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ブラジル                        かけはし2006.9.4号

世界の社会主義者はエロイザ・エレナを支持する

オンライン署名への支持を

 われわれの多くは、二年前、エロイザ・エレナや他の議員メンバーのPT(ブラジル労働者党)からの除名に抗議した。
 現在、エロイザは、PTから官僚主義的に除名された党員や、異論派の党員、ならびに左翼戦線のメンバーによって創設された社会主義と自由党(PSOL)の大統領候補となった。ルラ政権が典型的な社会自由主義的路線を歩み、ラディカルな社会的・政治的変革を希望してルラに投票した幾百万もの人びとや、ブラジルが反帝国主義闘争の新たな推進力となることを期待した全世界の人びとを失望させる中で、エロイザ・エレナと彼女の同志たちは、PTのもともとの反帝国主義的・社会主義的綱領への忠誠を維持している。
 今や彼女は、ブラジルの選挙の中でブラジルの労働運動、農民、貧しい人びと、抑圧された人びとの歴史的旗を掲げている唯一の候補者である。

bラディカルな農業改革
b対外債務支払いの停止
bアメリカ自由貿易地域(ALCA)の拒否
b賃下げなき労働時間の実質的削減 
b遺伝子組み替え物質(たとえばモンサントのターミネーター種子)の使用停止
bALBA(アメリカ・ボリバール主義連合、ベネズエラ、ボリビア、キューバ)への支持

 ブラジルの選挙は、全世界あらゆる地域の社会主義者の関心事である。われわれは、ブラジルの貧しい、搾取された大衆に連帯し、次期のブラジル大統領選挙で唯一の社会主義候補、エロイザ・エレナを支持する。
 皆さんの氏名(肩書を付して)あるいは組織名を、socialistsupportheroisa@googleemail.com に送るか、
www.petitiononline.com/heroisa1/ に署名してほしい。

