もどる

    かけはし2019年3月18日号

ここに生きる! 多民族多文化共生社会へ!


3・3

マーチ・イン・マーチ2019

 三月三日午後一時から、上野公園水上音楽堂を会場にマーチ・イン・マーチ2019が開催された。差別的処遇の是正および人権と労働者としての権利の保障を求める、外国籍をもつ移住労働者の春闘行動。移住労働者を組織する労働組合、移住者と連帯する全国ネットワーク、けんり春闘全国実行委員会などで構成される「マーチ・イン・マーチ2019実行委員会」が主催した。

移住労働者と
共に闘おう!
長い歴史を重ねてきた行動だが、今年はさらに、六月一、二日の両日に日本教育会館での開催が計画されている「移住者と連帯する全国フォーラム2019」も賛同団体として加わった。これには移住労働者をめぐる重大な状況変化が生まれたという背景がある。つまり、安倍政権が昨年末、人手不足への対応を理由に、外国人が日本で働くことを厳しく制限してきた入管法の改正に踏み込み、その法案が早くも今年四月から施行になる、という変化だ。
しかしこの改正には、移住労働者を受け入れるとしつつも、移住者を安価で無権利な労働力として都合よく利用し、使い捨ててきたこれまでのあり方が基本的に踏襲されているとして、当事者を含めて多方面から強い批判が殺到した。しかし法案採択は、それらの批判を正面から受けとめ国会審議として検討することもない、まさに強引で粗雑なものだった。指摘された多くの問題点への対処を丸投げされたこの法案の管轄省庁である法務省が、現実には現場で起きている具体的問題にはほとんど実務経験がないことも、今後に大きな不安を残している。
結果として今年四月から現実には、移住者の生活に関わるさまざまな問題や人権への懸念を積み残したまま、多くの移住労働者が日本にやってくる。それは、移住労働者の権利確立を求め闘ってきたマーチ・イン・マーチにもまた、これまでの経験を生かし、新たな仲間を迎え入れあらためて闘いを組織するという、大きな課題を提起している。そして先のフォーラムが、日本の移民政策をあらためて問い質し、多民族・多文化共生社会をつくりあげる議論を民衆の側から作り上げようと準備された(二月二三日に準備フォーラム開催、本紙三月四日号参照)。その意味で今年のマーチ・イン・マーチは新しい運動のステージに入ったと言えるのだ。

二〇〇万人超え
た外国籍移住者
歌や踊りの発表も組み込んだこの行動は、さまざまな異なった文化的背景の中でともすれば分断されがちになる移住者が一堂に会し、互いを知り合い交流を深める、そして立ち上がり声を上げる仲間の存在からあらためて力を得る貴重な場ともなってきた。その意味で活気に加え楽しさも溢れる行動、天候に恵まれれば言うことなしだ。残念にも今年は、冷たい雨が降り気温も真冬並みというあいにくな天候だったが、それでも満を持して駆け付けた移住労働者、闘いを共にしてきた日本の労働者が、最終的には約二〇〇人の例年に劣らない力強い行動を作り上げた。
まず第一部とも言うべきコンサート集会が定刻通り、けんり春闘全国実行委員会共同代表の渡邉洋全労協議長の主催者あいさつから始まった。渡邉さんは、この行動の主役は外国籍の仲間だが、入管法改正が心配なことをたくさん残していると指摘した上で、働くことが粗末にされる社会、息苦しい社会を変えたいと決意を述べ、移住者が生き生きと暮らせる社会をめざそう、と呼びかけた。
移住者と連帯する全国ネットワークの仲間は、二〇一八年末で日本に暮らす外国籍移住者が二六〇万人を超え、日本がとうの昔に多様な文化が隣り合う社会になっているのに、それらの人々の権利と文化が保障されていないと指摘した上で、教育や介護からヘイトまで移住者が直面する問題のすそ野が広がっているにもかかわらず、今回の入管法改正でも使い捨て受け入れが続いている、と現状への強い警戒感を明らかにした。その上で、都合のよい利用ではない労働者としての受け入れ、多民族・多文化・共生の社会に向けた動きを私たちで作り出していこうと力を込めて訴えた。

