去最高となりました」。
 リーマンショック以後の世界経済の新たな危機の兆しが米中の覇権的対立を背景に、随所であらわになっている中で、「アベノミクスの成果」なるものを飾り立てた安倍は大阪でのG20サミットを背景に、「外交面での挑戦」を旗印にして、「日本が世界の真ん中で輝く年」にすると打ち上げた。そして「5月には、皇位継承が行われ、歴史の大きな転換点を迎えます。平成の、その先の時代に向かって『日本の明日を切り拓く』一年とする。その先頭に立つ決意です」とアピールしたのである。
 しかし、この「年頭所感」では安倍の悲願であるはずの「改憲」の「か」の字も言わない、という対応に出ている。それは言うまでもなく安倍政権の下での「改憲」をあきらめたということではない。その逆だ。

「敗北の時代」という規定
 
 極右改憲派の櫻井よしこが司会役となって、安倍とバイオリニストの五嶋龍が対談する企画が、産経新聞の今年一月元旦号の二ページ分を取ったメインの「売り」となった。その中で司会の櫻井が「私は憲法改正の第一歩を踏み出せるよう、民間の立場から後押ししていきたい」と安倍に振ったのに対して、安倍は「わが意を得たり」とばかりに「憲法を最終的に決めるのは主権者である国民の皆さんです。国民的な理解と議論が深まっていくことが絶対に必要なので、ぜひ櫻井さんにはリーダーシップを発揮してもらいたいと思っています」とエールを送っている。
 安倍の「年頭所感」に言う「平成の、その先の時代に向かって『日本の明日を切り拓く』」という言葉が、まさに「改憲発議」と「国民投票実施」にほかならないことは、この文脈の中で明らかになっている。
 安倍政権と「産経」などの極右勢力が、九条改憲による「国家改造」=「戦争国家」体制を築きあげる衝動に駆り立てられているのは、安倍首相が繰り返す「アベノミクスの成果」とは裏腹な、日本の経済的力量への深刻な危機感のためであることは明らかである。
 「産経新聞」の一月一日号一面に掲載された、「さらば、『敗北』の時代よ」と題した同紙論説委員長・乾正人の文章は、日本の「敗北」の現実を説き明かしている。
 「平成元年、世界全体に占める日本の国内総生産(GDP)は、米国の28%に次ぐ15%を占め、バブルに浮かれた当時は、やれジャパン・アズ・ナンバーワンだ、24時間戦えるだのとおだてられ、米国という巨人の背中が見えた、ように思えた」。
 「危機感を持った米政府は日米構造協議で日本に圧力をかけ、ITに活路を見いだして再び成長軌道に乗り、GDP世界比25%を保っている。バブルが崩壊し、政治も混迷した日本のGDPは世界比6%まで大きく後退してしまった」「30年前、世界の上位50社(時価総額)中、日本企業が32社を占めていたなんて若い人には想像もできないだろう。今や50社に食い込んでいるのはトヨタのみだ。人口も10年前をピークに減り続け、増えているのは国債という名の借金のヤマだけだ」。
 トランプを高く評価し、日本が「米中の狭間でうまく立ち回れる」と考えることを「よほどのお人よし」と切り捨てる産経新聞・乾論説委員長の主張は、「安倍9条改憲」の戦略的企図、すなわち「トランプのアメリカ」とブロックを組んだ、中国への政治・経済・軍事的包囲網によってこそ日本の活路を見出すことができるという、危機感に支えられている。
 中国を明確に対象にした日米軍事同盟の実戦化、その中での沖縄・辺野古への新基地建設強行との闘いは、直接に改憲阻止の闘いと結びついている。
 「失われた時代」としての「平成」を清算し、「改憲」によって「日本を取り戻す」という安倍改憲に対する闘いは、同時に朝鮮半島、中国など東アジアの労働者・民衆の共同による平和・人権を実現する闘いとならざるをえない。

新しい挑戦に踏み出そう

 今年は、朝鮮3・1独立運動一〇〇周年にあたる。韓国ムン・ジェイン政権と安倍政権の関係が、元徴用工への損害賠償判決に加えて、海上自衛隊と韓国海軍の間の「レーダー照射」事件を通じて決定的に悪化しつつある現在、問われている課題は、東アジアの平和のための闘いを、切迫した情勢への緊張感をもって作り上げることだ。 
二〇一九年は沖縄・辺野古の新基地建設のための「土砂投入」を阻止する闘いによって始まった。そして天皇「代替わり」をめぐる一連の「祝意」のイベントや二〇二〇年「東京五輪」キャンペーンを背景にしながら、着実に改憲国民投票へのスケジュールが煮詰まっていくことになるだろう。
二〇一九年は、安倍改憲阻止をめざす労働者・市民にとって決定的な勝負の年である。
同時に、改憲阻止の闘いは、労働者・民衆の生活と権利のための闘い、差別に反対する女性、LGBTの運動、反原発、環境破壊との闘いなどと結びついてこそ、真に社会的な広がりを獲得することができる。
改憲を阻止し、安倍政権を打倒する二〇一九年の闘いへ、共に挑戦しよう!(純)

 

 


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