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    かけはし2017.年10月30日号

安倍改憲を今度こそ叩きつぶそう


総選挙結果

9条改悪を阻止する大闘争へ

民衆の権利・東アジアの平和のために

沖縄からヤマトからすべての基地を撤去せよ


安倍政権は勝ったのか

 九月二八日に召集された臨時国会の冒頭に解散した安倍政権の策略は、功を奏したと言えるのだろうか。一〇月二二日投票の第四八回衆院選は、最低だった前回(五二・六六%)に次ぐ戦後二番目の低投票率(五三・六八%)の中で、自民・公明の与党は三分の二(三一〇)を上回る三一三議席を獲得した。
 各党の議席数で見ると、衆院の議員定数が一〇減る中で、自民党は公示前と同じ二八四議席を獲得したのに対し、公明党は三四から二八と議席を減らした。@自民・公明とA希望・維新、そしてB立憲民主・共産・社民の「三極」という色分けがなされていたが、公示前は七一議席を擁していた希望・維新グループは六一(希望は五七から五〇へ、維新は一四から一一へ)に減少した。他方、立憲民主、共産、社民のいわゆる「リベラル・左派ブロック」は公示前の三八議席から六九議席に増加した(立憲民主は一五から五五へ、共産は二一から一二、社民は二で変わらず)。
 比例区の全国得票率でみると二〇一四年一二月総選挙では、自民三三・一% 民主党一八・三%、維新の党一五・七%、公明党一三・八%、共産党一一・四%、社民党二・四六%だった。今回の総選挙では自民党が三三・三%とほぼ変わらないのに対し、立憲民主党が一九・九%と二〇%に迫り、以下、希望の党が一七・四%、公明党が一二・五%、共産党が七・九%、維新の党が六・一%、社民党が一・七%となっている。

しぼんだ「希望の党」


 この数字からは、公示まぎわにわずか一五人の議員から出発した立憲民主党が前回の民主党を上回る得票率を得たのに対し、維新の党、共産党が得票率を大きく減らしていることが目に付く。さらに、二〇一五年の戦争法案反対闘争から今年の共謀罪反対闘争で成立した野党共闘の核となった民進・共産・社民三党の直近の総選挙(すなわち二〇一四年一二月)での比例区得票率が、三二・一六%であるのに対し、今回の総選挙でのいわゆる「護憲・リベラル」ブロックとも言える立憲民主・共産・社民の得票率は二九・八%となっている。
 確かに「安倍改憲反対」を掲げた野党共闘の議席・得票率は、前回に比べて微減となった。安倍政権の八月臨時国会冒頭解散を前後した、前原・民進党の「小池新党」=希望の党への合流方針によって最大野党の民進党は、分裂することになった。しかしぎりぎりのところでの「立憲民主党」の結成によって、二〇一五年の戦争法案反対運動から出発した安倍改憲に反対する「野党共闘」はなんとか維持されたというべきだろう。沖縄四区での「島ぐるみ」候補の敗北は残念な結果だが、他の三つの選挙区では従来のように自民党候補に競り勝った。
 ここには安倍政権の「戦争国家」づくり、ならびに「希望・維新」のデマゴギーに満ちた政治手法への不信が渦巻いている。
 民進党の分裂・解党をもたらした小池東京都知事の新党(希望の党)による、都議選での大勝をバネにした安倍改憲支持派への「野党再編」の目論見は、立憲民主党が野党第一党となることで、少なくとも当面のところ破たんしたのである。

「三極構造」は本当か

 安倍政権は、九月中旬になってから浮上した臨時国会冒頭での解散を「国難突破解散」と称した。みずから関与した「森友・加計」問題などへの追及をかわし、都議選での自民惨敗による政権への打撃を押し戻し、野党の分断を促し、さらに憲法九条改悪の野望をなんとしてでも実現するためのシナリオだった。
マスメディアなどでは、「自民・公明」、「希望・維新」、「立憲民主・共産・社民」の「三極構造」という言葉が飛び交っていたが、「希望・維新」はいかなる意味でも安倍政権補完勢力というべきであって、その性格は改憲プログラムの具体化や、朝鮮半島危機、そして資本主義経済の危機の深まりと「貧困・格差」の拡大とともに、一層明確にならざるをえない。
安倍政権は、北朝鮮の「核の脅威」や経済危機・財政破綻を見据えつつ、改憲と「戦争国家」体制へのプログラムを全力で発動しようとするだろう。
今回の総選挙の当選者のうち、調査に対して改憲賛成と回答した人の割合は八二%に達し、立憲民主党の中でも改憲に対して「賛成より」の者が二五%に達するという。こうした結果に踏まえて安倍首相は、改憲について「幅広い合意」をつくるために全力を挙げることを訴えた。この際、立憲民主党から「合意」を得られなくても、「合意を得られる党だけで改憲発議をめざす」との態度も強調している(一〇月二三日の記者会見)。立憲民主党の枝野代表は、「立憲主義」に反する安倍政権が進める改憲には反対するという立場であるが「護憲」ではない、とも主張している。
そして日本共産党の志位委員長は「護憲ではないが立憲主義」とする立憲民主党の主張について敢えてふれず「この党の意向を無視して九条改定を進めることはできない」と肯定的に評価した(「朝日」一〇月二四日朝刊)。言うまでもなく労働者・市民の運動の力こそが、野党を安倍改憲との対決に押しやる最大の保障である。

今こそ民衆運動の出番

 安倍政権は、二〇一八年の改憲発議をも射程に入れてそのための準備を急速に進めようとしている。そこで最大限に利用されているのが「北朝鮮の核の脅威」であり、「教育の無償化」であろう。
日本の政治情勢は、朝鮮半島の戦争危機(核危機)を背景に、憲法改悪と戦争国家体制に向けて確実に煮詰まろうとしている。一〇月総選挙結果は、二〇一五年の戦争法案反対運動からの労働者・市民運動と野党共闘の発展をベースに、「安倍改憲」を打ち砕く大運動を実現していくための新しい歴史的対決の様相をいっそう深めていくだろう。
この中で、われわれは辺野古新基地建設阻止を大きな焦点にした沖縄の反基地運動を先頭に、広範な労働者・市民の運動の担い手として地域・職場・学園での活動を担うと同時に、反原発・反基地、天皇制による国民統合反対、オリンピック反対などの闘いと反改憲・安倍政権打倒の闘いを意識的に結びつける運動的潮流、政治的潮流を形成しよう。
米トランプ政権の姿は、グローバルな資本主義システムの危機を改めて人々に印象付けており、朝鮮半島の戦争危機は、国境を越えた労働者・市民の連帯が不可欠であることを告げ知らせている。
安倍政権は決して安定政権ではない。自公両党が選挙で三分の二の多数を得たとはいえ、安倍政権支持は不支持を下まわる状況にある。
「森友・加計」問題をあいまいにすることなく、極右政権にNO!の声を突きつけよう。
憲法改悪阻止、安倍政権打倒へ!
(一〇月二四日 平井純一)



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