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    かけはし2019年4月15日号

日米の対中国共同作戦やめろ


3.22

アジア連帯講座 公開講座

自衛隊南西シフトの狙い

琉球弧を再び戦場にするな

 三月二二日、アジア連帯講座は、小西誠さん(軍事ジャーナリスト)を講師に招き、「自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態」をテーマに講座を行った。 
 開催にあたって司会は、「急ピッチで進行している南西諸島への自衛隊配備、新基地建設について、その意図するところがどういうところにあるのか。この自衛隊配備が具体化したのは、二〇〇九年の鳩山民主党政権の時だった。防衛省内文書で明らかとなった。二〇一〇年、菅政権の時に新防衛大綱で具体化され、与那国島の配備(二〇一六年三月二八日開設)を強行した。三月一日には、石垣島で基地建設に向けて旧ジュマールゴルフ場の造成工事を着工した。自衛隊配備によって住民の分断、生活が破壊され、さらに基地建設によって赤土が海上に大量に流出し、サンゴが破壊されるということも報告されている。三月二七日には宮古島、奄美大島で自衛隊新基地が運用される。車輌、人員が到着している。一連の自衛隊配備、基地建設の意図を正しく把握し、ヤマト・本土で配備反対運動を大きく作り切れていない現状も見据え、現地と結びつきながら少しでも止めることができるか。そのステップとして企画した」と発言。
 小西さんは、現地取材で撮影した二二〇枚の写真をプロジェクターで映し出しながら、@「東シナ海限定戦争」を想定する「島嶼防衛戦」 A与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、種子島(馬毛島)への自衛隊配備 B沖縄本島の自衛隊配備 C日米共同作戦態勢の実態、について提起した。
 最後に司会は、「琉球弧自衛隊配備反対アクションが明日、『石垣島工事着工・宮古島&奄美大島基地運用開始を許さない―自衛隊新基地はあってはならない3・23アクション』を行う。首相官邸前で抗議の声を上げていこう」と呼びかけた。          (Y)

小西誠さんの講演要旨 (上)

エア・シー・バトルとは何か

中国封じ込めの軍事作戦

対中国の日米
共同作戦体制
米政府は、二〇一〇年QDR(四年ごとの国防計画の見直し)で「統合空海戦闘構想の開発」を打ち出し、エア・シー・バトル(JABC)の統合部隊による中国への縦深攻撃を想定する。つまり、エア・シー・バトルはアメリカによる中国への「対抗的封じ込め戦略」であり、「陸海空・宇宙・サイバー空間における統合作戦」であり、米軍の新冷戦戦略ともいうべきものである。
そのうえで実際の作戦として策定されたのが、A2/AD戦略(アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒否であり、実体化したのがオフショア・コントロール戦略だ。ポイントは、@抑止力と信頼性の増大A核エスカレーションの可能性低下B紛争終結の可能性が高まるC平時のコストを低減D中国に武器システム最大距離で戦うことを強制E米国の海軍力発揮が可能と設定している。つまり、中国軍と米軍の死傷者を少なくし、経済的後退にむけた圧力を行使していくことにある。
このオフショア・コントロールに基づいて自衛隊に対して「拒否的抑止戦略」(DBD)と「島嶼防衛戦略」を担わせることにある。すでに日米安保共同宣言(一九九六年)、日米防衛協力のための指針改定(一九九七年)から新ガイドライン、中国封じ込め政策を軸にした日米安保再編に動き出していた。連動して防衛省・自衛隊は、「統合幕僚監部『日米の[動的防衛協力]』について」(二〇一二年)を策定し、「対中防衛」を軸にした南西シフト態勢を初めて明記する。
この延長においてトランプ政権は、中国を米国の覇権に挑戦する最大の脅威とみなし、そして、中国とロシアとの『長期的な戦略的競争』に備える体制に転換するという方針を打ち出した。米新軍事戦略下のうえで安倍政権の「インド太平洋戦略」が設計され、対中抑止戦略を米と共同して、その先兵を担うことなのである。それは南西諸島におけるミサイル部隊配備にとどまらず、沖縄本島への水陸機動団一個連隊の配備、在沖米軍基地が自衛隊との共同運営さえも射程にしていた。
要するに、在沖海兵隊の司令部、戦闘部隊のほとんどは、グアムなどへの移駐を決定しているが、この米海兵隊の穴埋めを狙っているのが、水陸機動団ということだ。このような総戦略のうえで南西諸島シフトと日米共同作戦態勢が現在進行している。このプロセスについて、マスコミや反戦運動の関心が薄いのが現状だ。

 与那国島では

 二〇一六年三月二八日に与那国島に自衛隊が配備された。第三〇三沿岸監視隊一六〇人、空自移動警戒隊約五〇人。「兵站施設」(巨大弾薬庫)配備の位置づけだが、正式には事前集積拠点という。武器、弾薬などを事前に集積する。
さらに「情報保全隊(旧調査隊)」と「警務隊」の配備も公表した。大部隊の配備を想定して配備されたといえる。対住民情報などの調査活動は行う。
しかし、これだけにとどまらずミサイル部隊も配備されるだろう。防衛省文書には、機動展開として配備すると書いている。常駐はしないが、いざとなったら本土から部隊を送るということだ。こういう部隊配備を許したら、どんどん増殖する。与那国は、一六〇人だが、五〇〇から一〇〇〇人へと膨らむだろう。その兆候として、情報公開でわかったが、防衛省は頻繁に現地を訪問し、土地売買、住民対策をしている。

