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日雇全協総決起集会                    かけはし2006.1.23号

不当逮捕をはねかえし統一した反失業運動へ


 一月十五日、台東区山谷の玉姫公園において「1・15佐藤さん虐殺21ヶ年 山岡さん虐殺20ヶ年 弾劾・日雇全協反失業総決起集会」が行われ、全国から越年越冬を闘い抜いた労働者、支援者らが集まり、集会、デモを闘い抜いた。
 司会に立った山谷争議団の仲間は佐藤さん虐殺から二十一年、山岡さん虐殺から二十年、今日の集会に参加した仲間も生前の二人を知る人は少ないかもしれないが、彼らの闘いを引き継いで闘って行こうと発言し、参加者全体で黙祷を行い集会を開始した。
 続いて連帯アピールが代読された、まず始めに韓国民主労総建設産業連盟土木建設協議会委員長キム・ホジュンさん。民主労総の建設土木協議会ではこの間 「どかた」という映画を作った。日本の朝日建設争議(飯場で賃金の支払いを求めた労働者をキャンプ場に埋めた事件)などの闘いの場面も挿入されているという。今後日本でも山谷争議団などを中心に上映運動が行われる予定である。
 続いて釜ヶ崎パトロールの会の一員であり、十二月の香港WTO反対闘争で不当逮捕されていたN君からのアピール、N君は全世界的な抗議の中で起訴取り下げを勝ち取り、無事帰国した。しかし、起訴された十四人のうち、今回起訴取り下げを勝ち取ったのは十一人、韓国の三人の仲間が未だ起訴されたままである。
 連帯発言は争議団連絡会議・明大生協労組。さらに渋谷・のじれん、新宿連絡会に続いて大阪から失業と野宿を考える実行委員会の仲間。大阪ではうつぼ公園の全テント、大阪城公園の五つのテントに対して行政代執行の攻撃がかけられている。
 一月十九日以降現地では集中した監視体制に入る。全国からの結集が呼びかけられた。
 続いて日雇全協各支部からの発言。三十六回目の越冬闘争を闘いぬいてきた釜日労の仲間、昨年一月白川公園の行政代執行攻撃と闘った名古屋・笹島日雇労組の仲間、第三十二次越冬闘争を闘った横浜・寿日雇労組の仲間、最後に山谷争議団の仲間が「日雇全協は今後、全国的な統一した反失業闘争の方向性を作っていきたい」と決意表明し、全体でシュプレヒコールを上げ、山谷地域を一周するデモに出発した。
 デモでは警視庁第三機動隊が全くデタラメな暴力的弾圧を行い、抗議する仲間二人を不当にも逮捕していった。逮捕した仲間のうち一人を即日釈放しなければならなかったというところからも弾圧の不当性は明らかだろう。
 不当・不法な弾圧に最後まで屈せずデモを貫徹した仲間たちは直ちに救援の体制を作るとともに、交流会のあとは有志が隅田川桜橋の現場を訪れ、闘いの経験を交流した。    (板)


NHK番組改ざん事件控訴審
長井暁NHKデスクが改ざん経過を法廷で証言

 十二月二十一日、早稲田奉仕園50人ホールで「NHK番組改ざん事件、控訴審第8回口頭弁論 証人尋問(長井暁NHKデスク)」報告集会が「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)の主催で行われた。
 第一審判決は、孫請けだった制作会社が原告に番組提案票を示して番組内容について不適切な期待をさせたことに問題があるとして、孫請け会社の責任を認める一方、NHKの責任はまったく認めなかった。第二審でも新たな証人は採用されないまま、昨年一月、審理を終えようとしていた。
 しかし、その直前、本件番組の長井暁さんが記者会見を開き、政治的圧力を受けて本件番組が改編されたことを認めた。放送日(2001年1月30日)直前の数日間に政治家の意向を受けた上司により、本件番組が大きく改変されたという衝撃的な内部告発だった。

番組の企画原案は
大きく損なわれた

 今回の控訴審で証言に立った長井さんが昨年一月十三日に明らかにした事実を以下に記す。この内容が控訴審の昨年十二月二十一日の公判で証言された。

 二〇〇一年一月下旬、衆議院議員の中川昭一氏と安倍晋三氏らが、NHKで国会・政治家対応を担当していた総合企画室の野島直樹担当局長らを呼び出し、「女性国際戦犯法廷」を取り上げたETV2001の放送を中止するよう強く求めました。自民党総務部会でのNHK予算審議を直前としていたこともあり、事態を重く見た野島担当局長は、一月二九日の午後、松尾武放送総局長を伴って、中川・安倍両氏を議員会館などに訪ね、番組についての説明を行い、理解を求めました。しかし、中川・安倍両氏の了解は得られませんでした。
 そこで松尾放送総局長は「番組内容を変更するので、放送させてほしい」と述べ、NHKに戻りました。松尾放送総局長は、当日の午後六時すぎから、すでにオフライン編集をUPしていた番組(通常、これ以降の編集の変更は行われない)の試写を、野島担当局長と伊東律子番組制作局長とともに行い、番組内容の変更を制作現場に指示しました。そのときの主な変更内容は以下の三点でした。
 @「女性国際戦犯法廷」が、日本軍による強姦や慰安婦制度が「人道に対する罪」を構成すると認定し、日本国と昭和天皇に責任があるとした部分を全面的にカットする。
 Aスタジオの出演者であるカルフォルニア大学の米山リサ準教授の話を数カ所でカットする。
 B「女性国際戦犯法廷」に反対の立場をとる日本大学の秦郁彦教授のインタビューを大幅に追加する。
 この指示を受けて、制作現場では既にオンライン編集(本編集)終えていたVTRの手直し作業を深夜に行いました。この結果、通常四十四分の番組は四十三分という変則的な形で放送されることとなりました。
 しかし、番組の改変はそれだけに止まりませんでした。松尾放送総局長は、放送当日の一月三十日の夕方、すでにナレーション収録・テロップ入れなどの作業が完了し、完成間近となっていた番組の内容を、さらに三分カットするように制作現場に指示したのです。その内容は以下の三点でした。
 @中国人被害者の紹介と証言。A東チモールの慰安所の紹介と、元慰安婦の証言。B自ら体験した慰安所や強姦についての元日本軍兵士の証言。
 この指示を受けて制作現場ではVTRの手直し作業が行われ、通常四十四分の番組は四十分という異例の形で放送されることになりました。こうした二度にわたる政治介入にともなう番組の改変によって、番組内容はオフライン編集完了時とは大きく異なるものとなり、番組の企画意図は大きく損なわれることとなりました。

