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    かけはし2018年5月21日号

米軍優先の日本政治に終止符を!


沖縄報告 5月13日

復帰46年、73年間続く基地沖縄の変わらない現実

沖縄 K・S 

 一九七二年沖縄の本土復帰・沖縄返還から四六年が過ぎた。沖縄が戦後二七年間にわたる米軍の直接支配の苦しみからようやく脱したが、米軍に従属する日本の政治的法的支配のオブラートに包まれただけで、沖縄の陸空海を支配し県民生活を脅かす米軍の実態は変わることなく続いている。米軍基地権力の裸の暴力支配から日本の複雑なからくりの法的行政的支配へ移ったのだ。
 国民の基本的人権よりまず米軍の特権を保障する「米軍ファースト」の日本の政治は、安保条約・日米地位協定・日米合同委員会の法的行政的な仕組みの下で官邸・諸官庁・裁判所を取り込んだ体系的な構造と化している。基地のない沖縄をめざして本土復帰した沖縄が基地の固定化を強いられるのはこうした日本の政治のせいだ。
 軍事基地のない沖縄を実現するために、どこからどのように戦後日本の在り方を変えて行けばいいのか。まず必要なことは認識の共有だ。以前にも一度紹介した『知ってはいけない―隠された日本支配の構造』(矢部宏冶、二〇一七年、講談社現代新書)で提起されているような諸問題に取り組もう。そして声をあげよう。戦後七三年間の米軍優先の政治に終止符を! 
 何より必要なことは、米軍追随の政治を現場の大衆運動の力で止めることだ。七月にも土砂投入という状況にある辺野古の闘争現場に総力を挙げて結集しよう。翁長知事による埋立承認の撤回という沖縄県の行政権限の行使と連携し、ゲート前と海上で埋め立て工事を阻止しよう。

5.13

県民大会に3500人

辺野古阻止、自衛隊ミサイル
配備反対、アジアの平和を決議

 5・15平和行進を締めくくる県民大会は、五月一三日午後、宜野湾海浜公園屋外劇場で開かれ、三五〇〇人が参加した。会場には昼過ぎから行進を終えた人々が詰めかけほぼ満席になった。司会は仲村未央副実行委員長(県議会議員)。オープニングでは川口真由美さんと泰真実さんの「We shall overcome」の歌声が会場いっぱいに鳴り響いた。
主催者を代表してあいさつに立った山城博治沖縄平和運動センター議長は「辺野古は護岸造成から土砂投入という重大局面を迎えている。不法な埋立てを絶対に阻止しよう。昨日宮古島の平和行進に参加してきた。自衛隊ミサイル基地に反対する宮古の闘いを孤立させてはいけない。与那国、八重山、宮古の自衛隊基地建設で南西諸島が戦争の波受けとされ戦場となることを止めよう。全国の仲間と手を取り頑張りたい」と決意を述べた。司会の仲村さんが「行進参加者は、一日目辺野古を出発する中北部コース五五〇人、南部戦跡コース四〇〇人、二日目は七〇〇人と六五〇人、普天間基地を包囲する三日目は二五〇〇人と一一〇〇人、合わせて五四〇〇人」と報告すると、大きな拍手が起こった。
連帯あいさつでは、照屋寛徳、糸数慶子、伊波洋一の三人の衆参議員が発言した。その中で、伊波洋一さんは「沖縄基地は朝鮮戦争に備えている。そのため米軍は毎年大演習を繰り返してきた。アメリカはアジアで戦争することを何とも思っていない。安倍は戦争加担の政策を進めている。有事の際に全国の港、空港は米軍が自由に使えることになっている。日本中が戦場になる。ミサイルが原発にあたれば広島の何十倍もの被害を生む。沖縄だけの問題では済まない。アジアで戦争をさせてはならない。米軍優先で主権のないこの国の現状を変えよう」と訴えた。
辺野古の闘いを報告したヘリ基地反対協の安次富浩さんは「朝鮮半島の非核化統一に向かう朝鮮の人びとの自己決定権を支持する。沖縄も自己決定権を行使し基地のない沖縄をつくる。手本になる闘いは朴槿恵を追放し民主政権を打ち立てた韓国のろうそくデモだ。巨万の人びとが国会に集まれば安倍を倒すことができる。直接民主主義を沖縄、日本で展開しよう」と呼びかけた。
海外ゲストのコ・グォニルさん(チェジュ道海軍基地反対対策委員長)が通訳の有銘祐理さんと共に演壇に立つと、韓国参加団がそろって演壇下に立ち横断幕を広げた。コ・グォニルさんは「イデオロギー対立をこえたろうそく革命で独裁から民主政治を勝ちとったが、依然として米軍中心の世相が強く残っている。民衆の意思をさらに強くし恒久的な平和体制をつくり伝えるため共に闘おう」と述べて、「辺野古新基地建設反対」「米軍はアメリカへ帰れ」と声を限りにシュプレヒコールした。
そのあと舞台にのぼった韓国京畿道の水原七宝山(スウォン・チルボサン)自由学校の小学生一四人は、セウォル号真相究明を求める運動の中で常に歌われた歌を元気よく踊りながら歌った。歌詞は簡単。「闇は光に勝てない。嘘は真実に勝てない。真実は沈まない。我々は諦めない」を繰り返す。安倍政権のウソと欺瞞、隠蔽に塗り固められた政治に対し、日本のわれわれこそが声を大にして歌わなければならない歌だ。
そのあと、本土代表団の報告、平和行進各コース正副団長・交通責任者の報告、大会宣言、ガンバロー三唱のあと、「沖縄今こそ立ち上がろう」「沖縄を返せ」を全員立ち上がって歌い、真夏のような炎天下での集会の幕を閉じた。

