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    かけはし2017.年7月10日号

都議選、都民の審判は安倍政権不信任


安倍政権打倒へ追撃を

森友・加計疑獄の真相究明を

改憲プログラムを止めよう

史上最悪の自民惨敗


 七月二日投開票の東京都議選は、「一強」とうたわれた安倍自民党政権にとって衝撃的な事態となった。
 小池は、都議会自民党を「既得権益」の代表者の象徴として描き出し、公明党を都政与党に組み込みながら、「都民ファースト」対「古い自民党=東京都連」という対決構造を浸透させていった。そしてそれはみごとに成功したのである。多くの新聞が「自民惨敗」「安倍政権に打撃」の見出しで統一されている。
 自民党は議席定数一二七のうち、過去最低の三八(一九六五年、二〇〇九年)を大きく下回る二三議席という大敗北だった。投票率は前回の四三・五〇%に対して五一・二八%と上昇した。この数字はここ二〇年で行われた六回の都議選のうち二番目に高い投票率である。この二〇年間で投票率が最も高かったのは、民主党ブームで政権交代の前哨戦となった二〇〇九年七月の五四・四九%だが、その時は民主党が五四議席を獲得して第一党となった。

「安倍1強」打ち壊す

今回の都議選は、猪瀬、舛添と二代続いた「カネ」にまつわるスキャンダルで辞任を余儀なくされた東京都知事の座をめぐる昨年の選挙の、形を変えた継続である。昨年の都知事選では安倍自民党執行部、東京都連と対立して出馬した小池百合子元防衛相が、与党が支持する増田寛也、野党が支持する鳥越俊太郎に一〇〇万票以上の大差をつけて圧勝した。
今回の都議選は、そうした昨年の都知事選の構造を土台に、都政では小池支持に鞍替えした公明党を小池与党に引き入れた形で展開されたが、基本的には「小池新党」の都民ファーストvs安倍自民党(自民党東京都連)という構造で繰り広げられた。その結果、安倍自民党の「一強支配」との対決という意味も持たざるを得なかった。
その意味で、安倍自民党の「惨敗」「安倍政権に大打撃」という大見出しは、適切なものである。
前回の都議選で五九議席を獲得した自民党が二三に激減したのは先述したが、公明党の獲得議席二三は前回と同じである。共産党は一七議席から一九議席へと二議席プラスになった。民主党の前回の獲得議席は一五だったが、一部の現職議員が「都民ファースト」に流れたこともあって選挙時には現職は七と半数以下になっていた。今回獲得した議席は五であり、党勢の衰退・混迷が続いている。なお出口調査では、小池都政を「支持しない」とした人びとの二五%は共産党に投票しており、この点についても注目すべきだ。
このように見たとき、今回の選挙結果は、自民党の「一人負け」そのものであり、安倍自民党への批判と不信が最も端的に表現された選挙結果と言えるだろう。

自民党の「反省」とは何か

 安倍首相と自民党は、「深く反省」との言葉を語っている。七月三日の党役員会で安倍首相は「都民の厳しい声を謙虚に受けとめ、深く反省したい。信頼回復に向け襟を正さなければならない」と冒頭に語った。二階俊博幹事長も「反省すべき点は大いに反省」と述べている。しかし安倍自民党の執行部は、何を「反省」しようというのか。
有権者の安倍自民党への怒りと不信は、安倍政権の「改憲・戦争国家」政策、新自由主義的な「貧困・差別」を生み出す政策そのものに向けられている。それは、共謀罪法、憲法九条改悪プロセスの加速化をはじめとする反民主主義的な改憲路線への深い疑念、怒り、批判に発するものである。
具体的には「教育勅語」斉唱の「森友」や、「腹心の友」を理事長にする「加計学園」の「獣医科大学」新設への特例的計らい、安倍側近の下村博文・自民党東京都連会長への加計学園からの不正政治献金疑惑、さらには稲田防衛相の「防衛省・自衛隊からの」自民党候補選挙応援依頼演説、豊田真由子衆院議員の「暴言・暴行」も暴かれた。その他一連の安倍政権の政治路線そのものに発する、強権的・差別的な言辞、あるいは民主主義・立憲主義そのものへの無視と敵意をベースにした安倍政治への、労働者民衆の怒りが、「都民ファースト」への投票という形をとって現れたのであり、「都民ファースト」への投票は、必ずしも「小池都政」支持ではないことに注意すべきである。

労働者・市民の独自の闘い


東京都議選での投票結果が、必ずしも「小池都政支持」ではない安倍政権への批判として現れたことに注目すれば、安倍政権の改憲・戦争国家路線、とりわけ安倍が五月三日に打ち出した「九条加憲」による改憲、さらには二〇一八年の総選挙・改憲国民投票の同時投票の目論見、あるいは今秋臨時国会末までの自民党改憲案の確定、という安倍が次々に打ち出してきたタイムスケジュールの変更はありうるのだろうか。
あるいは自民党内「安倍一強」構造への批判は拡大するのだろうか。朝日新聞七月三日付では、「政権運営の練り直し、改憲・総裁選」などをめぐって党内からの批判、慎重な意見が出る可能性について報じている。しかし七月四日の朝日新聞朝刊は「敗因の総括」もできないまま「棚上げ」とされる自民党内の現状について報じている。「加計学園」にしても「森友」にしても首相本人の関与が大きな比重を占めているからであり、この点に触れることは直ちに安倍の進退にかかわらざるを得ないからである。
こうして東京都知事選に示された安倍政権への強い不信と批判を、安倍政権の目標である「九条改憲」阻止へとつなげていくためには、「戦争法案」反対運動から「共謀罪阻止」、そして沖縄との連帯の中に引き継がれている「野党と市民の共闘」の枠組を拡大、発展させ、二〇二〇年改憲(あるいは二〇一八年改憲国民投票)阻止を実現するための闘いへと、さらに発展させていく必要がある。
同時に、われわれは今回の東京都議選結果を何よりも現在の安倍政治への批判として独自の運動を強めていくことが求められている。
その際、とりわけ築地市場の豊洲移転に反対すると同時に、「東京オリンピック おことわり」の運動を広げていこう。住民追い出しの「再開発」、ナショナリズムと排外主義、差別に貫かれたオリンピック・パラリンピックの実態を批判し、排除反対・環境破壊・権利侵害に反対の声を上げていくことは、「小池都政」と「安倍政治」に反対するもう一つの重要なキャンペーンである。
安倍は七月三日の「毎日新聞」とのインタビューで今秋臨時国会に自民党改憲案を出す方針は変わっていない、と強調した。
そうだとするならば、安倍政権の打倒をめざして闘おう!
(七月四日 純)

 


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