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    かけはし2018年3月19日号

過労死促進法案はゴメンだ


裁量労働制と高度プロフェッショナル制度

3.5

日本労働弁護団が呼びかけ

「定額働かせ放題」お断り!

厚労省前で緊急行動

 三月五日正午から、「裁量労働制拡大と高度プロフェッショナル制度導入に反対」する緊急行動が雨の降る中、日本労働弁護団が呼びかけて厚労省に向けて行われた。
 最初に、棗一郎さん(日本労働弁護団幹事長)は「三月一日、裁量労働制の拡大を断念し、労政審へ再審議することを安倍首相が表明したが法案提出そのものを断念すべきだ。高プロ制は導入するとしているが、政府は『高プロのことを働いた時間ではなく成果で評価する制度へ働き方を変える改正』だと説明しているが全くの誤りだ。高プロの本質は労基法の労働時間規制を適用しないという危険極まりないもので、際限のない長時間労働を助長しかねない。『過労死促進法』『残業代ゼロ法案』と批判されるゆえんだ。ただちに撤回を」と提起した。

  時間働かせ
続けるつもりか
中原のり子さん(東京過労死を考える家族の会代表)が「一九年前、小児科医の夫が長時間労働・過労によって自死した。与党は時間に縛られない成果で給料という働き方を言うが、スーパー裁量制度だ。二四時間でも働き続けることになる。一度亡くした命は戻ってこない。医者は死んでもいいのか。高プロ・研究者は病気にならないというのか。いま、三人の自死の相談を受けている。長時間労働をなくす真の働き方改革が必要だ」と怒りの表明をした。
鈴木剛さん(全国ユニオン会長)は「当事者抜きにするな。現場を知れ。名ば
かり管理職のマクドナルド店長の残業代未払い問題で闘ってきたがその後も何一
つ解決していない。インターバル規制を言わない」と政府を批判した。伊藤圭一さん(全労連)は「高プロ制度は当事者に交渉力があるから大丈夫と政府は説明するがそんなことはない。低額で殺すまで働かせることができ奴隷労働だ。過労死ラインの月残業時間八〇時間〜一〇〇時間未満を引き下げさせる。ネット署名を始めたら二〇〇〇筆が集まり、自民党支持者も今回だけはダメだと言って署名してくれている」と報告した。

労働の底が
ぬけている
柚木康子さん(全労協)は「政府は働き方改革を女性労働や少子化対策としているが、労働者をボロ雑巾にしていくものだ。日本はジェンダーバランスが一四四カ国中一一四番目だ。こうしたことの改善が必要だ。自分の時間がないような働き方ではなく、当たり前の働き方を守る。労政審で大学教授などが公益委員になっているがこの委員たちが労働者の現実をまったく理解しない発言を繰り返している。この委員たちを代えるべきだ。労働の底が抜けている。それ程危険な状態にある」と訴えた。なお、この行動には、上西充子さん(法政大教授)、初鹿明博さん(衆議院議員、立憲民主党)、山添拓さん(参議院議員、共産党)が参加し、連帯のあいさつを述べた。  (M)

東京過労死を考える家族の会 ・中原のり子さんのメッセージ

働く者の命よりも労働生産性の方が大事ですか?

   命よりも大事な仕事って何ですか?

