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    かけはし2018年5月14日号

共に人権・民主主義の水路を


朝鮮半島南北首脳会談について

非核化・平和への流れを止めるな

開かれた可能性を現実のものとするために

6点の確認事
項とその内容

 板門店韓国側の「平和の家」で四月二七日に南北首脳会談が開かれた。今回の首脳会談は二〇〇〇年の金大中・金正日、〇七年の廬武鉉・金正日による南北首脳会談に次ぐ三回目のものとなった。二七日に発表された「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」で南北の合意事項が事細かく明らかにされた。
 まずはその前文のなかで「両首脳は冷戦の産物である長い分断と対決を一日も早く終え、民族的和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に切り開き、南北関係をより積極的に改善して発展させないといけない」ことを宣言した。そして第一項目目の南北関係について「共同繁栄と自主統一の未来を速めていく」として、具体的に六点を確認した。
 @「南北は、我が民族の運命は我々自身で決めるという民族自主の原則を確認」する。A「各分野の対話と交渉を早い時期に開催し、首脳会談で合意した諸問題を実践するために積極的に対策を立てる」。B「民間交流と協力を円滑に保つため、双方当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城(ケソン)地域に設置する」。C「各界各層の多方面との協力と交流、往来と接触を活性化する」「当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極的に開催」する。「国際競技に共同で出場」する。D「南北赤十字会談を開いて」「離散家族の再会を実施する」。E「東海線と京義線の鉄道と道路を連結し現代化して活用するための実践的な対策をとる」。

軍事的緊張の
緩和について


 第二項目の南北の軍事関係について「軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危機を実質的に解消するために共同で努力」するとして、具体的に三点を確認した。
 @「相手方に対する一連の敵対行為を全面的に中止する」「五月一日から軍事境界線一帯で拡声器の放送とチラシの散布をはじめ、すべての敵対行為を中止し」「今後は非武装地帯を実質的な平和地帯にする」。A「西海(黄海)側の北側限界線一帯を平和水域にし、偶発的な軍事的衝突を防ぎ安全な漁業活動を保障するために対策を立てる」。B「国防部長官級会談をはじめ軍事当局者会談を自主開催し、五月中にまず将官級軍事会談を開く」。
 第三項目の朝鮮半島の平和体制構築について(朝鮮戦争の)「休戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立することはこれ以上先送りできない歴史的課題だ」として、具体的に四点を確認した。
 @「南北は、そのいかなる形態の武力も互いに使用しない不可侵合意を再確認して順守していく」。A「段階的に軍縮を進めていく」。B「今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のための南・北・米三者または南・北・米・中の四者会談の開催を積極的に推進していく」。C「南北は完全な非核化を通して核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」「両首脳は定期的な会談とホットラインを通じて……南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために共に努力する」「文在寅大統領は今年の秋に平壌を訪問する」。以上の内容が「板門店宣言」として確認された。

金正恩・ポンペ
オ会談の内容


 金正恩は訪朝した韓国特使団に対して三月五日、南北首脳会談の実施と米国と協議する用意があることを表明した。そしてその会談のなかで、対話継続中は核・ミサイル実験はしない、軍事的脅威が解消され体制の安定が保証されれば核を保有する理由がない、核兵器だけでなく通常兵器でも韓国を攻撃しないことなどを明らかにした。このメッセージのなかには南北不可侵、朝鮮戦争の停戦協定を平和協定へ、段階的な非核化の実施という意思が込められている。同時にそれは、トランプ政権に対する明確なメッセージでもあった。
 トランプの側がそうした金正恩の意思を確認するのは、四月八日の金正恩とポンペオCIA長官(当時)との秘密会談を通してであった。その会談内容について新国務長官に就任したポンペオは、四月二九日に行われたABCテレビとのインタビューで以下のように語った。
 金正恩委員長と会談した際「米朝首脳会談で非核化を話し合うと表明し、実現への『行程を示す用意がある』と述べたと明らかにした。非核化に向けた『本物の機会がある』とし、米朝会談で一層の進展が図られることに自信を示した。・・・『達成できれば世界に変革を起こすものだ』と指摘した」(四月三〇日、毎日新聞)。
 トランプ政権内には新大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に就任したネオコンのボルトンに代表される「リビア方式」にあくまでも固執する部分も強固に存在している。「完全で検証可能、かつ不可逆的な方法での非核化」を先行させて、その確認後に制裁緩和などの措置を講じるとする「リビア方式」は、これまでのトランプ政権の基本的な立場であった。現時点でもその基本的立場は公式的には変更されていない。しかしその立場に固執し続ければ、米朝会談で何も「成果」を上げることができないのは明らかだ。また先行した南北首脳会談で、南北経済交流や南北不可侵、平和協定への行程まで打ち出されてしまったのである。そうした状況になると、一一月に実施される連邦議会中間選挙までに「大きな成果」を上げておきたいトランプは、ポンペオの引いたラインにとりあえず乗ってみることを選択した。
 一方で朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の側は四月二〇日、朝鮮労働党の中央委員会総会を開き、公式的に当面する「核・ミサイル政策」についての決定を行った。その内容は「核の兵器化を実現したことを厳粛に宣言」した上で、「二一日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を中止する」「(朝鮮の北東部にある豊渓里)核実験場の廃棄」である。そうした具体的な措置の上で、「わが国に対する核の脅威や挑発がない限り、核兵器を絶対に使用せず、核兵器と核技術を移転しない」「朝鮮半島と世界の平和と安定を守るために周辺諸国と国際社会との緊密な連携と対話を積極的に行う」ことを明らかにした。