誰もが生き生き
暮らす社会へ!
闘う仲間からのアピールは全統一労組のモンゴル人技能実習生、JAL争議団、さらに東京労組に結集するユナイテッド航空の労働者が行った。特に全統一労組の仲間は、プレス工場で二年半働いたが、突然解雇・帰国を言い渡され、労組に相談し解決をめざしている、法律が分からない移住者には保護がない現実がある、安心して働ける社会が必要だ、と痛切に訴えた。そしてこれらの発言をつなぐ形で、歌や踊りが披露され、会場を楽しませた。特に神奈川シティユニオンの仲間は全員が舞台に上がり、各地の闘争ではおなじみになっているスペイン語のインターナショナルやベンセレモスを高らかに歌いあげ、会場を盛り上げた。またプロの演者である稗田隼人さんのギター演奏は、寒さで指が回らないと会場を沸かせながらも、その質の高さで違う形の感動をもたらした。
最後は今では定番となった日系ブラジル人によるサンバ演奏と踊り。会場は、舞台上の踊り手にならい、サンバ隊の歯切れよいリズムに体を揺らす。そしてそのままデモへ、これが本来の手順だ。しかし今年は強雨、サンバ隊の太鼓を外に出せない。結局、宣伝カーの中で太鼓を打ちマイクを通したリズムでデモを先導する、という窮余の策がとられた。
そしてマーチ・イン・マーチのデモは、冷たい雨をものともしないサンバの踊り手を先頭に、さまざまな旗やプラカードを掲げ雑踏の御徒町を押し進んだ。その雑踏のかなりの部分は今では外国人観光客。このデモがひときわ注目を引いたことは言うまでもない。
誰もが生き生きと暮らせる社会へ、ごまかしに満ちた入管法改正という新たな現実が、たとえば最低賃金の全国一律化と大幅引き上げを含んで、日本人、移住者の一体となった闘いのうねりを求めている。(神谷)

3.4  

正社員化と均等待遇の実現へ

非正規の仲間たち先頭に
郵政本社前でアピール

 三月四日午前一一時半から、郵政本社前で「正社員化と均等待遇を求める行動」を郵政リストラに反対し労働運動の発展をめざす全国共闘会議が主催して行った。冷たい雨が降り続く中、郵政労働者ユニオンの非正規の仲間たちが全国から集まった。
 郵政労働者ユニオンの日巻委員長が主催者あいさつを行った。
 「一一時から非正規職の組合員三人が、均等待遇と正社員化を求める署名二万八〇〇〇余筆を本社に提出した。これまで、二九万一六六三筆を届けた。二〇〇七年一〇月の民営化から一一年、株式上場から三年そして昨年本社移転した。この間、働き方改革が言われるが、人手不足、土曜日配達の中止が課題として出され、郵便局の廃止計画もあるとされる。これ以上のサービスの低下を許さない。労契法20条裁判で、東京・大阪の非正規の仲間一一人が原告で闘っている。東京高裁・大阪高裁で不合理な格差の是正判決が出た。地裁判決より一歩前進の判決だ。同一労働同一賃金を求めて最高裁の闘いに絶対負けられない。19春闘で、全国の非正規職の待遇改善を求めて闘う。八時間労働で生活できる賃金と希望を持って働ける職場を作り出そう」。

