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全国連絡会が院内集会       かけはし2006.10.16号

教育基本法改悪案を通すな

毎週火曜日の連続行動を積みかさね草の根反対運動の広がりを


 十月三日、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会は、衆議院第二議員会館で院内集会を行い、百五十人が参加した。
 与党は、安倍政権の教基法改悪強行路線にもとづいて衆院で教育基本法に関する特別委員会を設置(九月二十八日)し、十月十日から集中審議を開始しようとしている。自民党は、委員会委員長に森山眞弓(自民党、元文科省大臣)を配置し、町村信孝、海部俊樹、森喜朗など文教族、元大臣経験者を委員に入れている。改憲の前哨戦として位置づけている自民党にとって、天皇制と侵略戦争賛美、国家に忠誠を強要する教育再編の貫徹が長年の目標であった。
 委員会の委員メンバーを見ただけでも、なんとしてでも教基法改悪をなしとげようとねらっていることは明白だ。先の通常国会での委員会審議の強引な運営手法を踏襲しながら、臨時国会においても反対派意見を無視して打って出てくることが予想される。委員会審議を監視しつつ、国会外の反対運動を広げていかなければならない。
 全国連は、九月二十六日の国会前集会を皮切りに全国アピールを発し、草の根反対運動のさらなる広がりを国会闘争と連動して作り出していくことを訴えた。全国各地での教基法改悪反対集会とデモの予定が続々と入ってきている。さらに全国連は、十月十日(火)国会前集会(午後六時)、十七日(火)国会前集会(午後六時)、十月二十五日(水)院内集会(衆院第二議員会館、午後四時半)というように毎週の国会闘争を準備している。
 このような全国的な反撃の包囲網を構築しぬき、強行採決の危険性が差し迫っているかもしれない国会状況の十一月十二日(日)、日比谷野外音楽堂で全国集会を行う。各地の運動の成果を持ち寄り成功させ、教基法改悪阻止の楔をたたきつけていこう。

予防訴訟地裁判決
の勝利を生かそう

 院内集会は、駆け付けた国会議員の発言から始まった。共産党の赤嶺政賢議員(衆)、井上哲士議員(参)、石井郁子議員(衆)、社民党の照屋寛徳議員(参)、保坂展人議員(衆)、福島みずほ議員(参)、辻元清美議員(衆)から教基法改悪阻止にむけた力強い決意表明が次々と行われた。
 全国連呼びかけ人の三宅晶子さん(千葉大教授)は、九・二一「日の丸・君が代」強制違憲・違法勝訴の判決を取り上げ、現行教基法十条の行政権力の不当・不要の介入の排除と教育の自主性尊重の観点から主張していることの意義を強調した。さらに政府案の国家統制、愛国心教育について批判するとともに、「政府案には家庭教育の条文があります。今の内閣の主張を見ると、新たなジェンダー秩序を作り始めようとしています。公の秩序のまさに基盤として家庭を作り上げようとしていることが見える」と批判した。
 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会の近藤事務局長は、九・二一判決の核心部分を浮き彫りにし、「入学式・卒業式等の式典会場において、指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務が存在しないこと、ピアノ伴奏をする義務が存在しないことを判決は示した。そして、職務命令に違反して、起立しない、国歌を斉唱しない、ピアノ伴奏をしないことを理由として、いかなる処分もしてはならないと言っている。このような完全勝利判決の歴史的な意義を皆さんとともに確認したい。そして、この勝利判決をバネにして、石原都知事と都教委に抗議していく闘いを強めていきたい」とアピールした。最後に参加者全体で教基法改悪を絶対に阻止していくためにスクラムを強化していくことを確認した。(Y)


教基法改悪をとめよう大阪集会
「危ない教科書」の張本人が引っぱる新政権を批判


 【大阪】大阪市中央区民センターで「教育基本法の改悪をとめよう!9・30大阪集会」が「子どもたちに渡すな!危ない教科書」大阪の会の主催で開かれ、百六十人の市民や学校関係者が集まった。
 共同代表の上杉聰さんは開会のあいさつで、「安倍政権ができて最初にやろうとしているのが教育基本法の改悪。大阪の会は今までつくる会の教科書との闘いをやってきたが、教育基本法の改悪を止めない限りダメだと考え、改悪を止める運動をやっている。つくる会は最近分裂し、出て行った会長の八木秀次らは安倍のブレーンになっている」と述べ、東京新聞の記事を引用しながら、安倍の側近・下村博文衆議院議員やブレーン「五人組」(伊藤哲夫・日本政策研究センター所長、高崎経済大教授・八木秀次、救う会副会長東京基督教大教授・西岡力、中西輝政京都大教授、救う会副会長福井県立大教授・島田洋一)たちは、靖国・拉致・教育問題で日本会議につらなる最右翼であることを強調した。
 続いて、高嶋伸欣さん(琉球大学教員)が「教育基本法 『改正』されたらこうあぶない! 危険なのは社会全体」と題した講演をした(別掲)。

