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    かけはし2019年1月14日号

真相究明と責任者処罰を要求


12・29 キム・ヨンギュンさん、第2回汎国民追悼祭 光化門広場

氷点下8度寒波、大統領府まで行進


 「泰安(テアン)火力非正規職青年労働者の故キム・ヨンギュン死亡事故真相究明および責任者処罰市民対策委員会」(対策委)は12月29日午後5時、光化門で「故キム・ヨンギュン第2次汎国民追悼祭」を開き、死亡に対する真相究明および責任者の処罰を求めた。
 対策委の金京子(キム・ギョンジャ)民主労総首席副委員長は「遺族とキム・ヨンギュンがいなかったら産業安全法改正は実現できなかった。ご両親に心から感謝する」とし「特別勤労監督がきちんとして真相究明が行われなければならず、責任者に対して必ず処罰がなされなければならない」と強調した。

 故キム・ヨンギュンさんの母親キム・ミスクさんは「息子に送る手紙」を通じて「やっとカップラーメン一つで食事を取り、胸が痛むが母はどうやって生きろというのか、悔しく恨めしく胸が詰まる」とし「大統領が会おうと言うが、真相究明と責任者の処罰なしには会わない。口先だけでする約束は必要ない」と涙を流した。

 韓国発電技術支部のノ・フンミン盆唐(プンタン)支会長は「私も息子が2人いるが、職場の大事な家族を失い、胸が苦しく、世の中をすべて失ったようで一緒に泣いた」とし「職場の弟ヨンギュンがたとえ世を去ったが、現場の労働者として正規職化闘争に全力を尽くして戦っていきたい」と誓った。

 マクドナルドのユン・ジェミン・アルバ労働者は「週に70時間働きながら夜間手当、週休手当もなしに勤労契約書を要求したと解雇され、労災処理を要求したら悪口ばかり言われた」とし「非正規職労働者たちも年末を迎えて幸せに暮らしたい」と話した。

 特性化高校卒業生労組のイ・ウンア委員長は「一度非正規職になると貧困と疲労が繰り返されて抜け出すのが難しい」とし「今度仕事が終わればまた求職活動をしなければならないのに本当に正規職として働きたいし、明日を眺めながら暮したい」と泣いた。

 学校で給食の仕事をしているキム・ヨンエ教育公務職非正規職労働者は「12年学校給食を受け、子どもたちが社会に出れば非正規職になり、母親も非正規職である誤った国が韓国」とし「ヨンギュンがうちの息子で、私たちがヨンギュンの親で兄弟だ」と悲痛に語った。

 ソン・ヨンソプ弁護士は「ヨンギュンが働いた作業場は粉塵が雲のように飛んで前がよく見えないため、2人が一組になって働くようになっている」とし「非常ストップ装置が作業場の外にあって、一人が働いていて事故が起こればベルトコンベアを止めることができなくなり一人で仕事をして死ぬようになった」と指摘した。

 イ・テホ市民社会団体連帯会議運営委員長は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が候補になる前にセウォル号断食座り込み場を訪れ、一緒に断食座り込みをしながらユミンのお父さんが倒れて運ばれた時、写真を撮るのを見た」とし「大統領が遺族に会おうと言うが、死んでから会って涙を流すことは誰でもできる。生きている時、会おうと言った時、会わなければならなかっただろう」と訴えた。

 一方、柳京根(ユ・ギョングン)4・16連帯執行委員長は「文在寅大統領に無条件で会いなさい」とし「ヨンギユンが望んだもの、望むものを頭を下げずに堂々と要求し、確答を聞いて次の約束までに点検すると言ってこい」と注文した。

 追悼集会参加者たちは追悼祭が終わった後、「われわれはキム・ヨンギュンだ」「真相究明して責任者を処罰しろ」と叫び、青瓦台まで行進した。(労働と世界より)

発電5社労災事故の97%下請労働者


写真の中のキム・ヨンギュンさんは、作業ヘルメットとマスクをつけたまま「文在寅大統領、非正規労働者と会いましょう」と書かれたピケットを持っております。非正規職の常勤職転換を促す運動に参加して撮った認証写真です。