 報告会では、最初に飯田弁護士が長井暁NHKデスクの証言について報告した(別掲)。次に、日隅一雄弁護士、西野瑠美子さん(VAWW―NETジャパン共同代表)が長井さんの勇気ある証言についてふれ、裁判の流れが真実を明らかにして、政治家の介入やそれを受けたNHKの改変、そしてその責任を追求することができる端緒が開かれたことを明らかにした。次回は一月二十七日、東京高裁101号法廷で午前11時30分から。野島さん、永田さんの証人申請が認められるかどうか―裁判の最終的攻防にさしかかっている。いっそうの支援を  (M)

飯田弁護士の報告から
真実は決して消せない

 長井さんはせいいっぱいの証言をしてくれた。最初に長井さんにお礼と感謝を述べたい。証言に三つのポイントがあった。一月二十八日のこと。二十九日と三十日のこと。大きく言えば、これは編集過程の異常さを示すもので、四十五分番組が四十分という外形的にもETV特集ではありえない、前代未聞に改編された。その異例の短さになった経緯を聞いたのが今回のポイントだ。
 メインが二十九日、三十日にある。その前提として二十八日、二十六日のことが大事だと考えています。一月二十八日に、吉岡部長の二回にわたる試写により最終OKがでた。これで本来は終わっていた。にもかかわらず、二十九・三十日という二度にわたる政治家の介入、それを受けたNHKの介入につながった。
 一月二十九日、野島さんは政治家対策の人ですから、制作部門に関与することはできない。にもかかわらず改変を指示した。さらに、時間がなく最終的に三十日に三カ所のカットの命令が出た。この段階でもいろいろ抵抗したが松尾さんが「おれが責任をとる」と殺し文句を言って改変してしまった。この具体的事実が長井さんのコンプライアンス委員会への通報、朝日の報道、長井さんの記者会見となって明らかにされた。うやむやにされるという流れがあったり、伝聞と直接見聞きしたことを混同しているという批判を浴びながらも、きちっとそこを訴えようということで、証言したもらったことがポイントだ。
 感想は三つある。@事実・真実は消せないし消してはいけないと改めて思った。長井さんが四年間苦しんで内部告発をした証言に涙がにじんだAこうした事実を伝えるのが本来報道の責任にも関わらず、その報道の責任を放棄したことはいったいなんなんだ。そういうことはあってはいけないB今後はこれで野島さんと永田さんの証言がなかったら、いったい真実はどこで明らかにされるのか。NHKは一審の裁判では、編集過程について認否をしないと逃げの姿勢をとった。そして二審でこの争点が出るや否や自主的に編集したと。こうしたデタラメで不誠実な対応が許されるのか。(発言要旨・文責編集部)



香港反WTO闘争弾圧

11人は起訴取り下げ3人が起訴された!

 香港での十二月十八日のWTO対抗アクションに対する大弾圧によって「起訴」された十四人に対する裁判が行われ、日本人青年Nさんをふくむ十一人は起訴取り下げとなったが、韓国人の三人は、「不法集会を行った」などのでっち上げで見せしめ的に正式に起訴され、一人三万香港ドル(約四十五万円)の保釈金を科されることになった。
 十一人の「不起訴」釈放は、当然のことであるとはいえ国際的な救援・反弾圧弾圧の成果であるが、三人の全く根拠のない起訴に対して、われわれは香港警察と香港独立行政区政府を糾弾する。
 香港では一月五日から十一日まで、弾圧された十二人がハンストに突入した。彼らを支持し、釈放を求める一月八日のデモには五百人が参加した。また国際的に反弾圧・署名運動が展開され、ジュネープのWTOにはジョゼ・ボベをはじめ多くの人びとがつめかけ抗議行動を繰り広げた。
 日本でも十二月二十九日の東京・大阪での中国大使館、領事館抗議行動に続き、一月九日、東京では反WTO闘争弾圧救援会・東京によって昼の六本木でのビラまきと、夜の緊急集会が開催された。この日の行動は、韓国の仲間の呼びかけによる「アジア統一行動」として行われたものである。文京区民センターで行われた緊急集会には香港WTO対抗行動参加者を中心に四十人以上が参加し、今後の方針をめぐって活発な討論が行われた。     (K) 


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