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    かけはし2018年6月25日号

形式ではない共同闘争つくりたい


起亜車非正規職支会組職室長に聞く

財閥企業での非正規労働者の闘いどう貫くか


 最近、韓進(ハンジン)グループオーナー一家のパワハラ事態と三星(サムスン)グループの系列会社の労組破壊工作によって財閥改革を要求する声が再び高まっている。しかし、財閥のパワハラ行動と労組破壊問題において言えば最大の現代起亜車財閥は、これまでこれといった処罰も受けていない。
 これに現代自動車と起亜自動車の非正規労働者たちは、「現代・起亜車の非正規職支会共同闘争委員会」(以下「共同闘争委員会」)を結成し、現代起亜(ヒョンデ・ギア)車財閥に対抗した集中闘争を宣言した。共同闘争委員会で団結している起亜車のキムナムギュ非正規職支会組職室長に「変革政治」が会った。

――こんにちは。 まず、起亜車の非正規職支会をはじめとする現代…起亜車6つの非正規職労組が共同闘争に乗り出した背景について説明をお願いします。

 最近急に作られたわけではないです。昨年、一昨年から現代・起亜車6つの工場――現代自動車全州・峨山(アサン)・蔚山(ウルサン)、全州(チョンジュ)工場、起亜車光州(クァンジュ)、所下里(ソハリ)、華城(ファソン)工場――の同志たちとよく会って一緒にできる共同の目標や闘争計画について事前共有する場を徐々に持ってきました。
この過程の中で、「現代・起亜車の非正規職支会共同闘争委員会」という具体的な形にするのに2年ほどの時間が必要だったようです。不法派遣問題に限定して見ると、現場で内部の動力だけで闘っていくことに一定の限界に直面したのも事実です。
また、不法派遣問題が単に大工場1次下請、非正規職が「個別的な正規職になる」運動を超えていなかった状況について私たちなりの悩みと省察もありました。このような悩みを経て、現場の非正規職の当事者だけでなく、健康な正社員の活動家たちが一緒にできる共同の議題を通じて、散らばった現場の動力と要求を集めていかなければならないという判断がありました。
そのため不法派遣の正規職への転換をはじめ、不法経営承継、元請業者と下請不公正取引、労組破壊問題などについて声を出し、社会的に知らせするための共同の活動が必要だという共感も徐々に熟するようになったと思います。

パワハラの社会問題化も好機に


――共同闘争委員会はこの5月11日、ソウル漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の鄭夢九(チョン・モング)会長の自宅周辺で、鄭夢九(チョン・モング)一家のパワハラを終わらせようと集中闘争を宣布しました。共同闘争委員会が現代車グループ会長の拘束と退陣を要求する理由についてより詳しい話を聞きたいです。

 ご存知のように現代起亜車グループの不法派遣問題は今日明日のことではありません。すでに2004年に雇用労働部が現代自動車の社内下請けは不法派遣と判定し、その後も同じ趣旨の最高裁の判決が2度もありました。
それでも、鄭夢九(チョン・モング)会長は、不法派遣の犯罪に対して断罪を受けず、裁判所の判決による不法派遣の正規職転換もきちんと履行していないのです。実際に会社は不法派遣の工程の非正規職労働者について、一部だけを選別採用する方式を行っています。
それも不法派遣の証拠を消すために正規職と非正規職の工程を分離する方法で目隠しをして、選別採用の場合にも苦労した非正規職に対し、会社が恩恵を施すかのように進めているじゃないですか。
こんなに会社の懐柔や脅迫、そして、正規職労組の圧力に耐えられなくて不法派遣の訴訟を取り下げ、会社と正規職労組が合意した新規採用形態のあらゆる特別採用に応じた非正規労働者たちは結局、個別的な「身分上昇」の道に入っています。
問題は、このようにして正規職となった労働者たちは、既存の人生、今までの運動とも断絶してしまうというのです。それで、不法派遣問題のみに限定することだけでは限界が明らかだと判断し、その自分が正規雇用であれ、非正規職であれ、現代・起亜車、財閥が犯してきた、あらゆる不法とパワハラ行動についてみんなで抗議して闘争することができる凝集力を作って行く問題意識が何よりも大きかったです。

