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フランス勝利と成功はすべての人々の利益        かけはし2006.5.22号

闘いは大統領選を待つ必要はない

CNEも「機会均等法」も廃棄へ
メーデーを新たな勝利のための出発点に


労働者と民衆
全体に衝撃

 われわれは喜びを抑えることができない。CPE(初回雇用契約制度)の撤回は思う存分噛み締めるべき議論の余地のない勝利である。それはまず何よりも、政権に就いて以来、自分たちが社会から異議を受け取るテンポよりも早いテンポで社会と民主主義の領域において許しがたい一連の攻撃を次々と打ち出してきた政府を後退させたがゆえに、勝利なのである。
 より根本的には、それは、長い一連の敗北をついに断ち切った。人員整理、定員減、工場閉鎖の分野で蓄積されてきた一連の敗北はこの間、大量失業の自由な創出の余地を生み出し、それによって今度は、働く権利、社会的保護、医療保険、退職年金、賃金に対するありとあらゆる攻撃を可能にしてきたからである。
 CPEをめぐる攻防の帰趨(きすう)は決定的に重要であった。なぜなら、この契約制度はまさに不安定雇用と労働者の権利の領域に、すなわち経営者の政策の中心に、そしてまた三十年間にわたって歴代政府によって展開されてきた新自由主義路線にもとづく攻撃の中心に、位置しているからである。
 さらに、CPEに反対する闘いは、その持続期間とその固い決意によって若者のかつてない驚くべき大衆動員を表現した。二カ月間におよぶその闘争、討論、自立的な組織化は、新しい政治的世代の誕生のための何ものにも代えがたい政治的経験を表している。これは必ずや未来にとって前途有望な足跡を残すことになろう。
 青年の大衆動員は、労働者と民衆全体に衝撃を与え、奮起を促した。それによって、デモの参加人数が日々増大していき、最後には三百万人が街頭に結集するまでに至った。高校生と学生の力がなければ、CPEは、CNEと同じように、ほとんど何の抗議の声もなくそのまま採択されていたことだろう。
 これは、以上のような経過をたどった成功ではあったのだが、ひとたび成功が勝ち取られてしまうと、その成功というのはすべての人の利益になるのであって、大衆動員のすばらしい味をすべての人に改めて賞味させられるようになるのである。街頭で勝利できること、闘いが報われるものであること、政府を後退させることが可能であること、唯一の解決策が来るべき大統領選挙まで待機することではないこと。以上のことが立証された。労働者にとっては、テコのこの支点を利用して、今後、反転攻勢に出ることが重要である。しかも、大衆動員を展開する余地は残っている!

外国人は最も
不安定な境遇

 問題となったのはCPEだけでなかった。二十人未満の従業員を擁する中小企業でCPEと同様の制度を導入するCNEはいぜんとしてそのまま存続している。貧困地域(大都市郊外)の反乱に応えるためだという名目で採択されたいわゆる「機会均等法」もまだそのまま効力をもち続けている。それは、若者に対する本当の打撃となるものである。それは、新たに十五歳の若者の深夜労働を認め、見習い開始年齢を引き下げることによって、すべての若者に均等に保障されていた正規の就学権を事実上排除してしまう。それに対応して、家族手当も廃止されるのである。
 基本的に、この三十年間、歴代のすべての政府が例外なく、若者の失業を利用して偽りの実習である「若者用契約」を実施してきた。実際、十八歳から二十五歳までの若者の大部分は研修期間中なのであって、この年齢層の失業率は全体の公式失業率の九%よりも低いことになる。若者が学校を出て労働市場に参入する時点になると、その失業率は二二%にまで上昇するのである。
 なぜなら、経営者は誰も雇用しないか、あるいは低賃金や超過搾取の可能な研修を利用して労働力を選抜するからである。これらすべての手段は実際には、正当な賃金の支払いを受ける安定した契約の権利を破壊するための実験として役立っている。
 若者も若者でない者も、男も女も、フランス人も外国人も、受け入れられる唯一の労働契約は、CDI(無期限雇用契約)か公共部門での正式の肩書きのあるポストかである。失業と闘うためには、雇用創出の必要性がきわめて大きい公共部門における雇用の創出、ならびに男女すべての労働者の労働時間を全般的に短縮して薄給の不安定雇用や派遣やパートを導入することなく新規採用でこの時間短縮を補う、という道を追求しなければならない。
 雇用の権利、それは同時に、CPEがそうであったような、そしてCNEがいぜんとしてそうであり続けている無制限の解雇の承認とは正反対の、個人であろうと集団であろうと、大企業であろうと小企業であろうと、いっさいの解雇の禁止である。
 外国人は、不安定な境遇にある者のうちでも最も不安定な境遇におかれ、その境遇が脅かされている者のうちでも最もその境遇が脅かされているのであって、政府の攻撃の最前線に立たされている。新自由主義の同じ論理は、労働法典および労働者の諸権利を破壊し、若者と若者でない者を分断し、外国人の運命を極度の不安定な境遇に追いやることを望んでいる。
 緊急の課題としては、五月初めには、CESEDA(外国人の入国と滞在および亡命権に関する法典)改正計画が国民議会で審議されることになっている。この計画が承認されると、外国人は、家族で生活したり、結婚したり、子どもを持ったり、勉学することが認められなくなるだろう。外国人は再び非合法生活に転落するという脅威に生涯さらされ続けることになるだろう。
 こうした情勢の中では、メーデーはこれまでどおりの通常のものとはなりえない! われわれのデモは、四月十日の勝利を祝う旗を掲げると同時に、若者、外国人、すべての労働者を攻撃対象とするいっさいの反動的な計画や法案を阻止する決意の旗をも掲げなければならない。この旗の色は、新しい闘いと新らたな勝利の希望の色である。(「ルージュ」、06年4月27日)