高度プロフェッショナル制度(スーパー裁量労働)の取り下げについて

 この度の裁量労働取り下げについて、裁量労働の時間外労働が一般労働の時間外労働より長いことは社会一般常識と家族会の被災者の様子を見れば 一目瞭然です。裁量労働の被災者は、会社の時間管理もなく労災認定も困難で、命や健康を害して被災しても社会的支援がありません。不誠実なデータの下、働き方改革を検討することは難しい状況にあると断言します。
しかし、高度プロフェッショナル労働制(以下、高プロ)や過労死ラインを超えた上限時間が残される事については大きな懸念が残ったままです。「働き方改革」の関連法案は、裁量労働制の切り離しですむものではなく、高プロも上限設定も白紙撤回すべきです。
労働実態の再調査は裁量労働制だけでなく高プロや上限設定のためにも欠かせないと強く思います。信頼できる調査なしには法案審議はできない筈です。
過労死防止のためには、過労死等防止対策推進法の見直しとこれまでの調査研究を踏まえた大綱の改正が先決です。
亡夫(小児科医師・中原利郎)は、1999年に勤務先から長時間労働・過重労働が原因で鬱病発症して勤務先の屋上から投身自殺しました。医師は高プロの対象業務として想定していないと言っても、その働き方はまさしく残業代無し・勤務時間無制限の「高プロ」先取りの勤務体系でした。亡くなる前に「馬車馬のように働かされている」「病院に搾取されている」「病院に殺される」とつぶやいていました。「小児科医は天職」と自負する夫が「小児科医師なんて誰からも感謝されないくだらない職業だ」と言い残し社会に絶望して亡くなりました。上限規制がなく、超長時間労働によって高度のプロの仕事が果たせるのでしょうか?健康確保措置は効くのでしょうか? 医師の面談といっても、医師の働き方そのものが過労死ライン越えての超過重労働です。小児科医師だった夫の健康確保してくださる手立てはありませんでした。高プロでは、人は過労死します。残業代ゼロ、高プロが人の命を奪うことを誰より痛切に感じているのが、私であり、過労死家族会の仲間です。
みんな大なり小なり高プロのような残業の歯止めがない働かされ方で過労死したのです。
高プロは「スーパー裁量労働」つまり残業代ゼロの最たるもの で 、こんな働き方を政府は許容するべきではないと思います。裁量労働性だけ削除して、本丸である高プロを削除しないのは矛盾している・絶対に認められません。亡夫と私たち家族は、既に高プロの被害者なのです。上限時間に於いても、亡夫の裁判所で認定された時間外労働は83時間でした(医師の当直は労働時間に含まれていません)。
過労死家族会では100時間満たないで過労死している遺族が複数います。100時間という数字が独り歩きしないか不安です。「100時間未満」の時間外労働を容認することは、時間短縮に真面目に取り組もうとしている企業の努力に水を浴びせるものです。「過労死ライン=80時間」より長い上限設定は、過労死を助長するものです。
除外業種・職種が広範囲に存在するのも大きな問題です。「建設・運輸・医師・研究開発」「教師」においても、とりわけ長時間労働による過労死が問題になっています。労基法の例外を作り残業代ゼロにすれば、長時間労働に歯止めがかからず、過労死が増える、人が死ぬ! と訴えてきました。先週面会した加藤厚労大臣にも裁量労働性と高プロのセット削除を強く求めましたが、私たち遺族の心からの叫びに納得するお返事は頂けませんでした。
また安倍総理は、電通遺族・高橋幸美さんと面談され、政府が取り組んでいる長時間労働の是正策に関し高橋さんは「ぜひ実効性のあるものにしてほしい」と要望を伝え、首相は「なんとしてでもやりますよ」と応じ、施政方針演説でも、まつりさんの自殺に言及し「二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で、長時間労働の是正に取り組む」と述べています。しかしながら、2/28の院内集会で、高橋幸美さんは「過労死防止と矛盾する裁量労働制だけでなく高プロの撤回を強く求めます。過労死を増やす法律、人の命を奪う法律はやめて下さい。
過労死を無くし、人の命を守る法律を作って下さい。」と発言されました。高橋さんとの約束は守って欲しかったです。

 高プロは年収要件があり、高所得者が対象と言われますが、それは最初だけです。実際、塩崎前厚労大臣は『小さく産んで大きく育てる』と発言されていますし、以前経団連は、ホワイトカラーエグゼンプション残業代ゼロでは、年収400万円以上が望ましいと発言されたこともあります。高プロが万一、今回導入されたら、あっという間に年収要件が引き下げられるのは明らかです。また、もし仮に年収要件が維持されたとしても、高収入であれば過労死ラインを越えて働かせることができる理由には決してなりません。高収入であれば過労死しても構わないはずがありません。
働き方改革という名のもとに、人の命を奪う、過労死を増やす法律を強行するのは絶対にやめて頂きたいのです。
私たち遺族は、三十年も前から「過労死防止」の声をあげ続けています。どれほど犠牲者がでたら、政府は解ってくれるのでしょうか? 一日の上限時間・インターバル規制・健康確保措置全てが整っていない(究極の労働時間撤廃制度)を社会に送り出すことは止めて戴きたいです。
長時間労働は、過労事故死・業務上のミス(重大な医療事故)・過労死・過労自殺を生み出す最悪の働き方です。
労働者が生産性向上を目的に活き活きと働き続けられる真の働き方改革の在り方を更に検討して頂きたく存じます。

