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    かけはし2018年5月14日号

4月から6月へ対決は長期化


フランス

国鉄ストと社会的不穏

闘争の統一と拡大に全力あげ
マクロンを屈服させる危機へ

レオン・クレミュー 


 本誌四月一六日号で報じたフランス国鉄を軸としたストライキ運動は、その後マクロン政権と社会との正面衝突の可能性をはらんだまま続き、その緊張はさらに六月までも伸びようとしている。以下は同じ筆者による続報。(「かけはし」編集部)

公共サービス解体の決意に対決

 三月二二日以後この国は、ストライキ、諸決起、そして政府との衝突という長期の局面に入り込んだ。この運動の大黒柱は鉄道労働者の決起だ。フランス国鉄(SNCF)の主要四労組(CGT、SUD、CFDT、UNSA)は、四月三日以後一連のストライキ日程(五日おきの二日間ストライキという日程にしたがって)を開始した。
この対立の中心は依然として、鉄道の公共サービスに致命的な打撃を加えるというマクロンの決意だ。それは、EUから発する規制解体が組織する諸攻撃の先がけになるものだ。公表された目的は、この企業がもつ地位の転換(公的で国家所有のEPICから、公的な株式会社への)であり、全路線の競争への開放、そして収益力がないと言われている少なくとも九〇〇〇qの地方路線からSNCFを解放することだ。そしてこの後者の路線は、諸地域が全責任を負うものになるだろう。
マクロンは、彼の反動的かつ超自由主義的な改革を正当化するために口実として、二カ月間、SNCFがもつ大きな債務、五五〇億ユーロ近くを取り上げ続けてきた。そしてこの債務に対する責任を鉄道労働者と彼らの地位に押しつけてきた。決起は、一つのことをはっきりさせる機会を提供することになった。つまりこの債務は鉄道労働者の地位とは何の関係もなく、一九八〇年代からずっと国家が押しつけた、TGV(高速鉄道)ネットワークインフラ向けの大規模投資の結果である、ということだ。道路ネットワークの場合にそうであると同じくこれらの投資に国家が責任を負う代わりに、そうしなければならなかったのはSNCFだった。その上政府はいずれにしろ、この債務のかなりの部分を返済せざるを得なくなるだろう。
CFDTやUNSAといった穏健な労組ですらこの強力なストライキ運動の一部を占めている。それは、この改革を拒絶する鉄道労働者の大きな決意の証拠だ。さらにそれは、この提案がSNCF職員と旅客双方にもたらすと思われる深刻な結果、および政府による交渉の拒絶をも明らかにしている。実際この政府はその時まで、真剣な対抗行動に会うことなく打撃を加えることができると確信してきたのだ。

問題は公共サービス全体の将来

 賭けられているものはマクロンにとって明らかに政治的なものだ。彼は、この二〇年間の主なストライキの心臓部に位置してきた労働組合運動のもっとも組織された部分に対して、サッチャースタイルで、全面的な勝利を収める能力があることを示したいと強く願っているのだ。
同時にそこには社会運動に関しても重大なものごとが賭けられている。不安定さからSNCF職員を保護している、彼らの地位に関する衝突に加えて、提案されている改革は何といっても、資本家とその政治的代表であるマクロンが築き上げたいと思っている世界を象徴しているからだ。鉄道輸送という公共部門の清算は、労働者階級が利用できる主な公共財の一つに対する清算にほかならないのだ。
フランスの鉄道ネットワークはこれまでの諸政権によってすでに傷つけられている。それらは、何千qもの路線を清算したのだ。今回の改革と私有化に込められた目標は、貨物輸送で起きたことと同じ結果を達成することだ。二〇〇三年以後の競争への開放から一五年後、鉄道貨物輸送は、道路の貨物輸送の爆発的成長により、貨物輸送の僅か一〇%を占めるに過ぎない。マクロンの道は明らかであり、それは、何千qもの路線閉鎖に基づく、バスや自家用車への移行、さらに運賃の引き上げだ。
このすべては、労働者階級、地方、また大都市周辺の中心から離れた自治体を犠牲にする。そしてそこには、温室効果ガスの九五%が道路輸送由来である以上、大気汚染の自動的な高まりが付随する。
逆説的だが、極めて自由主義的なボストンの諮問グループによる欧州の鉄道に関する比較研究における二〇一五年の言及として、フランスの鉄道システムは、利用頻度、安全性、サービスの質という三つの基準に従って、スイスとスウェーデンの鉄道に次いで三番目に位置づけられた(公的鉄道システムの三つの中で……)。その上に、運行ダイヤの正確性と質/価格対比も考慮に入れられた。そしてこうした基準こそ、英国の利用者を鉄道システム再国有化要求に導いているものなのだ。
フランスの利用者はその上に、フランスガスやフランス電力といった公的企業の地位に関する変更がもたらした諸結果をも、直接に検証できた。ちなみに先の事業体は、解体され、二〇〇五年以後部分的に民営化された。そしてその結末は、電力料金の三〇%引き上げ、ガス料金の八〇%引き上げだった。郵便についても同様だ。全部で一万四〇〇〇の地方局のうち、二〇〇五年以後五〇〇〇局が閉鎖されている。これもまた、基本的な用益を担う公的事業に対する根源的な攻撃だ。
SNCFの闘いをめぐって賭けられているものは、基本的公共サービスの存在、防衛、またその改良であり、それが、商業的収益性をもつ事業体としてではなく、労働者階級の社会的必要にしたがって運営されるべき、ということだ。

