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    かけはし2018年6月25日号

「働き方改革」法案を廃案へ!


6.12

雇用共同アクション国会前行動

過労死促進を許さない

長時間労働の野放しやめろ


強行採決を絶対
に阻止するぞ
 雇用共同アクションは六月一二日、参院議員会館前で「働き方改革」法案の廃案を求めて国会前行動を行った。審議は無用、形だけ整えればいいという与党の強引さは極まり、この日は午前中、先週から審議が始まったばかりであるにもかかわらず早くも参考人質疑が入れられていた。翌日には川越市で地方公聴会まで設定、一四日にも採決強行の動きがあると伝えられるひどさだ。この日の行動には特に、このような暴挙を許さない民衆の対抗を突き出す決意が込められた。
 続々と労働者がかけつける中、行動は午後一二時一五分、主催者を代表する岩橋祐治全労連副議長と中岡基明全労協事務局長のよびかけから始まった。岩橋さんは、まず見たような与党の採決ありき、事実上の審議拒否的姿勢を糾弾、ILO総会の暴力とハラスメントをめぐる問題で日本政府の後ろ向き姿勢が国際的に孤立したことを紹介しつつ、もう一回り闘いを広げ今回のような異常な法案を絶対に廃案に持ち込もうと訴えた。中岡さんは、六月一〇日に二万人以上で実現した国会包囲の闘いは今回の法案反対をもスローガンとしていたことを確認しつつ、過重労働をなくすのが政治の役目と訴えた過労死遺族の声を全体で受け止め必ず廃案を勝ち取ろうと呼びかけた。
 結集した労組からは、自治労連、ネットワークユニオン、東京全労協、全日本教職員組合の代表が決意表明。あからさまな労働者の権利破壊に徹底した闘いで応えようとの訴えに加えて、季節柄か国会見学に列をなしていた小学生や中学生に向けて、長時間過密労働が蔓延する社会に子どもを送り出してはならないとの訴えや、替え歌も使って分かりやすく問題を訴えた呼びかけも行われた。
 また国会議員からは日本共産党の武田良介参院議員が駆け付け、連帯の決意を表明した。
 最後に雇用共同アクション事務局長の伊藤桂一郎さんから、午前中の参考人質疑の傍聴報告と今後の行動提起が行われた。参考人質疑については、全国過労死を考える家族の会代表世話人の寺西笑子さんが、労災認定を得る上で労働時間掌握にもっとも苦しんだと訴え、使用者から労働時間管理責任をなくす高度プロフェッショナル制度の非道さを厳しく批判したこと、またコンサルタント企業の経営者は、高プロ問題からは逃げつつも、最後には、「残業代ゼロ」について「いい人材を逃がすだけになる」と答えたこと、を紹介した。その上で、一歩もひかず一四日、一九日と行動をさらに強め、強行採決の動きを許さず廃案を勝ち取ろうと呼びかけた。

「使用者」ニーズ
しか示されない
この法案のデタラメさは今も次々発覚している。最新は、高プロに「労働者のニーズがある」とする政府説明のデタラメさだ。この「ニーズ」の根拠とされた労働者ヒアリングが僅か一二人というお粗末さだったことはすでに暴露されていた。しかしそのヒヤリングすら事実上後付であり、その大半が野党追及の翌日であったことを朝日新聞が六月五日報じた。
そして厚労省は同一二日、法案要綱作成前の聞き取りはゼロだったことを参院厚労委理事会に報告せざるを得なかった。その上一二人中九人は、加藤勝信厚労相が労働者が自ら望んでいることを自分で聞き取ったかのように答弁した後のことなのだ。「労働者のニーズ」は文字通り後付以外の何ものでもなく、まさに高プロ導入は「使用者のニーズ」以外の根拠が皆無なまま決定されたことが明らかになった。労働者保護のための労働基準法ではあってはならないことだ。
この聞き取りでは、対象となった一二人すべてが企業が選んだ労働者であり、同じ企業の労働者も複数、対象企業は五つだけ、一二人中九人には人事担当者が同席していたことも加えておきたい。こんなデタラメ、ねつ造ともいうべきやり方で、過労死促進必至の制度を作ることなど決して許されない。
そして六月一四日付け「赤旗」紙によれば、一三日の地方公聴会では、四人の公述人すべてが「残業代ゼロ」を支持しなかった。特に製菓企業の経営者までが「残業代ゼロ」について「社員が望むことはまったくない」「過労死につながらないよう歯止めをお願いしたい」と述べたことは注目に値する。
これまでの審議ではほとんど議論されず、メディアでの取り上げも少ないが、雇用対策法を労働施策総合推進法に名称を変え、目的の中に生産性向上を潜り込ませ、「多様な就業形態の普及」をめざす、としていることも重大な問題だと強調しなければならない。非正規雇用や「雇用によらない働き方」、つまり使用者責任を抜本的に軽減する雇用政策への転換が狙われているからだ。
「働き方改革」法案の社会的正統性、その社会的信用度は日を追ってどんどんはげ落ちている。審議の封殺など論外だ。その圧力を行動として表し与党を追い詰めよう。雇用共同アクションは一四日も行動を展開、一歩もひかず一九日からの週も国会前行動を呼びかけている。この行動への結集を含め、強行採決を許さず、何としても廃案に繋げるために力を尽くそう。(神谷)