金日成の構想
と今回の会談

 米帝国主義による朝鮮への軍事攻撃の可能性まで現実化させてきた金正恩による核とミサイル開発と実験を通した「瀬戸際外交」は、韓・米をそして中国を動かした。そして「蚊帳の外」にあった日・露を動かしつつある。金正恩外交の「下敷き」はどこにあるのだろうか。
一九八〇年一〇月に朝鮮労働党第六回大会が行われ、金日成総書記は中央委員会で「祖国の自主的平和統一を実現しよう」という活動報告のなかで「高麗民主連邦共和国」の構想を明らかにした。それは七二年の「七・四南北共同声明」まで堅持してきた「武力による統一」政策に代わる統一構想だと言える。
その構想は「前文」のなかで「北と南に異なった思想と制度がある現実から出発して……北と南に現存する思想と制度をそのままにして、北と南が連合し一つの連邦国家を形成する……統一国家の名称は……高麗民主連邦共和国にすべきで……いかなる政治的・軍事的同盟やブロックにも加担しない中立国となるべきである」として、一〇項目の施政方針を示した。
@自主性の堅持A独裁と情報政治に反対して人民の自由と権利を擁護、保障する民主的な社会制度を発展させるB南北間の民族経済交流の発展C南北間の科学・文化・教育分野での交流の発展D南北間の交通・逓信の連結と自由な利用E全人民の生活の安定F南北間の軍事対峙状態を解消して民族連合軍を組織し民族を防衛するG在外同胞の民族的権利と利益の保証H統一以前の対外関係の処理I平和外交の実施。
金日成は同中央委員会の報告で「平和協定」に関連して以下のような発言を行った。「わが国における緊張状態を緩和し、戦争の危険を除去する問題は、停戦協定を平和協定に変えることによってのみ解決することができる。われわれは、この問題について協商することをいま一度アメリカ側に提案するものである」。 その後この提案は八四年一〇月になって南北と米国による「三者会談」として具体化された。その骨子は@停戦協定を米国との交渉によって平和協定にきりかえるA平和協定締結後、南北で不可侵宣言を採択するB朝鮮統一のための南北対話を開始する、というものであった。
この提案に対して米国は「三者会談」の前提として南北対話の進展を求めた。しかし八〇年代を通して韓国は全斗煥・盧泰愚を大統領とする軍部独裁政権であったために、南北対話は進展のさせようがなかった。金日成の構想はこうして前に進めることはできなかったのであった。だが今回の南北首脳会談で発表された「板門店宣言」では、金日成が提案したAの南北不可侵とBの南北対話はクリアーされてしまい、残るは@の平和協定だけということになった。

日朝国交正常化
の実現に向けて


三月二六日の中朝首脳会談後、両国は急速に関係を改善させている。中国は朝鮮の最大の後ろ盾になって「朝鮮半島の非核化」と「経済発展に集中すること」を支持して、影響力を高めようとしている。首脳会談直後から中朝国境地域での経済活動の雰囲気は大幅に和らいで、支援物資を積んだ大型トラックが連日、丹東から朝鮮に入っている。朝鮮人労働者も「短期滞在資格」で受け入れているようで、水産市場でも朝鮮産のものが地元産として売られている。朝鮮人労働者の受け入れに関してはロシアとも話が始まっている。米朝首脳会談後には朝鮮への経済制裁は、中露をはじめとして大幅に緩和されることになるだろう。また今回の首脳会談で確認された南北の経済交流も順次、実施されることになるだろう。
ここに来て米朝首脳会談会場問題は、板門店の南側「平和の家」での開催が濃厚となってきているようだ。金正恩はポンペオとの会談で「非核までは何年もかかる可能性があり段階的な措置に合意する」よう要請したことが明らかにされている。いずれにせよ金正恩は首脳会談で非核化実現のための「ロードマップ」を提示することになるだろう。それは米帝国主義にとっては平和協定締結、米朝国交正常化、国連軍司令部の解散、在韓米軍の縮小と撤退問題に連動してくるのは当然である。金正恩の提案に対してトランプ政権がどこまで妥協できるのかということが問われてくることになる。
また日本人拉致問題の解決は、その当事者である日朝の真剣な交渉によってしか解決されない問題である。米韓に「お願い」するのは完全な的外れだ。日本政府は朝鮮バッシングのために拉致被害者を政治利用することをやめて、日朝国交正常化のための交渉を進めるべきだ。 (高松竜二)