政治揺さぶるスト拡張下部から

 今後の期間に賭けられているものは依然として、社会的空気に変化を起こすこと、マクロン政権を屈服させる危機に道を開くこととして残されている。
三月二二日以後、鉄道労働者と並んで他の部門も動き始めている。三月二二日および四月三日が集中の最初の日付けとなった。つまり三月二二日は市民サービス部門の七つの労組連合による一日ストライキの日となり、四月三日はSNCFストライキの一日目となった。そしてその日、エネルギーとゴミ収集のCGT連合も「全国公共サービス」に向けストライキの呼びかけを発した。
これらの集中日は労組連合が組織したものではなかった。この間の日々も労働組合の全体構図をまだ変えてはいなかったからだ。もっとも穏健な連合の指導部、つまりCGC(管理職総同盟)とCFTC(フランスキリスト教労働者同盟)はこの運動に不在であり、CFDTはFO同様、ストライキの全体化すべてを拒否している。
全国レベルでは、FSU(統一組合連盟)とソリデールのみが四月一九日の次の部門横断ストライキ日に合流した。しかしこれに平行して、多くの都市では、たとえばマルセーユやルーアンで四月一四日が、鉄道労働者と公共サービスの防衛をめぐって、いくつかの政治諸組織の支援を得たさまざまな部門によるデモの機会となるだろう。町々と諸都市では多くの共闘機関が生み出され続けている。同様に、民衆的な支持の高まりの印として、鉄道労働者支援「共同募金」の知識人が始めたインターネット上の呼びかけは、四月一一日までに七〇万ユーロ以上を集めた。そして四つの鉄道労組は、この基金管理のための労組間組織を創出した。
それゆえ今われわれが見ているものは、社会的で政治的な決起、困難がないわけではないが、統一し底辺から広がる一つの決起の構築だ。

航空、学生、最重要社会運動が

 ここに挙げたリストとは別に、いくつかの重要な現象を考慮に入れる必要がある。
まずエールフランスの社員はSNCFにおける運動と平行して、二月末以来連続的な一日ストライキを行ってきた。これは、賃金を対象とした象徴的ストライキであり、全体としての六%賃上げ要求に基づいている。エールフランスの経営は多くの大企業と同じく、賃金原資と職の圧縮を手段に、数年間賃金表の引き下げを追求してきた。
つまり、インフレ率がこの間六%にもなっているのに、六年間賃上げ率はゼロ%であり、二〇一〇年から二〇一六年にかけ一万の職が失われ、賃金原資は六〇〇〇億ユーロ削減された。それは一一・五%の削減を意味している。この同じ期間、エールフランスの事業は八%成長し、この企業グループの最高位経営者一三人の俸給は二〇%上昇した(平均で五〇万七六九二ユーロ)。
これらの賃金要求は、メディアからの注目をほとんど引いていない他の多くのストライキの一部だ。政権は疑いなく、ストライキ支持の空気のこうした強固化を阻止しようと、エールフランスの経営者に交渉を頼み込んだ。しかし今のところ、まじめな提案がテーブルに置かれることにはなっていない。
もっとも重要な現象は、ストライキ運動と大学封鎖の全体化だ。四月八日から一五日の週には、三〇の大学(ほぼ二つに一つ)が封鎖されるか占拠された。ORE(学生の学業達成適応)構想に基づく大学入学選抜問題が、この運動の中核にある。あらためて、財源や大学を利用する手段の欠如を前に、選択は単純にこの権利を取り上げることになっている。二〇一六年に八万七〇〇〇人の学生は、いわば場を見つけることができなかった(新入生の二五%)。
この構想に基づくこうした除去は、個人化されることになるだろう。そして影響を受ける第一の者は、長期の課程から排除される、労働者地域出身の若者たちとなるだろう。
この運動はこの数週間で発展を遂げた。それは、この階級を基礎にする改革に反対する四〇〇人の教授たちによる一つのアピールから支援を受けた。そこでもまた、社会的抗議の大学生や高校生への拡張を回避しようと、最初の一斉射撃は極右グループから現れた。彼らは、うまくはいかなかったがいくつかの占拠に対する攻撃を試みた。
元社会党員の内務相、ジェラール・コロンは、こうしたストライキ破りの暴力を口実に使い、占拠を潰そうとCRS(共和国保安機動隊)を送り出し、まったくの暴力的介入、そして警察への暴力……を罪状とした学生多数の逮捕に基づき、運動の拡大を消し去ろうとした。多くの都市では、学生と鉄道労働者、また闘争中の他の部分との間に結合が起きた。
最終的に、結晶化が最後にまとまる点はノートルダム・ド・ランドの問題になっている。それに反対する極めて幅広い決起を導いてきた新空港建設というこの無用な計画を、政府は、取りやめる方を選んだのだがその後でも、ザディステ(注一)に対しあまりに多くの譲歩を行った、とのイメージを与えたくなかった。こうして、出先の当局が占拠と農場の将来に関しZADの中心活動家と交渉を続けていた最中に、ジェラール・コロンは、社会運動のまさにど真ん中で、派手な警察作戦を指揮したいと思った。今週、四月八日から一三日にかけて、二五〇〇人の警官が極めて暴力的にザディステに襲いかかった。その目標は、まさに大学の場合と同じく、「秩序を回復」し、この政府の警察の顔を見せることだ。
たとえ政府が、ザディステに暴力による死(二〇一四年のシヴェンダムの現場におけるレミ・フレッセの死を伴った事件のような)を引き起こしたくはないと思ったのだとしても、使用された極度の暴力は多くの人々を負傷させた。この警察の暴力は、ザディステのもっとも戦闘的な部分を孤立させる代わりに、特に「一〇〇の名前をもつ羊小屋」のCRSによる破壊の後では、運動を全体として結合させた。ちなみにこの施設は、現場で五年間事業を続けてきていた集団農場だった。

