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    かけはし2019年1月14日号

広がる国際的連帯・支援


沖縄報告:1月6日

闘いの中で迎えた2019年

沖縄 K・S

1.5

辺野古ゲート前に1000人

新年の闘いの幕が開けた

安倍退陣を実現する年に!

 

 新年の初めての県民大行動に全県各地から一〇〇〇人が結集し、辺野古ゲート前を埋めつくした。午前九時からの前段集会に続き、一一時から県民集会が開かれた。司会は平和運動センターの大城悟さん。はじめにあいさつに立った高良鉄美琉大教授は「安倍政権の辺野古埋め立て工事の強行は民主主義に反している。憲法に反している。県民投票で民意を示そう」と訴えた。

ハワイとテレビ電話
でつなぎ連帯集会
テント前には大きなスクリーンが準備され、テレビ電話を通じたハワイとの中継が行われた。まず、今回のホワイトハウスに対する辺野古埋め立て中止要請署名の呼びかけ人の一人で、ハワイで沖縄の文化継承に取り組む県系四世のエリック和田さんが「ハイサイ、グスーヨー、アロハ」とウチナーグチとハワイ語のあいさつで語りかけた。ホワイトハウス署名の呼びかけ人の一人、県系四世のロバート梶原さんは「私たちはあきらめない。なぜなら私たちはウチナーンチュだから」と署名に取り組んだ経緯と決意を述べた。西原町出身の県系四世でシカゴ在住の横田ライアン真明さんは七歳の息子さんと前に立ち、「沖縄の皆さんの活動は世界のウチナーンチュの大きな励みになる」と語った。
在米ウチナーンチュの連帯に対し、山城博治さんが沖縄側を代表して「率先してホワイトハウス署名に取り組んだハワイのウチナーンチュは私たちより立派なウチナーンチュだ」と讃えた後、「世界中に広がる連帯の力を安倍に見せよう。ありがとう。感動だ。県民は負けない」とアピールした。島袋文子さんも笑顔で「辺野古は今年で終わりにしたい。頑張り抜く」とスクリーンのロバート梶原さんに向かって話しかけた。

4人の国会議員
が報告と決意
続いて国会議員の発言が続いた。照屋寛徳衆院議員は「今年は一八七九年の琉球併合から一四〇年の節目の年だ。明治の天皇制国家に組み込まれた沖縄は常に国策の犠牲になってきた。今年こそみんなでウチナーンチュのチムグクルを結集し、沖縄の平和を築き上げよう。ウチナーの未来はウチナーンチュが決めていく。二月県民投票、四月衆院沖縄三区補選、七月参院選を勝ち抜こう」と訴えた。
赤嶺政賢衆院議員は「重要なことは、オール沖縄で団結した闘いを全国に広げることだ。沖縄のように闘えば勝利する。産経を含む全国のマスコミ調査で安倍の辺野古埋め立て反対が多数になった。県民投票を全市町村で実施し、安倍退陣・辺野古ストップの記念すべき年にしよう」と呼びかけた。糸数慶子参院議員は「県民投票を契機に、沖縄の基地をあらためてみんなで考えなおそう。沖縄の理不尽な現状の数々,諸悪の根源は安倍だ。あきらめないことが勝利に結びつく」と述べた。
伊波洋一参院議員は「国会での取り組みを報告したい。護岸で囲まれたところはジュゴンの餌場・海草藻場だった。防衛省は当初、同等の面積の海域に移すと言ってきたが、やっていない。土砂は黒石の岩ズリと言っていたのに、投入されたのは赤土だ。波が越えて来ればいっぺんに汚染が広がる。そして、大浦湾の軟弱地盤の問題は、昨年一二月二五日の対政府交渉の場で担当者は建設できる確証がないと答えている。今年の予算は返上、来年度の予算もつけられなかった。地盤改良工事に三年以上かかる。設計変更は知事の権限だ。辺野古新基地はいつまでたってもできない」と断じた。