緊迫する国会情
勢について報告

 この後、大阪の会の井前さんが国会情勢の報告をした。
 「臨時国会開会の日、国会前での集会に七百五十人が集まった。安倍政権が何をしようとしているかわかっているから、広い範囲から多くの人が自発的に集まった。九月二十八日に教育基本法を審議する特別委員会が設置され、民主党も委員の名簿を提出した。民主党は全都道府県での公聴会を要求している。今後どうなるかは全く予想できないが、十月末の神奈川県と大阪府での衆議院補欠選挙の結果も大きく影響する」。
 さらに井前さんは「安倍の側近の下村博文衆議院議員などは、教育改革については首相主導の『教育改革推進会議』で結論を出し、基本的なことは官邸で決め、後は文部科学省に投げると言っている。大学を九月入学にし、高校卒業から半年のブランクのうち三カ月は介護施設などでの奉仕活動をさせる。その経験がないと大学入学を認めないのどと言っているが、本当にこんなことができるのか」と、安倍政権のアキレス腱に言及した。そして、教育基本法改悪を止めよう全国連絡会議が行う十月十日以降、毎火曜日の国会前座り込みへの参加を訴えた。
 この後、八団体からアピールがあり、最後に大阪の会から、愛媛県・栃木県大田原市・東京都杉並区でのつくる会教科書採択取り消し訴訟への支援が訴えられた。(T・T)

高嶋伸欣さんの報告から
安倍政権の弱点をつかんで的確な反撃を


スキだらけの
あやうい体制

 安倍政権は仲間うちで固めた政権で、自民の中にも不満はある。施政方針演説も安倍が個人でつくり、二日前に省庁の官僚に見せ、ほとんど字句修正程度しかできなかったという。自民の不満部分は官僚と手を組む可能性もある。日本会議の思想だけで官邸主導でやろうとしているが、やれると思うのは浅はかだ。あまりにも脇が甘く、隙だらけだ。
 与党の教育基本法改正案は、参議院選を配慮し、政治的駆け引きを優先したことの産物だ。与党案については、第二条(教育の目標)の中に愛国心をもっとはっきり明記すべきだ、第十六条(教育行政)の「不当な支配に服することなく……」は削るべきだ、と安倍のブレーンは不満をのべている。この点については、民主党案が取り込まれる可能性もある。

ちりばめられた
あいまいな徳目

 第二条には二十項目もの徳目が記されている。伝統と文化の尊重、幅広い知識と教養、自立の精神、真理を求める態度、勤労を重んずる態度などなど。定義も曖昧なまま一度法律になってしまうと、権力の恣意的解釈だけが可能となる。「国旗国歌法」が今の「日の丸・君が代」弾圧で果たしていることを考えればよくわかる。今年の終戦の日の小泉靖国参拝について、産経新聞は国益を守ったと書き、琉球新報は国益を損なう行為だと書いた。同じ言葉でもその意味が百八十度違う。この点を野党は追及してほしい。
 民主党案では、前文に「日本を愛する心」という表現がある。日本国ではなく日本だが、法案名が日本国教育基本法となっているから、どちらとも取れる。また、第十八条(教育行政)では、地方公共団体の行う教育行政は……(教育委員会ではなく)その長が行わなければならない、となっている。これなら石原都知事は喜ぶだろう。

「押しつけ教基
法」はでたらめ

 かつて自民党は、教育基本法改正の理由として、それは米国が押しつけたものだからといっていたが、当時GHQは基本法には積極的ではなく、教育勅語の影響を打ち消すと言う観点から教育刷新委員会でつくられたと言うことがはっきりした。当時の文部省教育局長が証言した。教育刷新委員会の案をGHQが削除した部分はただ一カ所で、日本の伝統に関する表現だけだった。それでこの度の与党改正案では、第二条に伝統と文化の尊重が盛り込まれることになったのだが、この伝統とは何か。実際にはいろいろの考え方があり得るが、中曽根康弘などは、それは天皇制のことだと正直に言う。安倍やそのブレーンは男系天皇派のようだが、秋篠宮の子供が生まれた直後の世論調査でも女性天皇容認は六三%だった。これは最大の弱点だ。安倍政権のアキレス腱をつかみ、教育基本法改悪を阻止しよう。(発言要旨、文責編集部)


国連ピース・ワン・デー
中東の平和を訴えてキャンドルアクション


 九月二十一日、「レバノン・パレスチナに平和を! イラクに平和を!」をスローガンに「9・21国連ピース・ワン・デー 東京キャンドルアクション」が明治公園で開催された。主催はピースボートなどが構成するGPPAC JAPAN(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップの日本ネットワーク)。この日の行動は二〇〇一年の国連総会で、九月二十一日を全世界で武力衝突を停止する「国際平和の日」とする決議が上げられたことにもとづいている。この日、アジア、欧州、アメリカ、南米などでさまざまな行動が繰り広げられた。
 午後六時半すぎからの集会には二百人以上が集まった。集会では、レバノンの避難民支援NGO活動に参加しているラチャ・ラジズ・ナジディさん、パレスチナ・ビジョンのラミ・ナセルディンさん、前日にイランから帰国したばかりの高橋和夫さん(放送大学助教授)が、イスラエルや米国の侵略と破壊にさらされる現地の状況をアピールし、平和のための市民による国際的な連帯の必要性を強調した。
 三人の発言の後、参加者はローソクに火を灯し、「へいわ」の文字がくっきりと浮かび上がった。その後、「寿」によるミニコンサートも行われた。 (K) 


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