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    かけはし2018年2月19日号

「核先制攻撃」を宣言したトランプ


「敵」が使わなくても米国は使う

安倍政権は「高く評価」

「核戦略見直し」を発表

  二月二日、トランプ米大統領は「核戦略見直し」(NPR)を発表した。今後五〜一〇年の核政策の指針とされるものだ。それは米国が核攻撃を受けない場合でも核兵器を使用するために、小型核兵器や核巡航ミサイルを開発するというもので、核兵器が実際の戦争に使われる可能性が大いに高まった、と言わなければならない。
 トランプが「二一世紀の広範で多大な脅威に対応するため、機能的で柔軟性を持つ戦略」とうそぶいた「新戦略」は「小型で使いやすい」新型核兵器の開発に乗り出すものであり、実際に核攻撃が行われる可能性は飛躍的に高まるだろう。トランプは北朝鮮・金正恩体制による急速な核開発を想定しながら、国際的な「安全保障上の脅威」の増大を強調し、この脅威に対応するためにも「先制攻撃」を含めた核使用の可能性を打ち出したのである。
 この「新戦略」では、新しく開発する「小型の核弾頭」を潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に装てんし、敵基地・核施設に「限定核攻撃」を加える。さらに水上艦や潜水艦から発射する新型核巡航ミサイルを開発し、局地戦で使用することも想定されている。大型核弾頭は強力すぎて逆に使えなくなっているが、「小型で爆発力の小さい」核兵器ならば、使用可能というものだ。さらに「米国や同盟国などの国民やインフラに対して核兵器を使わない戦略的攻撃があった場合」でも、反撃のために核兵器の使用を検討する、と主張している。
 「敵」が核兵器を使わなくても、米国は核の使用を検討する、というのだ。この新核戦略については、トランプの言う「核抑止力」を高めるものではなく逆に「敵国」が「核」で反撃する可能性を高める、という批判も米国の中から語られている。

朝鮮半島を核の戦場にするな


 しかし安倍政権は、トランプ政権による「核戦略見直し」、すなわち小型核兵器の「先制使用」の可能性への言及を「高く評価する」との河野外相談話を発表した。
 河野外相は自らのブログで次のように言明している。
 「我が国は、北朝鮮の核兵器の脅威にさらされています。極めて強い破壊力を持つ核兵器による攻撃を防ぐためには、核兵器による抑止が必要です」「抑止のために、核兵器がもたらす破壊力と同等の脅威を通常兵器でもたらそうとすれば、莫大な予算の通常兵器が必要になり、とても現実的ではありません」。
 「北朝鮮の核、弾道ミサイルの脅威に直面し続けている我が国にとって、日本を含む同盟国に対する米国の拡大抑止へのコミットメントが明確に表明されていることは、我が国の防衛にとって非常に有益であり、日本政府はこれを高く評価します」「現実の危機に対応し、米国とその同盟国、パートナー国を守るという観点から見れば、このような方針が示されたことは、高い評価に値すると思います」。
 「米国は生物兵器、化学兵器を放棄しています。そのために生物兵器及び化学兵器といった非核攻撃に対する核兵器による報復の可能性を明記することによって、敵国が生物兵器や化学兵器ならば核兵器による報復はないと誤認するリスクを減らし、米国、同盟国及びパートナー国への生物兵器や化学兵器による攻撃に対する抑止力を高めようとしています」。
 まさに米国トランプ政権の「核兵器使用」宣言を、無条件に支持し、「核戦争」への自衛隊の参加を全面的に支持する宣言だ。
 北朝鮮の金正恩体制が急ピッチで進めてきた核兵器開発とトランプ政権の「核戦争」瀬戸際政策によって、朝鮮半島危機はまさにかつてないレベルに達している。トランプ・安倍同盟は金正恩体制の核開発路線を徹底的に利用しながら、核戦争危機を現実に引き寄せている。この流れを止めなければならない。
 安倍政権の「九条改憲」プログラムは、現実の朝鮮半島の核戦争危機と重なり合って、その危険性を最大限にまで高めている。「九条改憲」を阻止する闘いは日米「核戦争同盟」を阻止し、平和と人権の東アジアをめざす闘いだ。
    (二月一〇日 純)

