もどる

「日の丸・君が代」不起立処分撤回!「愛国心」と市場原理の注入反対! 
           
かけはし2006.6.19号

教育基本法改悪案を廃案へ

全国連絡会が国会デモ
私がなにを愛するかは私自身が決めることだ


 六月二日、東京・日比谷野外音楽堂で「教育基本法の改悪をとめよう!6・2全国集会&国会デモ」(主催・全国連絡会)が行われ、三千人が参加した。
 小泉政権と与党は、五月十一日、衆院本会議で連日の審議が可能となる「教育基本法改正案に関する特別委員会」の設置を強行採決し、十六日以降、衆院で審議入りを強行した。特別委員会では、愛国心教育の問題点などが次々と浮き彫りになっている。政府・与党の強引な審議と改悪法案の成立を許さない国会包囲が行われた、
 呼びかけ人の高橋哲哉さんは、「教基法改悪をめぐって切迫している。今国会で成立させたい動きや、継続審議への動きなどが出ている。たとえ継続審議となっても、秋の臨時国会、通常国会で審議される。私たちは、法案が廃案になるまで気がぬけない。愛国心の問題が焦点化している。そもそも私が何を愛するかは私自身で決める。国に言われることや、法律で決められるいわれはない。このことをあらためて強く訴えたい」とアピールした。
 続いて、坪井節子弁護士が子どもの権利と人権救済活動の取り組みから教基法改悪を批判、浅井勉さん(埼玉県教職員組合)が埼玉県の諸団体とともに改悪反対運動を展開していることを報告した。
 呼びかけ人の三宅晶子さんは、「愛国心と抵抗」というテーマから、改悪法案第二条「教育の目標」の愛国心条項を取り上げ、「二〇〇二年に文科省が作成した『心のノート』の徳目教育をそのまま改悪法案では踏襲している。『国を愛する態度』を作り出していくために、家庭、地域、警察・行政・自衛隊などとの連携を強めていくことも主張している。このような愛国心教育を許さず、すでに職をかけて闘っている教員や職を失った教員たちとともに共に闘っていこう。国会に反対の声を届けよう」と発言した。
 次に共産党、社民党の国会議員が国会審議状況などを報告し、教基法改悪法案の廃案に向けて連帯発言を行った。
 〇四年の卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立し、不当処分を受けた川村佐和さんは(都立高校教員)は、処分撤回闘争と都教委の教育破壊を力強く糾弾した。
 呼びかけ人の小森陽一さんは、「国会審議で麻生外務大臣が突然、要求もされていないのに教育勅語を暗唱しはじめたり、与党議員は国体という言葉を何度も使っている。日本会議のメンバーたちによって国会がジャックされることを絶対に許してはなりません。国家に忠誠を尽くす新教育法案を成立を阻止していこう」と力強く訴えた。
・学生の立場から石田精一郎さん(東京大学)は、大学当局によって学生自治が破壊されている現状を報告し、改悪法案反対運動を広げていきたいとアピールした。
 池田年宏さんが(大分県教職員組合)大分県での反対運動の取り組みを報告 し、最後に呼びかけ人の大内裕和さんが今後の反対運動について行動提起を行った。集会アピールを参加者全体で採択し、国会に向けてデモに移った。 (Y)


「日の君」強制反対意思表示の会
まかり通る「愛国」フンサイ浮上する排外主義に対決を


 六月三日、東京の渋谷勤労福祉会館で「まかり通る『愛国』フンサイ! 6・3意思表示の会」が行われた。主催は「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会。
 東京都では今年の卒・入学式でも停職三カ月一人、同一カ月二人をふくめて三十九人に処分が発動され、二〇〇三年の「10・23通達」以来都教委による「日の丸・君が代」不起立被処分者はトータルで三百五十人に達した。その上、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法改悪案が与党と民主党の双方から提出され、国会審議が開始される事態に入っている。この日の集会は、こうした状況に切り込み、抵抗の拠点をどう作り上げるかという問題意識から準備された。報告は板垣竜太さん(同志社大学教員・朝鮮近代社会史)と渡辺厚子さん(大泉養護学校ブラウス裁判原告)。

マンガ『嫌韓流』
のレイシズム

 板垣さんは一九九九年二月に韓国に留学していた時に、広島県世羅高校の校長自殺事件を契機とした「国旗・国歌法」制定への流れに危機感を抱き、反「日の丸・君が代」のウェブサイトを立ち上げて中心的に担ってきた活動家でもある。板垣さんは、1、2巻合計で公称六十五万部を売り上げたという『マンガ嫌韓流』の分析を通じて、今日のレイシズム、排外主義の構造にメスを入れた。
 「『マンガ嫌韓流』に寄せられた『読者からの声』を見ると、仮構された『常識』を批判し、仮想論敵を論駁するという形をとって『不安』から脱出し、『抑圧』から『解放』されたという意見が多く見られる。陰謀論的に投影された『左翼』『韓国』『北朝鮮』『在日』『中国』『反日』を取り出し、それに対抗する『日本人』を立ち上げていくという構成になっている」。
 こうしたレイシズムの構造に対して板垣さんは「戦後日本で温存されてきた『嫌韓』的なものは冷戦構造と経済成長の中で押し隠されてきたが、それがポスト冷戦期に表現の場を得て浮上したのではないか。だから戦後日本的なものを守るということではなく、そのあり方を再検討し、今日必要な正義のあり方をさぐっていく必要がある」と訴えた。