3.5

郵政に働く非正規労働者の
均等待遇・正社員化求める

日本郵政本社前に200人

 三月五日、「郵政リストラに反対し労働運動の発展をめざす全国共同会議」は午前一一時半から東京・霞が関の日本郵政本社前で「郵政に働く非正規労働者の均等待遇・正社員化を求める集会」を行った。集会には、正規・非正規の郵政労働者二〇〇人以上が全国から集まった。
 最初に郵政産業労働者ユニオンの日巻委員長があいさつ。「この集会が始まる前に、全国から集まった非正規の仲間たちが均等待遇要求署名二万五〇二五筆を郵政本社に提出した。これで署名の総数は二六万五八〇五筆となる。二〇〇七年の民営化以後、全国二万四〇〇〇の郵便局でサービスを提供してきた中心に、一九万人の非正規労働者がいる。格差を是正し、労働契約法二〇条に基づく均等待遇を求める訴訟は、昨年の東京地裁判決に続き二月二一日には提訴から四年を経て大阪地裁でも勝利判決を勝ち取った(本紙三月五日号参照)。二つの裁判の勝利は、公務非正規労働者の均等待遇にとっても重要な意味を持っている」と強調した。
 次に全労連の小田川義和議長が「労契法二〇条にかかわる東京地裁、大阪地裁の判決は雇用の違いで処遇に差があるのは当然、という資本のやり方に風穴を開けるものだった。私たちの闘いは成果を上げている。非正規労働者の春闘になりつつある」。「働き方改革法案をめぐって裁量労働制についてはデータねつ造が明らかになり法案提出前に撤回となった。過労死促進法全体の撤回を実現しよう。同時に賃上げにも追い風が吹いている。賃上げこそ消費拡大のカギであり、人手不足も賃上げに有利に働く。非正規労働者の大幅賃上げで全国で時給一〇〇〇円以上を勝ち取ろう」と呼びかけた。
 全労協の金澤議長は「『官製春闘』と言われて五年になるが、安倍首相は経営者に三%賃上げを『お願い』し、経団連も三%賃上げを呼びかけるに至っている。アベノミクスでも賃金が上がらず、官製春闘でも実質賃金は下がり続けている。ワークライフバランスというスローガンは企業のためのものだ。郵政ユニオンの闘いが社会的成果を獲得し始めている」と激励した。

労契法 条裁判
勝利判決生かす
次に全国から参加した仲間が発言。西日本労契法二〇条裁判の原告で一審勝利判決を勝ち取った?(くぬぎ)さんは「大阪地裁は年末手当等での差別を不合理と認める判決を出した。正規・非正規の違いなく働ける職場を作り出そう。一〇〇点満点ではないが風穴を開けた判決だった」と訴えた。
「六五歳以上非正規解雇無効裁判」原告の丹羽良子さんは「要員不足なのに『定年』を名目にした解雇が続いている」と批判。さらに期間雇用職員の仲間からアピールが続いた。東京地本・葛飾新宿(にいじゅく)支部の仲間は「いますぐ増員を!納得できないことが増えるばかりだ。格差と差別をやめろ」と訴えた。近畿地本・神戸北支部の仲間は「同じ仕事をしているのに退職手当もボーナスもない現実」に怒りを表明し、関東地本・佐倉支部からは東日本二〇条裁判の原告である宇田川さんがアピール。東海地本・浜松東支部の鈴木さんは「人手不足で非正規が日勤から夜勤までやらされている」と訴え、郵政本社に向かって「これを放置してきたのはあなたたちだ」と怒りをぶつけた。
郵政倉敷労働組合の仲間がまとめの発言を行い、「差別をやめろ」「大幅増員が必要だ」というアピールを郵政本社にぶつけていった。
なお午後からは議員会館で院内集会も行われた。          (K)


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