5.11

辺野古ゲート前からスタート

500人が辺野古新基地NO!を訴え

 中北部の平和行進はキャンプ・シュワブのゲート前からスタートした。県内外から五〇〇人以上が集まり歌声が響く中、出発式が始まった。警察機動隊の姿はまったく見えず、資材搬入の動きもない。
山城博治さんは「違法な工事が強行され、人権を無視した暴力的な弾圧が繰り返されている。東アジアの緊張緩和に逆行して、奄美から与那国まで自衛隊の増強を進める安倍は沖縄を戦争の導火線にするつもりか。沖縄から安倍の暴走を止める平和行進にしよう」と檄を飛ばした。
稲嶺進前名護市長は「復帰は私たちが望んだものではなかった。その国がいま、暴力で辺野古新基地を押し付けてきている。許してはならない。すべての国民、とくに戦争に動員されかねない若者にこの現実を訴えて、二度と戦争しない国を取り戻そう」とアピールした。
ヘリ基地反対協の安次富さんは「大浦湾の活断層、海底の軟弱地盤、そして希少種サンゴの移植は不可能ですでに死滅が進んでいる。辺野古新基地は絶対できない。なぜ莫大な国費を投入して強行するのか。局地戦まで想定した対中国前線基地を引き受け、トランプにこびを売るためだ。新基地を止め、安倍を倒そう」と訴えた。
行進団本土代表、沖縄側団長の決意のあと、行進に出発した。先導車のスピーカーから「沖縄を返せ」などの歌を交え、各地域の若者がかわるがわるリードして「辺野古新基地建設反対」「高江ヘリパッド撤去せよ」「9条改憲反対」などのコールを繰り返しながら、国道329号線を宜野座・金武に向かって行進した。
韓国平和行進参加団一四人も韓国語のコールや歌でアピールした。水原自由学校の小学生は手作りの「ぬちどたから」とパッチワークで縫い付けた横断幕を掲げて行進し、参加者から盛んな拍手を浴びた。

5.12

韓国の参加者があいさつ

日本と朝鮮半島の平和は一体

東アジアの平和を

 五月一二日、ゲート前テントで、ピョンテクのヒョン・ピルギョンさん(米軍基地撤収研究所所長)は「ピョンテク市では日本の植民地時代に造られた基地が戦後米軍に引き継がれ、現在八〇〇万坪をこえる巨大基地になっている。二五の市民団体が集まって平和市民行動を結成し、六〇〇日を超えて一人デモをくり広げながら基地監視活動を続けている。辺野古の闘いは韓国でもよく知られている。沖縄とピョンテク、日本と朝鮮半島の平和は結びついている。辺野古の闘いの勝利を! 東アジアの平和万歳!」と力強くあいさつした。そのあと韓国参加団一行はグラスボートで大浦湾の海とサンゴを見学した。
また、韓国民弁(民主社会のための弁護士会)と大阪労働者弁護団の一行約四〇人も二〇回目の交流会を沖縄でもち、一一日の辺野古、平和公園のフィールドワークに続き、一二日午前、辺野古ゲート前テントを訪れた。民弁メンバーは全員前に立ち「パウィチョロム(岩のように)」を元気よく歌った。一三日は全員そろいのTシャツを着て普天間基地包囲の平和行進に参加し、午後の県民大会に参加した。

