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    かけはし2019年5月20日号

米国・グアイドのクーデター策動を拒否する


米・ベネズエラ

ベネズエラ人に決めさせよ!

2019年5月5日
ソリダリティ全国運営委員会



米帝国の回帰を
許さない運動を

 ベネズエラでの政治的緊張が続いている。この四月三〇日にはクーデターの試みがあった。その試みは事実上不発に終わったように見えるが、危機はなおも続くと思われる。以下では、この四月三〇日の事態をめぐって、米国のソリダリティとベネズエラの二つの左翼組織から出された声明を紹介する。なおベネズエラの二組織は第四インターナショナルのシンパサイザー組織。いずれも「インターナショナル・ビューポイント」2019年5月号より(「かけはし」編集部)
 ベネズエラでの米国が後押ししたクーデターは、その一日目で線香花火に終わったように見える。しかしこの国は今もきわどい情勢にある。このクーデターの失敗はトランプ政権を、それ自身の「ピッグス湾」に向き合わせたままに残すと思われる。ジョン・F・ケネディーが一九六一年当時CIAが組織したキューバ侵攻を許可したこの「ピッグス湾」は、完敗の好例であり、米帝国主義にとってラテンアメリカにおける一世代にわたる不面目となった。
 二〇一九年のベネズエラは一九六一年のキューバとはまったく異なる。また世界もまた異なった場になっている。しかし、「あらゆる選択肢がテーブルにある」とのトランプ一味の公言は、体制変革のクーデターが音を立てて消えるとしても、ベネズエラ内での内戦、外国の傭兵を使った侵攻、経済封鎖、あるいは米軍の直接侵攻すらをも組織する、との明確な信号を送っている。
 これは、長く続いてきた米帝国の公式宣言、つまりラテンアメリカは意のままに搾取し支配すべき「われわれの裏庭」という宣言、への回帰だ。事実として、トランプの国家安全保障補佐官のジョン・ボルトンは、行動はベネズエラで止まることはない、と公然と言明してきた。つまり、キューバとニカラグアもまた、この半球で米国の指令を守らせるための進撃の標的なのだ。ワシントンの命令に従わない政権を破壊し不安定化しようする、この悪どい介入と米国の脅迫に反対する運動が緊急に必要だ。
 この例外的に危険な時に、民主党指導部からの反対表明が基本的にまったくないという事実は、恥であると共に完全に予測できることだ。ベネズエラでのトランプによるクーデター策動に反対する言葉を、民主党議会指導者の誰かが一語でも発したことを誰か見たことがあるだろうか(イルハン・オマル、ラシダ・トライブ、またアレクサンドリア・オカシオ・コルテス〈いずれも前中間選挙で初当選したムスリムと左派の議員:訳者〉を含む僅かの下院議員だけがこの策動に反対して公然と声を上げた。そして五月二日、バーニー・サンダースが「トランプ政権はベネズエラでの破滅的な軍事介入の脅迫を続けている。わが憲法の下では、議会だけが軍の使用を許可できる。われわれは、さらにもう一つの戦争に巻き込まれないこと、およびもう一つの地域を不安定化させないこと、を確実にしなければならない」とツイートした)?
 また、クーデターに向けたトランプの数ヵ月にわたる準備に対しても、民主党の反対はなかった。その準備には、何百万ドルにも上るベネズエラの原油収入の「暫定大統領」のフアン・グアイドに対する引き渡し、この国の資本市場利用を切断する制裁、さらに「人道援助」を称するあからさまな政治的操作が含まれていた。
 ラテンアメリカにおける米帝国主義は、実践における「二大政党協調」をはっきり示している。実際オバマ大統領の民主党政権とヒラリー・クリントン国務長官は、二〇〇九年のホンジュラスにおけるクーデターを歓迎した。しかしそのクーデターは、この中米の国を多国籍企業と死の部隊と麻薬カルテルの支配へと戻したのだ。そして二〇一七年にホンジュラスの民衆がその政権を退陣させる投票を行った際には、この選挙はあからさまな形で盗まれた――もちろん、トランプ政権による承認の下で――のだ。それこそが、家族全部を含む何万人というホンジュラス人が難民認定を求めて国を逃れ、今米国南部国境で監禁され続けている、その主な理由だ。
 モラー特別検察官報告後の数々の召喚状、聴聞、また弾劾に関するくだらないおしゃべりで埋め尽くされているうわべだけの「反政権派」メディアを見ても、「ベネズエラに民主主義を取り戻すこと」はグアイドを大統領官邸に置くことを意味する、との事実上の満場一致がある。ベネズエラでの右翼復帰を仕組むことがこの地域における民主的諸権利の、先住民衆の、また労働者階級の運動の将来に、実際何を意味することになるのか――あるいは、そのことで大胆になったトランプ一味が次に何をやる可能性があるのか――、その点での深い考えもまったくない。

