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    かけはし2018年6月11日号

引き上げ無効化最賃法改悪阻止


民主労総 5月28日ゼネストへ

環境労働委員会での強行採決認めない

日本では国会の厚生労働委員会で働き方改革関連法案が強行可決された。韓国では最低賃金1万ウォンへの引き上げを無意味にする最低賃金法改悪に対し民主労総は5月28日ゼネストを宣言した。(「かけはし」編集部)

1万ウォンの喜びが絶望に暗転


 5月25日未明、国会環境労働委員会は月別支給されるボーナスと福利厚生費を最低賃金への算入範囲に含む最低賃金法改正案を可決した。これにより、多くの低賃金労働者が最低賃金の引き上げによる賃金引き上げから排除されるものとみられる。
 これに加えて使用者が労働者の同意を得ないでボーナスを月単位に分け、最低賃金への算入範囲に入れられる「就業規則不利益変更」を可能にした特例条項も挿入した。就業規則不利益変更の際、労働者の同意を得るようにした労働基準法の趣旨を毀損したという批判が出ている。
 最低賃金法改正案は「最低賃金は労働者と使用者、公益委員がともにする社会的対話機構、最低賃金審議委員会で議論しなければならない」とある。両大労組の要求があり、正義党イ・ジョンミ、共に民主党李龍得(イ・ヨンドク)議員が反対の意思を明らかにしたにもかかわらず、採決で強行処理された。
 シン・インス民主労総・法律院長は「最低賃金法改正案を一言で言えば『練習場』だ。このように拙速に作った法律は民主労総・法律院、弁護士はすべて初めて見た」、「今回の最低賃金法改正案は手続き的・実体的側面ですべて正当性を欠いた改悪である。最低賃金の引き上げ効果を無力化させ、労働基準法の大原則である就業規則不利益変更禁止の原則も毀損して使用者が一方的に賃金構造の再編をすることができるように道を開いた」と話した。
 民主労総は5月25日午後、記者会見を開き、「最低賃金法の根本趣旨と労働基準法の大原則である就業規則不利益変更禁止の原則を毀損した」とし、5月28日、国会本会議の最低賃金法改正案通過を阻止するため、ゼネストに突入すると宣言した。この決定は同日午前に開かれた緊急中央執行委員会で全会一致で下された。キム・ミョンファン委員長は「政権与党、1万ウォンの幸せを1万ウォンの絶望に変えた」と述べた。

金属労組 先鋒務める、と宣言

 金明煥(キム・ミョンファン)民主労総委員長はゼネスト突入を宣言し、「賃金は、当事者が最もよく知っている。それで最低賃金委員会でやり遂げなかった部分を解決しようとした。それが、労使政対話ではないか。しかし政権与党はそれを蹴った。与党の院内代表が関与し、二大労総を無視し、対話に冷や水を浴びせた。洪永杓(ホン・ヨンピョ)の言葉通り、民主労総が10%の労働者のための組織なら、選択しなかった闘争だ。政府が労働尊重の世の中を放棄したとすれば、民主労総が探したい。労働者の力で成し遂げる」と話した。
キム・ホギュ金属労組委員長は「政府と与党は保守的な労働政策に向かう段階を着実に踏んでいる。最も弱い労働者に対する攻撃は全体の労働者に対する攻撃の信号弾」とし、「構造調整として労働者の雇用を破綻させ、もう最低賃金まで与えて奪う行動を金属労組は座視できない。世界を救う、私の人生を変える、隣人の生を守るという気持ちでストを決議する」と話した。
イ・ソンイン民主一般連盟共同委員長は「民主労総がストをすると言えば、正規職への利己主義者だという人たちがいる。私は間接雇用環境美化員だ。昨日も年次休暇を出して集会に参加した。最低賃金がそんなに高いか? 1カ月157万ウォン受け取り、どのように家庭を築いて生きていけるのか。低賃金非正規労働者たちは、マイナス通帳を基本に持っていてそれを返しに返して命を絶っている。文在寅(ムン・ジェイン)政府に期待があったが、改善したものが一つもない、闘争に乗り出すと明らかにした。
民主労総は国会の最低賃金削減の試みに対応するために今日午前、緊急中央執行委員会を開き、満場一致でゼネストを決議した。公共運輸労組は全体組合員総会闘争を準備する。サービス連盟、公共運輸労組学校非正規職労働者たちは最小の人材だけを残して全国で開かれているゼネスト決議大会に参加する。
金属労組現代(ヒョンデ)自動車支部は5月28日午後1時30分から3時30分まで2時間ストを展開して、午後4時に民主労総蔚山本部とともに集会を開くことにした。このほか民主労総の加盟・傘下の組織も早退、年次休暇など手段と方法を選ばず、ゼネスト闘争に結合する。