第四インターナショナル第17回世界大会開催 C

労働者民衆の反撃を

危機における資本攻勢との対決


矛盾の広がり
と社会的闘争
 世界大会の三日目から四日目にかけて「社会的激動・反撃・オルタナティブ」についての討論が行われた。このテーマは、「情勢の転換」を土台にした労働運動、新しい社会運動と連帯運動、そして地域的運動などに焦点を据えて、グローバル資本主義の下での反撃の闘いの現状、左派の関与、闘いの方針などに関わる文脈である。ここでは従来から語られてきた「新しい社会運動」と労働運動などをより共通の文脈で捉える作業が意識的になされている。ただしこの分野の論議については、運動の主体の評価をふくめて日本では最も弱い分野であり、われわれの経験に即して、丁寧な論議・紹介が必要だろう。
 われわれとしては、二〇一一年の福島原発事故を契機にした反原発運動、二〇一五年の戦争法反対運動における新しい青年・学生世代の登場などとも重ね合わせながら、いま直面している改憲阻止の闘いを、どのような社会的・政治的文脈の中で作り出そうとするのかという課題に絞り込んでいかなければならない。
 世界大会のこのテーマは、とりわけ発言希望者が多く、一人当たりの発言は五分以内に制限された。今号と次号の二回に分けて議案の骨子を中心に紹介する。

反撃の多様な
広がりと連携
「二〇〇八年、リーマン・ブラザーズの破産が国際的金融危機に転化し、その金融危機がさらなる多くの危機、特にヨーロッパにおける公的債務危機を引き起こした。それは一九八九年(ベルリンの壁崩壊)に始まった資本主義グローバリゼーションの新たな段階以後に引き起こされた激変に加えて、新たな社会的攻撃の引き金を引いた」。
ここでは、二〇世紀末からのオルタグローバリゼーション運動の新展開=世界社会フォーラム・プロセスが、「リーマンショック」に示される資本主義の世界的危機に有効な攻勢のイニシアチブを取れなかったことをどう捉えるべきかという課題を設定した上で、分析を進めようとしている。
「グローバル・ジャスティス運動は今世紀初めよりは弱体化しているが、それにもかかわらず社会的正義の問題および銀行・主要な国際企業・国際機関の支配力と闘う必要性は、依然として急進化の強力なベクトルである。社会的正義、工場における公正な労働、自らの畑を耕作する農民の権利、そして環境問題の間には明確な関連がある」「暴力や不公平な法律の強制がない生活をしたいという解放に向かう願いはまた、LGBTプラスとフェミニストの動員への強力な推進力である。これはまた、レイシストによる差別・暴力に反対する闘いや、植民地主義・奴隷所有社会の遺産に終止符を打つ闘いにおいても同様である」。
ここで問われていることは、どういう問題意識だろうか。
「資本主義的政策の結果を拒否することが自動的に反資本主義的意識を引き起こすわけではない。同じように、労働者の社会的アイデンティティーが階級的アイデンティティーを作り出すわけでもない。これらの闘いを、資本主義社会やそれが生み出し再構築した抑圧に対する急進的な挑戦という戦略的政治的プログラムの中に含める能力とは何か。この状況で、グローバル・ジャスティス運動やセクター相互の闘いを結び付けようとしてきたさまざまな国際ネットワークをどのように評価することができるのか?……これらの抵抗運動における政治的傾向によって提起されている力や方向は何なのか」。
こうした問題意識から、活発な討論が行われた。