参院選予定候補・
仲村未央さんが決意
続いて、県議会与党三会派の県議が発言した。社民・社大・結連合の仲村未央さんは、参院選で社民党比例代表候補になったことに触れながら「屈しない沖縄の闘いを世界に発信していく」と決意を述べた。
共産会派の渡久地修さんは「一三年前に比べて、世界で米軍は三六万人から一六万人に減った。ところが日本だけ一万三〇〇〇人も増えた。なぜか。日本政府が湯水のように金を出すからだ。辺野古は日本の政治を民主主義に変える原動力だ」と述べた。会派おきなわの平良昭一さんは「県民投票で市長が議会の意思を尊重すると言いながら市民の権利を奪うことは許されない。四月の三区補選は玉城デニーの後継者を選ぶ選挙だ。落とすわけにはいかない」と訴えた。

3区補選予定候補・屋良朝博さんが抱負
三区補選の予定候補の屋良朝博さんもあいさつに立ち、「この間ジャーナリストとして沖縄の基地の理不尽さを訴え続けてきたが、聞く耳を持たない日本政府に対し無力感を感じていた。今回政治家を目指すスタートラインに立たせてもらったことに感謝している。国会で、議論の爆弾をぶち込んでいきたい」と抱負を語った。
最後に稲嶺進前名護市長が閉会あいさつとガンバロー三唱に立ち、「今年こそ辺野古の闘いの勝利の年にしたい。そのために、県民投票、衆院三区補選、参院選を一つひとつ勝ち抜くことが勝利につながる。今日の集会はいつもより多くの若い人たちがメインで活躍してくれた。新しい光が見えていいスタートになった。この一年みんなで乗り切っていくため、頑張ろう」と述べた後、全員立ち上がってキャンプ・シュワブの基地に向かってシュプレヒコールをして閉会した。

全市町村で県民投票を実行し

新基地NO!の民意を明確に示そう

 辺野古新基地建設のための埋め立ての是非を問う県民投票の実施をめぐって厳しい攻防が繰り広げられている。昨年中に那覇市をはじめ三五市町村で実施の方針を決めた。そのうち、浦添市、本部町、金武町は、議会が一度は予算案を否決したが、再議で可決した。与那国町議会は再議でも否決したが、町長が実施の方針を表明した。その他の町村では議会が全会一致で可決したところも多い。
年が明けて一月六日現在、不実施ないし保留の市は北から、うるま市、沖縄市、宜野湾市、糸満市、宮古島市、石垣市の六カ所である。宜野湾市、石垣市は議会が再議でも否決し、市長が実施しない方針を表明した。宮古島市は議会での否決を受けて市長が不参加方針を明らかにした。桑江沖縄市長は一月六日の記者会見で「二択では民意は示されない」ことを不参加の理由にあげた。これらの市長の述べる県民投票不参加の理由はすべて不合理でこじつけ。政治家あるいは行政マンとしての顔が住民にではなく、霞が関の国家権力の方に向いている。
県民投票に不参加方針の市長の口実は「議会の尊重」であることが共通している。下地宮古島市長は一月四日記者会見で、県民投票不参加の一番の理由に「市議会の決議」をあげ「住民から選ばれた議員が判断したもので大変重い」と述べた。議員は重いが住民は軽い。こうした市長や議員は有権者から負託を受けているにすぎないにもかかわらず、自分たちが政治の主人公だと思いあがっているか、誤解している。主権を有しているのは住民であって、市長や議員ではない。ところが、主権を有する住民と住民が選んだ議員や首長の考えが相反することがよく起こる。そうしたとき、主権者が主権者の意思を明確にするのがまさに住民投票である。県民投票の実施に反対し住民の主権を否定する議員や市長は今後、住民からの厳しい監視の目を受け、リコールされるか、次の選挙で軒並み落選するに違いない。
また、中山石垣市長を代表に県民投票を妨害する市長たちが口実としてあげるのが「県知事選挙で民意は示された。改めて県民投票を実施するのは金の無駄」というものである。知事選挙で示された沖縄の民意を無視する人たちにも明確に届くように実行するのが県民投票だ。主権者の民意を表明するのに無駄な金は一円もない。「金の無駄」を理由に県民投票を行わないのは、主権者が権利を持った主体ではなく、受動的な被支配者の地位にとどまることを願う政治家のこじつけにすぎない。
松川宜野湾市長は「普天間基地の危険性の固定化」を県民投票不参加の理由にあげた。「辺野古に基地ができなければ普天間基地の返還ができなくなる」というのは日米両政府が宣伝してきたフェイクニュースのひとつだ。県民が辺野古を阻止するほどの力を持っているなら普天間の返還を実現することも可能ではないか。そのために県民が結束することが何より必要だ。県民投票をめぐる現在の県内の分裂状況を安倍官邸はほくそ笑んで眺めていることだろう。
沖縄県は県民投票不参加の動きの六市に対し、市長との面談や勧告などの行政指導を強めている。元山仁士郎さんの辺野古県民投票の会も市当局に対する要請や説得活動を続けている。また、島ぐるみが中心となって市長の違法行為を問う訴訟やリコールも含め県民投票への参加を求める運動を進めている。一月七日は六市庁前で一斉に抗議要請行動が行われた。
二月一四日の告示に向かって、県下の全市町村が県民投票に参加するかどうかの厳しい攻防が展開されるが、県民意思は鮮明だ。琉球新報が沖縄テレビ、JX通信と共に一二月下旬に実施した県民世論調査によると、「全ての市町村が県民投票を実施すべきだと思うか」との設問に対し、「実施すべき」七〇・九%、「実施する必要なし」一九・〇四%、「県民投票に行くかどうか」の設問には、「行く」七七・九八%、「行かない」九・八一%であった。さらに、「日本政府は県民投票の結果を受け入れるべきだと思うか」との設問に対し、「受け入れるべき」六九・〇四%、「受け入れる必要はない」一六・八三%、「どちらともいえない」一四・一三%であった。
日本政府が恐れていることはこれだ。県民投票で改めて明確になる新基地NO! の民意が政府に受け入れを求めて一層盛り上がっていき、県民ぐるみの沖縄との対立がいよいよ抜き差しならないものとなる中で、国民の広い共感を得た沖縄に政治的に敗北するというシナリオだ。だから執拗に妨害をくり広げているのだ。全市町村での実施を何としてでも勝ちとるため全力を尽くそう。県民投票を成功させる全県ぐるみの闘いの中から、勝利にむかう手掛かりを必ず得ることができるに違いない。

