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    かけはし2018年4月23日号

「働き方改革」法案取り下げろ


4.4〜4.11

「過労死容認」を許さない

労働時間規制を破壊するな

雇用共同アクションがアピール

 「働き方改革」法案が四月六日に閣議決定と報じられる中、雇用共同アクションは四月四日、さらに四月一一日正午過ぎから、衆院第二議員会館前で、労働時間規制破壊の法案は許さない、と連続的にアピール行動を行った。

「8時間で生活できる賃金を」

 四月四日には、中岡基明全労協事務局長が主催者を代表して、国民騙しに明け暮れる安倍政権に法案提出の資格はないと指弾した上で、過労死容認でしかない高プロ導入やデタラメ時間規制、条件の低い方に合わせ差別を固定化するまやかしの「同一労働同一賃金」など、法案の悪辣さをあらためて確認、八時間制を求めて出発したメーデーが目前であることにふれつつ、法案上程を許さず法案断念に追い込もう、八時間で生活できることが当たり前の社会にするために労働組合に団結して先頭に立って闘おう、と呼びかけた。
情勢報告に立った同アクション事務局長の伊藤桂一全労連常任幹事は、東京労働局長が食い下がる記者を恫喝した問題を取り上げ、そこには当局が違法残業の横行を十分に分かっていることがはっきりと浮き出ている、その上で都合のよいように権力をふるっていると指摘、ぼろぼろと出てくる正統性のなさを、広範な闘いでさらにはっきりさせ政権を追い詰め、四月三日の自民党総務会が法案了承をいったん止めたような揺れが出る可能性も念頭に置きながら、必ず法案を葬ろうと運動の強化を訴えた。
かけつけた労働者からは映演労連、東京全労協、自治労連、東水労の代表が法案阻止への決意を表明した。特に映演労連の代表からは、法案に盛り込まれている「雇用関係にない働き方」の促進にも大きな問題がある、と注意が喚起された。映画制作関係には請負での働き方を強いられている労働者が数多く、労災も申請できないなど劣悪な条件に苦しめられている、この間の闘いで労災申請には見通しがついてきたが、先のような劣悪な状況をまったく考慮していない今回の法案ではそうした闘いも無にされかねないと強い危惧が表明され、法案阻止に全力をあげると決意が述べられた。
日本共産党の田村智子参院議員も駆け付け、公文書改ざん・データねつ造の責任を現場に押しつけるだけの無責任な安倍政権を厳しく批判、闘いを広げこの法案を取り下げさせ、労働者の意見をしっかり聞くことから始めさせようと力説した。

絶対通すな「過労死法案」

 四月一一日の行動には、国民春闘共闘中央行動と東部総行動の参加者も合流、五〇〇人を超える(主催者発表)労働者が議員会館前の歩道を埋め、法案絶対阻止の声を国会に突き付けた。
主催者からは、小田川義和全労連議長と金澤壽全労協議長があいさつ。労働者保護規制の徹底後退を狙った内容を厳しく批判しつつ、絶対認めず安倍政権を揺るがす闘いで応じよう、と決起を呼びかけた。
参加者からはさまざまな労組の代表が決意を表明。その中で全労協の柚木康子常任幹事は、特にろくな検討もなしに潜り込まされた雇用対策法の改定にふれ、生産性向上をあえて挟み込んだ問題性と雇用によらない働き方の促進を狙っていることの危険性に注意を喚起した。
またJMITU(日本金属製造情報通信労働組合)鈴木シャッター支部の菊池勝彦委員長は、裁量労働制や高度プロフェッショナルの導入はしないと会社に約束させているが、力関係が変わればそれも保証はないとして、特に労働組合の強化が今こそ求められていると強調した。
国会からは福島みずほ社民党参院議員がかけつけ、土壇場で時間規制から中小企業を外し中小企業労働者のいのちは軽いかのような扱いをした、この法案のデタラメさ、労働者軽視はますます明らかになっている、広範な運動を共につくりながら法案を絶対通さないと、連帯と決意を表明した。
安倍政権は、世論調査も示すようなこの法案に対する広範な反対・疑念に背を向け、四月六日に報道通り法案を閣議決定した。しかし安倍政権の足下はぼろぼろになる一方だ。この法案の行く末に対する与党の危機感も伝えられ始めた。闘いは正念場を迎えた。全力を尽くし反対の声を高め法案を葬ろう。それは同時に安倍打倒の道につながっている。     (神谷)  

