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    かけはし2018年4月30日号

今こそ安倍改憲政権打倒のとき!


第89回メーデーアピール

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/国際主義労働者全国協議会(NCIW)

 第八九回メーデーに参加した労働者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は、あらゆる戦争に反対し、平和を希求し、民主主義を求め、搾取と抑圧に抗して闘っている人々に心から連帯のあいさつを送ります。

  (1)

 四月一四日の未明、米軍と英仏軍は共同で、シリアを爆撃した。この攻撃後、トランプ・米大統領は、シリア軍の化学兵器を使用したと断言し、今後もシリアの化学兵器の使用を抑止するためのものであったと記者会見した。トランプは就任間もない昨年の今頃にもシリア攻撃に対して同じようなコメントを得意気に発表している。一年前と何も事態は変わっていないのである。
確かに化学兵器の使用は許されぬ犯罪ではあるが、米英仏軍は何ら化学兵器についての証拠も明らかにすることなく、また国連安保理の同意すらないまま攻撃に踏み切った。このやり方は、二〇〇三年に米・ブッシュが「フセイン退治」と称してイラクに軍事侵攻した時と全く同じやり方である。その後のイラクはどうなったか。なんら平和も新しい秩序も生まれなかったばかりか、一層の混乱をつくり出し、イスラム原理主義と今までに例を見ない程醜悪なテロリズムのイスラム国(IS)を出現させた。
明らかなことはただひとつ、米帝国主義が世界を支配し秩序を維持できた時代は完全に終焉し、この三〇年間アメリカを軸に押し進められた「新自由主義的グローバリゼーション」もまた完全に行き詰まり破産したことを実証している。こうした軍事行動は米ロを中心に戦争の危機を高めるだけである。

  (2)

 アサド抑圧独裁政権に抗するシリア民衆の抵抗はすでに八年も続いている。この民衆の抵抗に対してアサド政権はロシア・イランの軍事的支援によってかろうじて維持されているに過ぎない。
今回の米英仏軍のシリア攻撃は、ロシア・イランに対抗して中東における政治的軍事的イニシアチブを握ることを目的にしたものであり、各国内で排外主義を煽り、支配体制を安定させるために計画されたものである。それを裏付けるように、米英仏ともに直後からそれぞれの議会で攻撃の必要性と支持を訴えている。
「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプはシリア攻撃によって「世界の盟主」という地位の奪回と残された権益を死守し、あらゆる排外主義を動員して今秋の中間選挙に勝とうとしている。彼にとって今回の攻撃は「メキシコ国境に壁を築く」ことと同じ意味を持っているのである。
イギリスのメイ保守党政権は移民を排除し、かつ旧来の大英帝国以来の権益を守ろうとするためにEUからの離脱を決めた排外主義を一層打ち固めるために攻撃に参加したのである。
フランスのマクロン政権は中道潮流の看板を掲げながらも右翼ファシスト勢力と対抗して排外主義を味方にするために攻撃に加わった。その反労働者的政治性格は国鉄労働者のストライキに対する弾圧に表現されている。
国連安保理で米英仏の攻撃に反対したロシア・中国もなんら先進性や良心性も存在しない。ロシアのプーチン政権も、中国の習近平政権も、この春に選挙や全人代で民主的勢力を弾圧し、排外主義を動員し独裁的な長期的政権への道に踏み出している。中国の習政権は南シナ海への軍事拡張政策に続き、中国の押し進める一帯一路の防衛と称してインド洋・アフリカに軍事拠点を築くために反対したのである。
シリアをめぐる攻防は、今日の国際政治のすべての要素が凝縮されており、米ロ中の政治的軍事的対立は、シリアにとどまらず、ヨーロッパにおいてはウクライナ、アジアでは朝鮮半島の政治的軍事的緊張に連動するのである。

  (3)