5.10

平和行進全国結団式

韓国各地からの
参加団14人

 5・15平和行進の全国結団式が五月一〇日午後、那覇市内で行われた。基調講演に立った高良鉄美教授(琉大法科大学院)は、「戦後日本の最大の恥は沖縄をアメリカに差し出したこと。世界で初めて憲法に基本的人権を明記したのは戦後の日本国憲法だ。明日から行進が始まる。本当の平和憲法の精神で沖縄各地を歩いて欲しい」と述べた。
社民党、社大党の政党あいさつに続いて壇上に上がった韓国参加団団長のシン・スヨンさん(グリーンコリア)は「韓国各地の五カ所から一四人で参加した。四〇〇〇日を超えて海軍基地に反対しているチェジュ道、米軍のサード配備に反対する行動を展開中のソンジュ、米軍再編で世界最大規模の基地に変貌したピョンテク、騒音、環境汚染など米軍基地の監視活動に取り組んでいるクンサンおよびソウルから来た」と紹介し、「米軍により美しい海と生態系が破壊され、平和と人々の生活が脅かされるのは沖縄も韓国も同じだ。また、基地建設に反対し平和を願う人々の姿も同じだ。南北会談による平和への動きを韓国では朝鮮半島の春と呼んでいる。軍拡で平和は来ない。軍事的対立を解消し軍縮の方向へと向かう動きが広がっていくことを願う。辺野古新基地阻止と普天間閉鎖に取り組むみなさんと互いの経験を交換し東アジアの平和に向かいたい。東アジアに米軍基地は必要ない」と力強く訴えた。
そのあと、タスキ授与式、各コース代表の決意が行われ、参加者はそれぞれの宿舎へ向かった。

5.9

100人が座り込み

沖縄防衛局の護岸工事強行に抗議

 沖縄防衛局による護岸工事は連休明けから、一日合計三回の搬入工事車両台数が四〇〇台近くになるなど、さらにスピードを上げて強行されている。大浦湾側の埋め立て予定地では、辺野古断層、楚久断層の二つの活断層、約四〇mの厚さにもなる軟弱地盤、工法変更をめぐる設計概要の変更手続きなど山積する難問題のため埋め立て工事のめどはまったく立っていない。そのため、防衛局は埋立承認願書の工事順序と工法を無視して辺野古側の浅い海からK1、K2、K3、K4、N5、N3護岸の造成に血道をあげてきた。まもなく護岸の連結が終わり、囲われた護岸内の海水の吸出しと土砂投入の準備が整うと言われている。辺野古新基地建設を止める闘いは重大な山場を迎えている。
連休明けの五月七日からのゲート前座り込みは、連休前に比べて少ない結集の中でも早朝から全力で闘い抜かれた。また、海上でも、七日のカヌー一一艇、抗議船二隻をはじめ、連日フロートを越えて作業現場に向かう必死の行動を行ない、不法な埋立て工事の中止を訴えた。
九日水曜日のゲート前座り込みは、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表のあいさつから始まった。
安次富さんは「辺野古新基地のさ制限ははじめから分かっていたこと。新基地は造ってはいけない」と訴えた。そのあと、北の二見方面からパトカーに先導された生コン車をはじめ工事車両の列がゲート前に到着し始めると、キャンプ・シュワブの工事用ゲートから警察機動隊が座り込み排除に出てきた。マイクを握った平和運動センターの大城悟さんは、「違法工事を止めよ。一時の金で沖縄の未来を売り渡してはいけない。沖縄の発展を阻害する米軍基地はもうこれ以上いらない。七三年前の戦争に連なる基地建設を止めよ。沖縄防衛局は今すぐ違法工事を止めよ」と、工事車両の運転手、警察官、ガードマン、防衛局職員、通行中のドライバーに根気強く訴え続けた。
警察機動隊による力任せの座り込み排除は乱暴だ。まるで何分で排除を終えるかということを競うかのように、座り込みのスクラムの指を無理やりはがして手足を引っ張り、三〜四人がかりで動物でも運ぶかのようにオリに連れて行く。ゲート前は毎日が身を挺した抵抗だ。ケガも多い。しかしくじけない。最後は必ず非暴力の抵抗が勝つと信じているからだ。



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