4.6

けんり春闘中央総決起行動

労働者自身の闘争で生活守る

ストライキ先頭に多様な取り組み

 三月一四日の連合大手労組の一発回答妥結で春闘の情報はメディアから消えているが、中小や港湾の春闘は今正念場にさしかかっている。四月六日その闘いに向け、18けんり春闘全国実行委員会呼びかけの下に、18けんり春闘勝利中央総決起行動が行われた。中心に配置された行動は、首都高速道路本社前での同社外注高速道路料金収受労働者の大幅賃上げ要求行動、日本経団連前での権利破壊・賃金抑制政策への抗議集会、そして銀座ブロッサムでの中央総決起集会とその後のデモ。
 しかしそれだけではなく、この前段として東京労部労組はワタミへの抗議行動を展開、また全国一般東京労組は先の行動と平行してストライキを含む独自の諸行動を組織した。ちなみにワタミへの抗議は、参院厚労委におけるワタミ会長でもある渡邉美樹参院議員(自民)による過労死遺族を侮蔑するかのような発言(この発言は後に議事録から削除された)に対するもの。渡邉議員は同発言で、自身が責任者であるワタミでの過労死をめぐる東部労組との和解の精神を踏みつけにしたのだ。
 同実行委員会に結集する労働者は全国から派遣された代表を含め、これらの行動全体を、労働者の共同と連帯の力で生活と権利の確保と改善をめざすという本来の春闘を表現するものとして意識的に作り上げた。

日本経団連前
で総決起集会
日本経団連前での抗議集会は、18けんり春闘全国実行委員会共同代表の平賀雄次郎全国一般全国協委員長の主催者あいさつで午後四時から始まった。平賀さんは、大手労組が、賃上げ額の公表を行わないなど、春闘の意義を自ら投げ捨てる事態が生まれていることを厳しく批判した上で、この日の行動を大手を頼らず自らの力で自らの未来を切り開く決意を込めて貫徹しようと呼びかけた。また特に「働き方改革」法案廃案に向け、四月一七日から出発し五月二二日の同法案阻止日比谷野音全国集会に合流する「8時間で生活できる賃金を」全国キャラバンを大きく作り上げよう、さらに沖縄の闘いと連帯し、憲法改悪の動きをはね返し平和の礎をわれわれの力で築き上げようと訴えた。
この呼びかけに応え、宮城全労協、全造船関東地協、おたがいさまユニオン、全国一般東京南部労組、全国一般東京東部労組、ネットワークユニオン、大阪全労協、JAL争議団の代表が決意表明。宮城全労協からは廃炉作業で過労死が起きたことが報告されるなど、各々が職場における長時間労働の過酷な現実を具体的に指摘しつつ、「八時間で生活できる賃金」の思いを労働組合に集め「働き方改革」法案を粉砕しよう、と力を込めた。

中央総決起集会
で闘いの交流
銀座ブロッサムでの中央総決起集会は、昼の行動を貫徹しこの場に合流した労働者、そして仕事を終えて駆け付けた労働者を加え、午後六時三〇分から開始された。渡邉洋全水道東水労執行委員長による主催者あいさつに続いて、静岡県共闘、宮城全労協、国労高崎地本、北関東ユニオンネットワーク、京都総評、東京清掃労組、神奈川春闘共闘、東京東部労組メトロコマース支部、郵政労働者ユニオン、全統一労組の代表が、各々の闘いを紹介しつつ、特に職場における非正規差別を中心とした差別構造、最低賃金問題など挑戦課題を提起し、貪欲に勝利を求めて闘う、と決意を明らかにした。そして最後に壇上に結集した争議団と共に、団結ガンバロウ三唱で春闘勝利、「働き方改革」法案廃案への決意を固め、すぐさまデモに移った。(神谷)

4.6

クルド人が語る「戦争と平和」

平和に生きる権利を

日本クルド学生連盟などが主催

 「四月六日午後七時から、東大駒場キャンパス五号館で、「クルド人が語る『戦争と平和』」が主催:日本クルド学生連盟、TOSMOS(東京大学現代社会研究会)で行われた。

戦争の中から
見出した「道」
かつて世界を分断した東西冷戦の終わりは、世界の人々に平和で繁栄し一体化した世界の到来を予感させました。実は「文明の衝突」とも形容される、民族、宗教紛争の時代の始まりでした。世界各地が不安定化する中、特に中東は果てしのない泥沼の戦争に落ち込んでいるように見えます。一方でクルド人にとってアラブ人同士の戦争は、アラブ人政府の長年の弾圧から抜け出す千載一遇の好機となりました。シリア内戦により自治を獲得したクルド人が始めた「民主連邦制」は、「ロジャバ革命」と呼ばれ諸民族融和の実験として世界の注目を集めています。北シリアはクルド人が多く住んでいますが、アラブ人、アッシリア人、トゥルクマーン人の居住地が複雑に入り組み、紛争の火種が至る所に存在しています。しかし、クルド人は、北シリアにシリアのどの地域よりも安全で平和な統治を確立しました。かつて北シリアで行われた住民の意識調査によると、若者の多くが「アラブ民族主義」、「クルド民族主義」よりも諸民族の融和を支持していることが明らかになりました。クルド人は民族紛争解決に向けた知恵を多く持っているのではないでしょうか。TOSMOSは、現在東京外国語大学に在籍し紛争と平和構築について学ぶ、シリア・コバニ出身のクルド人学生に講演してもらい、共に「戦争と平和」について考えます。(呼びかけより)
マムムード・ベケスさん(シリア・コバニ出身クルド人、日本クルド学生連盟メンバー、東京外国語大学在学)がクルド民族の歴史と現状について、講演を行った。

