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    かけはし2019年3月18日号

フェミニスト・スト欧州中に


女性

3・8国際女性デー

女性の前進が欧州を揺がす
新世代含む新しい層が合流

ライア・ファセト

  二〇一六年、ポーランドの女性が、生殖の権利の防衛と中絶の合法化を守るためにフェミニスト・ストライキに打って出た。数ヵ月後アルゼンチンの女性たちが、女性殺人に抗議してその国を止め、数ヵ月後最初の国際女性ストライキを求める呼びかけへと進んだ。伝染は拡大中だ。はやくも二〇一八年には、スペインでのフェミニスト・ストライキがその日の大きな驚きとなった。そして今年、このストライキが欧州の中を貫くことになった。
 このフェミニストの侵入は、社会的で経済的な不平等をあらわにし、またそれを悪化させた緊縮政策の一〇年後にやって来ている。もちろん、これらははっきりしたジェンダー的影響を及ぼした。以前の一時期の私有化進行や公的部門削減に反対する闘争が、特に医療、教育、社会的サービスに関し、さらに清掃やケアといった高度にフェミニズム化された労働分野での闘争が、近年のフェミニスト運動で取り上げられている。
 しかしながらこれらの危機は、国家が用意するものの削減や私有化で残されたますます深刻化するギャップを埋め合わせて、生殖やケアの重荷の大半をになっている、移民女性の内部に特に痛切な影響を及ぼしてきた。国ごとに異なった強さをもちつつも、フェミニストの論争における移民女性の存在は、すでに議論の余地ない、また消すことのできない事実になっている。一つの国から別の国へ、スペインからベルギーまで、諸権利をもつ権利に対する要求が中心の位置を占めている。もっとも権威主義的で反動的な右翼の脅威を高めるブームに対し、フェミニズムは必然的に、反レイシストのやり方で大きな声を上げなければならない。これは当然にも、移民と欧州に存在している急進化した女性の諸組織への参加、そしてその建設を伴う。
 まさにその同じ権威主義のブームは、女性、トランスの人々、LGBTI+の諸団体の自由と権利に対する攻撃を近年開始した。その諸々の攻撃は結果として、これら同じ層の対抗、政治化、また決起を引き起こした。われわれはこれらの闘争の内部で、もっとも重要な決起の事例を示すものとして、ポーランドとアイルランドにおける中絶と生殖に関わる権利を求める闘争を特筆できる。
 性差別暴力に対決する闘いは明白に、欧州を含む世界的な規模で、急進化の一つの媒介物になっている。この対立は、新世代の一全体がフェミニズムに参入することを促進してきた。求められている変革の中で中心にあるものは、暴力の集団的かつ構造的な性格に関わっている。暴力を親密さの中での、個人的な、家族内の問題……と考えた、そうした一つの呪文が何十年も続いた時を経て、このフェミニストの闘争局面が、暴力の体系的で構造的、そして政治的な性格を暴き出した。この闘いは、ドイツやフランスを通過しイタリアからデンマークにいたるあらゆる欧州諸国で特に繰り返されている。欧州におけるフェミニスト運動は諸々の決起を計画中であり、具体的な諸要求を擁護している。
 今年の三月八日に呼びかけられたストライキへの反応は、常に正確さを欠くとはいえ、欧州のフェミニスト運動の状態を示す、一つのスナップ写真になるだろう。われわれは、大陸全体では運動の発展は不均等だとはいえ、今年はさらに多くの国が当日のフェミニスト・ストライキを組織するだろう、と断言できる。フェミニストたちは、新しい層の女性たちがフェミニストの闘争に加わるようになっている、ポルトガル、ベルギー、スイス、あるいはドイツを含む各地で、二〇一九年三月八日のストライキ呼びかけに乗り出した。さまざまな欧州諸国に対するこの呼びかけの広がりは、フェミニスト・ストライキの成功に関しスペイン内部でわれわれがもっている期待では、鍵を握る役割を果たしている。
 今年はEU議会選が予定されている。したがって、自律的なフェミニスト運動を拡大し育成することが、極右の成長によって予想可能な権威主義からの攻勢に立ち向かうための不可欠なネットワークを築き上げる上で、基本となるだろう。おそらく今年の三月八日は、フェミニストの前進を前にして欧州が身震いする。

