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    かけはし2017.年8月28日号

基地建設のための岩礁破砕やめろ


8.11〜15

天皇制と戦争を問う集会とデモ

改めて戦後責任とは何か?

権力と右翼の攻撃はねかえし



アキヒトにも
責任はある!
 「代替わり」過程で天皇制と戦争を問う8・15反「靖国」行動は、八月一一日に集会「天皇制と戦争:アキヒトにも責任はある!」(文京区民センター/一〇〇人)を行い、一五日には反「靖国」デモ(一六〇人)を行った。
 一一日の集会は、伊藤晃さん(日本近現代史研究)が「戦後天皇制と戦争を問う」をテーマに問題提起した。
 「明仁天皇は、『平和と繁栄の戦後日本国家』として国家モデルを描き出してきたが、戦後の列強による世界支配体制は『戦争の時代』をリードしたのであり、『世界における戦争』を『日本人にとっての平和』として説き、日本の行動を隠蔽するところに戦後二代の天皇の戦争責任がある。戦前においても日本は東アジアの軍事大国として戦争と植民地の時代を先導した。大元帥天皇はその象徴であり、あらゆる戦争と植民地支配の国家行為において、その決定と執行の要の位置にあった。この国家責任と天皇の責任の回避は、明仁天皇の歴史修正主義の核心だ」と批判した。
 さらに「戦前の軍国日本を支えた国民的ナショナリズムは戦後国民の意識の内側でつながっていた。表向きの憲法九条賛美と現実の日本の国家行動を支持(自民党政権の持続)してきた。アジア諸国の民衆は、この二枚舌と自己内面における隠蔽を見抜いている。つまり、戦後二代の天皇は戦後国民意識を美しく体現し、一方で現実の日本国家の行動に平和を見、両者を結びつける役割を果たしてきた。この役割も戦後天皇の戦争責任だ」と明らかにした。
 そのうえで「安倍晋三首相は、積極的平和主義を掲げて日本の国家行動と国民の平和意識の二枚舌に決着をつけるために『戦争の時代』を主導しようとする。国家の重みを押し付け、そのツールとして天皇の権威強化によって導こうとする。明仁天皇は、戦後の二枚舌のあり方を続けようと考えているが、安倍はそのようなあり方からの転換へと踏み込んでいる。『明治一五〇年』の総括の食い違いへと現れるが、明仁はそのズレを修復していくだろう。安倍と明仁の違いに拠り所を求めるのは間違いだ」と指摘した。
 最後に主催者から8・15反「靖国」デモで再会しようと呼びかけた。

規制はねかえし
靖国に向けデモ
一五日の反「靖国」デモに向けた前段集会が在日本韓国YMCAで行われた。
安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京は、「四月二八日、東京地方裁判所が違憲判断を示すことなく、原告らの請求のいずれも却下ないし棄却するという不当な判決を下した。判決は、司法が安倍政権に全面的にへつらった『安倍忖度判決』のそしりを免れないものである。行政追随判決を到底容認することはできない」と糾弾した。
田中聡史さん(10・23通達被処分者)は、「都教委の『日の丸・君が代』強制に反対して、これまで一〇回、四回以降は減給一〇分の一、一カ月の不当処分を強行してきた。小池百合子都政でも都教委による教育破壊は続いており、新たな被処分者が出ている。天皇制を支える『日の丸・君が代』に反対していく」と発言。
さらに米軍・自衛隊参加の防災訓練に反対する実行委員会2017、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、朝鮮半島と東アジアの平和を求める9・16集会実行委員会、辺野古リレー 辺野古のたたかいを全国へ、「2020オリンピック災害」おことわり連絡会からアピールが行われた。
集会後、靖国神社に向けた抗議デモに移った。九段下交差点前で「靖国神社解体!天皇制はいらないぞ!」のシュプレヒコールを行った。
国家権力は、天皇主義右翼らの「妨害」を口実に機動隊を大量に配置し、デモに対して不当な規制を行ってきた。しかも右翼らの挑発は、明らかに道路交通法違反、公務執行妨害罪が成立しているにもかかわらず、「現行犯」逮捕せず、なだめ馴れ合いながら見過ごすだけだ。逆にデモ規制に対しては暴力的に行ってくるという悪質なデモ破壊だ。権力と右翼が一体となった反天皇制闘争への敵対を許さない! (Y)