 石垣島では

自衛隊基地建設に向けて三月一日、旧ジュマールゴルフ場の造成工事を着工した。土地は幸福の科学の市会議員のものだったが、防衛省が買収した。一九年度以降、約六〇〇人規模の警備部隊と対艦・対空ミサイル部隊を配備予定だ。だが、防衛省の「「機動展開構想概案」では二〇〇〇人規模の部隊を投入すると明記している。だから当初計画の約六〇〇人規模はうそだ。また、石垣島を実際の戦闘現場と想定し、自衛隊の戦力などを検討していたことも分かっている。
現在のところ基地建設予定地の全体は買収されていない。基地建設反対派の土地がまだ残っている。住宅地、最良の農地がある。石垣空港反対闘争の三四年間の歴史があり、簡単に基地建設が進むとは思わない。

宮古島では

 自衛隊の南西諸島への配備は、二〇一〇年から始まっている。電波傍受施設が建設されていた。これは早い時期から対中国シフトのうえで配備していたと考えられる。二〇一七年には、新型のレーダーが作られた。
さらに野原(のばる)岳の手前に、航空自衛隊基地が作られた。宮古島に八〇〇人規模で警備部隊と対艦・対空ミサイル部隊を配備、ミサイル指揮統制部隊約二〇〇人を配備予定だ。
宮古島の闘いで重要なことは、孤立しながらも大福地区に予定されていた駐屯地を中止に追い込んだ。宮古島は、山がない、川がない平坦な島だ。水はサンゴ礁の地盤の下に溜まる。地下ダムを造り、水をあげて供給している。この水源を守るために中止に追い込んだ。
基地建設は三月一日に着工されたが、真相は環境アセスメントを逃れるためにあわてて強行着工した、ということだ。
これは宮古島の住民運動が中心になって沖縄県に二〇ヘクタール以上の自衛隊基地を環境アセスメントの適用対象にしろと運動して、沖縄県が認めた。その結果、四月一日から沖縄県の二〇ヘクタール以上の基地建設予定は、環境アセスをやらなければならなくなった。だから自衛隊は、石垣島の基地工事を着工した。さらに市城辺保良(ぐすくべぼら)地区の基地予定地を一九ヘクタールにせざるをえなかった。
三月四日には、一〇〇台の装甲車をはじめ自衛隊車輌が入ってきた。住民は阻止行動を取り組んだ。さらに、まだ半分もできていないことだ。千代田地区に警備部隊が入ってきたが、ミサイル部隊はまだ入っていない。鉱山跡地の市城辺保良(ぐすくべぼら)に弾薬庫などの配備を発表(二〇一八年秋)し、測量入札を開始している。問題は、ミサイル弾薬庫の近くに住宅地があることだ。こんなところに作るのは今までにないことだ。
宮古島では少人数でも連日抗議行動を続けている。三月二六、二七日、抗議が行われる。
(つづく)

3.24

沖縄の声を聞け!

止めろ!新たな土砂投入

首都圏大集会・デモに450人

 三月二四日午後二時から東京・東池袋中央公園で「沖縄の声を聞け 止めろ!新たな土砂投入首都圏大集会」が辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会の主催で開かれ、四五〇人が参加した。
 花輪伸一さんが「三月二五日から、南側三三ヘクタールの埋立てを予定している。強い怒りを覚える。新基地建設の断念を求める」と主催者あいさつを行った。続いて沖縄から、山城博治さん(沖縄平和センター議長)が「三月二五日から、第二工区の工事に入る。そのために、安和桟橋からの土砂の量を多くするために一日一隻体制を三隻にする。さらに、埋め立てに使うために別の場所で岸壁工事をやり、そこから土砂を運ぶ。必ず工事を止める、がんばりぬこう」と電話でアピールした。
 ストップ辺野古埋め立てキャンペーンの加藤さんが三月二二日、二五人で大林組への抗議情宣を行ったことを報告した。三カ月前から、毎日午後三時から五時まで首相官邸前で抗議のスタンディングを行っている沖縄出身者の四人が「負けられない気持ちになり、行動を起こしている。通りがかりの人が声をかけてくれたりもした」と報告した。警視庁機動隊の沖縄派遣反対住民訴訟の会が証人尋問に入った公判報告を行った。

先島への自衛隊
配備に反対を!
南西諸島への自衛隊配備反対を宮古島出身の鈴木さんが「下地―成田間の航路が開設され、土地バブルの状態が起きている。そうした一方で軍事要塞化されている。三月二日に、自衛隊の車輌百台が搬入された。それに地元の住民が抗議し、八時間ストップした。島は地下水に頼っている。その軟弱地盤に自衛隊の燃料タンクが設置される。事故が起きたら生活に重大な被害が起きる。弾薬庫や射撃場を作る計画があるが住民の反対でできてはいない」と指摘した。さらに「宮古島が先島諸島自衛隊の司令部になる。三月二六日に、三八〇人の自衛隊員が配備される。今後八〇〇人が常駐すると言われている。下地空港は軍民共用にされ、港は自衛隊の護衛艦が入るようになるだろう。見えない所で戦争態勢が整えられている。島の人にまかせるのではなく、自分たちの問題として基地建設に反対しよう」と訴えた。
最後に、埋められ連の尾沢さんがこの間の行動の報告と明日の投入に向けた官邸前座り込み、夜の集会について行動提起した。この後、池袋駅を一周デモを行い、「辺野古基地建設反対」を訴えた。     (M)



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