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憲法・教基法の破壊を許さない市民集会          かけはし2006.3.20号

教育基本法改悪を阻止しよう

与党が今国会での上程を合意、緊急の取り組みへ

都教委の不当処分
と介入を許さない

 三月十日、東京・セシオン杉並ホールで「憲法・教育基本法の破壊を許さない!3・10市民集会」が行われ、三百五十人が集まった。集会は、教育基本法「改正」反対市民連絡会、子どもと教科書全国ネット21、子どもと法・21、杉並の教育を考えるみんなの会、学校に自由の風を!ネットワークなどが呼びかけた。共催団体は、先の八月、杉並区教育委員会が二○○六年からの中学校の歴史教科書として扶桑社版を採択することに対して反対運動を作った仲間たちだ。抗議が広がっていたにもかかわらず扶桑社版教科書が採択されてしまったが、あらためて採択の撤回を求める取り組みが始まった。
 主催者から開催あいさつが行われ、「九日、与党は、今国会で教育基本法改正法案を提出することで合意した。『愛国心』をめぐる表現のしかたなどで、まだ細部の一致ができないらしいが、いずれにしても教基法改悪を許さない運動を強めていこう」と呼びかけた。
 「教育の現場からの報告」では、都教委の不当な介入に抗議して闘っている都立七生養護学校「こころとからだの学習」裁判の河原井純子さん(調布養護)が、裁判闘争の報告とともに、一月二十五日に周年行事で「君が代」斉唱に抗議して不起立したことに対して不当処分が強行されることを厳しく批判した。
 続いて、ジェンダー平等社会をめざすネットワークの赤石千衣子さん(ふぇみん・婦人民主クラブ)、「扶桑社の歴史教科書」を批判したことによって不当な異動・処分攻撃にある杉並宮前中の教員と支援する保護者、差別・選別・競争主義のための学力テストを批判する江戸川区の教員が発言した。

「良心」と「願い」
を守りぬこう!

 尾山宏弁護士は、「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟の取り組みを報告し、「来る三月二十日、最終弁論を迎える。教育裁判の歴史の中でも特に意義のある法廷となる。判決は今年の夏だ。都教委の暴走をストップさせるために、教員・市民が共に力を合わせて自由と民主主義をかちとっていこう」と訴えた。
 俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21事務局長)は、新しい歴史教科書をつくる会が、現在、内部抗争で分裂・解体の危機に陥っていることを報告し、「つくる会」の教科書を採択した教育委員会を批判した。(報告要旨別掲)
 佐々木光明さん(子どもと法・21)が、十四歳未満の子どもたちを少年院に収容することなどをねらった少年法改悪反対を訴えた。
 『11の約束 えほん教育基本法』(ほるぷ出版)の著者である池田香代子さんと伊藤美好さんの対談などが行われ、最後に参加者全体で「憲法と教育基本法の『良心』と「願い』の破壊を許さない!」をさらに強化していくことを誓い合った。      (Y)

俵義文さんの報告から
「つくる会」の分裂・解体

 一月十六日、新しい歴史教科書をつくる会の理事会後、西尾幹二が名誉会長を辞任・退会した。二月二十七日の理事会で、八木秀次会長、藤岡信勝副会長、宮崎正治事務局長が解任され、種子島経理事が新会長になった。
 今回の内紛は、昨年の採択で一〇%以上は確実に取れるといっていたのに、歴史○・三九%、公民○・一九%と「惨敗」した責任のなすりあいが一番の原因だと思われる。
 「つくる会」の内部情報によれば、昨年九月に西尾・藤岡が敗北の責任を宮崎に押し付けて解任しようとしたが、八木が反対し、宮崎も退任に応じなかった。そこで、今度は一月の理事会で「会に財政的損害を生じさせた」という理由で西尾・藤岡らが宮崎を解任しようとしたが八木グループが抵抗して、逆に西尾が退任することになった。解任要求の理由は、宮崎が「財政的損害を生じさせた」、八木が宮崎や事務局員数名と昨年十二月に理事会の了承なく中国に行って、中国の研究者と論争したこととなっている。おそらく、八木らは「つくる会」の財政を使って中国に行き、それを「損害を与えた」理由にされたのではないか。
 「つくる会」は、たえず内部抗争をつづけてきた政治組織であり、子どもの教科書をつくるにはふさわしくない組織である。藤岡は歴史教科書の代表著者、八木は公民教科書の代表著者である。このような無責任な政治組織と人物がつくった教科書を採択した杉並区、大田原市、東京都、滋賀県、愛媛県の教育委員会の責任は重大であり、今からでも採択を撤回すべきである。
 種子島は「原始福音・キリストの幕屋」という国粋主義・天皇主義のカルト集団の関係者であり、「つくる会」会員の四分の一は「幕屋」のメンバー、宮崎が退職後の事務局員もほとんど「幕屋」のメンバーだという内部情報もある。産経新聞は住田社長や渡辺教科書担当キャップが八木支持を表明したという情報もあり、産経新聞(三月一日)は、この内紛を「西尾院政」「空洞化恐れ」などと批判的に扱っている。扶桑社は、この際に教科書発行をやめて撤退することをすすめたい。(報告要旨・文責編集部)