12.12

県民投票のスペシャリスト・今井一さんが熱弁


一二月一二日、琉球大学で「ジャーナリストと考える県民投票セミナー〜一八〇〇件の住民投票を参考に〜」が開かれた。主催は、「県民投票を盛り上げる学生有志の会」で、辺野古県民投票の会が共催した。会場となった共通教育棟二号館三〇一教室には多くの学生が集まり、議論に耳を傾けた。
国内のみならず世界各地の住民投票の現場を取材して、岩波新書『住民投票』をはじめ何冊もの著書を出した今井一さんが一時間半にわたって熱弁を振るった。

今井一さんの話(要旨)

 ロシアがソ連邦から抜けるという時モスクワで取材した。持ち物を売って生活している一人の年老いた年金生活者の話を聞いた。「結果はどうでもいい、自分たちで決めることができるということが嬉しいんだ」。世界ではどこでも大事なことは住民投票で決めるという習慣が根付いている。
リトアニアでは、二〇一二年に国会議員選挙と原発の是非を問う国民投票が同じ日にあった。原発については六二対三五で原発反対が勝利した。他方、国会議員選挙では、反原発の緑の党は議席ゼロの結果に終わった。人を選ぶ選挙と政策を決める投票はこのように違う。イギリスでも、メイ首相は元々EU残留派だが、国民投票の結果多数を占めたEU脱退の民意を尊重して、脱退の方向で動いてきた。諮問型であっても国民投票はそれだけの重みをもっている。
主権者の権限は選挙だけではない。ルールは自治体ごとに決めればいい。大事なことは、知らせて、考えて、投票するという過程、情報公開が住民投票の命だ。賛否両派が一堂に会して議論する討論会をやってほしい。巻町でも、賛否両派が共催して公開討論会を開いた。
安倍・菅に公開質問状を出そう。公開討論会に出てきてもらおう。彼らがいかに無責任でいかに卑怯か、あぶりだされる。県民投票で沖縄が基地に対して答えを出したら、本土の側もこたえる番だ。




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