――おっしゃるとおり、現代・起亜車財閥の不法とパワハラ行動は十数年間続けられてきました。最近はチョ・ヒョンミンの水ぶっかけパワハラが社会的な怒りを買ったりしました。大韓航空をはじめ韓進(ハンジン)グループ系列会社の労働者たちも、今回の問題を契機としてオーナー一家の退陣運動に乗り出し始めたんです。違っているようで似た格好である現代起亜車や韓進(ハンジン)の状況についても話をするのが多いようです。

 事実「財閥パワハラ」という用語をめぐって私たちの内部で論争も何度かありました。私たちが「現代起亜車財閥4大パワハラ」とスローガンを掲げましたが、「パワハラという表現はしてはならない」と主張している同志たちが少なくなかったんです。
正確には不法で、労組破壊犯罪だが、パワハラという表現は俗っぽい言葉で大衆に通用する表現だから、これといった問題意識を持たずに無条件についているのではないかという提起だったです。
ところで、私たちが直接市民宣伝戦をしてみたら、パワハラと言う用語が実際にも反応がもっとよかったですよ。どうしても現場の労働者たちが社会的雰囲気とか世論をよく読めない傾向があるでしょう(笑い)。だが、水ぶっかけたパワハラの行動が大きく取りざたされて検察捜査までに至るようになった状況が依然として理解がうまくいかない側面も正直に言ってあります。
なぜなら、裁判所で判決が出た不法派遣問題とか、非正規労働者たちが高空籠城をして、焼身もあり、ひいては死にいたるようにまでした労組破壊問題は、いざマスコミのスポットライトも浴びることのできなかったまま簡単に忘れられたからです。とにかく、自分の不法を隠蔽するため、現代起亜車財閥が犯した物理的暴力の強度は大衆が信じがたいほどとてつもないじゃないですか。
このような暴力を厳しく罰することももちろん大切なことで、今でも大衆が水ぶっかけたパワハラの行動のような暴力をこれ以上容認しない雰囲気が形成されたことも、やはり肯定的な現象だと思います。それでもこの程度の進展が可能だった理由は、この前の農民ろうそく闘争の影響ではないでしょうか。
それで今まで、現代・起亜車の救社隊や用役やくざの暴力に対抗し、ギリギリで戦ってきた同志らも最近、社会的雰囲気を気分よく見てもっと力を出さなければならないと考えています。

共同闘争抑圧に働く組織統合も


――起亜車のように現場の状況はどうか知りたいです。特に、去年1社1労組分離の事態を経験して以来で、正規職との共同闘争は、様々な面で容易ではないそうですね。

 一応正規職との共同闘争と言えば、中でも完全に正反対に評価がわかれます。過去2008年度にあった組織統合過程についても一方では非正規職支会が事実上強制解散されたという評価がある一方、他方では起亜車支部の1社1労組の統合が労働組合運動の発展的な成果だったという評価もあったんですよ。両者のうち後者の立場を取っている人はこんな風に話します。
1社1労組の統合後に正規職労組は支部と支会があり、非正規職労組は(社内下請)分会としているが、分会が争議対委の手続きを始めとする労働組合の組職秩序や意思決定構造に違反し、1社1労組が壊れたのだと批判します。そしてその被害はそのまま非正規職と正規職労働者たちが背負うことになったと言います。
私は、両者間の立場のうち前者に属する者です。率直に言いますとこの10年間、1社1労組体制の下で正規職との連帯が実際に存在したのかについては多くの疑念を持っています。事実、非正規職の組合員の立場で最も不安なのが、まさに雇用の問題ですが、すでに2005〜2006年に非正規職支会の自主的な闘争と賃金団体交渉過程を経て全組合員に対する雇用保障確約書と団体協約を勝ち取ったことがあったんですよ。
ところが、組職統合以降このような闘争の成果が正規職労組の傘の下になり、「非正規職はいつでも切られことがありうるが、正規職がそれを食い止めている」というふうに事実関係の歪曲が過去10年間行われてきたのです。
そしてこのような論理の延長線上で「君(非正規職)らが解雇されないように私たちが保護してあげるから、これで独自の行動や要求は絶対にしてはならない」と闘争性を奪ったのもまた、この10年の1社1労組の歴史の中で反復的に起きたようです。
そのために、1者1労組状況で共同闘争というのは実際に存在しなかったと見るのが正しいようです。最近、1社1労組が解消された後では従来の非正規職の労働者の闘争を一緒にした正規職個別活動家や一部の現場組織を通じてすでに申し上げました非正規職支会らの闘争の要求を共有している過程です。
来週(6月初め)にもこれと関連した現場討論会が開かれる予定ですが、このようなやり方で、非正規職の当事者たちが積極的に正規職労働者に先に近付いて共同戦線を用意するための試みをしている状況です。