私たちを人間
として扱え!
次に全国から駆けつけた非正規職の仲間が発言した。大阪、「二〇一四年に提訴し、二〇一八年に地裁判決、今年に高裁判決が出た。年末年始手当や夏期休暇、病休を認めた。しかし扶養手当を地裁は認めたのに高裁は認めなかった。また、勤続五年以上を分けて分断する判決でもあった。均等待遇を勝ちとるまで闘う」。東海、「憲法25条は生存権を認めているが、それは正社員に対してだ。私たちは人間扱いされていない。郵政会社は一一兆円の内部留保金を抱えている。そしてこんな大きな本社ビルを建てた。こんなカネがあるのなら私たちによこせ」。
神戸、「私は非正規で一二年間働いている。正社員登用試験を受けたが落とされてきた。非正規の私たちがいなければ郵政職場は仕事が回らない。勝利に向けてストで闘っていこう」。
高知、「一八年間集配で非正規で働いている。正社員試験を受けたがダメだった。私たちは半人前の仕事しかしていないのか。安価に利用するために非正規で使われている。不安定の身分を改善し、希望を持ちたい。全員の正社員化を。正義はわれわれの側にある。団結していこう」。
広島、「非正規の仲間は低賃金、待遇が悪くあえいでいる。きちんと考え直してほしい。一五〇年前の郵便制度の発足にあたり、公共のためという気概があった。それを思い出すべきだ。すべての労働現場にたくさんの光が届くように、新たな時代の扉を開こう」。
続いて、全労連、全労協から連帯のあいさつが行われた。最後に、集会アピールを採択し、本社に向けて要求をぶつけるシュプレヒコールを行った。  (M)

3・4郵政本社前集会アピール

 「非正規差別を許さない」「希望者全員の正社員化を」…この当たり前の要求を獲得するために、私たちは毎年、ここ郵政本社前に集い、声を上げてきた。だが今年、この集会はこれまでにない特別な意義を持つものとなっている。
東日本で3名、西日本で8名の郵政ユニオン組合員である非正規社員が自ら原告として立ち、正規・非正規を超えた職場の仲間から、地域の仲間たちが連帯し全力で支えてきた郵政労契法20条裁判が、東京・大阪両地裁に続き、両高裁でさらに大きな前進となる画期的な勝利判決を勝ち取った、まさに歴史を切り拓く瞬間に私たちは今、立ち会っている。
私たちは今日、まず第一番に日本郵政グループ各社に伝えなければならない。司法は、郵政の職場における給与や休暇をめぐる規定のいくつかに対して、法に反していると判断を下した。会社はこの事実を真摯に受け止め、直ちに改善に取り掛かり、職場の正規と非正規との格差解消に努めなければならない、

 全国共同会議は今年も春闘アンケートをとりくみ、多くの非正規労働者の声を集約した。要員が足りない、賃金が安い、そして正社員との格差を訴える声が、毎年、途絶えることなく上がっている。この声は今、日本全体を包囲し、戦後最悪というべき安倍政権の下ですら、同一労働同一賃金を言わざるを得なくなっている。ガイドラインの中では、非正規社員の処遇改善と引き換えに正社員の処遇を引き下げることを明確に否定している。
にもかかわらず日本郵政グループは、昨年の春闘で、他のどの産業も企業も思いつかなかったようなやり方で、悪しき前例を作った。正規と非正規との間のみならず、正社員同士、非正規社員同士、それぞれの中にも格差と分断を持ち込む会社のやり方は、職場から夢を、働く誇りを奪うものだ。今春闘で再びこれを繰り返すことは、いまだ政府が多数の株式を保有する企業として断じて許されない。そして私たちは、それを決して許さない。

 今、全国には2000万人を超える人々が非正規雇用という厚い壁の中に追い込まれ、差別と貧困を強いられている。私たちはこれまでも、この課題に正面から立ち向かってきた。そして今日までに、多くの成果を勝ち取ってきた。このことに自信と確信をもって、これからもあらゆる攻撃を跳ね返していこう。
すべての非正規労働者と連帯し、この集会の名のもとに、社会を取り巻く状況を打ち破る行動の先頭に立とう。正規・非正規の別なく、すべての労働者、市民の生命とくらし、権利を守り、生きる誇りを取り戻そう。未来へ向けて固く団結し、19春闘をたたかい抜こう。
2019年3月4日

郵政に働く非正規社員の均等待遇と正社員化を求める本社前集会参加者一同


もどる

Back