新しい労働者の
闘いに向けて
ここで世界の労働者階級が置かれている位置についての指摘が行われる。
グローバル化はインド、中国、トルコ、メキシコなど「新興諸国」での人口の都市への集中と工業的・経済的発展を加速した。もう一つの顕著な特徴は、製造業と比較してサービス部門が相対的に成長したことである。それは、以前は「専門的」と考えられていた教育や医療のような多くの仕事のプロレタリア化を伴い、ますます強まる労働強化、賃金凍結・民営化の中で、こうした層が労働争議に参加する必然性をもたらしている。しかしこれらの国々では過半数の労働者が不安定雇用であり、その割合は増加している。
「顕著な都市化、および社会機構の破壊と同時進行する農村人口の少数派への転落は、……明らかに生活条件の悪化を招いている」。
他方「古い工業国」では、第二次大戦後の「高度成長」に伴う「社会的妥協」と「福祉国家」の発展は、もはや過去のものになってしまった。「自動車産業は東方(東欧、トルコ、イラン、パキスタン、インド、中国)に移り、「新たな工業発展地域では、二〇世紀における社会的妥協はもはや支配的ではない。古い工業国では、新自由主義的緊縮政策がすでに広範囲にこれらの妥協に挑戦している。その上、特に移民労働者は半奴隷状態に置かれており、地下企業は法的規制を免れている」。「世界の労働者の半数近くが、極端な不安定さのもとで、賃金労働の外側で生活している」「これらの展開は、資本家が最長労働時間と雇用者数を日々の必要に応じて変える柔軟さと能力を増大させている。これによって、無数の下請け業者を用いることで可能な限りコストを削減する生産・分配チェーンの流通管理組織が生まれている」。
債務危機は公的債務、家計債務をふくめて「南」の諸国から先進資本主義諸国にシフトした。
「これらすべての変化は、集団的組織を持続させ、企業内で集団的抵抗を構築する能力を弱体化させている。同時にそれは、反撃の必要性と自己組織化の原動力を組織化している。これにより、孤立した臨時雇用の労働者を労働現場の枠を超えて再結集させることのできる地方の社会組織の発展も必要とされている」。
こうして先進資本主義諸国(とりわけ西欧諸国)の相対的に強力だった労働組合運動の基盤が、全体として大きく崩されてきたことが示されている。

グローバル化が
もたらした現実
農民に対する攻撃は、資本主義的グローバル化の中でさらに深刻化している。農業は依然として労働力人口の四〇%、一三億人を雇用している。「農民は食糧システム、環境バランスの将来という問題にとどまらぬ脅威」に直面している。農民が直面している問題は、土地強奪、食糧生産を犠牲にした輸出依存型単一栽培、天然資源への圧力であり、それは「投資家や投機家に加えて、政府・地方政府との共謀のもとで、地方や国家のエリート、国境を越えるエリートによって企てられている世界的な現象」なのである。土地強奪の原動力となっているのは「銀行や年金基金、その他の投資ファンドなどの金融機関だ」。
「資本のグローバル化は、著しいまでの住民移動を引きおこしている。国境を越える住民移動は全世界で二億五〇〇〇万人に達し、国内移民は七億五〇〇〇万人に上る」。
「こうした加速化する移民は、明らかに重要な政治的問題であり、進行中の社会的現象である。工業国にはそこに行きたいという人々を迎え入れる完全な能力があるが、こうした移民はアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、南アフリカを含む多くの国々において、ゼノフォビック(外国人排斥)キャンペーンの標的となっている。労働運動にとっての二重の課題は、この外国人嫌悪と闘うとともに、これらの移民労働者を受け入れ組織するのを援助することである。彼らは多くの古い国々で労働者階級を強化するからだ」。
われわれもまた「移住労働者」の課題を、副次的課題としてではなく、日本における労働者階級の組織化に関わる中心的テーマとして取り組まなければならない。        (K)
(つづく)


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