電通労組首都圏支部が集会
NTTリストラ裁判勝利新自由主義反対の闘いを


NTTを包囲する
運動を作り出そう

 三月八日、文京区民センターで、「NTTリストラ裁判勝利!新自由主義に抗する労働運動を!」が電通労組首都圏支部の主催で開催された。
 NTT反リストラ裁判原告団長の横澤仁志さんが開会のあいさつをした後、弁護団の鈴木宏一さんが「会社を分割したからといって、労働者と労働契約は承継されるものだ。今回の配転は配転権の濫用だ。今回裁判長が代わってしまったが、理不尽な判決が出ないようにきちんと闘っていく」と、丸一日かけて行われた原告四人の証人尋問と裁判の争点を報告した。
 続いて大内忠雄電通労組委員長が基調報告を行った。
 「リストラ裁判は小泉構造改革との闘いだ。『郵便局はなくならない、鉄道はなくならない、NTTでは電話はなくならずサービスをよくする』と言ったがどうだろう。そのすべてが破壊されているではないか。現在NTTは再再編問題になっている。竹中懇談会では、『NTTの持ち株をなくす、ユニバーサルサービスもなくす』と言われている。郵政や国鉄の労働者とともにNTTを社会的に包囲する闘いを作っていく。今日の裁判で、原告四人が自分の言葉で怒りの気持ちをストレートにぶつけた。こうした気持ちを大事にしながら闘いを作っていく」。

労働組合はどう
たたかうべきか

 次に、ジャーナリストの安田浩一さんが「規制緩和の時代、労働運動はどう生きるのか」と題して講演を行った。
 安田さんは、関西生コン弾圧や耐震偽装問題に触れて規制緩和が人々の生活を奪うものになっていることを明らかにした。さらに、NTTや郵政、国鉄の分割民営化も同じ構造があることを指摘した。そして、安田さんは現在の労働組合の弱点を次のように指摘した。
 「大規模なリストラによって新たな貧困層が生まれているが、その人たちが労働組合に救いを求めるのではなく、労働組合を特権を持ったものとして敵対する意識を持っていることに危機感を持つべきである。本来、労働運動を必要とする時代なのに、旧来の右翼が増えているということではなく、不満を持った層を受けとめているのは『日本人だというナショナリズム』だ。皇室典範改定阻止の集会に参加してみると八割が若者であり、昨年の八月十五日に靖国神社に二十万人もの若者が集まっている」。
 「民営化はバラ色ではない、民間にできない信頼がおけるサービスの提供を公共部門がやることが大切だ。本当に守らなければならない人を守るのが労働組合の役割だ。そうした観点から、電通労組が起こしている反リストラの闘いは重要だ」と指摘した。
 全労協の中岡事務局長、N関労の石原さん、郵政労働者ユニオンの内田委員長、東部労組の岸本委員長、全統一光輪分会の割田さん、ATTACジャパンの栗原康さん、失職裁判を闘う宮田さん、神奈川県共闘竹内議長が連帯のあいさつを行った。「闘争あるところに電通労組の旗がある。強制配転されて、どこにいっても闘うという気魄がある」。「光輪の争議で、座り込みを二十四日間行っているが、ほぼ毎日電通労組は参加している」などの連帯のあいさつのように、電通労組が強制配転を逆手にとって、闘いを全国に広めている闘いぶりがよく伝わるものであった。三月十七日には電通労組はN関労とともにストライキで闘うことも明らかにされた。裁判支援とともに共同の闘いを作り出していこう。 (M)