リール地方で行動委員会を結成
失業社会に終止符を打つための長期的闘いを


闘いのアピール
とスケジュール

 CPE(初回雇用契約制度)反対闘争の勝利の後、運動の次の展望に向けて何を提示すべきかということが今問題になっている。今回の闘いの成果の上に立って、今後、闘いをいかに発展させていくのかの模索が各地で始まっている。フランス北部のリールでは、高校生、学生、労働者を結集した行動委員会結成のアピールが出された。スケジュールは決定された。
 不安定雇用に反対する闘いをいかに引き続き展開すべきか? この問題が、CPE撤回後、リール第V大学の闘争結集学生大会の中心議題となっていた。多くの提案が出され、その関心の大部分が四月十一日のデモの準備に注がれた。週末になると大学の休暇が始まるので、来るべき運動の目標を定めなければならなかったからである。
 四月十日の勝利は、「二カ月にわたって持続した深い決意、かつてない闘争の連続、波状スト、学部と高校の占拠、そして最後に労働者の全体を引きつけるその驚くべき能力、のおかげで可能になった。この能力のおかげで、長年統一することができてこなかった労働組合組織の統一した行動が実現されたからである」。しかしながら、封鎖が解除されて大学の休暇時期に入ってしまうと、学生大会が打ち出した闘争結集計画も、もしこの計画を実現するための機関がないとすれば、消滅してしまう可能性があった。
 こうして、高校生、学生、失業者、労働者の行動委員会の結成という考えが生まれ、最終的に、ノール・パ・ド・カレ地方のさまざまな労働組合や社会運動団体や政党の活動家百十五人が署名したそのアピールが四月十八日に発表された。行動委員会は、「この統一のこの成果を保持することを目的とする。なぜなら、闘いが可能になるのは、かつての分断、汚れた裏切り、失業と不安定雇用に直面しての受身的態度、を克服することによってであるからである」とこのアピールは主張している。
 「四月十日は、社会の一連の敗北との決別を画するものである。……もしわれわれがこの度、勝利を勝ち取ることができたとするならば、われわれの生活の不安定化に反対する闘いにまで登りつめるような長期の闘いのために、そしてまた失業社会に終止符を打つために、今後も運動を持続させ拡大することもまた可能なのだ」と続けた上で、アピールに署名した人々は、CNE(新雇用契約)と機会均等法の撤回を要求するとともに、試験時にストに参加した学生に対するいっさいの処分を拒否し、政治的弾圧のすべての犠牲者の釈放を求め、いっさいの不安定雇用の形態と失業の根絶、市民的、社会的権利の平等、いっさいの治安的法律の廃棄を要求している。
 五月一日のデモは、法学部近くから出発するが、この地区の学生大会によって高校生、学生、労働者に開放される予定である。このデモは、このアピール文の内容を大衆的に伝える新たな機会となるだろう。このアピールは、昨年の欧州憲法条約国民投票で反対キャンペーンを組織した五月二十九日の巨大なイニシアチブに訴えかけている。(ポール・アゲドール、「ルージュ」、06年4月27日)


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