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    かけはし2018年4月9日号

地域から安倍政権NO!の声を


3.19

「安倍9条改憲NO!荒川市民アクション」結成

一人ひとりの創意を力にして


 【東京東部】三月一九日、東京・荒川区立「アクロスあらかわ」多目的ホールで、「安倍9条改憲NO!荒川市民アクション」キックオフ集会が開催された。主催は「荒川市民アクション結成準備会」。約一〇〇人が集まった。
 同アクションは、憲法九条が危機を迎えるなかで始まった「三〇〇〇万人統一署名」運動を中心に、地域から改憲を阻止する運動を盛り上げる目的で準備された。かつて安保法制に反対して荒川の運動が結集。人々が街頭に出た時の反応は良かった。地元で活動してきたさまざまな団体・個人と労組が今回、「安倍改憲を許さない」の一点で共闘した。

3000万署名
を成功させよう
午後六時半。司会者あいさつの後、憲法共同センターが制作したDVD「9条改憲って?」を観賞した。安倍改憲の狙いと署名運動の意義がわかる格好の教材だ。
主催者あいさつでは、「平和憲法を守る荒川の会」共同代表の森本孝子さんから発言があった。「朝鮮半島では南北対話が始まろうとしているのに、安倍だけが圧力をかけろと言っている」。「森加計問題は佐川だけが悪いのか。海外では『安倍ゲート事件』だと報じている。主犯は安倍だ。連日の全国の市民の力が、自民党を追い込んでいる。総辞職をしてもらおう」。「日本会議はあちこちの神社で改憲署名をしている。私たちも負けられない。三〇〇〇万人署名を成功させよう。四月にはパレードをしよう。街に出よう」。森本さんは力強く訴えた。
リレートークが始まった。一人目は「新日本婦人の会」荒川支部長の宮本京子さん。
「安倍政権はウソにウソを重ねている。改憲を語る資格はない」。「何としても署名をやり抜きたい。新婦人はすでに(分担分の)半分を達成した」。

フジビ闘争の
現場から訴え
宮本さんは年賀状をやり取りする知人に封書で署名用紙と返信用封筒を送って、相手に集めてもらうという。定形料金内に重さを収めるこの手法を、「全国つながり手紙作戦」と称した。「これからも憲法カフェを開き、運動の輪を広げていく」と話した。
全国一般東京労組フジビグループ分会長の小金井俊弥さんは、フジビ闘争の経過を報告。「五年半の争議を闘ってきたが、中労委で二月五日に和解した。みなさまにお礼を申し上げます」。
「フジビ闘争」とは、荒川区西日暮里にある富士美術印刷(フジビ)内の製版部門「フジ製版」の従業員全員が、二〇一二年に突然解雇された事件である。負債額の八割以上が退職金にあたる計画的な偽装倒産だ。そのうえ争議は始まると、労働者個人に対し「営業妨害」をでっち上げた報復的提訴=スラップ訴訟を起こし、あろうことか最高裁は会社側の言い分を認めた。
「会社が私たちを訴えた恫喝裁判だったが、この判決を運動の力で事実上無効にした。五年半に私たちが受けた支援は、運動の中で返していきます」。
五月下旬には解決報告集会が区内で開かれる予定だ。

生活と健康を
守る会の訴え
「荒川生活と健康を守る会」会長の角光男さんが演壇に立った。二〇一四年九月、千葉県銚子市で県営住宅に住む母親が生活苦から娘を殺し、無理心中を図るという痛ましい事件が起きた。「荒川でも三〇年前に生保打ち切り事件が起きた。自殺者も出た。当時私たちの会の力は弱かった」と角さんは振り返った。そして「日本会議はカルト集団だ。だが応援する議員は二七〇人にも上る。安倍が辞めても、またぞろ日本会議の議員が出てくる。そして戦前の教育を復活させる」と批判。「私たちの会だけですでに五千筆の署名を集めた。会を大きくし運動を広げたい。自殺者を二度と出したくない」と切実に語った。
「荒川母親大会」の女性は、「9条には日本と世界の重い歴史が刻まれている。悲惨な過去を反省し、世界に向けて約束した言葉だ」と切り出した。
人は親の無意識を食べて育つ。「平和を守れ、9条を壊すな」と父は言った。父から受け継いだバトンだ。リアルな想像力で改憲に反対することが主権者の使命である。女性はきっぱりと語り、自身の署名活動を紹介した。