鍵は依然、対政権の闘争の集中


まとめれば、マクロンは彼の右翼を強め続けている。彼は、彼の中にオランドの社会自由主義の単なる長期化しか見ず、マリーヌ・ルペンに対する障壁として彼を選出した有権者内部で、左翼を条件とした彼の人気が漏れ出すのを見ている最中だ。時の勢いを示すように、社会党の部分を残している者は今、マクロン反対に立場を定めようとし、彼の主な政治的決定の責任を負うことを否認しようとしている。同様に、前大統領のオランドも、以前の彼のお気に入りからできる限り距離を取ることで、新たな高潔ぶったイメージを確保しようとしている。
したがってマクロンは、右翼の大統領として自身を再安定化しようと努め、地方と保守層の中で人気を取り戻そうとしている。今週彼は、カトリックの管区司祭団にお世辞を言うことを一〇〇%忘れず、国家と教会間の傷ついた結びつきを修復したい、と語っている。そしてこれに続いて、狩猟許可料金の四〇〇ユーロから二〇〇ユーロへの引き下げ、さらに狩猟期間の延長を公表した。
これからの日々に賭けられているものは同じままに残されている。つまり諸闘争を発展させ、鉄道労働者と諸々のストライキ支持へと政治的空気を変化させることであり、これこそ、数万人の活動家が毎日行っている仕事だ。何ものも勝ち取られていないが、何ものも失われてはいず、この集中は、活動家の決意を通して、ストライキ中の諸部門とそれらの支援者間に、学生、鉄道労働者、郵便労働者、病院労働者……の間に橋を架けることによって、基本的に底辺から現れるだろう。微罪判事たちですら現在、マクロンの改革構想に反対して決起しつつある。
運動の発展のためには、あらゆるイニシアチブが歓迎の対象になる。こうして、オリビエ・ブザンスノーにより左翼から始められた取り組みとそれが生み出した統一アピールに続いて、不屈のフランスの国民議会議員、フランソワ・ルッフィンが、マクロン大統領就任一周年の五月四日を期して、「マクロンの一党を抑え込む」ための国民的イベントに向け一つの呼びかけを発した。
いずれにしろ急を要することは、闘争の集中化、必要とされているゼネストに向けた行進を推し進めるだけではなく、マクロンと彼の世界に反対する社会構想、労働者階級の利害に沿って考えられ管理された、連帯、富の再配分、共有の財といった構想をも守る、そうした反資本主義の政治的極を登場させることだ。(二〇一八年四月一三日)

(注一)空港反対の決起の中で、多数の抗議参加者が「開発圏」、つまりZAD中の領域中に根を下ろした。こうして彼らを表現するために「ザディステ」という形容句が生まれた。(「インターナショナルビューポイント」二〇一八年四月労) 




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