もどる

    かけはし2017.年2月20日号

福島原発事故の真実究明せよ


1.29

刑事訴訟支援団結成1周年

1日も早く裁判を

加害者東電の責任追及へ

 一月二九日、玉川区民会館で「一日も早く裁判を!福島原発刑事訴訟支援団結成一周年集会―福島原発事故の真実を明らかに―」が行われ、三五〇人が参加した。
 集会の報告に入る前に、福島原発刑事訴訟に至る経緯は概括して以下のようだ。
 二〇一二年六月一一日
 福島原発告訴団が結成され、避難者を含む福島県民一三二四人が東電幹部らを刑事告訴、その後の追加告訴を合わせ一万四七一六人の集団告訴となる。
 二〇一三年九月九日
 検察庁が刑事告訴について容疑者全員を不起訴処分とする。
 二〇一三年一〇月一六日
 不起訴処分を不服とし、福島原発告訴団が検察審査会に審査を申し立てる。
 二〇一四年七月三一日
 東京第五検察審査会が東電元幹部ら三人を起訴相当と議決。
 二〇一五年一月二二日
 検察庁が東電元幹部ら三人について再度不起訴とする。
 二〇一五年七月三一日
 東京第五検察審査会が東電元幹部ら三人を起訴すべきとする二度目の議決を発表、強制起訴が決定する。
 二〇一五年八月二一日
 東京地裁が検察官役の弁護士三人を指定
 二〇一五年九月一五日
 東京地裁が検察官役の弁護士を二人追加で指定、強制起訴事件では最多の五人体制となる。
 二〇一六年二月二九日
 指定弁護士が裁判所に起訴状を提出、裁判を開くよう求める。

「帰還」強要と
避難者切り捨て
世界中を震撼させた福島原発事故発生から間もなく六年が経過しようとしている。いまだに毎日大量の放射性物質を大気と海洋に放出し続けている。
ところが政府の原子力緊急事態宣言は今もって解除されない深刻な事態が続いているにもかかわらず、事故収束を前面に押し出した「帰還」政策の下で、居住可能管理基準を大幅に引き上げて二〇ミリシーベルトとした。電磁放射線に関する現行の法令・規則では年間一ミリシーベルトが公衆の被曝限度であるとされているのだが、原発事故被害者には年間二〇ミリシーベルトの被曝を甘受せよ、と政府が強要しているのだ。
政府のこの「帰還」政策で、避難区域の内外を問わず対象としてきた住宅無償提供は、避難区域からの避難を余儀なくされた自主避難者に対して、この三月末で打ち切りとなり、一五〇〇戸と言われる自主避難者を切り捨てようとしている。
原発事故によって、生まれ育ったふるさとを追われ、その近隣の人々は避難するのか、留まるのか、大変困難な選択を迫られ、その途中で多くの人が命を落としている。福島では八万人にも及ぶ被災者が今も苦しい、そして困難な避難生活を余儀なくされている。
一方、国・東電は未曽有の放射能汚染と長期にわたる被曝をもたらした福島原発事故について、原発を襲った津波は想定外のものであったとしてその責任を回避していたが、東電は津波を予測しておりながら、対策を先送りしていたことが明らかとなったのだ。
政府ともども被災者の救済をなおざりにし、原発再稼働に舵を切った事故の責任企業である東電が罪に問われなくてもよいのか。原発事故の責任の所在を明らかにし、その責任を取らせなければならない。