最低賃金法改悪阻止へ国会内外緊張

民主労総が徹夜で警察と対峙

最賃委労働者委員も抗議に決起

 最低賃金への算入範囲問題をめぐって、国会環境労働委員会が法案を通過させようとする中、最低賃金委員会労働者委員が反発しており、衝突が生じている。最低賃金委員会民主労総の労働者委員は5月21日午後1時15分ごろ、国会正論館で記者会見を終えて国会本庁前の階段で「最低賃金への算入範囲と料率および賃金水準の議論を最低賃金委員会に引き渡す」ことを促すデモを繰り広げた。
 国会の前では民主労総の500人あまりの参加者たちが集まった中で午後1時緊急の決議大会を開き、国会前の正門に進出して進入を試みて集会を開いて警察側ともみ合いを繰り広げるなど、対峙局面が展開された。
 当初、午前に開かれる予定だった環境労働委法案審査小委は午後3時に延期され、民主労総は午後4時に与党に最低賃金問題の処理と関連した内容の面談を要請した状態だ。
 一方、最低賃金労働者委員会労働者委員は同日、12時30分に国会正論館で記者会見を開き、「国会がとうとう最低賃金への算入範囲を一方的に改悪したら環境労働委員会ではなく、環境使用者委員会と常任委の名称を改名しなければならないだろう」とし、「国会は最低賃金への算入範囲議論を中止し、政府は最低賃金への算入範囲の議論を最低賃金委員会に移管すること」だと促した。

国会環境労働委員会午後3時開催―国会の中、座り込みデモ、国会前の対立、相変わらず

 午後3時40分現在、国会正門前は、民主労総の集会参加者たちと警察が対峙中で、国会内では最低賃金委員会労働者委員をはじめ一部の集会参加者たちが連座デモを繰り広げ、国会環境労働委員会の状況を注視している。
国会環境労働委法案審査小委が午後3時頃に開かれ、労使政委の案件が議論中の状態で午後4時30分までの停会を宣言した。同日の関心事である最低賃金への算入範囲案件は、労使政委の案件が終わって進行するようになっており、多少時間がかかるもようだ。

警察、最低賃金の引き上げに算入範囲小細工で適用しようとしていると抗議していた民主労総の組合員を強制連行

 一方、最低賃金への算入範囲改悪案処理を防ぐために国会環境労働委員会に抗議訪問を行っていた民主労総組合員のうち、連行者が発生したりもした。九老(クロ)警察署にチェキス、盧英敏(ノ・ヨンミン)、申性浩(シン・ソンホ)、金潤洙(キム・ユンス)、ソンスンフヮン組合員が陽川警察署にシン・ギョンヒョン、チョンヨンジェ、ギルチョンエ、コソクグン、チャウンナム組合員とユソンギョン労務士が連行され、調査を受けている。民主労総・法律院は連行者たちに対する接見を進めて追加、連行者の発生時の状況を共有すると明らかにした。

朝鮮半島通信

▲金英哲朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長は6月1日、ホワイトハウスに到着した。トランプ米大統領に面会し、金正恩党委員長の親書を手渡した。
▲韓国と朝鮮は6月1日、閣僚級会談を板門店の韓国側施設「平和の家」で開き、朝鮮側は2000年6月の南北首脳会談を記念した共同行事を韓国側で開催することなどを提案した。
▲釜山市東区は5月31日、日本総領事館近くの歩道に設置されていた日本の植民地時代に徴用された朝鮮人労働者を象徴する像を行政代執行で撤去した。
▲韓国警察は5月31日、韓進グループの会長夫人が工事現場の作業員や自らの運転手ら11人に対し暴行などをしたとされる件で逮捕状請求を検察当局に要請した。また韓国検察は31日、韓進グループ創業家の趙会長一家が、相続税を適切に納めずに裏金作りをしていた疑いがあるとして、大韓航空本社を家宅捜索した。