▼筆者は、スペインのアンティカピタリスタスのメンバー。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年三月号) 

スペイン

ポデモスはどこへ行くのか

悪い政策とは絶縁の決断を

ブライス・フェルナンデス

 スペインの新しい左翼として国際的に注目されているポデモスに路線をめぐる混迷と内部的な危機が進行しているようだ。マドリードのポデモスで活動する第四インターナショナルの同志が、以下でその現状を解説すると共に、新たな道への踏み出しについて論じている。(「かけはし」編集部)

ポデモス破裂は
不可避的だった


 マドリード市とそのコミュニティにおけるポデモスの破裂は、その選ばれた時期で一つの驚きとなったが、しかし何らかの情報に最小限度であれ触れていた観察者に対しては、それはその状況の形で暗に示されていた。現在もっとも素朴な者、あるいは悪意ある敵対者は、マドリードの左派の恥ずべき危機によってショックを受けているふりをしている。しかし、われわれがここ数年に起きたいくつかの政治的できごとをざっと見た場合、起きたことすべては「脱線」や「ちょっとした間違い」ではなく、全体としての軌跡の論理的かつ不可避的な結果であることを理解するだろう。
 それは、二人の友人が戦闘中にある「心理劇」でも、権力をめぐって精彩を奪われた単なる官僚政治の紛争でもない。とはいえそれは明らかにそういうものでもあるとは言える。いずれにしろそれは、この国の政治変革に向けた一つのサイクルの終わり、ということだ。
 われわれは、私見では、この状況を生み出すにいたった原因を三点選ぶだろう。そして、われわれがそれらを理解できるならば、それらはわれわれに、新しい基盤と新しい展望に基づいて、新しい道を始める手掛かりを与えるだろう(注一)。

党とは異なる
専制的官僚機構


 第一はポデモスそれ自身だ。ポデモスは党ではない。つまりそれは、その語の歴史的な観念における党的構想としては破綻したのだ。党は、その近代的な観念では、市民社会の中に根をもち、一つの綱領あるいは長期的な政治的諸目標を軸に階級諸部分の支持を結集する、階級と組織された階級の諸分派を「代表する」諸グループだ。
 しかしポデモスは、異なった社会についての構想をもっていない。思うに、人々は今日あるものとしてしか社会を想像できない、という理由で。ポデモスは組織された社会的基盤をもっていない。明らかに、天を襲撃するためには、人は地を踏む足をもつ必要はない、という理由で。
 党以上のものであるポデモスは、あり得たであろうものと現にあるものの間で混乱したやり方で揺れ動く、さまよう機構だ。つまりそれは、多元主義の欠落が、違いの解決が策謀や術策や不実な行動を基礎に行われる、ということを意味する、ある種の専制的体制なのだ。
 しかし解放を追求する諸伝統を一つに還元することはできないという前提に立つ多元主義は、単純化できない一つの現実だ。それは、われわれが切望する統一を接合するただ一つの方法なのだ。

指導者の見解
が何より優先


 第二に、集団による合意が、「指導者たち」の特定の見解や気まぐれのために、何度も無視されてきた。マヌエラ・カルメナ(マドリード市長、法律家で最高裁名誉判事:訳者)の事例はおそらくもっともはなはだしい。
 その背後に多くの知恵を伴った協力と参加型の綱領はこの市長によって、ある種の「提言」リストとしてあっさりと片付けられた。信じ難いことは、この変形版のいずれにおいても、これをポデモスの官僚機構が受動的に受け入れていることだ。要するに、マドリード市議会を勝ち取ることを可能にした推進力を動員することよりも、「カルメナ・ブランド」の方がもっと重要だったのだ。
 しかしもっと多くの事例がある。たとえば、ラモン・エスピナルはアンティカピタリスタスとの合意の下で、予備選に勝利した。そしてその合意は、「統一的」で変革力を秘めた工程表を含んでいた。しかしそれは、勝利の二、三ヵ月後、説明なしに放棄されたが、それは、マドリードのコミュニティに対する一候補者としてエレホン(パブロ・イグレシアスと指導路線で対立してきたポデモスの指導者:訳者)を「落下傘で降下させた」ことで頂点に達した作戦だった。
 あるいはパブロ・イグレシアスは、反PSOE(現政権党の社会労働党:訳者)演説でビスタレグレU(事実上の第二回党大会:訳者)で勝利を得たが、その後彼のライバルであるエレホンが練り上げた戦略を取り入れた。「マス・マドリード」(今年のマドリード地方選に向けた、マヌエラ・カルメラを中心に据えた選挙プラットホーム:訳者)は、指導者たち、公的な人物たち、中枢の組織官僚たちの気まぐれと恫喝を基礎に置いた最新版の政治運動だ。他方でそこにはかつて同様、一候補者としてエレホンを押しつけるパブロ・イグレシアスの「指紋」がある。

