もどる

    かけはし2018.年1月15日号

天皇「代替わり」を改めて問おう


12.23

反天皇制運動連絡会が集会

天皇制の戦争・戦後責任を考える

「自己欺瞞」を撃つ議論を


「生前退位」が
映し出すもの
 一二月二三日、反天皇制運動連絡会は、千駄ヶ谷区民会館で「『生前退位』!? なにやっテンノー!!?? 12・23に天皇制の戦争・戦後責任を考える討論集会」が行われた。
 天皇明仁は、天皇制延命・強化に向けた憲法違反(憲法第四条〈天皇の権能の限界、国事行為の委任〉、第七条〈国事行為〉)のビデオメッセージ「生前退位表明」(二〇一六・八・八)強行によって与野党の天皇制翼賛国会を引きだし、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の成立(一七・六)にこぎつけた。明仁は、一二月二三日の誕生日の記者会見で「この度、再来年四月末に期日が決定した私の譲位については、これまで多くの人々がおのおのの立場で考え、努力してきてくれたことを、心から感謝しています」と憲法違反を居直って自画自賛した。
 さらに明仁は、ビデオメッセージに対して違憲だとする批判を意識しているがゆえに、あえて「お言葉」の冒頭から「即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました」「憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていく」ことを強調せざるをえなかった。

強化される「国民
統合」見据え
安倍政権は、グローバル派兵国家建設の野望のために憲法九条改悪と連動させて天皇代替わり(一九年)、東京五輪開催(二〇年)を通して国民統合を強化していくことをねらっている。すでに一九年四月三〇日に退位、皇太子が五月一日に新天皇に即位するスケジュールを決め、しかも違憲隠しのために政府は、@退位の儀式を現天皇から新天皇へ皇位を直接譲り渡す形式にはしないA内閣の助言と承認を必要とする国事行為と位置付けることによって「憲法との整合を徹底できる」などと強引にでっち上げる始末だ。連動してマスコミ等を動員しながら代替わり賛美キャンペーンを演出している。天皇制攻撃の流れに抗して天皇制廃止運動の前進に向けて奮闘していこうではないか。
天皇制攻撃が強まれば強まるほど国家権力・公安政治警察と天皇主義右翼の暴力は密集し、一体化した闘争破壊・弾圧を決行する。「天皇制戒厳体制」は、先行して天皇制暴力が吉祥寺「天皇制いらないデモ」(一六年一一月二〇日)に続いて立川自衛隊監視テント村宣伝カー破壊(一七年一一月二三日)を行ったことに現われている。権力はアリバイ的に右翼実行犯を事後逮捕したが、これは犯行の事前共謀と黙認を覆い隠すための稚拙な工作でしかない。この日の集会も大量の公安政治警察と機動隊の配置、右翼らの妨害が行われている。権力と右翼が一体となった闘争破壊を跳ね返していこう。

多角的に天皇
制を把握する
集会は、この一年間の天皇制攻撃と反撃の闘いの成果を確認し、来年の闘いに向けて四人から問題提起が行われた。
北野誉さん(反天連)は、「反天連の問題意識」をテーマに次のように述べた。「天皇『代替わり』の状況に突入しているが、八九年の天皇代替わりと言論状況が大きく変わっている。天皇賛美の声が『リベラル』の中から大量に生み出されている。その中で天皇の『平和主義』と安倍首相の『戦争政策』を対立させ、天皇に期待するロジックも現われだした。私たちは、国家としての天皇制が果たす役割があり、戦争国家として天皇と安倍の役割分担・補完関係をなしていることを明らかにしてきた」。
そのうえで「天皇の『平和主義』言説に対して『その本質は戦争だ』と言うだけでは不十分ではないか。それは戦後『平和と民主主義』体制の土俵のうえで明らかにしていくことも求められているのではないか」と今後の論議の方向性を示した。
桜井大子さん(反天連)は、「問題提起 『良い王様』と『悪い政治家』?」と題して「多くの人びとの眼には、象徴天皇はどのように写っているのか。どのように認識し、どのような天皇を欲しているのか。なぜそうなるのか」と論点設定。また、タイ国王制と比較検討しながら「日本はどこに位置するのか? どこに位置すると観念されているのか?」とアプローチした。
中間集約として「『国民』が君主を認識するのは、国内視察、王室外交、言論活動、政治関与した場合その結果として、天皇・皇族は、政治関与を除けば君主と同じような振る舞いをしてきたし、社会もそれを認める。今、天皇の政治関与は強まり、そういう強力な君主としての天皇を、社会も望んでいるように見える」。
第二論点として「象徴天皇を、象徴とみるのか、天皇=君主と見るのか。現実は君主的な存在としての天皇があり続け、それが強化され、それが望まれているだろう社会にあるということを踏まえる必要があるのではないか。象徴天皇制の曖昧さが作り出す強さを再認識し、格闘していかなければならない」とまとめた。