クーデター拒否危機直視も必須


 フアン・グアイドは、マイク・ペンスが今こそそうすべき時と合図を送った時に、自らを「ベネズエラの暫定大統領」と宣言した。ニコラス・マドゥロ政権を打倒する「最後の一押し」という彼の四月三〇日の宣言もまた疑いなく、ベネズエラ軍が割れる機は熟した、という米政府の評価によって力づけられた。これは帝国主義のとんでもない計算違いだった、あるいはジョージ・W・ブッシュにそうした可能性があったように、力関係の「誤った過小評価」であった可能性が十分ある。
 進歩的あるいは民主的諸価値を奉じる誰にとっても、このクーデターの失敗を願う、また断固としてそれを求めることが基本だ。
 しかしそれは、今日のベネズエラにおける社会的、経済的、さらに政治的危機の深さを見ない、ということを意味するものではない。事実として、この衝突のどちらの側も政治的には強力でない。ベネズエラ左翼のある者が言明してきたように、「民衆はもはやマドゥロを求めていず、グアイドを選出した者も誰一人いない」。
 現政権に対する民衆的支持は薄く、グアイドの正統性の見せかけは大いに外国の諸政権から後押しを受け、そして真実のところ、ベネズエラ民衆の多くは、疲れ果て、生き延びるための日々の闘争で忙殺されている。ありそうな見通しは、米政権が民衆の苦しみと何らかの解決を求める捨て鉢を食い物にする中で、長引き、ずきずきと痛みが走るような闘いだ。
 ベネズエラの危機は、多様な十分に記録にまとめられている諸要素の産物だ。これらには、草の根の民衆的権力を内に抱え十分に根を張った諸制度と生産の労働者管理を発展させる点での「ボリバリアン革命」の失敗、結果としての官僚制と政権内の腐敗の成長、原油価格の崩壊、そして(経済専門家のジェフリー・サックスによって見積もられたような)ベネズエラ市民約四万人の死に力を貸した米国による残忍な諸制裁、が含まれる。
 クーデターの成功と米国が後押しする右翼政権は、諸条件が多数のベネズエラ住民にとって絶望的になったとまったく同じく、あらゆることをはるかに悪化させる――ベネズエラに対し、またラテンアメリカ全体に対して――だろう。メキシコとウルグアイの政府が平和的政治解決をもたらそうと追求し続けてきた中で、トランプ―ポンペオ―ボルトン一味は、アメリカ諸州のボスは誰かを示すために、米国が押しつける結論以外のあらゆるものを破壊しようと決意している。

米国―グアイドのクーデター粉砕! ベネズエラ民衆だけが彼らの未来を決定できる!

▼ソリダリティは米国における第四インターナショナル支持組織。
(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年五月号) 

ベネズエラ

陰謀図る者のワナに落ちるな!

