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    かけはし2018.年1月15日号

「戦争国家」への道を閉ざそう


年内「改憲発議」を宣言した安倍首相

職場・地域・学園から行動をつなげよう

いよいよ正念場
安倍の決意砕け


 安倍首相は、一月四日に伊勢神宮を参拝した後の年頭記者会見で「今年こそ新しい時代への希望を生み出す憲法のあるべき姿を国民にしっかり提示し、改憲に向けた議論を深める」とアピールした。昨年中に自民党改憲案をまとめ、二〇一八年中の国会での改憲発議に突き進むというスケジュールは、自民党内の異論が様々に存在することもあって、当初の思惑だった自民党改憲案の二〇一七年中のとりまとめは出来なかった。
 しかし何がなんでも二〇一八年中の改憲発議をやりとげる、という決意は変わらない。そのためにも確定改憲案をひっさげて秋の自民党総裁選で三選を勝ち取り、その勢いで今年中に「九条改悪」を含む改憲案の国会発議にこぎつけ、二〇二〇年の東京五輪を前にした二〇一九年中の改憲国民投票で「新憲法」発布にこぎつけたい、というのが安倍首相の日程表だろう。
 自民党憲法改正推進本部が昨年一二月二〇日の全体会合で示した改憲への「論点整理」は四つの項目から成っている。
 第一は「自衛隊の明記」である。しかしここでは昨年五月三日の改憲派集会への安倍首相によるビデオメッセージに盛り込まれた「九条一項(戦争放棄)、二項(戦力の不保持)」を維持したまま、三項に自衛隊を明記するという案と、石破元防衛相などが主張する「九条二項を削除し、自衛隊の目的・性格を明確化する」という案とが両論併記となっている。
 第二は「緊急事態条項の創設」である。ここでは国会議員の任期延長、選挙期日の特例を規定する案と、より一歩進めて「政府への権限集中」や「私権制限」を含めた強権的な民主主義停止に踏み込む案が併記されている。
 第三は「参院選の合区解消」である。ここでは四七都道府県のすべてから少なくとも一人の議員が選出されるようにする、という案でほぼ合意が成立している。
 第四は「教育無償化」である。ここでは憲法二六条(【教育に関する権利と義務】すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。Aすべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育はこれを無償とする)に、国が教育環境の整備を不断に推進すべきというB項を付加する、という案で合意されそうだ。

改憲4項目の
ねらいは何か


 この自民党改憲案の重点が、憲法九条に自衛隊を明記して、「戦争放棄」「戦力不保持」という平和条項を有名無実化すること、そして緊急事態を名目に民主主義的諸権利を否定し、国家権力の独裁を正当化することに眼目があることは、自明の理と言わなければならない。
 自衛隊の存在を憲法上に明記するだけだから、今までとなんら変わりはない、と安倍首相は語るが、それこそとんでもないデマゴギーである。憲法九条の下で、集団的自衛権を行使し、海外で米国とともに戦争する道を切り開いた日本は、「安倍改憲」によって文字通り「戦争国家」としての実態を何のためらいもなく強めていくことになる。それが民主主義的諸権利の剥奪でもあることは、昨年成立した「共謀罪」法を見ても明らかではないか。
 「教育無償化」については、B項を付加することで、あたかも「恩恵」のように宣伝されているのだが、それはあくまで「努力目標」として述べられているだけであり、数百万円にのぼる巨額の奨学金債務を背負わされる学生たちの現実を改善する解決策とはなりえない。
 朝日新聞(一月五日朝刊)の観測によれば、三月二五日の自民党大会で改憲四項目の取りまとめを行い、早ければ通常国会の会期を大幅に延長して三分の二以上の賛成で改憲を発議する、それができなければ九月の自民党総裁選で安倍首相の総裁三選を実現した後、秋から冬の臨時国会で改憲発議を行うというスケジュールとなる。改憲発議が行われた場合、国民投票は六〇日から一八〇日の間に国民投票が行われることになる。

