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    かけはし2019年2月11日号

止めよう女川原発再稼働


1.27

民意をつなぐ県民投票へ

学習討論集会を開催

直接民主主義の意味

 【宮城】女川原発再稼働の是非を問う県民投票条例を求める署名は、昨年一〇月二日から約二カ月間に県内有権者の五・九%にあたる総数一一万四三〇三筆が寄せられ、法定必要数(県内五〇分の一、約三万九〇〇〇人)の約三倍に達した。
 署名簿は、県内各市区長村選挙管理委員会へ提出され、選管による署名簿審査、縦覧が行われ、二月八日に県民投票条例の本請求(署名簿提出)が行われようとしている。
 一一万四三〇〇人の署名に込められた県民の力で県民投票の実現に向けた第二ステージの開始として「女川原発再稼働の是非をみんなで決める県民投票を実現する会」(みんなで決める会)は、一月二七日、沖縄はじめ全国の住民投票運動を理論的に支えてきた武田真一郎さん(成蹊大学法科大学院教授・法学博士)を招いての学習討論会を開催した。

 

沖縄県民投票
の大きな意味
武田さんは、「県民投票は、県民が賛否両論に耳を傾け、より積極的な意見に一票を投じて自らの意見を政治や行政に反映させる制度だ」として、住民の環境や財政への関心が高まっているのに、議会や行政の意識が追いついていない(間接民主制の機能不全が発生している)ことへの直接民主制による是正の必要性として住民投票が求められていると指摘した。
沖縄辺野古新基地建設の是非を問う県民投票に引き付けて、「当事者である沖縄県民の理解と同意を得ることが不可欠だが、納得できるような説明責任を果たすことなく、土砂投入を強行した。沖縄県民は、これまで選挙を通して何度も辺野古新基地建設には納得してきていないことを示してきたが、その民意はことごとく無視されてきた。県民投票はこの問題に対する直接的な民意を示そうとしているのだ」と。
県民投票への市長村の協力にも触れ、「県民投票条例は、地方自治法二五二条の一七の二に基づき、市町村は事務を実施する義務がある。議会が反対の議決をしても市町村は県民投票の実施を拒否することはできないし、県民投票条例は県内のすべての有権者に投票権を付与しているので拒否すれば有権者の投票権を侵害することになる」と、沖縄県内五自治体の投票実施拒否を批判した。

吉野川可動堰
建設を拒否!
武田さんは、徳島市の吉野川可動堰建設に対する住民投票にいたる経過について紹介。
国(建設省・当時)が計画に着手したが、住民側は吉野川シンポジウムを結成し対案を示し、住民投票の会を結成して署名収集(一〇、一五三五筆、四九%)するも徳島市議会が否決した。
二カ月後の市議会選挙で住民投票賛成派が過半数を獲得して、住民投票条例案が再び市議会にかけられるが、公明党が反対し「公明党案」で可決。(実施期日は別条例、五〇%以上の投票率要件、戸別訪問に罰則など)住民投票が実施され、投票率五五%ながら反対九一・一%賛成八・四%という結果になり、市長は、住民投票を受けて反対に転じる。
二〇一〇年民主党政権、前原国交相が完全中止の表明をしたと経過を紹介しながら、「住民投票は、直接住民が決める最も民主的なもので、反対運動ではなかったため、市民の反対意見が高まったこと、専門家より、市民の方が科学的、客観的であったこと、政党色を排除したため政治的パワーが発揮できた」と話された。