たった一人で
五〇〇〇筆目標
買い物袋に署名用紙を入れて歩き、スーパーのレジに並んでいる時や銭湯にいる時など、会話をした相手に丁寧に一筆頼むという。こうしてたった一人で一二〇〇筆を集めた。
「私は原発にも反対です。だからエアコンはできるだけ使わない。署名は五〇〇〇筆が目標だが、五月までには達成できるだろう」。大きな成果も誇示せずに、女性は淡々と自身の行動を紹介した。
福祉国家構想研究会の梶原渉さんは、安倍政権に対して危機感を持つだけでいのか、と問いかけた。「若者が保守化したと言われるが本当なのか。そうではなくて、若者は自分で社会を評価する枠の外に置かれてきた。見方の次元が違う」。「今回の世論調査では二〇代の若者と女性が安倍政治への支持率を下げている。ちゃんとわかっているのだ」。
本アクションには、荒川区議六人も賛同している。その一人、日本共産党区議団の小林行男さんがマイクを握った。

東京都迷惑防止
条例改正案反対
「前代未聞の森友問題。本丸は安倍夫妻だ。誰が見てもわかる。署名用紙をもって区内各地域を回ったが、とても反応が良かった。内容を理解してもらえれば力になってくれる」。小林さんは明るく報告した。
「荒川英語教育を考える会」の市村由喜子さんが、集会参加者一同による荒川区議会に対する陳情書を読み上げた。区議会において国会及び政府に対し、地方自治法第九九条の規定により、「9条改憲に反対し、憲法を生かす政治を求める」意見書の提出を求めるものだ。
「国民救援会」で活動する女性は、警視庁が三月五日に東京都議会に提出した「迷惑防止条例改正案」を糾弾した。二二日に警察・消防委員会で可決し、二九日の議会最終日に本会議で採決に持ち込む予定で審議中だ。
今回の「改正」案は、現行の規制に加えて「みだりにうろつく」「電子メールを送信する」「名誉を害する事項を告げる」「性的羞恥心を害する事項を告げる」などの条項が加わる。この文言によって、労働運動や市民運動はじめ、メディアの取材活動などが、警察の判断によって際限なく取り締まられるというとんでもない法案である。

「つきまとい」
規制を口実に
「ストーカー規制法」でも同様の行為が摘発、処罰の対象となっている。両法ともに拡大適用すれば人権侵害の危険性があるが、ストーカー法では、「つきまとい」被害の実態が「恋愛感情に基づく」もので九割近くに上るという調査がある。
警視庁は「つきまとい規制」を目論み、二〇〇二年六月に都議会定例会へ提出。だが人権侵害に当たるとの世論の反発を浴び、実質廃案になっていた。今回の改悪案では「恋愛感情」という枠すらも取り払い、個人の内心の「ねたみ、恨み、その他の悪意の感情」を口実に逮捕できる。この悪法によって、あらゆるデモ、国会前集会や駅前情宣、ネット上での政権批判、争議行動、権力者への監視活動、取材調査などが弾圧されることは明らかだ。そして取り締まりを避けるために、多大な萎縮効果をもたらすだろう。
「あらゆる人権活動を警察が直接取り締まる。被害者による告訴が不要。共謀罪以上に恐ろしい法案です」。「目的は廃案だ。言論表現の自由を守ろう」。遅れて駆けつけた女性は明快にアピールした。
「東尾久九条の会」世話人の小泉俊雄さんは、アクション事務局の体制について説明し、今後の行動を提起した。来る四月二二日には、区内で集会とデモを予定している。
閉会のあいさつは、佐藤幸雄荒川区労連議長。「安倍はずっと逃げ回っている。それで九条改憲を言うなど盗人猛々しい。今日はみなさんに元気をもらった。共にがんばりましょう」と締めくくった。
(三月二五日 佐藤隆)

3.27

都立病院の地方独立行政法人化問題

ねらい見抜き反対広げよう

医療民営化は何をもたらすか

 三月二七日午後六時半から、「第二回都立病院の地方独立行政法人化を都議と考える学習講演会」が都立病院の充実を求める会の主催で行われた。東京都は一月二六日、都立病院の将来像を示す六年間の中期計画案を公表した。その中で、都立病院の独法化も検討するとした。 東京都立八病院について、都立病院経営委員会は一月二九日、経営主体を都から地方独立行政法人に変えるよう、都に検討を求める方針を決めた。 独法化すれば、医師ら約七〇〇〇人が非公務員となる。

