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    かけはし2018年6月11日号

安倍首相の虚偽答弁は明白だ


「森友・加計」問題の幕引き許すな

直ちに内閣総辞職を

安倍発言が文書改ざんを促した

 「森友学園」に対してタダ同然の破格の値引きで国有地を売却した件に関し、大阪地検特捜部は五月三一日に、国有地の大幅値引きに関する背任、さらには決裁文書を改ざんした虚偽有印公文書作成などすべての容疑について、佐川宣寿元財務省理財局長(当時)など三八人全員を不起訴処分とした。
 続いて六月四日には、財務省は決裁文書改ざんをめぐって、調査結果と関係職員の処分を発表した。理財局長として、国有地の大幅値引きと文書改ざんの指揮をとり、国税庁長官に「栄転」し、その後辞任した佐川前理財局長は、「停職処分」相当として五〇〇〇万円以上の退職金のうち、約五〇〇万円を差し引かれることになったが、それでおしまいである。
 同日に公表された財務省の調査報告書は、二〇一七年二月の国会答弁で、安倍首相が「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員もやめる」と述べたことをきっかけに、文書改ざんが組織的になされていったことを明らかにした。

国交省保管文書の差し替えも

 さらに次のような事実も明るみに出ている。森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざんにあたり、財務省職員がつじつま合わせのために国土交通省に出向き、同省内に保管されていた文書を改ざん後の文書に差し替えていたことが、六月四日の財務省の調査報告書でわかったというのだ。
 この「文書差し替え」は、機転を利かせた国交省職員が保管文書のコピーを提示し、原本は無事だったため失敗に終わった。差し替えの経緯は次のようなものだ。
 昨年三月以降の時期に、国交省の室長級職員に対し、同省で保管する決裁文書に「最終版がある」と財務省職員が説明し、四月下旬ごろ国交省で文書を確認したいと申し出た。国交省職員は不審に思い、「原本を部外者に触れさせるべきではない」と判断、原本のコピーを含む紙ファイルを用意し、同省会議室で閲覧させた。国交省職員は立ち会わなかったため、室内で何があったか不明だったが、財務省の調査報告書によれば、理財局職員はこのとき文書を差し替えたのだという。
 昨年二月の「首相も国会議員もやめる」という安倍の答弁が、いかに財務省を慌てさせてしまい、交渉記録の廃棄が進められていったのかという事実の一端が、この財務省職員による国交省保管文書の「差し替え」によって示されている。しかし財務省側は、首相官邸に対する「忖度(そんたく)」はなかったと強弁している(時事ドットコムより)。

改憲戦略が生み出した犯罪だ

 あらためて確認しよう。「加計」問題もふくめた、「改ざん・偽造・忖度」の横行は、安倍首相の「ウソ」をなかったことにし、事実を安倍のウソに合わせるための国家ぐるみの犯罪だった。それは何よりも、憲法改悪を至上の命題とした安倍政権の国家戦略と深く関係している。ここに「森友・加計」問題の本質が隠しようもなく明らかになった。
九条改憲の政治、「戦争をする国家」への改変は、首相権力の決定的強化、恣意的行使、民主主義の破壊と結びついている。こんな政治をこれ以上続けさせてはならない!
今こそ、改憲阻止・安倍政権打倒へ労働者・市民の力を結集しよう!
(六月五日 純)

6.1

労契法20条裁判で2つの判決

「世代間対立」超える連帯を

生活・雇用・権利を共に守ろう


分断を超えて
共に進もう!
 六月一日、最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)は、契約社員、定年後再雇用の社員が、正社員との賃金格差の是正を求めて訴えた「不合理な格差」の是正にかかわる「労働契約法二〇条裁判」の二件の訴訟で、判決を下した。二〇一三年に施行された労働契約法は、無期雇用の正社員労働者と、非正規の嘱託社員・契約社員のような有期雇用労働者の間の労働条件の差は、職務の内容、異動や配置変更の範囲などを考慮した上で「不合理と認められるものであってはならない」、としている。六月二日の新聞各紙は一面トップでこの判決を取り上げている。
 今回、判決があった案件は、一つは浜松市の物流会社・ハマキョウレックス、もう一つは横浜市の運送会社・長澤運輸である。ハマキョウレックスと長澤運輸の二つの労働組合はいずれも全日建運輸連帯労組に所属している。
 ハマキョウレックスの場合、定年後に契約社員となった原告の池田さんに対して正社員には支給されている六つの手当(無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当)のうち、住宅手当を除く他の五つの手当が支給されないのは「不合理な格差」と認められることになった。一審の大津地裁判決で支給が認められたのは通勤手当だけだった。また二審の大阪高裁では「無事故、作業、給食」の三つの手当支給が認められ、さらに今回の最高裁判決では皆勤手当支給についても「出勤者を確保する必要性は非正規社員も変わらない」として高裁差し戻しとなった。
 他方、住宅手当が認められなかったのは、「正社員は転勤が予定されているが契約社員の場合はそうではない」という理由だ。これ自身は不当な理由付けではあるが、五つの手当の支給が原則的に認められたのは一歩前進である。