厳しさ増す現実
をはねかえせ!
本集会は冒頭、佐藤和良支援団長が開会あいさつと支援団としての今後の行動提起を行った。
「福島原発事故から六年が経とうとしており、今日の集会は今年のそして今後の闘いの大きな出発点となる。県内では様々な分断の中で『帰還』政策が進められており、三月末をもって避難解除準備区域の指定を解除される。五〇ミリシーベルト以上が帰還困難区域で、二〇ミリから五〇ミリシーベルトの間が居住制限区域とされている。二〇ミリ以下の区域は帰還して下さいということで強制帰還を進めてきた。ところがこの三月には居住制限区域まで、つまり五〇ミリシーベルトまでは帰還して下さいよ、ということになる。とんでもない話だ」。
「また避難指示の出ていない区域からの避難者に対しては住宅無償の提供を三月末で切るということが国・県によって進められようとしており、大変厳しい現実だ。つまり二〇二〇年の東京オリンピックまでに、避難者はいないよ、と限りなく収束に向かっていることをアピールしたいのだろう。原発の汚染水を垂れ流しても、流れていないよという魂胆だ。今、県内では『モノ言えば唇寒し』で、放射能汚染、被曝の問題について厳しい状況が続いている」。
「避難区域内の子どもたちが首都圏でいじめに合うということがようやく顕在化してきたが、その一方で避難しているからいじめに合うのだと残念ながら言われている現実もある。いじめは今になって露顕したのではなく、六年間続いていたのだ。これは政府の帰還政策と軌を一にしていることにあるのではないか」。
「私たちは二〇一二年の三月一六日に福島原発告訴団を発足させてその年の六月に福島地裁に告訴した。その後二度程不起訴になったが、二〇一五年二度目の強制起訴にこぎつけ、東電の勝俣元会長、武藤元副社長、武黒元副社長の三人が強制起訴の対象となった。昨年三月二九日、指定の五人の弁護士によって正式に起訴されたので、実際には三月には公判が始まってもよかったのだが、もう一年近く棚ざらしというか論点整理ということで東電側の引き延ばしの抵抗がある。私たちは一刻も早く公判を開けという声を大きくしていかなければならない。全国の原発の再稼働を強引に押し進める安倍内閣を許してはいけない」。
「被害者が地獄の苦しみを味わっているのに、加害者が天国にいる状態に一刻も早く終止符を打って、本当に日本が脱原発に向かうためには、何故あの福島原発の事故が起きたのか、その責任者は誰なのか、これを明白にさせることが第一に重要だ。この意味でこれから始まる刑事裁判を全国に力強く知らしめて傍聴席を満席にし、毎回毎回、事実・真実を全国、全世界に発信していく。そのためにこの支援団が昨年の一月三〇日に発足した。さらに皆さんと共に団結を強くそして大きくしていき、何としても東電三人の有罪を勝ち取るまで頑張っていきたい」。


私たちは絶対に
あきらめない! 
以上の支援団の活動の位置づけと行動提起の最後に、今後、長い法廷闘争が始まる中で、支援団への入会の協力とカンパの要請を行い、参加者との連帯・協同を固くした。
この後、集会は河合弁護士、海渡弁護士から、原発をなくす脱原発の闘い、フクイチの事故についての民事責任・刑事責任の追及、そして被害者の救済に向けた取り組みの重要性と運動の課題について発言された。
福島原発事故から六年、事故収束・復興劇の背景で、福島から京都府に避難しているうのさえこさん、大熊町から新潟県に避難している大賀あや子さん、会津坂下町に在住の千葉親子さんから各々現実に起きている日々の生活での困難さとその思いを語られた。
この後、鎌仲ひとみさん、神田香織さんの賛同人アピールがあり、集会のまとめとして支援団副団長の武藤類子さんから、「災害復興住宅で高齢者の孤独死、高校生が第一原発作業の見学をしに来たこと等の問題点を挙げ、事故の被害が時間の経過とともに新たな悲劇を生み、福島の自殺者は増加の一途をたどっている。危険性とあきらめと分断を強要され、生きる尊厳を傷つけられる、こんな悲惨な事故は福島で終わりにしなければいけない。この春には原発事故の責任を問う裁判が始まると思います。皆さんと力を合わせて頑張りましょう」と述べ、会場からの力強い長い拍手の中で閉会した。(M・M)