 それでは安倍政府はシリア問題についてどのように対応したのだろうか。
米英仏軍がシリア爆撃を強行した当日、安倍政権は早々に首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、直後に次のようなコメントを発表した。「化学兵器の拡散、使用は絶対に許さないという米国、英国、フランスの決意を日本政府として支持する」。専門家によると三日後に日米首脳会談を控えているのでどこよりも早く「支持声明」を出す必要があったのだろうと解説していた。
このように安倍政権はあらゆる機会に米帝支持を叫び、日米一体と日米安保の強化を叫んでいる。とりわけ中国の「領土拡張路線」、北朝鮮の核保有やミサイル発射のたびに「北の脅威」を口実として日米同盟の強化と日本の防衛力の強化を強調し、イージス・アショア、スタンド・オフ・ミサイルを導入することを決定し、「専守防衛」の枠組みを超えたグローバルな派兵・戦闘能力を持った「海外派兵国家」の戦力としての「自衛隊」をつくり上げている。また、沖縄県民の意思を無視して押し進められている辺野古新基地建設も有事の際の米軍、自衛隊の出撃拠点建設であり、南西諸島の与那国、石垣、宮古、奄美の各島に建設されようとしている自衛隊基地もその一翼である。
こうした「戦争ができる国家体制づくり」の最大の攻撃が今秋にも押し進めようとしている「憲法九条」の改憲である。安倍首相は繰り返し「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法」だと発言している。私たちは「改憲」を絶対に許してはならない。

  (4)

 安倍政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発の「脅威」に対して、「日米同盟の抑止力の強化」で対応しようとしていることはすでに述べた通りだが、同時にトランプ米政権とともにあらゆる機会を通して、韓国や中国、国連などに北朝鮮に対する「経済制裁」を強めることを要求してきた。この「経済制裁」の効果と思われる形で、北朝鮮の漁船がこの冬日本海沿岸に何十隻も打ち上げられるという痛ましい事故が相次いだ。
だが三月五日、文在寅韓国大統領が派遣した特使団と北朝鮮の金正恩労働党委員長が会談し、四月に板門店で南北首脳会談を行うことを発表した。さらに三月二六日には、金正恩朝鮮労働党委員長は電撃的に北京を訪問し、中国共産党の習近平総書記との中朝首脳会談が行われた。そして五月から六月にかけて米朝首脳会談が開かれることが米政府から発表された。
事態は北朝鮮問題は安倍政権の頭越しに「経済制裁」から「和平」の方向に大きく転換したのである。驚いた日本政府はトランプと安倍の日米首脳会談を設定し、「日米関係の蜜月」をつくり出そうとした。
しかし四月一七〜一八日に開かれた日米首脳会談の席上で安倍首相は「米朝首脳会談」の成功を祈る旨を伝え、拉致問題について必ず話し合うことを要求するにとどまった。
われわれは米朝首脳会談が新しい進展をつくり出すのかどうかについて多くの疑問を持っている。それはトランプが今年一一月の連邦議会の中間選挙を一切の判断基準にしているからに他ならないが、したたかな金正恩が一度の首脳会談で核やミサイル開発を放棄するとは思えないからである。
だがわれわれは軍事的緊張を強める「経済制裁」よりも、朝鮮半島が話し合いを通して、平和の実現に向かうことを支持する。

(5)

 東日本大震災から七年経ったが、福島第一原発の事故は「未だ終わっていない」。溶け落ちたデブリの所在はほとんど判明せず大量の放射線が放出され続けており、汚染水を食い止める最後の切り札として建設された「凍土壁」は、部分的にしか汚染水が海に流れ出すのを止めることができず、今も汚染水は海に流れ出続けている。
政府や東電は三〇年で収束させると強弁するが、これには何の根拠もないし、ようやく中間処理施設の場所が決定しただけで、最終処分場は一カ所も決まっていない。何万トンという大量の核のゴミが各原発敷地に残っているのである。
福島県のいわき市から海岸に沿って車を走らせ、楢葉、富岡、大熊、双葉、小高地区を通過すると多くの場所に除染によってできたフレコン・バッグの山積みが見える。
昨年末、東京電力は賠償金の打ち切り、避難住宅の無償提供の打ち切りという圧力を使って、避難住民の帰還を押し進めてきた。「事故は終わった」と見せるためにだ。生活が困窮化し追いつめられた結果、望まないまま帰還した人も含めて、帰還した人は三月末の段階で多くの地区で一〇%を超えていないのが現実である。
様々な困難を抱えている被災者や反原発闘争を担っている人々は、それにもかかわらず、新たな転機が到来しているように思われる。
その第一は被災者や闘う人々の前に立ちはだかってきた「司法」に風穴が開き始めているという実感である。@この間、損害賠償裁判で国の責任を認め、低線量被曝を認める判決が東京や群馬地裁などで出始めているという事実。A福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力経営陣に対する第五回公判で証人として出廷した東電社員が一五・七mの予想津波高を前提にして対策を考えたが、経営陣に見送られて「力が抜けた」と証言している事実。なんと勇気ある発言か。彼は東電がもうけた「地震対策センター」のメンバーである。経営陣が「試算に過ぎない」と開き直ったが、彼らが計算に使用したデータは国の専門機関が出した地震予測である。B昨年、伊方原発の再稼働をめぐって出された広島高裁の運転差し止め判決。
第二はこうした司法の新しい状況だけではなく、東電や関西電力を中心に配線が足りないと太陽光や風力などの再生可能エネルギーの買電を拒否してきたが配線は五〇%以上も使用されていないという実態が暴露されたことである。
第三は原発輸出の行き詰まりと原発産業の限界である。政府と企業が一体となって押し進めている原発輸出はトルコやベトナムで契約取り消しが相次いでいる。政府の援助で押し進めている英国輸出もどうなるか分からなくなっている。その典型は東芝問題である。政府の要請で買収した米国の原発企業は安全問題でコストがかさみ、ついに東芝本体の経営危機を招いている。
その他にも避難方法をめぐって規制委に批判が上がり、東京電力の援助の申し出にもかかわらず、日本原電は東海第二原発の廃炉を決定した。今こそ政府と電力企業を追い詰める時にきている。