 キム・ヨンギュンさんの死亡事故は非正規職を量産し、危険に追い込む援助や下請け構造をこれ以上放置してはならないという警鐘を韓国社会に響かせました。

 キム氏は韓国西部発電の下請け業者である韓国発電技術コンベア運転手で、西部発電が運営する泰安発電所10号機のコンベアーベルト管理業務を行った。下請労働者が元請事業場で工程の一部を担当したことで、社内下請にあたる。キムさんの死亡事故は、下請労働者に対する安全保健の管理がどれだけずさんなのかを端的に示している。

 事故当時、2人1組勤務の規則が守られていなかったため、キムさんは一人で働かなければならず、コンベアーベルトに体が挟まった時、非常停止スイッチ(フルコード)を作動させる同僚もいなかった。
人件費の節減を追求した業者が最小限の安全装置もおろそかにしたのだ。 入社して3カ月しか経っていないキムさんは、危険な徹夜勤務を一人でこなした。泰安(テアン)発電所では、労働者の安全教育もまともに行わなかったことが、警察の調査で確認された。
危険業務をする下請労働者は、大半がキムさんと同様の立場だ。 下請け労働者の産業災害が絶えない理由だ。(公共運輸労組より)

声明

これは国の犯した殺人行為だ

社会変革労働者党

 発電所の下請け労働者故キム・ヨンギュンさんを追慕します。

 死にたくなかった。非正規職は「命さえ2等に落ちる死のくびきを破らなければならない」と、大統領が直接非正規職労働者の声を聞けと叫んだ。しかし一時「危険の外注化」を阻止すると言っていた大統領は沈黙した。
そして24歳のこの非正規職の青年労働者は結局、入社して3カ月も経たずに死の下請け構造の犠牲になった。クイ駅惨事から2年が経ったが、一体何が変わったというのか。
彼が非正規職で働いていた発電所は、大統領が「非正規職ゼロ」を宣言した公共部門の事業場だ。発電所の非正規職労働者らは、大統領の約束を守るよう直接雇用正規職化を履行するよう求めてきた。
しかし、政府と韓国電力は、最後まで直接雇用を拒否し、同じ下請け会社に過ぎない子会社の設立方針を固守した。公共部門である発電所が外注化と人員削減を推し進め、発電所労災事故の97%が下請け労働者に集中する現実で、政府が乗り出して死のくびきを強要したのだ。
故人はこの20年にわたる電力・発展民営化の犠牲者だ。故人が所属している下請け会社「韓国発電技術」は発電所の設備を担当するが、去る2011年に別子会社として分割され、続いて2014年には「公企業子会社民営化1号」というタイトルで民間に売却された。これに先立って、金大中(キム・デジュン)政権は民営化のため、韓国電力を5つの発電子会社に分けた経緯がある。
それぞれの子会社が収益性を改善するとして、設備と整備などの業務を再び子会社に分離して売却し外注化したものだ。現政権も、昨年だけでも発電子会社の株式上場を推進し、民営化を中止しなかった。
収益性競争に殺到した公共部門は、コスト削減を掲げ公共財の安定的な供給と労働者らの生命安全をないがしろにした。その結果は残酷な死と事故の連続だ。2年前九宜(クイ)駅惨事で青年の下請け労働者が死亡し、線路を整備していた鉄道の非正規職労働者たちが列車にはねられて死んだ。鉄道と地下鉄の整備業務の外注化のためだった。
現在、KT阿硯国師(アヒョングクサ)の火災を収拾している労働者たちも、下請非正規職で日常的な通信線の設置と復旧を担当し、死亡事故が絶えない。
金大中政権の韓国通信の民営化以降、持続的な人員削減と分社・外注化がもたらした結果だ。
これは国の犯した殺人だ。
政府は公共部門を民営化と外注化に追い込んだ主犯であり、正規職化を約束しながらも直接雇用を拒否し、「死の外注化」を持続させた張本人だ。
適当な尻尾切りで隠そうとするな。本当の責任者は大統領と政府だ。故人はもとより、無念に仲間を失った非正規労働者たちに謝罪せよ。
「子会社の正規職化」という欺瞞的な詐欺行為を止め、完全な直接雇用を履行せよ。
公共部門をばらばらに破して破壊した民営化、外貨準備を整え、政府が責任を持って国有化に還元せよ。

