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教基法改悪・共謀罪・米軍再編反対!           かけはし2006.5.15号

憲法改悪を阻む労働者・市民の力を


今こそ旬 憲法九条集会
小森陽一さん、小田実さんの講演に千五百人

 【千葉】五月四日、九条の会・千葉地方議員ネットの主催による憲法九条の集いが船橋市文化ホールで行われた。会場周辺では、「テロリスト小田実を粉砕する」と右翼の宣伝カーが、怒号する中で千人収容の会場の席が足りず、立ち見や通路に座る人を含めて千五百人が参加した。
 この千葉地方議員ネットは、「九条を守る」という共通する一点で結集し、これまで佐高信、伊藤真の講演会を千葉県で行ってきた。現在百五十五人の千葉県の県会議員や市議会議員が参加している。これは、千葉県地方議員総数の一〇パーセントを超える。
 冒頭、主催者の司会の方から「現在の世論統計では、四八パーセントの人が憲法九条改悪に反対をしているが、残りの五二パーセントは、憲法を良く知らないという中での意見であり、憲法を知っていただければ改憲反対意見が多数派になる。憲法を変えてはならないという方向に持っていく努力を続けたい」と発言した。
 この日、九条の会事務局長である小森陽一さんと作家であり九条の会の呼びかけ人でもある小田実さんの講演が行われた。

米軍の再編と憲
法改悪との関係

 まず小森陽一さんは、この間の改憲の動きを簡潔に述べた。
 「米軍の世界的再編と密接に結びついたものであり、かつて『自主憲法』を主張していた人々の考えは息を潜め、むしろ米国の意向に沿った、それこそ植民地下の状況になっている。憲法九条二項をめぐり内政干渉にあたるアーミテージ発言や日本政府のそれに対する追随姿勢がそれであり、かつて佐藤首相が戦車を特殊車両と言い換え曖昧にして国民を欺いてきたものをここにきて改憲し、自衛隊の明確な性格付けをしようとしている。
 「米国の近隣である中南米の米国への離反の動きがあり、ブッシュに追随するのは、英国のブレアと日本の小泉だけだ。そうしたなかで北朝鮮の問題で日本の世論を煽る。今、問われているのは、米国の軍事支配に終始符を打つことであり、われわれには、それが問われている」。

中南米で始まった
新しい政治の流れ

 次に「九条の会」呼びかけ人である小田実さんが講演した。
 「朝日新聞の労働組合主催の講演討論会で土井たか子さんが『憲法は今が旬』という表現があったが、私は憲法が、『今こそ旬』であるという表現をした。
 この間の改憲は、米国の意向に添ったものである。
 かつて一九五八年米国に留学し、何でも見てやろうという意気込みで米国のあらゆる場所に行った。とくに南部ではひどい差別の実態、隔離政策の実態を見た。しかし北部も髪の色をブラックとはあえて言わずにダークと言い換えるという差別の実態もあった。米国はもともと先住民の土地を取り上げ黒人を奴隷として連れてきた歴史がある。
 一方で米国のイメージをジャズやベースボールで語る人がいるが、私のイメージは、『爆弾の国』であり、常に『悪』に対する『正義』のための戦争という名目で行う戦争行為に反省の弁はない。現在の世界は軍事力・権力・金の力でより強いものが弱いものを叩く状況になっている。格差社会が、それをはっきり物語っている。こうした差別構造の中で武力は、弱肉強食の論理となる。米国の論理や枠組みとは違う世界の転換が、中南米で開始されているし、かつてのゲバラの時代は終わり、全体として米国に対抗する新しい非同盟構造とも言える動きがあるし、これに注目したい」。
 続いて司会者を交えた小森陽一さんと小田実さんの討論会が行われた。
 特に国際貢献のあり方については、「災害国であるからこそ国外の被災地域の救援に力を注ぐべきである。また難民を受け入れない国として世界的に突出しているし、このことを変えるべきである」と述べた。
 「いまこそ『活憲』の思想を生かすことが問われているし、ここに参加したひとが行動に移すことが大事である」と述べた。
 最後に主催者が今後もこうした場を設け改憲阻止を訴えていくことを呼びかけた。    (浜本清志)