「自己欺瞞」が
支える天皇制
天野恵一さん(反天連)は、「老人・明仁が仕事を辞めたいと言っているのだからそれを認めてあげればいいではないかという人々に対してどのように語りかけるのか。明仁は、辞めればただの人間になるわけではなく、元天皇だ。膨大なカネも貰い続ける特権的な存在だ。ただ、この問題はもう少し深く考えたほうがいいと思っている」と論点を浮き彫りにした。
この考察のヒントとして平井啓之の「自己欺瞞」・「近代天皇制と日本人意識」を取り上げ、天皇の「人間宣言」そのものを問題にしながら「自己欺瞞の民族」として批判していることを強調した。つまり、「『人間=象徴』天皇が、あらためてビデオ・メッセージ『人間宣言』を発したなどというのはマスコミの論理だ。高齢であるなま身の『人間』としてのみ見ようとする庶民の『自己欺瞞の意識』は、戦後主にマスコミによって作為的につくりだされ続けてきた。『神人天皇』から「象徴(人間)天皇」へと外見は変容しても、連続している『自己欺瞞』の意識、これが天皇制を支え続けている。代替わりした象徴天皇制も『言論抑圧マシーン』であり『タブーづくりの装置』であること、それが『偽善性=ペテン性』にみちみちたものである」と分析した。

資本主義の収縮
過程と天皇制
平井玄さん(批評家)は、「金持ちと貧乏人の間 安倍政権の岩盤破壊と左翼をオルグする皇后陛下」というタイトルで問題提起した。
平井さんは@貧乏人は天皇をありがたがり、戦争国家を歓迎するのか?A戦後の岩盤(無意識)を破壊するのか、防御するのか?と問いかけ、「さらなる債務の拡大と終わりなき先延ばしに向かう」国家財政の脆弱性を指摘し、安倍政権批判の突破口を提示した。
また、「美智子のカルチュラルスタディーズ(文化攻勢)」の観点から「護憲平和天皇のイリュージョンは、リベラル左派までも文化イメージ戦略にますます溺れさせた。同時にフリマアプリによるネット中古品リユース・マーケットの急激な拡大、海外で移住フリーターになる日本人が増えていることなどから見えてくるのは、資本主義の収縮過程ということだ。新たな運動の方向性の一つとして、『生存原理としての経済』を考えるべきではないか」と呼びかけた。
問質疑応答後、討論を集約し、あらためて来年の反天皇制運動に向けてスクラムを強化していくことを確認した。 (Y)

12.9〜17

イージス・アショア配備反対

軍事的緊張をあおるな

前田哲男さん講演集会

 【秋田】一一月初旬のトランプのアジア歴訪の最初となった安倍首相との会見後に「日本が膨大な兵器を買うことだ。日本に安全をもたらす」発言があったが、それ以降矢継ぎ早に安倍政権は最新鋭兵器の導入を発表した。
 アメリカの中国・ロシアを念頭とした「統合防空ミサイル防衛(IAMD)構想」の一翼を担うべく小野寺防衛相がイージス・アショア(一基一〇〇〇億円×二基)導入を発表し(二〇二三年運用開始)一九日に閣議決定した。
 こうした安倍政権に対して一二月九日(土)に「イージス・アショア配備問題を考える実行委員会」が主催して秋田駅前で反対のデモ行進が行われた。
 ついで一二月一七日(日)午後一時三〇分よりフォーラムアキタにおいて反対集会が持たれ一四〇人が結集した。

