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    かけはし2017.年10月16日号

総力で安倍政権打倒の投票を!


総選挙

憲法改悪阻止・戦争国家への道を断て

自民・公明・希望・維新を追い詰めよう


新しい闘いへの挑戦

 一〇月一〇日公示、一〇月二二日投票の総選挙は、グローバル資本主義の危機と朝鮮半島をめぐる東アジアの「核危機」の中で、これまでの日本の政治地図を大きく塗り変え、憲法九条改悪と「戦争」を内包した新たな国家体制への重大な転換点となりうる。
 この総選挙で、安倍自民・公明連立政権、ならびにその補完勢力にほかならない「希望の党」、そして「日本維新の会」を敗北に追い込もう。憲法九条改悪を阻止し、沖縄から軍事基地を撤去し、原発のない社会を実現し、差別のない、国境を超えた人権と生活と平和・環境を擁護するための大きな一歩を踏み出そう。
 トランプ米大統領の登場と「アメリカ・ファースト」の露骨な排外主義政策を通じた米国政治・社会のいっそうの不安定化と危機、フランス、ドイツ、イギリスなど欧州諸国での反移民排外主義政治勢力の伸長、その一方でのカタルーニャの分離・独立運動の勝利とマドリード中央政権による全面対決の姿勢など、世界の資本主義中枢部分において政治と社会の遠心化、差別され抑圧され、孤立してきた民衆が自らの権利をはっきりと主張する姿が対極的に浮かび上がってきた。
 われわれが「地政学的カオス」ととらえてきた世界規模の流動化と不安定化の時代は、労働者・民衆が自らの自由と権利のために、新しい運動とその政治的表現を模索し、作り出していく時代でもある。われわれは、こうした世界の流れを見据えながら、人びとの新しい政治的方向性を共に切り拓き、沖縄の反基地闘争や、韓国の労働者・市民とともに東アジアの平和を作り出していこうとする思いをこめて、総選挙への政治的態度を討論し、決めていこう。

「リベラル」排除の論理


 総選挙に向かう動きの中で、まずマスコミ報道の中心になったのは小池百合子東京都知事が打ち上げ、前原誠司民進党代表が党まるごとの合流を目指した「希望の党」の動向である。しかし、「希望の党」の側は、初めから枝野幸男代表代行ら「リベラル派」と目される議員の排除を決めていたのである。
 九月三〇日、小池都知事が代表をつとめる「希望の党」と大阪府の松井一郎知事が代表を務める「日本維新の会」は、東京と大阪で「候補者棲み分け」を行い、連携することに合意した。この小池・松井連携には愛知県の大村秀章知事も同席し、東京・大阪・名古屋の「三都物語」なるキャッチフレーズを披露した。
 小池百合子東京都知事と松井一郎大阪府知事の連携を工作したのは、小泉内閣で経済財政相を務め、新自由主義的民営化・規制緩和の権化とも言うべき竹中平蔵だったと報じられている(朝日新聞10月1日)。それと前後して、小池は民進党国会議員の「希望の党」への全面合流を認めない、という「リベラル派排除の論理」をより公然化し、枝野らの反発は強まった。こうして枝野を中心に、民進党内「野党共闘」派の「希望」からの離脱の動きが、より加速されることになった。
 枝野は一〇月二日に、民進党内の「リベラル派」を結集する「立憲民主党」の結成を表明した。注目すべきは、この「立憲民主党」結成に関しては、そもそも前原民進党代表が「希望」への合流を決める場に同席していた「連合」の神津里季生会長も事実上承認したとされることである。
 なお同じ一〇月二日には、自民党の総選挙公約と、「希望の党」の政策協定書も発表された。「政策協定書」とは民進党からの「希望」合流希望者につきつけられた「参加条件」である。

九条改憲鮮明にした自民


 まずは自民党の総選挙公約である。安保政策では「北朝鮮に対する圧力強化を主導」「イージス・アショア等の導入による弾道ミサイル対処能力の強化、島嶼防衛強化」がまず第一にうたわれている。「アベノミクスの加速」の項では「ロボット・IoT・人工知能といった最先端のイノベーションを起こし、『生産性革命』を起こす」という項目を先頭に置きながら、「消費税一〇%時の増収分を子育て世代への投資に集中し『全世代型社会保障』へ舵を切る」。さらに「二〇二〇年度までに三歳から五歳までの幼稚園・保育園の費用の無償化、〇歳から二歳児も低所得世帯は無償化」を謳いあげ、「同一労働・同一賃金の実現など働き方改革を推進し、最低賃金時給一〇〇〇円をめざす」としている。またエネルギー政策に関しては原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけ、原発の再稼働を進めることも打ち出している。
 そして最後に憲法については「国民の幅広い理解を得つつ、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消の四項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、初めての憲法改正をめざす」と明確に九条改憲を掲げたのである。