15Mと決別し
中道左翼へ?

 第三に、ポデモスの深い変質的転換は、不可避的に道筋に分岐点をつくり出さざるを得なかった。マヌエラ・カルメナとイニゴ・エレホンは、体制への統合を追求するもっとも首尾一貫した左翼の一部を代表し、体制の政治に刻印された伝統的な分割線(漸進主義的復帰/保守的逆コース)を受け入れている。そしてこの左翼部分は、憲法に関わる展望をすべて放棄することを選択している。すなわちそれは、可能な唯一のものとして現行の政治―経済枠組みを受容し、他の条件における政治戦略の定式化を放棄する、ということだ。 不幸なことだが、公的諸関係に関する「多数派」というレトリックの支配的影響力は、新たな一つの政治的階級がもつ特定の利害のためにのみ機能する一層狭くなる枠組みを受け入れる形で、民衆の大望に深い後戻りを引き起こすことになった。
基本的な問題は、あらゆる策謀と官僚的漂流が一つの使命に対応している、ということだ。その使命こそ、15M(総会、総意、急進的改良主義綱領)に新しい政策を結びつけている実体的つながりを取りのぞくことであり、メーデーが大労組の官僚たちにとって意味しているものに似た何かに、つまり政治的意味をまったくもたない一つのイベントに、15Mを転換することなのだ(注二)。
エレホンの策動とポデモスの州レベルの指導部がもつ全政治・組織路線両者共が、先の結びつきで残っているものを取り除く最新のもくろみになっている。
エレホンの運動には疑いなく一つの政治的背景がある。つまりそれは、この転換を中道左翼に抜本的に向けることに、またポデモス指導部(ちなみに彼らの間には、基本的な政治的一致がある)に対してだけではなく、IU(共産党と他の左翼の連合である統一左翼:訳者)やもっと左の立場に立つ他の諸部分に対しても、完全な自律性を得ることに関わっている。
それは、マヌエラ・カルメナがアホラ・マドリード(前回のマドリード地方選でマドリード市政を勝ち取った、ポデモスを中心とした選挙連合:訳者)を清算し、マス・マドリード構想を発足させ、ガネモスに結集するグループ(IU、アンティカピタリスタス、あるいは今ラ・バンカダに結集している地方自治体議員)と関係を断った時に行ったこと、に似た策動だ。

現指導部とは
決裂が不可欠

 今や原理的な問題が現れている。つまり、この分かれ道にどう対応すべきか、だ。私見では、原理的な論争は左翼の未来に関するものではない。それは、制度政治の独占権をネオ漸進主義の中道左翼が掌握しているという状況をわれわれが受け入れるかどうか、あるいは、一つの国家構成体に打ち込んだ楔をマドリードで維持しようと挑むべきか否かだ。そのことで、スペイン資本主義の多重的危機の常態化、極右に向かう特権的諸階級の急進化、そしてこの間の年月われわれが感じてきた「攻勢」の推力を動員することの終わり、それらを特徴とする新しい時期に、もっとよい環境の中で立ち向かうことをわれわれに可能とする綱領に挑戦し、それを苦心して作り上げるべきか否か、だ。
私の考えでは、明らかにわれわれは、前述の選択肢に向け曖昧さを排除して進まなければならない。その前提は、この再構成が惨状にわれわれを導いた同じ人々には率いられない、ということだ。ポデモス指導部は、マドリードで一つの構想を仕組むにいたり、幅広く、活力があり、断固とした活動家の基礎を欠く中で、悲惨に破綻し、他の諸部分に対し、政治的日和見主義と組になった恐るべき傲慢さでふるまってきた。
彼らの軌跡、および彼らの破滅的な、また一貫性のない政治路線の結果は、彼らが何かを指導することを不可能にしている。そしてわれわれは、彼らには指導の役割があるという考えを、これを最後にきっぱりと終わりにしなければならない。その考えは、以前の政治的段階における彼らの役割に基づいた幻想だ。この分派が先導した仮説すべては破綻を運命づけられている。