主な署名者

ジルベール・アシュカル(大学教授、著作家)、アントニー・アーノブ(国際社会主義組織/米国)、クリス・バンベリー(編集者、社会主義労働者党/英国)、ホセ・バレト(全国労働者連合カラボボ地域調整委員/ベネズエラ)、エミリオ・バスティダス(全国労働者連合アラグア地域調整委員/ベネズエラ)、ダニエル・ベンサイド(LCR、フランス)、オリビエ・ブザンスノー(LCR大統領候補/フランス)、アリスター・ブラック(スコットランド社会党国際委員会/英国)、ホセ・ボダ(石油労組執行委員/ベネズエラ)、パトリック・ボンド(政治経済学者、クワズールー・ナタール大学/南アフリカ)、ピーター・ボイル(民主的社会主義パースペクティブ全国書記長/オーストラリア)、スー・ブランフォード(ラテンアメリカ問題著作家)、ロバート・ブレンナー(経済学者/米国)、アンドリュー・バーギン(ストップ戦争連合報道担当書記/イングランド・ウェールズ)、アレックス・キャリニコス(社会主義労働者党/英国)、ジョーン・コリンズ(ダブリン市議、独立左翼キャンペーン/アイルランド)、オーランド・クリノ(全国労働者連合全国調整委員/ベネズエラ)、フランセス・クーラン(スコットランド議会議員、スコットランド社会党)、マイク・デービス(サンディエゴ大学/米国)、ローランド・デニス(わがアメリカプロジェクト・4月13日運動/ベネズエラ)、コリン・フォックス(スコットランド議会議員、スコットランド社会党)、アナ・ガバロ(カタルーニャ統一左翼全国評議会委員/スペイン)、リカルド・ギャラルド(全国労働者連合全国調整委員/ベネズエラ)、マルコス・ガルシア(公務員労組全国調整委員/ベネズエラ)、リンゼイ・ジャーマン(ストップ戦争連合呼びかけ人/英国)、マイク・ゴンザレス(グラスゴー大学/英国)、トニー・グレゴリー(アイルランド)、ゲオルグ・グロリオス(テッサロニキ大学教授/ギリシャ)、ジョー・ハリントン(前リメリック市長/アイルランド)、リチャード・ハッチャー(中部イングランド大学/英国)、イスマエル・ヘルナンデス(全国労働者連合カラボボ地域調整委員/ベネズエラ)、デーブ・ヒル(ノーザンプトン大学教育学部教授/英国)、「エスパシオ・オルターナティボ」(スペイン)、リヌス・ジャヤティラケ(統一労働者連合/スリランカ)、ジョン・パーシー(民主的社会主義パースペクティブ/オーストラリア)、ビクラマバフ・カルナラスネ(新左翼戦線議長/スリランカ)、クラウディオ・カッツ(経済学者/アルゼンチン)、アラン・クリビンヌ(LCR/フランス)、ダルマシリ・ランカペリ(メディア従業員連合/スリランカ)、ポール・ラバーティー(映画作家)、ジョン・リスター(医療問題緊急行動/ロンドン)、ケン・ローチ(映画制作者)、フランシスコ・ルカ(国会議員、左翼ブロック/ポルトガル)、ミシェル・レヴィ(ブラジル人著作家)/フィニアン・マクグラス(アイルランド)、パトリシア・マッケンナ(前欧州議会議員、アイルランド緑の党)、ホセ・メレンデス(鉄鋼労働組合財政部長/ベネズエラ)、ジョン・モロネー(公共サービス労組全国執行委員/英国)、民主人民党(議長ディタ・インダー・サリ、国際関係部ゼリ・アリアネ/インドネシア)、ベドロ・モンテス(経済学者、統一左翼全国委員/スペイン)、ハイメ・パストール(統一左翼全国政治評議会/スペイン)、スターリン・ペレス・ボルゲス(全国労働者連合全国調整委員/ベネズエラ)、ジェームス・ベトラス(大学教授、ブラジルMSTアドバイザー)、ルイス・ラベル(カタルーニャ統一左翼全国評議会/スペイン)、ミック・ラファーティ(ダブリン市議、無所属/アイルランド)、ジョン・リーズ(「リスペクト」全国書記長/英国)、アンディ・リード(公共サービス労組全国執行委員/英国)、「レボルタ・グローバル」(カタルーニャ)、テレサ・ロドリゲス(統一左翼全国委員/スペイン)、エドガルド・サンチェス(革命的労働者党/メキシコ)、アルフレッド・サード・フィリョ(大学教授/ロンドン)、アーメド・ショーキ(編集者、インターナショナル・ソーシャリスト・レビュー/米国)、オスカー・ソリアノ(ボリビア)、アラン・ソーネット(「リスペクト」全国執行委員/英国)、ディオスダド・トレダーノ・ゴンザレス(統一左翼代表委員、カタルーニャ統一左翼常任評議会/スペイン)、グレッグ・タッカー(列車乗務員組合書記、鉄道・海員・輸送労組/英国)、マルコス・チュリオ・ディアス(建設労組書記長/ベネズエラ)、イエズス・ベルガス(全国労働者連合カラボボ地域調整委員/ベネズエラ)、ビルマ・ビバス(全国労働者連合タキラ地域調整委員/ベネズエラ)、ヘクター・ウェズリー(公共サービス労組全国執行委員/英国)、ニエル・ウィジェシラケ(企業・生協・港湾労組書記長/スリランカ)、ハワード・ジン(作家/米国)、スラボイ・ジジェク(哲学者/スロベニア)