4.22

大飯原発4号機の再稼働やめろ

これ以上動かしてはならない

関電包囲行動に700人

 【大阪】関西電力は昨年、高浜原発3・4号機を再稼働、今年三月一四日には大飯原発三号機を再稼働させた。さらに五月九日に企てている大飯原発4号機の再稼働を前にした四月二二日、大飯原発動かすな!実行委員会(よびかけ:オール福井反原発連絡会【原子力発電に反対する福井県民会議、さよなら原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会】/ふるさとを守る高浜・おおいの会/若狹の原発を考える会)の主催で開かれ、七〇〇人の市民が参加した。

「再稼働ゼロ」の
選択肢しかない

 主催者を代表して中嶌哲演さん(福井県民会議)があいさつした。
「これまで訴え続けてきた再稼働の理由は三つある。@大飯原発3・4号機が仮に事故なしに一年間稼働すれば、約二〇〇億キロワットを発送電し、関西電力が得る電気料金は約四〇〇〇億円。その間に蓄積される「死の灰」は広島原爆の二〇〇〇発分、プルトニウムは長崎原爆の六〇発分。その巨大な負の遺産を後世代に残すだけでなく、その一部だけでも大事故で環境に放出されれば惨禍は計り知れない。A火力発電所は関西大都市圏の海岸部に林立しているが、原発は一五基も若狹に集中させ、原発マネーで地元を支配してきた。この差別的な立地構造を温存したままの再稼働は受け容れられない。消費地元である関西圈住民の再稼働反対の声が広がることに期待せざるを得ない。B地震列島日本は静穏期から動乱期に入った。若狹ではこの四〇〇〜五〇〇年前、一二〇〇〜一三〇〇年前に大津波を伴う大地震の記録があり、最近の一〇〇年間に北丹後大地震、福井大地震を経験している」。
中嶌さんは「今や第二のフクシマか原発再稼働ゼロかの選択肢しかない」と述べた。
また、電力自由化に伴い、関西電力の顧客離れは今年二月現在で一四〇余万件に上っているといい、明通寺(哲演さんが住職)も大飯三号機の再稼働後に電力会社を切り替えたと述べ、関電は兵糧攻めで落城する前に、常識を取り戻し再稼働断念・脱原発への転換をすれば、市民の共感・支持を得られるだろうと述べた。また、国会に提出された「原発ゼロ法案」については、国会外の運動団体が大同団結し、国会を包囲しようと訴えた。

現地・全国から
抗議のアピール
続いて、全国各地からとして、再稼働阻止全国ネットワーク、福島県大熊町木幡ますみ町会議員(息子さんがメッセージ代読)、原発さよなら四国ネットワーク・ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会、さよなら原発一〇〇〇万人アクションからアピールがあった。
原発賠償訴訟、原発差止訴訟当事者として、高浜原発うごかすな!実行委による法廷での闘い、福井から原発を止める裁判の会、原発賠償訴訟京都原告団、大飯原発3・4号機運転差止仮処分申立人からアピールがあった。
福井からとして、おおい町猿橋巧町会議員、美浜町寺田順一町会議員からアピールがあった。関西からは、(大阪)ストップ・ザ・もんじゅ、原発ゼロの会・大阪、(兵庫)さよなら原発神戸アクション、(奈良)さよなら原発なら県ネット、反原発自治体議員・市民連盟関西ブロックのアピールがあった。また労働組合からとして、おおさかユニオンネットワーク、釜ヶ崎日雇労働組合からアピールがあった。最後に閉会のあいさつを木原壯林さん(若狹の原発を考える会)が行い、大飯原発4号機の再稼働を止めるための現地行動への参加を訴えた。
関電包囲行動が終わった後、参加者はいったん靱公園に移動し、そこから一時間半なんばまでの道のりをデモ行進した。(T・T)


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