県民投票条例
実現させよう
「みんなで決める会」から、宮城県議会での可決成立に向け、地元選出県議への働きかけ、二〜三月県議会の傍聴、県民投票実現の世論づくりを全県で展開していく行動提起を行った。
会場からの「投票は二択ではなく時間軸も入れた選択肢が必要ではないのか」の質問に対して武田さんは、「アンケートとは違うので賛成か反対かの選択が基本」と応えていた。沖縄県民投票を三つの選択肢にしたことについて、講演のなかで武田さんは「住民投票は、世論調査やアンケートではなく『政策の決定』なので賛成か反対のいずれかの二択しかない。わからないなどという選択肢は愚の骨頂。わからないのであれば、棄権すべきだ」と話し、「反対が上回れば、知事はこの民意をもって再度埋め立てを撤回することになるだろうが、裁判所は、それを簡単には否定できず、埋め立ては白紙に戻るかもしれない」と語った。
吉野川可動堰建設も徳島市の事業ではなく国の事業だったが住民投票で中止に追い込んだ。沖縄でもその可能性は大きい。住民投票=民意の力はこのように大きいものなのだと語り講演を終えた。
参加した自民党県議からも「国策」について発言があり「建設や稼働の時だけ、国策を語るが、出口(膨大な放射能廃棄物処理)では国策を言わない。だから原発には反対だ」という発言があり、会場から拍手が起きた。
宮城県議会は、二月一三日に開会する。二月八日に提出する本請求は、本会議・代表質問が行われる二一日に知事が意見書を付して「県民投票条例案」が県議会へ提案され、委員会や本会議で審議されて三月中旬には採決される予定である。県民投票条例の実現に向けた第二ステージを全力で取り組むことにしたい。(m)

1.21

山下法相の死刑執行に抗議集会

年末ギリギリは異例事態

1年で15人の命を奪った


再審請求中の
死刑囚にも!
 一月二一日午後六時半から、東京四谷の岐部ホールで「山下貴司法相の死刑執行に抗議する緊急集会」が主催:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本、NPO法人監獄人権センター、「死刑を止めよう」宗教者ネットワークで開かれた。
 二〇一八年一二月二七日、大阪拘置所で岡本啓三(旧姓河村)さん、末森博也さんの死刑が執行された。岡本さんは再審請求中だった。七月にはオウム真理教の一三人が執行された。
 まず安田好弘弁護士(フォーラム90)が政府による死刑執行が強行されていることについて批判的な論評を行った。
 「御用納めの前日の一二月二七日に執行するのは異常な事態だ。一月一日〜三日、一二月二九日〜三一日は死刑を執行してならないという規定がある。もう少しで年が越せるという希望を打ち砕くものだ。こうした死刑囚の気持ちを考えることなく執行した。ここまできたか。オウムだけではないという弁明。天皇の即位という慶事の年には執行できないなど理由は考えられる。駆け込み執行、再審中でも執行」。
 「死刑制度を維持するという強い意思がある。法務大臣は死刑制度を廃止しないと発言するが、なぜこの時期に執行したのかの質問には答えない。無責任だ。再審請求中の死刑囚をこの間、執行している。再審事由がないと判断したというだけだ。再審請求中の死刑囚の執行は法律違反で、殺人罪にあたる。ぜひ、裁判で争ってほしい」。
 「死刑判決から六カ月以内に執行しなければならないという規定があるが、再審中は執行しないともしている。もう一度国会で議論すべきだ。これは憲法上での権利でもある。オウムの大量執行で大逆事件時代に戻った。死刑制度が強化されている。執行にためらいがなく、強い秩序観、国家観がある。これを打ち砕いていく必要がある。それには多くの人の賛同を得る必要がある。それに向けて準備することしかできない。地道にやってゆく。死刑がなくてもいい。私見だが終身刑の導入が必要だ。今年はもっと厳しいかもしれない」。

死刑制度その
ものの廃止へ
続いて、高齢をおして参加した二見伸明さん(死刑廃止議員連盟元事務局長)が「法務大臣は命・人権を大事にしなければならないのに、死刑執行の前日に安倍首相らと酒を飲み、平然と宴会をやっていた。恐ろしいことだ。イギリスでは世論は死刑存置が多数だったが、政治家が死刑廃止を行った。日本でも死刑廃止を実現しなければならない。人の命は何よりも重い」と語った。
岡本啓三さんの弁護人の小田幸児さんがコスモ・リサーチ殺人事件の経緯や岡本さんの人となりを説明した。深田卓さん(岡本啓三さん支援者/フォーラム90)が、岡本さんが獄中で残した小説や自伝について話した。
「二〇年近く付き合い、支援者で友人だった。一九九九年に自伝を書き残したいと、文章を書き始め、二〇〇五年『こんな僕でも生きていていいの』を完成し、第一回大道寺幸子基金表現展優秀賞を受賞した。自分のやってきたことと向き合い、見つめなおした。岡本さんは模範囚だった。仏画を書いたりもした。反省しながら暮らしていた。恩赦制度が適用されるなら、彼ほどふさわしい人はいない。今ほとんどの確定死刑囚はいつ執行されてもおかしくない状況に置かれている。知恵を出し合って、死刑の状況を突破していこう」。
最後に集会決議案(別掲)を読み上げ、全員で確認した。死刑制度を廃止しよう。          (M)