敵地攻撃能力
獲得するねらい
集会には軍事評論家の前田哲男さんが招かれ、安倍政権の配備の狙いについて、@「戦争法」強行採決によって「専守防衛」を投げ捨て小野寺「検討チーム」による「巡航ミサイルをはじめ、わが国として敵基地攻撃能力を保有すべく検討を開始する」とし防衛力の質的転換を図っている。これはイージス・アショアが迎撃目的だけでなく「トマホーク巡航ミサイル」を格納すれば「敵基地攻撃能力」が出来あがることに注目すべきである、とその攻撃性を暴露した。そして、Aその背景として「北朝鮮の脅威」と「尖閣防衛」を口実として、中国封じ込めを念頭にアメリカの軍事戦略と一体化しその一翼を積極的に担おうとするものである、Bその意味でイージス・アショアの秋田配備は、秋田市・県民だけの問題としてのみ考えるべきではないと訴えた。
質疑討論の中で国の専権事項に地方行政では対抗できないのではないかという意見が出されたが前田さんは佐賀県におけるオスプレイ配備計画が漁協との協定によって佐賀空港が軍用と共有出来ずに代替地を検討し始めたという報道を紹介し反対運動の奮起をうながした。また一二月一九日の駅前情宣が呼びかけられ三〇人近くが結集し、イージス・アショア反対を訴えた。

地域住民からの
抗議の声を!
一方一二月一八日、秋田市議会総務委員会で配備反対を求める市民団体の請願が三対五で不採択となり、政府に情報開示を求める陳情も不採択になったことが報道された。こうした許しがたい決定を絶対に認めるわけにはいかない。
配備予定とされた新屋演習場周辺は住宅密集地であり、幼稚園、小中学校、高校、福祉施設がある。施設から出される強力な電磁波が健康への被害を与えないかなど、自治体や住民に説明がないまま一方的に配備を進めようとしている。
こうした政府の動きに対して地域住民団体も声を上げようと動き始めている。
こうした動きをさらに加速させ安倍政権の「戦争政策の実戦配備化」としてあるイージス・アショア設置阻止を全力で闘い取らなければならない。  (皆川)

12.17

辺野古実が新宿で街頭宣伝

歌とアピールで人々に訴え

相次ぐ米軍事故に抗議

 一二月一七日午後二時から、JR新宿駅東口で辺野古への基地建設を許さない実行委員会が呼びかけて、辺野古新基地建設の強行を許さない!新宿街頭宣伝を、北風が時折強く吹く寒い日曜後の午後ではあったが元気に行った。
 この行動にはシンガー・ソングライターの川口真由美さん、沖縄在住の泰真実(ヤス マコト)さんや沖縄の闘争歌を披露し、それをはさんでアピールする工夫もされて、いつもと違う雰囲気で通る人たちがスマホで写真を撮ったりする場面もあった。
 辺野古沖で抗議により、真っ黒に日焼けした抗議船船長が訴えた。
 「本部港でダンプ一五〇台分の砕石を積んだ船が大浦湾に入った。抗議船を出し抗議すると五人乗りの船に保安庁の船員三人が無理に乗ってきて転覆しそうになった。ウミガメの泳ぐすぐそばに砕石が落とされた。こんな違法な行動を許せない。基地のない沖縄を取り戻すためにがんばろう」。
 沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志は東京MXテレビ「ニュース女子」が沖縄基地反対運動をデマとヘイトでウソの報道をしたと謝罪と訂正を求めて抗議行動をしてきた。その結果、数日前にBPO(放送倫理委員会)意見書が出され、その中で「裏付けのない放送であり、重大な倫理違反があった」とした。「ニュース女子」を制作した大手化粧品会社DHCは「問題ではない、言い分を聞く必要がない」と意見書の受け入れを拒否した。市民有志はこれからもDHCやMXテレビへの抗議行動を続けていくと表明した。当面、次回MXテレビ抗議、一月一七日夕方、一月二七日にシンポジウムを開く。
 この他、相次ぐ米軍ヘリによる保育園・小学校への落下物や墜落事故など重大事故への責任を追及し、普天間基地の即時返還、辺野古への新基地建設を阻止しようと訴えた。
 シンガー・ソングライターの川口真由美さんによる「ここに座り込め」のロック調の迫力ある歌、そして沖縄在住の泰真実(ヤス マコト)さんが「勝利をわれらに」を最後に披露して行動を終えた。   (M)


もどる

Back