投書
「あんにょん・サヨナラ」を見て
「靖国問題とは何か」を考えさせる
                  SM

 7月にポレポレ東中野で「あんにょん・サヨナラ」(キム・テイル監督作品)を見た。
 朝鮮半島は、1910年に日本の植民地にされた。イ・ヒジャ(李煕子)さんは、その朝鮮半島で生まれた(1943年1月3日)。彼女のお父さんは、日本軍に徴用された。そして中国で戦病死した(1945年6月11日)。だが、家族には死亡通知も来なかった。家族は、死亡事実も知らされなかった。
 イ・ヒジャさんのお父さんは、1959年に靖国神社に勝手に合祀されていた。イ・ヒジャさんは、後に、その事実を知り、ショックを受ける。イ・ヒジャさんは、靖国神社にお父さんの名前を返して欲しいと申し入れるが、拒否される。そこで、イ・ヒジャさんは、2001年6月29日、韓国人遺族代表として、東京地方裁判所に靖国合祀取下げ訴訟を提起する。イ・ヒジャさんは、「父親が靖国神社に合祀されているということは、いまだに父親の霊魂が植民地支配を受けていることだと思います」と述べている(2002年4月26日)。
 イ・ヒジャさんと古川雅基(ふるかわ・まさき)さんは、中国を訪れる。古川雅基さんは、南京大虐殺の祈念館で、子どもの遺骨を見て「ごめんね。ごめんね」と何回も謝った。
 イ・ヒジャさんは、お父さんの命日に、供養を行なう場所を探しているうちに、道端で泣き出してしまった。イ・ヒジャさんに彼が出来ることは、「傘をさしてあげることだけだった」。「太平洋戦争で二千万のアジアの人びとと三百万の日本人が死んだ。その戦争を靖国はアジア解放のためだと呼ぶ」(古川雅基さん)。
 「あんにょん・サヨナラ」は、イ・ヒジャさんの靖国神社との闘い、イ・ヒジャさんの闘いに連帯する古川雅基さんの活動、このふたつを軸に「靖国問題とは何か」を考えさせるドキュメンタリー映画だ。
 日本軍国主義の兵士たちによって殺された人びと、日本軍国主義の兵士にされて殺された人びと、彼ら彼女らを生き返らせることは出来ない。それは不可能だ。ぼくたちに出来ることは、侵略戦争を支持する「日本軍国主義の残党による支配体制」とアジア太平洋の被害者たちとの今も続く戦争において、加害者の側ではなく、被害者の側に立って闘うことだ。「日本軍国主義の残党による支配体制」の完全打倒と「真に平和主義的で民主主義的な新しい体制」の樹立によって、アジア太平洋の人民と日本の人民が友達になれる日が来ることを目指して闘うことだけだ。ぼくたちに出来るのは、それだけだ。靖国神社は改革ではなく、解体されるべきだ。ぼくは、そう考える。
 池田幸一さん(シベリア立法推進会議世話人)は、語る。「靖国に祀られているこの英霊という兵隊ですね、兵士。これはなるほど、被害者、犠牲者でありますけれど、その反面、実は加害者なんですよ。もう一人残らず。特に中国における日本の兵隊は、これは非常にひどいですね。鬼です。加害者です。かりに、ヒットラーをお祀りして、それをドイツの大統領が拝みに行ったら、一体ヨーロッパはどうなります? 同じことを小泉がやっているでしょう。こんなことは許されて良いはずないですね」(この映画のパンフレットより)。
 上杉聰さん(日本の戦争責任資料センター事務局長)は、語る。「やはり加害者が、自分で進んで自分の罪を反省するということは、ありえないんですね。被害者に向き合い、向き合いさせ、向き合わさせられて、被害者の声を聞いて初めて加害者は自分の加害がどれだけ重いかということをわかり、時には処罰も受けて、牢屋にも入れられて、罪の重さを体に刻み込むわけですよね。そうやって人間は変わるしかないんです」(この映画のパンフレットより)。
 高橋哲哉(たかはし・てつや)さん(東京大学大学院総合文化研究科教授)は、この映画のパンフレットの中で、以下のような意味のことを語っている。
 靖国神社は、国民全体に、天皇と国家のために自己を犠牲にする精神を植え付けるための装置(国民精神総動員の装置)だった。靖国神社は追悼施設ではない。顕彰施設だ。A級戦犯の分祀では、靖国問題は解決しない。国立追悼施設の問題をどう考えるべきか。日本が真の非武装国家になれば、「新しい国立追悼施設」を作っても、直ちに戦争に利用されることはないだろう。だが、そうならないうちに、「新しい国立追悼施設」を作れば、それは容易に「第二のヤスクニ」になる。今のような状況の中で「新しい国立追悼施設」を作れば、それは新しい戦争の新しい戦死者の受け皿になる事は目に見えている。ドイツは、「ノイエ・ヴァッヘ」(国立中央戦争犠牲者追悼所)という施設のもとで、実際にコソボ紛争などで海外派兵を行っている。沖縄の「平和の礎」ですら、国家の政治の中に取り込まれていく可能性があり、それは既に始まっている。
 高橋哲哉さんは、そういう意味のことを語っている。
 この映画は、(イ・ヒジャさんによれば)「経済発展を優先し、被害者の声を無視してきた」韓国政府のことも批判している。この映画のパンフレットを読んで、初めて福沢諭吉が右翼だったということを知った。この映画は、とても良かった。ただ、靖国神社と切っても切り離せない天皇制問題については批判が不十分なのではないか。ぼくは、そう思った。イントロダクションの部分で、この映画のパンフレットとチラシを参考にした。
 「あんにょん・サヨナラ」/監督 キム・テイル/共同監督 加藤久美子/2005年/日本・韓国/2005年釜山国際映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞(ウンパ賞)受賞作品/ホームページ(「あんにょん・サヨナラ」公式サイト) 
http://www.annyongsayonara.net
  (2006年7月26日)


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