クルド社会を知る

4000年に及ぶ歴史

 クルド人はトルコ、シリア、イラク、イランなどにまたがる地域(クルディスタン)に住んでいる。国家を持たない民族が四二あると言われるがクルド人は人口が一番多い。カナダやポーランドより人口が多く四〇〇〇万〜五〇〇〇万人。ヨーロッパに二〇〇万人、ドイツに一〇〇万人、トルコに二四〇〇〜二五〇〇万人、イラク七〇〇万人、イラン七〜八〇〇万人、シリア二五〇〜三〇〇万人。居住面積は日本より大きい。石油や農業などの産業がある。
四〇〇〇年の歴史があり、アーリア民族が起源。かつてメディア帝国、アッシリア帝国を建てた。シルクロードにあり、交易の重要な拠点でもあった。宗教はゾロアスター教(拝火教)でしたが、七世紀にアラブ人によって征服されてからはイスラム化が進み、現在では七五%がスンニ派、一五%がシーア派だと言われています。このほかにキリスト教やユダヤ教、アレヴィー教(シーア派とゾロアスター教、トルコのシャーマン信仰との融合宗教)やイェズディー教(シーア派とキリスト教、ゾロアスター教、ユダヤ教の融合宗教)など。

なぜ政府を持て
なかったのか
この地域を支配していたオスマン帝国の崩壊後、イギリスとフランスが分割して支配するようになった。アメリカのウィルソンは民族独立を認め、政府を作ると決まっていたがトルコのアタクルチュは約束を守らず、同化政策を強力に進めた。トルコ政府との戦いが始まった。
シリアのクルド人。クルド人の住んでいる所に、アラブ人を入れてアラブ人を多数として支配しようとした。トルコ政府も同じような政策をとった。イラク政権(フセイン時代)も同じことをやっていた。
なぜ、クルド人を迫害するのか。石油の利権だ。クルド人が住んでいる地域から石油が出る。二〇〇三年、アメリカは石油利権のためにイラク戦争を始め、フセイン政権を除去したが民主主義体制は作らなかった。
シリアの内戦とアラブの春。政権とスンニ派の対立、クルド民族とシリア政府との問題、シリア政府はクルド独立を認めなかった。そこにトルコ、サウジ、イラン、アメリカ、ロシアが入ってきて長期的になっている。イランからイラク・シリアを通って地中海に通じる石油パイプラインが建設されている。この利権をめぐる対立が背景にある。
トルコはISを支援した。それに対してクルド人がISと闘い、ISを壊滅させた。すると、クルド人居住区のアフリン(シリアのトルコ国境地帯)に侵略を始めた。
クルド人は平和的に生きたい、同じ権利を持ちたいだけだ。「やめろ!クルド人への戦争」。

質疑応答から
講演の後、質疑応答が行われた。
質問 シリアにアメリカやロシアが介入しているが介入はあった方がよいのか。
答え 南アのアパルトヘイト政策をやめさせるために国際社会が制裁を行い、アパルトヘイト政策は終わった。こうした南アのようになればよい。イラクの中にあるクルド自治政府をアメリカは支持している。
質問 サウジは女性の権利を認めない。女性差別との闘いは。
答え クルド人部隊には女性兵士がいる。男女平等をめざして闘っている。
質問 日本はトルコと友好関係を保っている。日本政府から日本クルド学生連盟がプレッシャーを受けることはあるのか。
答え クルドのことを知ってほしいと活動している。自由に話ができている。
質問 トルコのPKK(クルド労働者党)とイラクのクルド人組織、そしてイラク、イランにおけるクルド人組織と武力紛争が起きたことがある。クルド建国に向けて、どうこの対立を克服するのか。
答え 日本の明治維新の内戦やアメリカの南北戦争などを経ても統一国家を作った。それと比べればクルドの内戦は規模も小さく克服できる。大きな勢力が吸収合併していけばよい。

 今回の講演会は、東大新入生向けの講座として準備されたようで、クルドの歴史や宗教、現在のありようなど、基礎的なことが話された。イラクでのクルド独立を求める住民投票やトルコ国境地帯北シリアの「ロジャバ革命」について詳しい説明はなかった。そうした点をもっと知りたかった。講演の最後に、クルド民主統一党(PYD)の武装部門であるYPGがISと激しく戦う戦闘場面を移した映像が流された。今はトルコ政府との厳しい戦闘に従事しているだろうクルド人の人たちの現実をかいま見ることでき、身が引き締まる思いであった。(M)



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