  (6)

 「東日本大震災・福島原発事故からの復興」という掛け声のもとに国家と電力資本の歴史的犯罪を隠ぺいするために「二〇二〇年の東京五輪」が誘致された。安倍首相の「(原発事故)はすべてコントロール下にある」というウソで打ち固めた誘致演説が一時期話題になったが、この四月には「聖火リレー」で「被災地東北を優先する」等の欺瞞に満ちた計画が始まっている。そして一方では五輪施設の建設と東北や熊本の復興工事がぶつかり建設資材や人件費は値上がり、復興工事は軒並み遅れており、中には工事が中止されたままになっているものもある。他方五輪会場に予定されている東京のベイエリアを中心に大規模な環境破壊が進行し、野宿者の排除と大弾圧攻撃が開始されている。
政府は海外派兵国家建設の一環である対テロ治安弾圧体制の強化に向けて、二〇二〇年の東京五輪だけでなく、二〇一九年の天皇代替わり、大阪G20サミット首脳会議も利用しようとするだろうし、その突破口として共謀罪の適用を位置付けている。
東京五輪そして「明治一五〇年」キャンペーンは、「天皇代替わり」を通じた、新たな国民統合と一体のものである。労働者・市民はそのねらいを暴き出し、「式典」を通した弾圧・排除の動きに、きっぱりと反対しよう。

  (7)

 今年の一九六通常国会の施政方針演説で安倍首相は日本経済の未来のために「生産性革命」の必要を訴えた。「生産性革命」とは職場における労働者の権利を破壊し、資本の技術革新と秩序に労働者を従属させることを目的とする労働者の「働き方」であるという。これを達成した企業には法人税負担を二〇%まで軽減すると提案した。この施政方針を受けて一八春闘も例年通り政府と連合のイニチアチブによって「官製春闘」として始まった。安倍政権が財界・経済界に三%の賃上げを要請し、これに応えた企業には法人税を減税するという「官製春闘」の仕組みである。しかし今春闘の特徴は、この数年「官製春闘」と一体となって掲げられてきた「アベノミクス」が枕言葉からもタイトルからも消えてしまったことである。政府は「アベノミクス」による金融緩和策で円安を実現し、自動車産業などの輸出型企業を支え、景気回復の基盤をつくろうとした。もう一方では賃上げによって労働者人民の購買力を引き上げ、景気回復にはずみをつけようとした。しかし安倍政権の目論見は労働者に「しずく」さえ行き渡らず、利益のほとんどが大企業の内部留保金にまわったことによって破産した。
しかも「アベノミクス」の最大のねらいであったデフレの克服は達成できず、異次元どころか異常とも呼ばれる「マイナス金利」政策を選択するに至り、国、各自治体の赤字と借金を増大させ、破産寸前にまで追い込んでいる。その上今や、この「マイナス金利」は大手銀行、保険会社の経営まで圧迫し、一層階層分化と格差を極端にまで拡大した。
その上、一八春闘の中心課題として「生産性革命」という「働き方改革」と称して「裁量労働の拡大」「高度プロフェッショナル制度の導入」を強制しようとしている。この「働き方改革」は残業代ゼロ、長時間労働を労働破壊をもたらす規制緩和攻撃である。つまり、政府と大企業は、万策が尽き労働者を一層ただ働きさせる(一層搾取する)ことによって景気回復をはかるという最後の手段を公然化させたのである。
だが国会で「働き方改革」の審議の中で、厚労省が提出した「裁量労働制」に関わる「労働時間」が全くのねつ造であることが明らかになった。このデータのねつ造問題がその後に続く「森友」「加計」「スーダン派遣日誌」と続く公文書改ざん、隠ぺい事件の出発になったことはなんとも皮肉である。だが政府は「働き方改革」法の成立を断念したにもかかわらず、閣議決定し、今国会で成立させようとしている。
私たちは「八時間働けば誰でも、どこでも生活できる賃金の獲得」を要求し、過労死を招く長時間労働法案を絶対に阻止しよう。