2019年5月1日
マレア・ソシアリスタ

 われわれは、グアイド、ロペス、彼らの帝国主義の連携相手がもくろんだ軍事クーデターを拒否する。
 労働者階級は官僚制と資本の政治的指導部から自立したオルタナティブを必要としている。
 ベネズエラでは早朝からいつもとは異なる情勢が展開中だ。そこではフアン・グアイド、レオポルド・ロペスが、さしあたりカラカスのラ・カルロタ空軍基地から外に出たFANB(ボリバリアン国民軍)の小部分と共に、軍事的な蜂起を試みつつある。他方彼らは今、右翼の反政権派と不満をもつ民衆に、五月一日の決起に先立って反乱の決起を始めるよう求めている。この五月一日の決起は、彼らがマドゥロ政権とPSUV(統一社会党)への反対を呼びかけたものだった。
 マレア・ソシアリスタとしてわれわれは、この策動を拒否する。それが反民主的で押しつけられたものであり、その指導部が雇用主の利益に対応したものであり、それが真の指導部がトランプのそれである米国から助力を受けた行動であるからだ。帝国主義から押しつけられた政権はどのようなものであれ、労働者階級と民衆に利益をもたらすことは決してできない。このもくろみが万が一成功するならばそれは、ベネズエラ民衆だけではなくラテンアメリカの民衆全員に対しても一つの打撃となるだろう。
 労働者と民衆諸層には、われわれが経験中のメガ危機の犠牲者として、高度にいらだち、マドゥロ政権に反対する理由が多くある。マドゥロ政権はこの国を、悲惨になるばかりの状況に投げ込み続けてきたのだ。しかしわれわれは、伝統的な右翼の反政権派がどのように外国の介入に期待をかけているか、わが民衆に押しつける恐るべき諸計画をどれほど持っているか、また米国が指令した経済封鎖による住民絞め殺しに力を貸すことをどれほど気にかけていないか、これらをも見ている。
 われわれは、搾取階級に支配された、また暴動主義者のこの道に、われわれが苦しんでいる耐え難い経済、社会状況に対する好ましい結果を見出すことはないだろう。そしてそれこそが、労働者階級と民衆諸層がこの欺瞞に陥らないよう、また「兵士」として従わないよう、声を上げている理由だ。しかしそれは、闘いの放棄を、自立的な、社会的で政治的な領域でわれわれ自身の勢力を再建する必要のための闘いの放棄を意味するものではなく、われわれ自身を官僚制や伝統的ブルジョアジーに従わせることでもない。
 われわれはこのクーデターを強く拒否する一方で、この惨事にはマドゥロと官僚的―軍事主義的PSUV指導部の責任がある、とも断言する。したがってわれわれは、この国の運命を決めるために、また可能な限り早く緊急プランを適用するために、自律的に決起した民衆の直接的な参加に基づく民主的な解決を追求しなければならない。ちなみにその緊急プランは、われわれが何年も苦しみ続けてきた数知れない諸問題や急を要する課題の中でも、食料、医薬品、公共サービス、より良い労働条件、さらに抑圧への終止符、を求めて叫びを上げている住民の人道的必要を満たし始めるプランだ。
 われわれはまた、反政権派の暴動主義的冒険が概して、クーデター首謀者の責任追及以上に、政権の対応を基礎に、民主的自由の自由な行使に対するより悪化した条件とより多くの抑圧、をもたらすために利用されるとも警告する。なぜならば首謀者たちは彼らの銀行や企業から引き出せるマネーや米国政権の支持、さらに逃亡や避難の選択肢を持つ一方で、民衆は、生活諸条件の悪化や政権の抑圧をもって、最後に結果を負担する者になるからだ。
 われわれは疲れることなく、マドゥロとグアイドは悲惨、外国の利益を前にした国の主権の喪失、力あるものとビジネスマンの腐敗、操作され抑圧された民衆の大多数から見た本当の民主主義の欠落、これらを分かちがたく代表している、と言う。これこそが、われわれがこのクーデター策動を拒絶し、民衆の不満に対する操作主義的欺瞞に対決するよう彼らに警告し、さらに、今も統治しているマドゥロ―PSUV―軍の官僚制政権による飢餓政策への抵抗を、しかしわれわれの決起の能力を取り戻す階級的自立に基づく抵抗、を呼びかける理由だ。
 われわれは、クーデターに立ち向かう民衆決起の側にいる。しかしマドゥロ政権にはいかなる信を置くこともなく、それに対する警戒を引き下げることなく、ということだ。マドゥロ政権はわれわれの政府ではなく、民衆が必要としている政府は、真実の、自由な、主権をもつ全国憲法制定会議を通した労働者と民衆諸層の政府であるからだ。そしてこの制憲会議こそ、新しい基盤の下で国の再建を始める目的で、官僚と仕立て上げられた権力によって拉致されている、現在の偽の憲法制定会議を置き変えるものだ。
▼グアイド、レオポ、トランプのクーデターノー!
▼不満をもつ民衆をクーデター策動者のワナに陥れさせるな!
▼帝国主義者の介入ノー!
▼マドゥロを一切信用するな!
▼官僚と資本家のいない労働者階級の自律的な決起を!
▼労働者管理下での緊急プランを! 民衆とベネズエラの労働者階級の自律的参加を基礎とした真に民主的な解決を!