改憲与党ブロ
ックとの闘い


 安倍内閣と自民党にとっての問題は、三分の二以上の賛成で改憲発議を行う上で、なお幾つかの難問を抱えていることだ。まず自民党内で、石破茂元防衛相などを中心に、九条二項(戦力不保持)をそのままにした上で三項を付け加える、というやり方への批判が存在する。しかしこの点では九条二項の削除を主張する石破らの意見は少数派にとどまると予測されている。少数派である石破見解が退けられても石破グループが党から抜けるとはまず考えられないだろう。
 次に連立与党である公明党が九条改憲に対しては、依然として慎重な態度を取っていることだ。山口那津男公明党代表は、創価学会内では九条改憲に反対の意見が根強いことを背景に慎重な姿勢を取っている、とされている。しかしその際、希望の党、日本維新の会が九条に自衛隊の存在を明記する形での安倍改憲案に賛成する可能性も大である。安倍自民党は希望の党を取り込みながら公明党にゆさぶりをかけることも考えられ、その際には与党としての立場にしがみつこうとする公明党が、安倍九条改憲案に同意することになるかもしれない。

多様なテーマと
共同の行動を


 立憲民主・共産・社民の「リベラル・左派」野党ブロックは、希望の党や日本維新の会も取り込んだ形での「九条改憲ブロック」に対抗する姿勢を取っている。しかしここでは立憲民主党のスタンスが問題にならざるを得ない。なぜなら安倍首相による九条改憲には反対を明言しながらも、立憲民主党は「九条護憲派」ではないからである。
 立憲民主党の枝野党首は、自ら「護憲派」ではないことを繰り返し語っており、立憲民主党を代表して憲法審査会に席を得ることになった山尾志桜里衆院議員は、「自衛権に限って行使し、国会が自衛権をコントロールするための条文を明文化する必要」を主張している。彼女はそれを「立憲的改憲論」と性格づけている(日経ビジネスオンライン)。
 この主張は、安倍流「九条改憲」に反対しながらも、同時に自衛隊を憲法に明文的に規定する「立憲的対案」の必要性を主張する点で、安倍自民党の思惑と重なりあう危険性を持っている、と言わざるを得ない。
 安倍自民党は、「希望の党」や「日本維新の会」などの改憲派野党を改憲ブロックに取り込みながら、与党・公明党内の九条改憲消極論を牽制し、さらに「安倍改憲反対」の左派・リベラルブロックをゆさぶり、二〇一八年改憲発議への多数派を形成しようとするだろう。
 労働者・市民は今こそ「安倍九条改憲反対三〇〇〇万人署名」などの運動をベースに改憲発議を阻止し、安倍政権の打倒のために闘おう。言うまでもなくこの闘いは沖縄の反基地闘争、朝鮮半島の平和と人権のための闘い、反原発、そして「働き方改革」反対の運動、そして天皇代替わり、東京五輪への異議申し立てなどの一連の行動と連携しつつ、作り出していくことが求められている。
 二〇一八年の闘いで、安倍政権の憲法改悪の意図を葬り去ろう。
     (1月8日 純)

1.6

新宿で安倍9条改憲NO!

3000万署名の実現へ

アジア連帯講座が正月行動

 安倍首相が年頭のあいさつでも九条改憲を何としても実現すると並々ならぬ決意を示した。今年は明確に憲法改憲を阻止できるかどうか、きわめて重要な年だ。一月六日正午から一時間半、新宿駅西口駅頭で、『安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名』をアジア連帯講座呼びかけで行い、七人が参加し、四〇筆が集まった。前日のこの冬一番の寒さが少し和らぎ、署名日和であった。新宿駅西口は土曜日のお昼時であり、たくさんの人が行き交っていた。
 二年前の戦争法反対以来の街頭署名に取り組んだ。すでに隣でも別の団体によって同じ署名活動が行われていた。「戦争のできる国にするための憲法九条改正反対」、「アジア・太平洋戦争を忘れてはならない」、「沖縄の基地建設反対と連帯して憲法改正に反対しよう」、「戦争で問題は解決しない」などをマイクで訴えながら署名活動を行った。署名してくれた人は多くが自分の方から積極的に応じ、「がんばってください。がんばろう」とエールを交換した。また、年配者だけではなく、若者の男女や家族連れなども署名してくれた。月一回の継続した署名活動を行いたい、ホームページでお知らせするので、参加を。    (M)

 


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