「希望の党」の実態


 次に「希望の党」の「政策協定書」はどうか。一〇項目からなる「政策協定書」は、その内容に署名することを条件に、民進党からの合流組に「公認候補」となることを認める、という踏み絵だった。そこでは「寛容な改革保守政党をめざす」「現有の安全保障法制については適切に運用する」「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」「外国人に対する地方参政権の付与に反対」「公認候補になるにあたり、党に資金提供する」などの項目がならんでいる。
 すなわち、それは安保法制、改憲、原発、外国人地方参政権などの争点において徹底的に民進党からの合流組、とりわけ「リベラル派」に「改宗」の踏絵を踏ませて、その政治的信条を放棄させる、という性格を持っていた。これは「野党共闘」の一員として安保法制=戦争法や、共謀罪法案、そして安倍改憲に反対してきた民進党議員のプライドを徹底的に否定するという意図も持っていた。前原・民進党前代表が主導した「希望の党」への合流・民進党解散方針は、そうした中身だったのである。
 その上で、一〇月六日に発表された「希望の党」の選挙公約は消費税増税凍結、議員定数・議員報酬の削減などとともに原発ゼロ、ダイバーシティー社会の実現を語り、さらには「憲法改正」「危機管理の徹底」を打ち出した。また政策集には「ベーシックインカム導入により低所得者層の可処分所得を増やす」「大企業の内部留保への課税」など、オルタナティブな社会を目指す運動が提起した代案もちりばめられている。
 改憲、公然たる排外主義の主張と、反原発や「ダイバーシティー社会」や「ベーシックインカム」など社会運動が提起した問題領域の取り込み、といった点で、「希望の党」のアピール力を過小評価すべきではない。おそらく、「希望の党」のこうした主張をどう体系的に批判していくのか、「反貧困」のオルタナティブをどう提出していくのかという点で、反資本主義左翼の真価が問われることになるだろう。

早くも混乱深める「希望」
 
 総選挙をめぐる情勢は、きわめて流動的となっている。さきの共謀罪国会で、安倍政権は「森友・加計」問題、安倍首相の「秘蔵っ子」の一人、稲田防衛相の相次ぐ失言や閣僚たちの失態もあって、厳しく追い詰められた。その結果、東京都議選では、小池都知事率いる「都民ファースト」の前に、史上最悪とも言える屈辱的敗北をこうむった。安倍内閣の支持率は一時三〇%以下にまで落ち込んだ。安倍政権は、通常国会が終了してから実に三カ月以上にわたって、野党の臨時国会開催要求を拒否してきた。
 しかし、予期せざる機会がめぐってきた。一つは北朝鮮の相次ぐミサイル発射と水爆実験を「安全保障上の危機」として最大限に利用できたことである。第二は民進党前原執行部の混乱である。
 蓮舫党首の辞任を受けた民進党の党首選で代表に選ばれた前原誠司の執行部体制は、幹事長に起用しようとしていた山尾志桜里のスキャンダルで出鼻をくじかれてしまった。その混乱をついた臨時国会冒頭での解散・総選挙の動きは、民進党の「解党」、小池百合子の「希望の党」への吸収という無残な現実に帰結した。
 しかし「希望の党」による露骨極まる「リベラル派選別排除」の方針は、民進党の中からの「野党共闘」派の独自の結集=立憲民主党をも作り出した。民進党をまるごと「希望の党」に合流させることはできず、「連合」指導部もまた立憲民主党としてのリベラル派独自結集を容認せざるを得なかったのである。「希望の党」もまた、失速する可能性がある。

「共闘」の力を今こそ
 
 北朝鮮キム・ジョンウン政権の相次ぐミサイル発射と水爆実験、トランプ米政権の強硬な対応は、朝鮮半島をめぐる一触即発の危機を拡大している。安倍政権はこの危機を最大限に利用して自衛隊の実戦体制を発動するとともに、憲法改悪へのステップに確実に踏みだそうとしており、九条改悪を政治日程に組み入れようとしている。
 安倍政権は、二〇一八年の改憲を狙っている。「希望の党」も改憲政党であることは言うまでもない。今回の総選挙の最大の目標は、この自民・公明に加えて、希望の党・日本維新の会の九条改憲ブロックが改憲三分の二を獲得するのを阻止することである。
 労働者・市民は、今こそ自民・公明・維新・希望の改憲ブロックの「三分の二」議席獲得を阻止するために闘おう。共産・社民・立憲民主の小選挙区での共同を最大限に広げ、改憲阻止・反原発共同候補を全選挙区に擁立し当選させよう!
 「働き方改革」、労働法制の抜本改悪に反対しよう!
 沖縄県での「島ぐるみ」四候補の全員当選を!東アジアの平和を共に作り出そう。
 比例区は共産党、社民党に投票を。
 安倍政権を打倒する労働者・市民の闘いを大きく作り上げよう。
  (10月8日 平井純一)


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