 集会決議

 昨年2018年12月27日、大阪拘置所で岡本啓三(旧姓河村)さん、末森博也さんの死刑が執行されたことに強く抗議する。

 昨年7月に13名もの死刑を執行し、年末に再び2名の死刑を執行し、この国は一年に15人もの命を断ったのである。山下貴司法務大臣が就任して3ヵ月弱、その間国会では人管法改正論議が連日行われていたことを考えると、今回の執行に向けて二人の事件記録を精査する余裕などあるわけがなく、慎重さを欠く拙速な執行だったと言わざるをえない。法相が記者会見で語った「停止や再審事由の有無等について慎重に検討し、これらの事由等がないと認められた場合に初めて、死刑執行命令を発した」という言葉は信じることができない。そのうえ再審事由の有無の判断は法相がするのではなく、裁判所に委ねられており、再審請求中の執行は法相による殺人行為である。

 今回処刑された岡本啓三さんは再審請求中であり、彼は事件を深く悔い、文章を書くことで自分の犯した事件と自分の人生と向き合ってきた。仏教に帰依し、被害者遺族に手紙を書き続け、悔悟の人生を送っていた。また末森博也さんは犯した罪を悔い、再審も恩赦もせずに刑を受け入れる態度を示し続けてきた。事件から30年、獄中でそれぞれのやり方で自分たちが犯した罪と向き合ってきた者の命を奪うことにどんな大義があるのか。
法相は記者会見で、死刑制度は刑事司法の根幹に関わる重要な問題だと繰り返し言っているが、命を奪う刑罰や恐怖によって健全な法治国家が成り立たぬことはこれまでの歴史が証明してきている。安倍晋三内閣は、第一次で10名、第二、三、四次で36名、合計46名という過去最多の死刑を執行し、歴史と世界の流れに逆行する内閣となってしまった。
私たちは山下法務大臣に、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、再び死刑の執行を行わないことを強く強く要請する。
2019年1月21日

山下貴司法相の死刑執行に抗議する緊急集会参加者一同

1.28

寄稿

浜松で民営化押し返す

水道事業を企業に
   売り渡すな!

 一月二八日、命の水を守る全国のつどいから半月後、浜松市の鈴木市長は水道民営化の議論について「無期延期する」と発表しました(正式な発表は三一日)。
 浜松市自体はすでに下水道の民営化を行っており、全国に先駆けて水道の民営化を行うかどうかが市民の大きな関心事でした。四月の市長選をめぐっては、自民党の若手市会議員が「水道民営化反対」でたたかうというねじれ状態にもなっていました。
 一月一三日の命の水を守る全国の集いは集会に先立ち、正午浜松駅前で様々なパフォーマンスが行われ、その後集会場までの市内デモが行われました。

命の水を守る
全国のつどい
午後一時半からの全国のつどいには六〇〇人が集まり会場はいっぱいとなりました。
パネルディスカッションで弁護士の尾林芳匡さんが民営化による「営利本位」の危険性や、自治体と水大企業の癒着などの問題点をあげ、愛知県西尾市での住民の抵抗などを紹介しました。アジア太平洋資料センターの内田聖子さんは、一九八〇年代アフリカなどで経済破綻した国に対してIMFによる水の民営化から始まり、先進国へと広まる中で、企業や投資家が保護されてきたことや、「民間企業」を盾に情報が公開されないこと、再度公営化(民営化解約)する際に、企業側から莫大な違約金が要求されることを紹介しました。ジャーナリストの橋本淳司さんは過剰設備の縮小、小規模水源の活用など、自治に基づく新しい水行政について提起しました。

民営化で劣化
する水道事業
浜松市でも「民営化に備える形」で水道職場では職員が極端に減らされ、九月の台風二四号への対応が遅れたことや、水道事業に必要な人材育成・技術継承が行われていなくなっていることなどが報告されました。その後、全国各地から参加してくれた市民から水道民営化に反対するリレーメッセージが行われました。      (静岡C)



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