2018年12月12日

コラム

靴ひもを結び直して

 昨年を想う。外国人労働者の受け入れ拡大を図る入管法改正は、「単純労働」「移民」の定義、人権侵害、劣悪な労働環境の下で働く技能実習生の現状や訴えを真摯に聞くこともなく「法案成立最優先」を貫き成立させた。安倍首相は「初めてうかがった。私は答えようがない」などと発言。論点すり替え先送り、「質問放棄」など与党諸先生方は「思考停止」から「無思考」の「なんでも賛成マシーン」へと上り詰めた。
 河野外務大臣は記者の質問に全く答えず「次の質問どうぞ」を連発。彼らには「国民の存在」すら意識されていないのだ。「はぐらかし」「恫喝」を駆使、ひたすら自説に陶酔し「国民に『迷』快に分かりやすい説明」の行き着いた先が「次の質問どうぞ」なのか?
 こんなのもあった。改憲論議に乗ってこない野党に「職場放棄」だと言った下村憲法改正推進本部長。「立憲主義」をないがしろに「数」は「正義」と「数の力」を背景に「改憲」に突き進む安倍政権に対する闘い方の一つとして「職場放棄」も戦術だと逆説的に諭したのか?
 政も政なら官も官! 寄ってたかっての利権漁り。長期産業革新投資機構(JIC)。高額報酬を巡った経産大臣と民間出身社長のすったもんだのバトル。「国民の税金」がいつの間にか使い道自由の「公金」に変質、官民ファンドの「投資資金」に名を変えた。「天下り先」を「創設」し「有能人材」を前面に出し「投資失敗責任なし」の待遇で高額報酬を手にする所詮官僚・財界OBの天下りの話。
 五年で二七兆円という防衛大綱。「防御型空母」「多用途運用型母艦」を経て「多用途運用護衛艦」になり戦闘機運用機能の「追加」だけなので従来と同じ「多機能の護衛艦」と呼ぶ。言葉遊びの「攻撃型」と「防衛型」の解釈違い。どこからそんな大金が湧き出るのだろう? 天文学的な「国の借金」の責任は国民に押し付け、今後起きるアベノミクスの副作用は「よろしく頼む」とでもいうのか?
 水の民営化に向けた「改正水道法」、外国人労働者受け入れ拡大の「改正出入国管理法」、民間参入を図る「改正漁業法」、日欧の経済連携協定・関連法による貿易品目九〇%関税撤廃など。既に被災地では「危険区域」指定で土地が強奪され、企業に補助金付きで格安で売り飛ばされている。福島・宮城の港湾付近には「石炭火力発電所」の建設が目白押しで環境破壊、大気汚染による健康破壊の懸念が。「資本家階級」の強奪の手が土地、水、大気、土壌、森林、河川、漁場、海洋等に伸びている。もはや「序章」等ではなく、企業減税も含め企業領域全てで「規制緩和」が進行している。呆れ果て政治から遠ざかる「無関心層」が拡がることを彼らは期待しているのかも知れない。残念ながら儚い夢だと教えよう! 新しい年には新しい力が沸く。靴ひもを結び直してさあ進もう。
 テレビの中で英国「クイーン」が日本の人々に熱いメッセージを語った。
 「僕は国際主義者だ。いま世界で起きているナショナリズムの台頭には耐えられない。 
 僕は『壁』ではなく『橋』を築きたい。アメリカで起きていることも残念だ。これが一過性なものであると信じて、いつか世のなかが一つになる事を願う」ブライアン・メイ(「クイーン」のリードギター)
  (朝田)

 



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