松戸集会で澤地久枝さんが講演

 五月三日、千葉県松戸市民会館ホールで、「すてるな平和 うばうな人権・民主主義―世界に広げよう、憲法9条!! 澤地久枝さん講演会」が開かれ、昨年の千二百人を上回る千五百四十七人が参加した。この憲法集会は二十二年前に、松戸市に夜間中学をつくる市民の会が毎年行ってきたものを、三年前から松戸市のさまざまな市民団体が実行委をつくり、規模を拡大して行われた。元「ザ・ニュースペーパー」の松元ヒロさんの政治風刺コントに会場が大笑いし、憲法の重要性を認識した後に、澤地久枝さんの講演が行われた。
 澤地さんは、自らの旧「満州」からの引き揚げ体験や、戦後の困難な食糧難の生活から、戦前の天皇制体制がいかに民主主義・人権のないものであったか、そして新憲法がそれに比べてどんなにすばらしいものであったかを、体験を通して話りかけた。澤地さんは、「市民一人一人が個として自覚を持ち、横につながっていくこと、それは国境を超え、アジアや世界の人々の反戦・平和運動と結びつくことによって、改憲の動きを止めることが出来る」と力強く提起した。(M)


映画「オレの心は負けてない」
宋神道さん、10年の記録制作支援コンサート

 四月八日、江東区亀戸のカメリアプラザホールで、記録映画「オレの心は負けてない〜ナエ マウムン チジアナッタ」―在日「慰安婦」被害者・宋神道さん、10年の記録―制作支援コンサートが在日の慰安婦裁判を支える会の主催で開かれ、立ち見が出るほどの盛況で四百人以上が参加した。
 朝鮮忠清南道生まれの宋神道さんは十六歳の時、日本の侵略戦争中に「軍隊慰安婦」として中国に連れて行かれ七年間を過ごした。一九九三年四月、宋さんは在日の「軍隊慰安婦」被害者として唯一、日本政府の謝罪と補償を求めて東京地裁に提訴した。しかし、最高裁まで闘ったが請求が棄却され敗訴した。宋神道さんは「裁判負けてもオレの心は負けてない!」、「二度と戦争をしてはならない」と訴えた。
 「差別・偏見のある生活環境の中で、厳しい裁判を闘ってきた宋さんの姿や貴重な発言を記録に残したい」という支援者の思いから、宋神道さんのたたかいの道のりを描いたドキュメンタリー映画「オレは負けてない 〜ナヌン チジアナッタ〜」が制作されている。
 支援コンサートは、いぢょんみ、ミン・ヨンチ&「SANTA散打」、チャン・ジェヒョ(韓国から特別出演)が出演して「古典音楽と現代音楽の出会い」の力あふれる素晴らしいもので観客を魅了した。八十四歳になった宋神道さんが元気に歌を披露し、アリランを出演者とともに踊った。韓国の映像作家、安海龍さんが監督し、今秋の公開をめざして制作している。制作費六百万円のうちまだ三分の一しかめどがたっていない。支援を。(M)
b映画制作のためのカンパ先
郵便振替口座:00130-0-760722 在日の慰安婦裁判を支える会
通信欄に「映画制作カンパ」とお書きください。