教育労働運動の
限界を見据えて

 渡辺厚子さんは、政治犯として韓国軍事独裁政権によって長期投獄された在日韓国人チェ・チョルギョさんの救援運動にかかわってきた経験から、アジアの視点がいかに重要かを訴えた。渡辺さん自身は、「10・23通達」に先立って二〇〇二年に戒告、二〇〇四年には減給一カ月、二〇〇五年には減給六カ月の処分を受けた。
 渡辺さんは、「日の丸・君が代」処分撤回闘争の取り組みが、組合の闘いとしてではなく個々の決断に委ねられてきたこと、組合からの積極的な支援を得られなかったこと、労戦問題での分裂が固定し、すぐには共同闘争が取り組めなかったなどの問題を指摘するとともに、「合同審理」の実現などに見られるように、その状況は徐々に変わってきたと評価した。
 そして「日の君」の強制をもたらした教育労働者運動の問題点として、戦争加害責任のあいまい化、正規労働者の権益拡大運動、「権限集中、上意下達、組織保持」の労組体質、学校内教師主体の改革運動を取り上げ、こうした弱点の克服が必要だと強調した。

現行教基法をど
う評価するか

 パネル・ディスカッションでは最初に天野恵一さんが、現行教育基本法自身の問題点として「正しい教育理念を国家が決める、という考え方」そのものへの疑問を提起。さらに小熊英二さん(慶応大教員。著書に『単一民族神話の起源』、『〈民主〉と〈愛国〉』など)が「日本の右派や保守派をみて思うことは、思想的な核がないということ」と語っていること(朝日、5月11日)を取り上げ、むしろ運動の側が天皇制を正面から見据えた運動を作りだしてこなかった歴史を批判する必要がある、と語った。
 板垣さんも、同じ小熊氏の発言の中で「日本には移民が少ないので、右派団体が移民排斥を掲げるというかたちをとらなかった」としていることに疑問を投げかけ、持続してきた在日朝鮮・韓国人差別と、その公然たる浮上にどう立ち向かうかの重要性について述べた。
 さらに討論の中では、教育基本法自身が体現していた「能力主義」について戦後の教組運動が自覚的ではなかった問題についても取り上げられた。  (K)


共謀罪反対!緊急議面集会
「民主党案丸のみ」で成立図る与党に抗議

 六月二日、共謀罪の新設に反対する市民団体が衆議院議員面会所で緊急国会報告集会が行われ、百人以上の仲間たちが駆け付けた。
 与党衆院法務委員会理事会は、六月一日、共謀罪新設法案の悪法が次々と暴かれ、反対世論が高まるなかで、なにがなんでも成立させるために民主党の修正案に賛成する態度を明らかにした。民主党修正案「丸呑み」の理由が、七月のサンクトペテルブルク・サミットを射程に入れて、対テロ戦争への積極的参戦していくために共謀罪制定が必要だというものだった。だが、その本当のねらいは、とりあえず民主党修正案を成立させて、次期国会で与党案に近づけさせるために修正していくというシナリオだった。
 ところが麻生外相は、「民主党案では国際組織犯罪防止条約に批准できず、結局は国際社会から総スカンだ」と発言し、政府与党の不一致が露呈した。
 さらに、一日の「与党が一転 民主党案に賛成」という報道が流れたとたんに全国の反対運動を取り組んでいる仲間たちは、民主党執行部や各議員に対して「騙されるな!」「与党は、将来修正を前提にしている。採決に乗ってはだめだ!」とメール、FAX、電話オルグが次々と行っていった。結局、民主党執行部は、「安易に乗ることはない」、「すぐ採決という話にはならない。見極めないと危ない」と態度を統一し、採決にのることを拒否した。国会は、十八日までだが、二日の採決を逃したことによって、今国会の共謀罪成立は、ほぼ不可能となった。反対運動大きな勝利だ!会期終了まで法務委員会での採決を許さず、厳しく監視し続け、反対運動の力を堅持し続けていこう。共謀罪新設法案は廃案しかない。
 与党の民主党修正案丸呑みトリックが破産したことが明らかとなり、あらためて与党の強引な法案成立にむけたやり方に怒りが沸騰しているなかで集会が始まった。
 衆院法務委員として奮闘している保坂展人衆院議員(社民)は、「民主党理事は、与党の民主党修正案成立後に修正する奇策や麻生外相の発言が明らかになったことによって理事会を退席した。現在、与党のシナリオどおりになっていない。とりあえず民主党は、だましには乗らなかったということだ。参議院の委員会は、日程が詰まっており、もし与党が採決強行をしたらすべての審議がストップする。だけどなにが起こるかわからない共謀罪審議だから、気をぬかず、廃案まで頑張っていこう」と訴えた。
 福島みずほ参院議員(社民党党首)は、「十八日の国会が終わるまで、なにが起こるかわからない。一日一日全力で頑張ろう。昨日、社民党は共謀罪反対の記者会見、民主党執行部に電話をしましたところ、みな『慎重』だった。詐欺商法にひっかからなくてよかった。人権無視の共謀罪の成立を許さない」と発言した。
 佐々木憲昭衆院議員(共産党)は、「あれやこれやの修正をしても共謀罪の本質は変わらない。廃案しかない。与党は、民主党修正案を丸呑みするということは、今までの答弁はウソだということになる。議事録を削除するのか。いずれにしても民主党の態度が問われている。小沢代表自身が『なにもメリットがない』と発言している。最後まで野党は、反対を貫いていかなければならない」と強調した。
 さらに発言は、高田健さん(許すな憲法改悪!市民連絡会)、海渡雄一弁護士、小倉利丸さん(ネットワーク反監視プロジェクト)などから決意表明が続いた。   (Y)


もどる

Back