2.5

辺野古実が防衛省申し入れ

名護市長選は敗北、闘いはこれから


粘り強く、攻撃をはねかえそう


 二月五日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委が定例の防衛省申し入れ行動を行い、一二〇人が参加した。前日の名護市長選で残念な結果を受けての最初の行動であった。
 辺野古実の中村利也さんが総括的な発言を行った。
 「名護市長選は残念な結果であった。自公維新推薦の渡具知候補は辺野古移設問題で『へ』の字も言わなかった。公明党との選挙協定で、海兵隊の県外・国外移設を求めるとした。このことと矛盾する辺野古基地建設問題について、態度を明らかにしなかったことは、選挙のための辺野古隠しだ」。
 「公明党は組織ぐるみで対応した。安倍政権はカネ、ヘイトスピーチをまき散らした。名護市民は三分の二が移設に反対している。沖縄タイムズの選挙出口調査でも六五%が反対している。安倍政権は今日もダンプ二〇〇台で土砂を運んでいる。力づくでの基地建設を加速している」。
 「敗北に負けず、あきらめない。今回の選挙結果は私たち自身の責任でもある。基地を押しつけている安倍政権に運動の力が届いていない。結果にめげず、気持ちを切り替えてがんばろう」。
 次に辺野古に行ってきた仲間から発言が続いた。
 八王子の島袋さん。「ダンプで土砂を運んでいるのを阻止するために闘った。嘉手納基地ゲート前行動にも参加してきた。宮古島でも自衛隊の基地建設が行われ、反対運動が起こっている。運動には波がある。ひいた波をはずみにしてやりたい」。
 沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの石原さんが「一月二二〜二七日まで二〇人近い人が辺野古に行った。ダンプが百数十台入り、普通の車の通行をじゃましている」と憤った。

安次富浩さんが
電話でアピール
沖縄から、安次富浩さんが電話でアピールした。
「名護市長選は日本政府の大きな力による切り崩しによって敗北した。絶対基地を作らせないために闘っていく。おカネに惑わされた。絶対に忘れない。粘り強く安倍と対峙して闘いぬこう。沖縄のことは沖縄が決める。悔しい結果だが、この国を本当に変えていかなければならない。沖縄の未来を作り上げていこう」。
花輪伸一さんは「稲嶺進さんは今朝いつものように、通学路の見守りを行った。安次富さんもこれからもがんばるとアピールした。沖縄の人々と共に首都圏で闘いを続けていく」と表明し、「一九九六年のSACO合意、海上ヘリ基地案、軍民共用空港案そしてキャンプ・シュワブ沖と、つぶせばつぶす程巨大な軍事基地を押しつけてくる。夏ごろ、本格的な海の埋め立てを始めるだろう。今、四〜五%しかできていない。今後、七月名護市議選、一一月知事選で翁長知事の再選を勝ち取ろう。高江のヘリパッド使用の中止、南西諸島への自衛隊の配備を辞めさせる闘いを発展させよう」と話した。
キリスト者ネットが「普天間ゲート前で毎月月曜日にゴスペルを歌って基地反対を訴えている」と報告した。日韓ネットが「二月二四日、朝鮮独立3・1決起から九四周年集会への参加を」呼びかけた。
最後に大仲尊さん(沖縄一坪反戦地主会関東ブロック)が「二月一八日午後三時、スペースたんぽぽ舎、辺野古埋め立ての今、講演会、二月二五日午後二時、東池袋中央公園、護岸工事・土砂投入を許すな集会・デモ」への参加を要請し、防衛省に向けてシュプレヒコールをあげた。申し入れはアジア共同行動首都圏が行った。
名護市長選の敗北の結果を受けて、意気消沈するのではなく、冷静に受け止め、今後の反撃を誓う重要な行動となり、いつもより参加者も多かった。   (M)


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