コラム

嘘は泥棒の始まり

 「ドードド ドドッド  甘いリンゴも吹きとばせ 酸っぱいリンゴも吹きとばせ ドードド ドドッド・・」
 フッ!と浮かんだ「風の又三郎」の歌。映画「風の又三郎」の記憶は「発破漁」のシーンと「不思議な歌」だ。
 夏休み。娯楽の少ない時代。心待ちにしていた巡回映写会。茣蓙等の敷物を小脇に大人も子どももゾロゾロゾロと夕暮れの街を歩いていく。大きな「欅」の木がドーンとそびえる小学校の校庭には、おおきなスクリーンが張られみんな場所取りに夢中。夜風が涼しく吹くなかで映画「風の又三郎」「土俵の鬼 若乃花物語」が始まった。改めて短編「風の又三郎」を読み、その時代の子ども達の日常世界がこんなにも自然と溶け合っていたのだと自身の幼少期を振り返る。
 「きょうからみなさんのお友達になるのですから、みなさんは学校で勉強のときも、また栗拾いや魚とりに行くときも高田さんをさそうようにしなければなりません。わかりましたか? わかった人は手をあげてごらんなさい」。子供たちの手が一斉に上がる。
 「仲間」「どんな時も仲間外れはダメ」「約束」。又三郎と村の子どもたちの交流が活き活きと描かれていく。
 「ドードド ドドッド  甘いザクロも吹きとばせ 酸っぱいザクロも吹きとばせ ドードド ドドッド・・」
 疑惑追及に安倍首相や取り巻き政治家、官僚が発した言葉「記憶ない! 記録ない! 言ってもなければ聞いてない。根拠がない! 事実でない! 関与してない解釈違い! 加計の計画/いいねッ! 何はなくともそんたく・ソンタク・sonntaku・忖度! エイッエー!」 と並べたらラップ調の詩ができた。嘘に嘘を被せて嘘をつき、強弁、喪失、改竄、廃棄はお手のもの。守護者「忖度政治家・官僚」は、「記憶」も自由にあやつり「自己保身」に汲々し民心を欺く小賢しい嘘で「忠臣」を競う。「捜査内容は全て秘密」「答えない」「事案の特殊性により一定の説明」をしたと「証拠があっても不起訴」と「大阪地検特捜部」。国民と特捜部の「認識に乖離があった」と、アメフト部問題に揺れる日大当局と同じフレーズ。この社会の醜い裏の姿がわがもの顔で歩いていく。
 《正直・明朗》「嘘をついたり誤魔化しをしたりしないで、素直に伸び伸びと生活する。自己保身的な嘘や誤魔化しは、他者の信頼を失い自分自身のなかに後悔・自責の念、強い良心の呵責を生じる」。《規則尊重・公徳心》「約束や決まりを守りみんなが使うものを大切にする」(学習指導要領の一節)。
 親友晋ちゃんの窮地に加計君「首相会見は偽情報」と捨て身の助け舟。嘘ついてせしめた助成金〈類は友を呼ぶ〉悪の世界だ。既に安倍首相は逃げようのない「雪隠詰め」と化している。
 「解釈の相違」に「それを言っちゃおしめーよ!」「お天道様は見ているよ!」と空から寅さんの声が大きく聞こえ「ゆびきりげんまん嘘ついたら針千本飲〜ます」と童歌が響く。
 「ドードド ドドッド 青い胡桃も吹きとばせ すっぱい花梨も吹きとばせ ドドッド ドドド・・」
 ガラスのマントに身を包み空を飛ぶ風の又三郎はきれいな心の中に現れるのだ。     (朝田)

 

 




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