 

  (8)

 データ隠ぺい問題の「イラク日報」問題を取り上げてみる。
新たに発見されたイラク日報にも「非戦闘地域」に派遣されたはずの自衛隊員が戦闘に巻き込まれる危険にさらされていた実態が生々しく記されている。安倍首相はイラク派遣に関して「陸上自衛隊が一人の犠牲者も出すことなく支援活動を遂行したことは歴史に残る偉業だ」とたたえたが、それは「歴史に残る偶然」なのだ。
イラクから帰還した自衛隊員がその後二九人も自殺しているのは彼らが体験した危険の結果である。また日報の五五%が出てきていない。もしかしたらもっと生々しい事実がかかれているかもしれない。立憲民主党の辻元清美議員は「一年以上経ってから出てくること自体、シビリアンコントールが出来ていない証左ではないか」と批判したが、まさにシビリアンコントロールの問題だ。
政府は派遣先のサマワが明らかに戦闘地域であることを知っていながら、イラク派遣が集団的自衛権の先取り的実施であったためにあえて強行したのである。そして派遣が憲法違反の「戦場」であったために「日報」にないと隠したのである。
自衛隊の上級将校が民進党の国会議員に「おまえは国民の敵だ」と発言したことが新聞紙上をにぎわしているが、この政治的体質こそ安倍政府の体質と言えるだろう。
安倍首相は国会答弁で自分のことは棚に上げて「公文書に関する法改正」に言及し、他方では「うみを出す」と答弁している。しかし、この「政官のゆがみ」を根に持つ「うみ」がなぜ生まれ、その本質は何なのかを一向に触れようとしない。
森友学園問題は、園児に教育勅語を暗唱させる教育方針を持っていた学園に対し、政府が大阪の松井府知事(橋下元知事)らの維新と計らって破格の安値で国有地の払い下げを行ったことである。そして財務官僚が安倍首相と妻の昭恵とが学園の籠池夫妻との親密な関係(日本会議のメンバー同士)を「忖度(そんたく)」したことは明白である。佐川元国税庁長官が国会に証人喚問されても安倍首相を守るのも同じ構造である。
加計学園の獣医学部新設をめぐって柳瀬元首相秘書官は面会した記憶がないというが内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長は「要請の内容は総理官邸から聞いている」と語っている。そして同じ文書が三月一三日に農水省から出ている。誰が「うそ」をついているかは明らかである。
本来ならそれぞれの省庁から出されるはずの指示が、省庁を無視して官邸が直接指示を出している。それは官邸が旧来とは違って官邸が肥大化し、権力が集中した結果だ。
安倍首相は国会で「自分や自分の妻が地位を利用し便宜を図らせたということならただちにやめる!」と発言している。私たちは安倍首相にただちに退陣してもらおう。やめさせる闘いを全国で展開しよう。
「森友・加計」問題のもみ消しに揺れる財務省で福田財務次官による「セクハラ犯罪」が明るみに出た。こうした犯罪行為の責任回避を絶対に許すことなく、安倍政権を即時退陣に追い込もう! それは民主主義のための闘いでもある。

メーデースローガン
?安倍政権を打倒しよう!
・東アジア民衆と連帯し、9条改憲を阻止しよう
?朝鮮半島に平和を!軍事衝突を煽るな!
・トランプの戦争政策を許すな
?沖縄の人々と連帯し、辺野古新基地建設の阻止を!
・南西諸島の自衛隊基地建設反対
?18春闘勝利!過労死を招く「働き方改革」反対!
?福島とともに原発のない社会を!
・再生可能なエネルギーを 原発再稼働阻止、原発輸出反対
?二〇二〇年東京五輪反対!「天皇代替わり」を許すな!
?森友・加計学園問題の解明を!関係者の証人喚問を!
?第89回メーデー万歳!ともに闘おう!



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