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    かけはし2017.年2月27日号

自衛隊は南スーダンから撤退を!


「9条違反」になるから「戦闘」はなかった?

稲田防衛相は直ちに辞めろ!

改憲=戦争国家への道を断ち切ろう

もうゴマカシ
はきかない!

 「内戦」状態に入っている南スーダンへの「駆けつけ警護」などの任務を新たに付与された陸自部隊が現地に派遣されてから三カ月が経過した。南スーダンPKOに関しては、すでに昨年七月の段階で政権=大統領派と副大統領派との間で、大規模な戦闘が行われ、一〇〇人以上の死者が出ていたが、安倍政権はかたくなに「戦闘」が行われたことを否定し、あくまで「衝突」に過ぎない、と強弁していたのである。
 昨年七月に首都ジュバで行われた大規模な戦闘にあたって、自衛隊南スーダン派遣部隊が七月七日から一二日までに作成した「日報」について、昨年九月末にジャーナリストの布施祐仁さんが情報公開請求を行った。しかし防衛省は「破棄した」として一二月二日付で「不開示」となった。そこで改めて、自民党の河野太郎衆院議員が一二月二二日に「電子データすら残っていないのはおかしい」と再調査を求めたところ、統合幕僚監部で「見つかった」。
 それではなぜ、この事実が稲田防衛相にすら知らされなかったのか。統合幕僚監部で、どの部分を黒塗りにするのかなどの作業に時間がかかった、というのだ。余りにも露骨な、ウソにまみれた隠蔽行為である。

防衛省ぐるみ
のウソと隠蔽


二月七日に公表された文書(陸自派遣部隊の「日々報告」七月一一日、一二日付など)によれは、「宿営地5、6時方向で激しい銃撃戦」、「施設近辺で偶発的に戦闘が生起する可能性」「戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘」などが記述されていた。一方、派遣部隊の警備体制や他国軍からの情報は「黒塗り」になっている。
安倍政権は、国会での質問に対して「戦闘」行為があったことを否定し、あったのは「武器を使って殺傷あるいは物を破壊する行為」と主張した。「戦闘」ではなく「勢力間の『衝突』」だというのである。
防衛省がいったんは「破棄」したと報告した文書を「発見」した経過については、調べ直した結果、昨年一二月二六日に当初は調べていなかった部署(統合幕僚監部)の電子データの中で「発見」されたのだという。しかもそれが稲田防衛相に報告されたのは「発見」から一カ月後の今年一月二六日だった。その前日、一月二五日に共産党の山下芳生参院議員に対して防衛省は「日報」は廃棄されている、と説明していた。ギリギリまでウソをつき通したわけだ。
こうした経過が事実だとすれば、防衛省当局は「『戦闘』ではなく『衝突』」という安倍内閣の強弁を否認する文書の公開をウソをついてまで拒否し、なんとか辻褄を合わせる合意への調整作業をすませてから、「公開」に踏み切った、ということになる。

「法的な意味で
の戦闘行為」?


安倍首相は、昨年一〇月の参院予算委員会で南スーダンの事態が「PKO五原則(@紛争当事者間の停戦合意成立A当該地域の属する国を含む紛争当事者がPKO及び日本の参加に同意B中立的立場の厳守C上記の基本方針のいずれかが満たされない場合は部隊を撤収できるD武器の使用は要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られる)に照らし問題だ」と追及された時に次のように答弁した。
「戦闘行為ではなかった。しかし武器を使って殺傷あるいは物を破壊する行為はあった。衝突、いわば勢力と勢力がぶつかった」。
「戦闘」ではなく「勢力間の衝突」。その「衝突」によって数百人の戦闘員や住民に死者が出たとしても「戦闘」ではなく「衝突」である――これは「PKO協力法」の趣旨にすら反するのではないか。かつて日本軍による中国侵略戦争を「事変」と称したのと同じではないか。
いみじくも稲田防衛相は、二月八日の衆院予算委員会の答弁で「事実行為としての殺傷行為はあったが、法的な意味での戦闘行為ではなかった」と答弁した。なぜ「法的な意味での戦闘行為」ではないのか。稲田の答弁は「憲法九条上の問題になる言葉は使うべきではない」からだ。
さらに稲田は「人を殺傷し、ものを破壊する行為はあった」が「客観的な事実としては、国際的な武力紛争の一環としては行われていなかった」のだから、それは「戦闘行為ではなかった」と言いつのったのである。