左翼的選択肢
をより豊かに


マドリード市議会とそのコミュニティの多くの町における具体的な連携の形をとった新しい立候補者という萌芽は、アホラ・マドリードの「批判的な」自治体議員六人の経験の中にある。IU、アンティカピタリスタス、そしてラ・バンカダは活動家のネットワーク、および立候補を推し進める組織的能力を保持している。そしてその立候補は、現在の時期が導いているように見える社会的悲惨と組になった、あきらめ、シニシズム、上意下達主義、政治的常態化、に対置された新しい空間の萌芽だ。
どのように進むか、を含んで、特に透明で比例的な予備選のような、多元主義的で協同的な組織的手法を中心に、これを可能にする綱領的な合意がいくつかある。そこにはまた、活動的な要素として、小さな活動家のエリートの外側にいる、居住地区、諸運動、諸闘争に結合した勤労民衆を合体する必要に関する合意もある。ポデモスは彼らを合流させることはできたと思われる。しかしそれは、彼らの規則を押しつけなければ、ということだ。剣による支配はとうに過ぎ去ったのだ。
われわれは、現在の情勢をめぐる多くの人々の懸念に敏感でなければならない。統一を求める懸念は理解できる。教訓は苦痛に満ちているとはいえ、われわれが左翼的選択を改善する可能性を確保する分岐は、必ずしも悪いニュースではない。つまりわれわれは、もっと多くの票を集める可能性を得、同時に、情勢に対処するさまざまな構想があるという事実を、標準に戻す可能性を得るのだ。
官僚機構や一人の指導者に、それが強襲によって天を奪い取ると約束しているとしても、指揮権を委任したり譲り渡さないということは、挑戦を続行するという問題、しかし数々の教訓を学ぶという問題なのだ。諸々の全体会合、行動主義、そして社会変革の綱領の復帰を可能にしよう。それこそが、この暗い時期に分解を避ける最良の保証だ。

▼筆者は、マドリードにおけるポデモスのアンティカピタリスタス活動家。
(注一)マドリードのポデモスの指導的人物は、現職市長との間で一つの連合を形成するために、ポデモスとの関係を断った。
(注二)15Mとは、二〇一一年五月一五日に爆発したインディグナドス運動を指し、この運動は、ポデモスの出現に向けた諸条件創出に力を貸した。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年二月号)

朝鮮半島通信

▲27日、28日の両日にベトナムのハノイで開催された米朝首脳会談に出席した金正恩朝鮮労働党委員長は3月1日、ベトナムのグエン・フー・チョン国家主席と会談した。2日にハノイを鉄道で出発し、3月5日に平壌駅に到着した。
▲韓国軍合同参謀本部と米韓連合司令部は3月3日、中止が決定された合同指揮所演習「キー・リゾルブ」に代わる演習を韓国語の名称「同盟(トンメン)」で、演習期間を短縮した4日から12日まで実施すると発表した。
▲ソウル高裁は3月6日、収賄や横領などの罪により1審で懲役15年などの実刑判決を受け、その後控訴した、李明博元大統領の保釈を決定した。
▲韓国の大法院が三菱重工業に元朝鮮女子勤労挺身隊員への賠償を命じた確定判決について、原告の弁護団は3月7日、韓国内にある同社の資産差し押さえをソウル中央地裁に申請した。
▲韓国大統領府は3月8日、南北朝鮮関係を担当する統一相に統一研究院の金錬鉄院長を指名すると発表した。
▲3月6日に公表された国連の報告書「欠乏と優先事項」によると、朝鮮の昨年2018年の食糧生産は、前年比で9%減であった。過去10年間で最低の数値を記録した。


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