NTT反リストラ裁判
見せしめ配転を告発



 大内委員長の基調報告にもあったように、三月八日午前十一時から午後五時まで東京地裁でNTT反リストラ裁判の第四回公判が開かれた。
 この日の公判では、「退職再雇用」を拒否して宮城県から東京・金町局に不当配転された電通労組佐藤隆、成田徹、日野正美、古宮正道さんら四人の原告が証人尋問に立った。彼らは配転先の金町局の「情報システム体系化推進PT(プロジェクト)がリストラ対策用の「間に合わせ」職場であり、全くといっていい程仕事がなく、完全な「見せしめ」の手段であることを明らかにした。
 さらに彼らが採用される時の条件が「東北」であったことを暴露し、NTT側の弁護士が協約に「東北」とは書いていないと強弁したが、「採用面接」時のやり取りを再現してひとつひとつ詭弁を粉砕した。さらに家族と切り離した単身赴任がいかに人権を無視したひどいものであるかを両親の病気の問題などを例にあげて説明した。
 なお次回公判は四月二十六日午後一時より行われる。ぜひ多くの人が傍聴を! (D)


コラム

「静かな」横浜市長選

 三月十二日、市民三百五十八万人の横浜市長選が告示され二週間の選挙戦がスタートした。立候補は現職(無所属で民主党会派の元国会議員)の中田市長と共産党推薦の松川康天氏、無所属で元会社員という肩書の遠藤賢次郎氏の三氏。
 だがマスコミは現職の中田市長と共産党推薦の松川氏の「事実上の一騎打ち」と報じている。普通「一騎打ち」という言葉には力関係の伯仲というニュアンスを感ずるのだが、この選挙に関しては「力関係」的側面ではなく「事実上」に力点が置かれている。
 横浜市長は七〇年代の飛鳥田革新市政以降、保守体制が続いてきた。とくにバブル期に市長に当選した元建設官僚の高秀信は日本一高いランドマークタワーを中心にした「みなとみらい地区」の開発や荷揚げ量で東京港に追い抜かれた地位を「奪還」すべく沖合いに巨大埠頭を建設するなど大型開発に明け暮れ、六兆二千億円もの赤字をつくった。この「巨大赤字」をどうするか、四年前の市長選の争点はこの一点にあった。保守は動揺し亀裂を起こしていた。
 この時、連合などの労働組合と民主党が担ぎ出したのが現職の中田市長であった。彼は「大型開発反対」というキャッチフレーズを掲げたが、彼を押し上げたのは「三十代」という若さであった。だが四年前と違って今回の市長選では、民主党のみならず自民・公明が中田の支持にまわり、ネットワーク横浜までも「支援」を表明したのである。マスコミが強調している「事実上」はこの構造を指摘している。来年横浜市は市議会議員選挙を控えている。共産党以外はこの選挙を議会内野党として闘いたくないのである。「事実上」はこれに対する皮肉でもある。
 市長選の「争点」は、中田がこの四年間押し進めた「都市経営」と呼ばれる市政運営に対する是非である。バブルのツケの象徴であった「みなとみらい地区」の虫喰いだらけの「空き地」を税負担など多くの支援策を約束し、日産本社などの企業誘致に「成功」した。また市営バスのバス停を民間企業に広告塔として売ったり、返す刀で市営バスや地下鉄のシルバーパスを一部取り上げるなど「改悪」も行った。だが最も大胆な政策は市立港湾病院の運営を、日本赤十字社に委託したのを始め、市立保育所や学校給食を民間委託した。ようするに公共事業を民間委託化し民営化したことである。
 だが大阪の公務員「厚遇」問題のように大きな騒ぎにはならなかった。最大の規制緩和問題が議会内で共産党以外からの反対意見は出ず「粛々」と進められた。横浜市従などの連合系労働組合は、自ら担ぎ出した市長であったがために、この重大な課題を闘わずして屈服したのである。
 中田体制のもう一つの特徴は、石原都知事とは違い一切政治的発言をしないことである。横浜の周囲には米軍基地再編の焦点になっている横須賀、座間、厚木が存在し、市内にも瀬谷通信基地などがあるにもかかわらず、賛成にしろ、反対にしろ一切踏み込まない。市財政の「赤字解消」があらゆることに優先しているようにも見える。
 共産党の松川候補は、「環境破壊の大型開発反対、福祉予算の切り捨てをやめろ」と主張しているが、この意見は唯一の「争点」である「中田の四年間の是非」を摺り抜けて、四年前の「保守・高秀体制」批判と受け取られてもしかたない。三百五十八万市民は、「中田の四年間」に未だ結論を持っていない。大規模に進められた市の事業の民営化・民間委託化と闘わなかった労働組合の「ツケ」は大きい。この点では共産党の対応にも問題と弱点があった。「静かな市長選は、盛り上がった前回でさえ「三九・三五%」であったことを考えると三〇%前半まで落ちるだろう。新たな闘いのために私は共産党に投票することを呼びかける。    (武)


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