2.5

都教委の暴走止めよう

「日の丸・君が代」強制反対

10・23通達撤廃せよ


厳しい現実に
立ち向かおう

 二月五日、都教委の暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットは、東京しごとセンターで「『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤廃! 2・5総決起集会」を行い、一二〇人が参加した。
石原都知事と東京都教育委員会は、二〇〇三年、小泉政権が押し進めるグローバル派兵国家建設と連動して新自由主義と愛国心教育路線の一環として一〇・二三通達」(校長の職務命令により、入学式・卒業式での国歌の起立斉唱・ピアノ伴奏を強制)を強行した。ただちに教育労働者・地域の仲間たちは、反撃の陣形を立ち上げ、「日の丸・君が代」強制反対と10・23通達撤回を掲げ、教育現場、地域、裁判闘争などで闘ってきた。「君が代」斉唱強要に抗議する不起立・不伴奏等を理由にして延べ四七八人の教職員が不当処分された。再雇用職員・再任用・非常勤教員等の合格取消・採用拒否も行った。包囲ネットは、卒業式・入学式シーズン直前の闘う意志一致を行った。
集会は、見城ア樹さん(包囲ネット)の主催者あいさつから始まり、「安倍政権の反動化に抗する闘う結集軸が弱い状況が続いている。様々な課題で粘り強く闘われているが、課題別の壁を乗り越え団結と連帯を強めながら反撃を強化していこう」と訴えた。

厳しい現実に
立ち向かおう
「日の丸・君が代」被処分者は、「『日の丸・君が代』は絶対に認められない。その考えを生徒たちに丁寧に説明してきた。その成果もあって生徒たちは『心配』から『応援』に変わっていった。この変化を大事にしながら不起立を行っていきたい」と発言した。
根津公子さん(河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会)は、「二〇一五年五月、東京高裁は二〇〇七年『君が代』不起立処分取り消しと損害賠償を求めた事件で、河原井さんの停職三カ月処分を取り消しただけでなく、根津・停職六カ月処分の取り消しと河原井さん、根津の損賠を求める判決を出し、最高裁は都の上告を棄却した。二〇〇八年事件、二〇〇九年事件の裁判と闘いは続くが頑張っていきたい」とアピール。
高校生へのオリンピック教育反対のチラシ撒きを行っているビラまき交流会は、「都教委は、『オリンピック・パラリンピック学習読本』を配布し、年間三五時間もの学習を指示している。例えば、長野五輪の財政問題、環境破壊などに一言も触れず、一方的なオリンピック教育そのものだ。高校生に対して『オリンピックってなんだ! 勝利至上主義? 商業主義? ナショナリズム? 〈平和の祭典〉であるはずのオリンピックで何が起きているか、考えてみませんか!』というビラを撒いている。反応は少しずつ関心を集めている」と報告。
「さまざまな闘いの現場」では、坂本茂さん(練馬平和委員会)が「学校現場を翻弄する自衛隊入隊者獲得の実態」を報告。
石橋新一さん(破防法・組対法に反対する共同行動)が「労働運動・市民運動の解体ねらう共謀罪」を批判した。
宮崎俊朗さん(「二〇二〇オリンピック災害」おことわり連絡会)は「東京オリンピックおことわり宣言と連絡立ち上げ」報告。
井上森さん(立川自衛隊監視テント村)が「一一・二〇天皇制反対デモに対する右翼・警察が一体となった弾圧」を糾弾した。
山中雅子さん(心神喪失者等医療観察法〈予防拘禁法〉を許すな!ネットワーク)は、「相模原やまゆり園事件」を批判し、「医療観察法は精神障害者に対する保安処分だ。保安処分の拡大に反対し、精神障碍者差別を許さない」と強調した。

「教室から戦
争が始まる」
北村小夜さん(元教員)は、「改めていま『教室から戦争がはじまる』」というテーマから@戦争動員は教室から始まるA軍国少女から反戦へと至るプロセスを検証B戦争翼賛体制に巻き込まれていく流れをストップするためになどを問題提起した。
さらに「二〇一六年四月から小中学校の健康診断の内科健診で『四肢に状況(四肢形態及び発育並びに運動器の機能に注意すること)』」の検査を実施することになった。『四肢に状況』と聞いただけで、軍隊式の姿勢や訓練を連想する。二〇〇三年の健康増進法施行で健康は国民の責務になった。国の健康管理状況が戦前のようになってきている。戦争準備は国民の体力づくりからだ」と指摘した。
「各地からの発言」では、「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワークから闘いの報告と連帯アピール。
最後に「卒業式 正門前チラシ撒き」行動の提起、集会決議を採択し、「団結がんばろう」でしめくくった。        (Y)



もどる

Back