ベネズエラ

ファシストのクーデター糾弾!

2019年5月1日
LUCHAS全国書記局


 二〇一九年四月三〇日、ベネズエラの反愛国的かつファシストの右翼が、クーデターを通じて権力を奪取するというそのテロリズム的もくろみに再度失敗した。これは、レオポルド・ロペス、マリア・コリナ・マチャドその他が率いるブルジョア派閥に連なる多国籍資本によって始動させられてきた、グアイドのシナリオにおける進むばかりの消耗の一部だ。
 グアイドと彼の課題設定の敗北は、「民衆」に対する幼児視を理由とする民衆侮蔑に発している。ベネズエラブルジョアジーは、彼らを権力につけると思われる、労働者階級の一部における差し迫った社会的爆発のことを話す一つの物語を作り上げている。彼らは、二〇〇二年四月一三日の叙事詩を呼び出そうとしている。それは、憲法秩序を回復させ、チャベスを帝国主義者のテロリズムという窮地から救い出し、大統領を自称したカルモナを排除しようと、ボリオス(貧しい民衆を指す:訳者)が現れた時のことだ。
 そこにある違いは、グアイドが差し出すものが、多国籍資本の新自由主義的陸揚げ荷物一式、ということだ。そしてそれらは、社会的課題の破壊、前例のないレベルの労働者搾取、公共部門全体の私有化を意味するだろう、ということだ。
 人々は愚かではない。彼らは起きつつあることの多くに動転しているが、しかしわが国における資本の決定的な多国籍化に扉を開く、そうしたネオファシスト政権を後押しすることなど決してないだろう。
 グアイドとレオポルド・ロペスは失敗した。しかしそれは、彼らが彼らの課題を放棄した、ということを意味するものではない。「人民の意志」党の二人組がその反乱という課題を活性化している一方で、他のブルジョア派閥は、現在政府内にいる諸部分と交渉するアプローチを志向する主張と行動を前に進めつつ、階級和解という課題を日程にのせるべく奮闘している。この課題はもっとはるかに危険に見える。それには、この国における抵抗と階級闘争の創造力における歴史的な敗北を生み出すことが暗に含まれているからだ。
 ベネズエラ労働者階級の前にある現情勢における悪化は劇的であり、持続は不可能だ。最低賃金を四万ボリバルに固定するというこの五月一日の布告は、卵一パックがその半分を飲み込む中で憤激を生み出している。マドゥロ大統領は、最低賃金は石油名目価格の五〇%に等価となり、そこに調整されるだろう、と告げてきた。この言及から見れば、四万ボリバルは三分の一であり、それがあくまで参照額であることを暗示している。しかし、たとえ石油価格の半分であっても、四人家族がその賃金で食えるのは、辛うじて二日か三日にすぎないだろう。
 労働者階級と民衆は、それが本当に帝国主義諸国との衝突に関わるものであるならば、先のことを、またもっと多くのことを支持できる。しかしこれは、新たな政治的、経済的カーストの陣形を養い続けるための口実であってはならない。労働者が生きるための基礎的物品を買うことができない一方で、小さな「革命的」特定層が豊かさと消費の自己保証で満ちた生活状態を確保している、などということは無礼だ。それは許し難く反革命的だ。
 この諸々の決定的な時にあっては、政治指導部メンバーや閣僚は、もっともつつましい層の日常生活とその食事を身につけ、民衆と共に生活しようとしなければならない。今こそ生活モデルをあらためる時であり、そうでなければ人々は、もう一つの側に立って爆発するだろう。
 今はファシストの右翼に、しかし寄生的な官僚にも立ち向かう時だ。革命的かつ反抗的なチャベス派は、腐敗、官僚主義化、また方向喪失という主張を支える駆動力となる中で、ボリバリアン革命を支持し続ける。したがってこの日われわれは、この最低賃金指令は不十分であり、労働者階級が今日経験している状況に対し侮蔑である、と言う。

インフレに立ち向かうために今こそ賃金のスライディングスケールを!



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