動揺を隠せ
ない安倍政権

 「戦闘」があったと言えばそれは九条に違反するから「戦闘」はなかった。この論理によれば、あらゆる戦争が「武力衝突」として表現されてしまう。憲法九条との整合性を維持するために「戦力を持たない実力組織」として「警察予備隊」→「保安隊」→「自衛隊」という変遷を遂げてきた自衛隊は、世界有数の戦力を持った軍隊=海外での実戦を射程に入れた「侵略軍」としての実態を確立しつつあり、しかも法的には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とする九条の規定に縛られている。
しかし実際に帝国主義軍隊としての戦力を有するに至った自衛隊が、戦力を放棄した「日本国憲法」の下にあることをわれわれは過小評価すべきではない。あらゆる詭弁・虚偽によって粉飾せざるを得ない南スーダンでの自衛隊PKO活動は、依然として憲法九条の制約の下にある。
そしてそうであればこそ、安倍内閣は憲法規定の上でも「国防軍」の保持を明確にした改憲戦略を進めている。こうした安倍政権の動きを全力で阻止すべきであり、南スーダンから自衛隊をただちに撤退させるべきである。
それこそ南スーダンをふくむあらゆる国際的武力紛争の解決と、貧困と荒廃からの社会的再建を実現するための支援をすすめていく前提条件となるに違いない。
稲田防衛相だけではなく、「テロ等準備罪」(共謀罪)法案に関する金田勝年法相の答弁の迷走を重ねる二転三転など、安倍内閣の足元から動揺が拡大している。今こそ二〇一五年の闘いの戦列を再組織し、安倍内閣打倒に向けた労働者・市民運動の流れをふたたび作りだそう。    (純)


2.19

総がかり日比谷集会に4000人

みんなが大切にされる
社会を築き上げよう!

 二月一九日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、日比谷野音で「みんなで豊かに!みんな大切にされる社会を!」集会とデモを行ない、四〇〇〇人が参加した。
 今回は、毎月「19日」行動(二〇一五戦争法強行採決抗議)とともに安倍政権による自衛隊の南スーダン派兵と防衛省のPKO「日報」隠蔽、新共謀罪法案提出策動、アベノミクスに抗議し、生活の場から「いのち」をとらえ格差の拡大と貧困の広がりを許さない取り組みの一環として行なわれた。
 藤本奉成さん(戦争をさせない1000人委員会)が主催者あいさつを行い、「福島原発事故の被害の人々、基地の集中によって人権が脅かされている沖縄の人々、アベノミクスによって格差と貧困に喘いでいる人々と課題を共有し、平和に向けて頑張っていくことを誓う」と発言した。

資本のための
労働法改悪だ
メインスピーチが本田由紀さん(東京大学教授)から行なわれ、安倍政権の大資本のためのアベノミクスと民衆生活を破壊する政策を批判し、「アメリカ大統領トランプにおもねり、戦争に加担することによって一部の企業を潤そうとしている。その直接の犠牲となるのが自衛隊だ。オリンピック、カジノなど浅はかなカンフル剤の景気刺激策に頼ろうとしている。税金で動いている政府か人々を助けるのではなく、自分で生きよ、家族・地域で勝手に支え合って生きよと強要し、国の役にたてと言う。あらゆる日常生活から抗議の声をあげていこう」と訴えた。
「立憲政党あいさつ」では山尾志桜里衆議院議員(民進党)、小池晃参議院議員(共産党)、福島みずほ参議院議員(社民党)、渡辺浩一郎さん(自由党東京都連会長)が登壇し、憲法改悪と派兵大国、新共謀罪法案提出を準備へと暴走する安倍政権を批判し、打倒するために野党共闘を強化していこうと呼びかけた。
「労働と貧困」では嶋崎量弁護士(日本労働弁護団事務局長)は、「安倍政権に『働き方改革』をまかせていては絶対に長時間労働と格差はなくならない。野党が出した長時間労働規制法案は審議されていない。労働時間の記録をしっかりさせることだ。非正規労働者は長時間労働問題から取り残されている。抜本的待遇を上げ、最低賃金の大幅な引き上げを実現していくことだ」と強調し、資本のための労働法改悪を批判した。
続いて諏訪原 健さん (筑波大学院/元SEALDs)が「奨学金と貧困」、赤石千衣子さん (NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)が「シングルマザーと貧困」、阿部広美弁護士が「災害と貧困」をテーマにアピール。
最後に笠井貴美代さん (憲法を守り・いかす共同センター)が行動提起。デモに移り、銀座一帯にわたって「戦争法廃止! NO!貧困 NO!格差 共謀罪反対!」のシュプレヒコールを響かせていった。(Y)

 



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