定年後の賃下
げは当然か!
横浜市の長澤運輸の場合は、三人のトラック運転手が定年後の再雇用において賃金の三割がカットされたことの不当性を争う裁判となった。
二〇一六年五月の東京地裁の第一審判決は「職務の内容及び配置の変更の範囲が同一である場合には、賃金額について、有期契約労働者と無期契約労働者との間に相違を設けることは、特段の事情がない限り不合理である」として原告側の主張を全面的に認めるものだったが、同年一一月の東京高裁判決は「定年退職者に対する継続雇用としての有期労働契約は、社会一般で広く行われている」「定年退職後に賃金が引き下げられることは通例であり、社会的にも容認されている」「原告らの収入の減少は、同規模の企業の平均の減額率を下回っている」として、原告側の逆転敗訴となった。
そして今回の最高裁判決は「皆勤手当と同趣旨の精勤手当の格差は不合理」として「相当額の五〜九万円の支払い」を命じたものの、基本給や大半の手当の格差については「三人は退職金を受け取り、近く年金が支給される」などを理由にして不合理性を否定し、「精勤手当に連動する超勤手当の再計算の審理」のみを高裁に差し戻すことになった。

新たな攻防の
始まりだ!
この二つの最高裁判決は、「定年再雇用」労働者の権利・賃金をめぐる、新たな攻防の始まりでもある。一方では「定年」退職後の労働者を、新たな低賃金・無権利の労働者として確保する一方、「世代間の対立」を煽りつつ、青年層の雇用・権利を押し下げる口実にしようという動きが意識的に創り出されている。ともすれば、年金支給を理由にした定年退職者の賃金切り下げ、という形で世代間対立をあおる風潮が作り出されている。しかし問題は世代を超えた労働者・市民の協働と連帯である。
さる四月二三日、東京・連合会館で「非正社員の格差撤廃、同じ仕事なら同じ賃金を!すべての労契法二〇条裁判の勝利をめざす4・23集会」が行われた。全日本建設運輸連帯労組(全日建連帯労組)が主催したこの集会には、今回の最高裁判決の当該である長澤運輸(全日建関東支部)、ハマキョウレックス(全日建近畿地区トラック支部)とともにメトロコマース(全国一般全国協東京東部労組)、日本郵便(郵政産業労働者ユニオン)、名古屋自動車学校(全自交労連)、千葉内陸バス(なのはなユニオン)の各争議当該が参加し、闘いの交流が行われた。
生活・権利・雇用のために世代間対立を超えた労働者の闘いを共に作り出そう!        (K)

夏期カンパのお願い

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)
国際主義労働者全国協議会(NCIW)

 全国の同志、友人、「かけはし」読者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は夏期カンパへのご協力を訴えます。
 安倍政権は森友学園での土地払い下げ問題での財務省による文書改ざん・隠し、加計獣医学部新設問題、自衛隊南スーダン派兵日誌隠し、厚労省のデーター改ざん、財務省の官僚トップのセクハラ問題などに直面し危機に陥っています。しかし、安倍首相はウソの答弁を繰り返しすべて居直っています。それは「九条改憲」を何としてもやり遂げ、アメリカと共に戦争ができる体制を本当に作り出すためです。われわれは安倍政権との闘いに全力を挙げて取り組みます。
 そして、この動きと結びついているのが沖縄での反基地闘争です。沖縄・辺野古での米軍新基地建設の埋め立て工事がいよいよ土砂の投入による海の埋め立てという重大局面に突入しようとしています。連帯の闘いを強めましょう。
 朝鮮半島で朝鮮休戦協定を平和協定にそして非核化に向けての動きが始まっています。安倍政権のように軍事的圧力によるのではなく、民衆の平和を求める力を基礎においた闘いこそが重要です。
 安倍政権が進める「働き方改革」は労基法を骨抜きにし、資本家が自由に労働時間を広げることを許し、残業代を払わない「働き方」を作りだすものです。年金、社会保障費を削減し、低賃金と長時間労働、不安定雇用を働く人々に強制する攻撃に他なりません。また福島第一原発の事故の真相も明らかにしないまま原発の再稼働、原発輸出の旗を振り続けています。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に典型的に表現されているように、すべて政策と事業が大資本のために進められています。二〇一九年の天皇の「生前退位」も、こうした「改憲」=「新しい時代」「美しい日本」を煽り立てる材料にされています。
 私たちは全世界で新自由主義に抗して、生存や人権、民主主義を求めて闘っている人たちの一翼を全力で担っていこうと決意しています。週刊かけはしの維持・発展のために夏期カンパにご協力をお願いします。

 【送り先】?労働者の力社 郵便振替 00110=2=415220
?新時代社 郵便振替 0
0290=6=64430




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