8.12


ヤスクニ・キャンドル行動

東アジアの視点から
「明治150年」問う


 八月一二日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2017キャンドル行動」、「東アジアの視点から『明治維新150年』とヤスクニを問い直す」(主催:実行委員会)が在日本韓国YMCAスペースYで行われ、三〇〇人が参加した。
 キャンドル行動実は、二〇〇六年、小泉純一郎政権による戦争ができる国作りに抗して、「@靖国神社の歴史認識が、再び戦争のできる国へと右旋回する日本の現状と直結している。 A韓国・台湾・沖縄・日本の遺族に断りもなく合祀していることは許さない。 B首相の靖国参拝は憲法が定めた政教分離原則に違反する。 Cこれらの点を『ヤスクニの闇』として切り結ぶ共同行動に取り組む」ことを確認し、シンポジウムとデモを行ってきた。今回で一二回目だ。安倍政権は、改憲とグローバル派兵国家建設の野望のために「明治維新150年と」天皇代替わり(二〇一八年)、東京五輪開催(二〇二〇年)を通した民衆統合を押しすすめながら実現することをねらっている。東アジアの軍事的緊張が強まるなか「グローバリゼーション」後のアジア─日本のあり様、関係構築の方向を探っていこうと設定した。
 開会のあいさつが今村嗣夫さん(弁護士)から行われ、「国家から『ひとりで放ってもらう権利』」をテーマにして、共謀罪制定批判、自衛官「合祀」拒否訴訟の教訓を紹介しながら「トランプ政権発足を『奇貨』として『自主国防』の強化を図り、ヤスクニとの結びつきを強め、市民の私生活、家族、住居、若しくは通信に対する干渉を強める『国家』に、とことん抵抗するキャンドル行動を、今年も力強く進めましょう」と呼びかけた。
 シンポジウムは、原武史さん(放送大学教授)、南相九さん(韓国・東北アジア歴史財団研究員)、高橋哲哉さん(東京大学教授)から問題提起が行われた。
 原さんは、「天皇の代替わりと『明治150年』」を取り上げ、「二〇一八年は『明治150年』とも重なる。天皇の代替わりと、安倍政権が進めようとする明治を称えるキャンペーンが重なることになる。この点に関して思い出されるべきは、大正から昭和への代替わりである。政府は、国民に大正天皇を忘却させ、昭和天皇を『大帝』と呼ばれた明治天皇の再来として称えるためのキャンペーンを始める。民間にも明治天皇を称える動きが出てくる」。
 「今回の代替わりは明治以来の皇室典範で認められてこなかった退位によるという点で大正から昭和への代替わりとは異なるが、少なくとも天皇明仁は大正天皇を意識している。一九二一年の皇太子裕仁の摂政就任に言及しているからだ」と述べた。
 さらに「安倍政権にとって天皇明仁が退位することは都合がよい面がある。『明治150年』を煽り、一一月三日の『文化の日』を、『明治の日』に改称させることができれば、平成は忘却され、徳仁は明治天皇の再来として認識されるかもしれないからである。昭和初期に秩父宮に対抗して昭和天皇を『神』として演出させる試みがなされたように、『皇嗣』と呼ばれるようになる秋篠宮文仁に対抗して、徳仁を天皇として演出するための新たな試みが始まる可能性がある。天皇の代替わりと憲法改正が連動する可能性もあることに留意すべきだろう」と強調した。

 

「東洋平和」と
日本の歴史認識
南さんは、「『東洋平和』確立の視点からみた日本─安倍総理の歴史認識」をテーマにつぎのように提起した。
「『東洋平和』といえば、浮かび上がるのは、一九〇九年ハルビンで東洋の平和を惑わしたという罪を問い、伊藤博文を射殺した安重根の『東洋平和論』です。今日この場所とも関連がある一九一九年の『2・8独立宣言書』と『3・1独立宣言書』です。東洋平和は、韓国が独立しなければならない正当性の根源です。韓国が独立してこそ、東洋平和も維持されることができて、それが世界の平和と人類の幸福につながることができるという論理です。韓国は、日本の『積極的平和主義』に対して疑問を持っています。自衛隊は旧日本軍の連続というイメージが浮かび上がっていますが、安倍総理の『積極的平和主義』が、過去において『東洋平和』を掲げ、隣国を侵略した日本のイメージを払拭させられずにいることを見せてくれます」。
「去年の一〇月七日に日本政府は、明治一五〇年を迎えて記念事業を実施すると発表し、『明治の日』を制定する案も議論されている。これらは明治が成功した歴史、誇らしい歴史であることを前提にしている。明治を明治の当時そのままで記憶する施設が、靖国神社だ。『靖国神社忠魂史』は、日本軍により虐殺された義兵を『匪徒』や『賊』と規定し、その抗争を『暴動』であり、『駆逐』すべき対象として評価しています。義兵によって殺された者を『匪徒討伐作戦の犠牲者』として称えています。靖国神社の思想と記憶は、今でも続いていますが、『第二次世界大戦後の各国独立』という展示を見ると、独立した国家の中で韓国と台湾は抜けています」と批判した。

植民地帝国への
無反省をただす
高橋さんは、冒頭、朝鮮半島の軍事的緊張に対して「朝鮮民主主義人民共和国と米国の間で激しい軍事的威嚇の応酬が行われている。安倍政権は米国に追随する態度を日々見せている。戦争の危機がかつてなく高まっている。戦端を開くことに断固反対であることを皆さんとともに確認したい」と呼びかけた。
高橋さんは、@安倍首相が尊敬する吉田松陰の『尊皇愛国』『幽囚録』の侵略と植民主義A道徳の教科化による「修身教育」の導入B佐藤優(作家)の「日本国家の神髄」で「教育勅語」と天皇制賛美を紹介し、「これが明治一五〇年の現実だ。植民地帝国を築いた戦前の歴史、それを反省できない戦後の日本だ。靖国は、それに対応し続けている。韓国の方の合祀取り下げの要求に一切応ぜず、植民地主義を貫き通している」と糾弾した。
関千枝子さん(安倍靖国参拝違憲訴訟・原告)、韓国の董定男さんから遺族証言。
特別アピールが、戦争をさせない1000人委員会、沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動、強制動員真相究明ネットワークから行われた。
コンサートに移り、寿[kotobuki]、ソン・ピョンフイさん、イ・ジョンヨルさんが熱唱。
最後に李熙子さん(反靖国共同行動・韓国委員会共同)が閉会あいさつ。
集会終了後、靖国神社に向けてキャンドルデモが行われた。    (Y)


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