都民の生活を
守るためにも
最初に、氏家祥夫共同代表が経過報告した。
「中期計画に対するパブリックコメントに一五〇を超える意見が寄せられた。地元の都立病院を守る会や充実する会は署名・宣伝・都議への働きかけを行っている。都立病院がある墨東・広尾・大塚などで地域学習会を。本日開催の都議会に署名四一一〇筆を請願として提出した。第二回定例都議会で議論になった。五月二〇日までに、三万筆の署名を集めよう。都立病院は一般会計から四〇〇億円が支出されていて赤字だと流されているが、そうではないということを伝え、都民的・全体の運動として広げていきたい」。
次に、和泉尚美都議が「小池知事になっても、中央卸売市場の豊洲への強行移転、オリンピック、岸体育館改築など石原都政時代の闇にメスを入れられていない。都立病院は一六から八つに減らされた。公立化から民営化への流れを止め、都民を守らなければならない」と発言した。

「国民皆保険」
解体に反対を
安達智則さん(東京の自治、都政分析、行財政問題の調査研究で三十数年。名古屋大学などで講師歴任)が「 行政的医療から医療行政へ、皆保険回復へ向けて」と題して詳細なレジュメに基づく講演を行った。@日本の医療問題A小池都政をどのようにみるのかB「都立病院新改革実行プラン2018(仮称)素案」の批判的検討Cすべての都民の医療保険は、都政の基本任務。
@「日本型国民皆保険の解体には絶対反対すべきである。ここに日本医療の生命線がある」(川上武)、「日本の医療はいま、全般的危機といっていい状況にある。公的な医療保険にカバーされない人々の数が劇的に増加しつつある」、「医を経済に合わせるのではなく、経済を医に合わせるのが、社会的共通資本としての医療を考えるときの基本的視点である」「市場原理主義が、世界を滅ぼしつつある」(宇沢弘文)。
A四月から東京都が国民健康保険の指導的保険者になる。国保問題(東京都が日本で一番高い保険料・保険証の取り上げなど)は解決していない。無保険者の増大(無保険者の実態調査がない。人口増の中、加入者減少)。
B都立病院の病床削減の危険性がある。四〇〇億円の一般会計負担を病院財政問題にすべきではない。国の報酬の不十分さのために、医療収支が一〇〇%にならない。その不足分を補充している(行政的医療)。地方自治と予算からの「自由」が、都立病院の地方独立法人化のねらい。
C止めること 都立病院の地方独立法人化。見直しをすること 「都立病院新改革実行プラン2018(仮称)素案」。創り出すこと 行政的医療から医療行政への転換。医療行政の基本的役割。皆保険を回復する。?国民健康保険料の値下げ?保険証の取り上げは原則ゼロ化。無保険者の調査と保険証交付。皆検診を実現する。都立病院が無料低額診療に取り組む。診察を受けても薬局に行かない問題。薬代の助成制度が必要。全国で一〇の自治体で行っている。一人年間七万円の予算で可能。

独法化反対の
声を広げよう
講演の後に質疑応答があった。「独法化の先は何か?」、「国の印刷局病院は独法化し、その後民間に売却された。その先は売却か閉鎖かだ。埼玉県では二年前に二つの病院を売却した。今、九州の民間医療法人が九州では安い賃金の医師や看護師が多い利点を生かして、M&Aで病院を買っている」。「質の高い医療について。まだ未完成の技術だ。北欧では一〇年経ったら現場を離れて一年間研究する時間を与えている。せめて日本でも半年ぐらい保障する制度、福祉国家の仕組みが必要だ」。
次回学習会は四月二五日午後六時半から、文京シビックセンター四階ホール「改革プランと経営委報告の虚実を検証する〜経営形態と財務諸表を中心として〜」講師:太田正さん(作新学院大学名誉教授)。この日、印刷所から届いたばかりの『労働情報』四月号で特集「自治体病院『独法化』の闇 東京・大阪・大津」が販売された。独法化によって病院がどのようにダメにされていったのかを具体的に分かりやすく紹介している。ぜひ参考にしてほしい。      (M)




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