都教委包囲首都圏ネット
06年卒業・入学式の総括と展望を語る集会

5・19国民投票法
反対集会の成功へ

 四月二十二日、石原・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットワークは、東京・文京区民センターで「〇六年卒業式・入学式 総括と展望を語る集会」を行い、二百人が集まった。
 都教委は、憲法と教基法改悪を先取りして、「日の丸・君が代」を強制する「十・二三通達」(二〇〇三年)以降、抗議した教職員三百人以上の処分を強行してきた。さらに、〇六年卒業式を前にして、立て続けに人権侵害・教育破壊のための通知、通達を出し続けた。
 三月十一日には「十・二三通達」と内心の自由の説明を「不適切な指導」として禁じる「三・一一通知」を出し、十三日には教職員に対して生徒に「日の丸・君が代」指導を強制せよという「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について」という通達を発した。ついに生徒の内心の自由を侵害し、愛国心教育の強制を公然と押し進めていくことを宣言したのである。都教委の暴走は、新たな段階に踏み込んだといえる。
 さらに新自由主義教育改革の一環として四月から学校の管理強化、教育内容の統制をねらう「学校経営支援センター」の発足と合わせて、四月十三日に「学校運営の適正化について」(@学校運営は管理職と『主幹』や『主任』によって構成される『企画調整会議』を中心に行われるべきことA職員会議は校長の補助機関であり、その機能は『報告』『意見聴取』『連絡』に限定されるB職員会議で『議論し、教職員の意向を挙手等で確認するような学校運営は許されない』)を通知した。都教委は、これまで校長の権限強化と職員会議の破壊を押し進めてきたが、今回の通知はさらに徹底化する内容だ。「教育に対する行政の不当な介入を禁じる」教基法第十条の明確な違反だ。
 このような反動的な通知・通達と同時に、都教委は、三月三十日、卒業式での「日の丸・君が代」強制に抗議して「不起立」「ピアノ伴奏拒否」を行った教職員三十五人に対して、「停職」・「減給」・「戒告」・「文書訓告」などの不当処分を強行した。また、歴史偽造の愛国心教育を批判したとして、思想転向の強要のための長期研修を強いられていた増田都子教諭に対して、研修中に抗議声明を朗読したことを理由に「分限免職」処分も行った。
 集会は、このような都教委の立て続く反動的暴挙を許さず、卒業式と入学式での闘いの報告と総括、不当処分撤回闘争など今後の課題について討議していった。
処分撤回! 教
基法改悪阻止へ

 主催者あいさつが事務局から行われ、「教基法改悪法案が国会に上程されようとしているなか、都教委がやっていることは、その先取りだ。東京の闘いは重要だ。東京で負けてしまえば、教基法改悪状況が一気に全国化してしまう。勝利すれば、逆の事態が始まる。そのために本日の集会を成功させよう」と呼びかけた。 
 次に、卒業式・入学式を闘った仲間たちが、次々と報告した。
 近藤徹さん(「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会事務局長)は、不当処分の実態を糾弾し、「都教委は、『日の丸・君が代』の強制を教職員に対して職務命令を行い、生徒に対しても徹底した指導を行えと通達してきた。内心の自由にまで踏み込んできた。このような攻撃に対して、闘う教職員による不起立抗議、地域の保護者による要請行動が行われた。憲法改悪のための国民投票法案、教基法改悪法案が国会に上程されようとしている現在、処分撤回、『日の丸・君が代』強制反対の闘いと結びつけて闘っていきたい」と訴えた。
 根津公子さん(停職三ヶ月)は、「教育じゃないことは認めることはできない。あと五年で定年だ。免職になってしまうかもしれないが、あと五年しかない。教員になってやろうと思ったことを貫こうと思う。来年も不起立で抗議していきたい。通勤二時間もかかる学校に移動となった。門前で子どもたちに、なぜ処分されたのか、なぜ不起立したのかを訴え続けています」と報告した。
 続いて、六人の被処分者が不起立の闘いの思いや都教委・校長などの管理職に対する批判を行った。
 次に、校門前でビラ撒きをした仲間は、「『高校生用』『中学生用』『保護者用』のビラを作り、配布し、受け取りもかなりよかったことなどの成果があった」と発言。弁護団からは、「延べ七十四校に八十五人の弁護士が監視行動を行った。今年は、地域の仲間とともにビラ配布したが、権力による不当逮捕を一人も出すことはなかった」と報告した。
 続いて、都教委包囲ネット、「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟、五月三十日に判決を迎える藤田さん(都立板橋高校元教諭)が決意を表明した。
 さらに「つくる会」教科書採択撤回を取り組む杉並教職員組合、教基法改悪反対の取り組みの強化を訴える全国連絡会の仲間から発言があった。最後に、増田さん・根津さん支援の特別決議を参加者全体で採択した。        (Y)


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