正規職と非正規職の競争助長する資本に対抗しなければ…

――最近韓国ジエム構造調整が猛烈に推進され、自動車産業全般に構造調整の圧力が激しくなっています。その過程で、非正規職問題はよく現われていないのですが、これについてはどうお考えですか?

 結論から簡単に話しますと、結局、非正規職労働者たちがどれくらい持ち堪えて闘争するかによって状況は変わりかねないと思います。起亜車支部1社1労組分離総会で正規職組合員たちが80%近く組織の分離に賛成した理由は、自分たちの雇用が不安になった場合、非正規職も同組合員なら事態がさらに複雑化しかねないという心理が作用したためだと思います。
実際、このような認識はかなり固定化されていて、正規職労働者多数が非正規職を自分の雇用のための「エアバッグ」だと考えているんですよ。韓国ジエムのように「構造調整」という事故が入ってきたら、エアバッグの役割をする非正規職2千人が先に出てくれなければならないのに、非正規職がエアバッグの役割を拒否して同乗者になろうとした瞬間、生き残るために互いに競争しなければなりませんから。
ところで、この問題は単純に討論や意識的な教育プログラムを配置するとして解決される性質の問題ではないと思います。重要なことは正規職との共同闘争という美名のもとに非正規職の運命が正規職労組の決定に左右されることこそ、最悪ではないかと思います。
われわれの問題を力のある正規職労組に追従する委託ではなく、今はたとえ小さくてたいしたことなく感じられるだろうが、一緒に団結して戦ってみようということに同意する正規職、非正規職労働者たちが、集まって闘争を作って行くのが必要だと思います。
「変革政治66号」社会変革労働者党

教員2万2千人が宣言

最高裁と大統領の取引ノー

 全教組法外労組、KTXの乗務員などの事案に対する最高裁の判決が朴槿恵(パク・クネ)大統領府と梁承泰(ヤン・スンテ)最高裁との政治的な取引だったという事実を確認した教師2万2000人あまりが「でたらめな裁判結果が無効化され、司法積弊勢力に応分の処罰が下される時、初めて司法正義は正すことができる」と宣言した。
 全国教職員労働組合(全教組)は司法壟断が確認されて13日目の6月7日午前、最高裁判所東門前でこのような内容を盛り込んだ教師宣言を発表した。全国の幼稚園、小・中・高校で参加した2万2016人の教師らが出した初めての声は「悲惨な気持ち」だった。
教師たちは「権力と資本の口に合うように重要な判決を操作することで、民主主義の破壊と労組弾圧を法の名で正当化させようとした司法部の素顔を見ながら、司法部独立と三権分立について教えてきた韓国の教師として私たち教師は悲惨な気持ちを禁じ得ない」と言った。学校で子供たちに教えた教科書の内容が現実では揺れていたという事実に対する気持ちだった。
 教師たちは「大韓民国の司法権力は法典の代わりに手帳を、秤の代わりにそろばんを持っていたのだ」と言い、「憲政を蹂躙した判決が正されない限り、裁判所に正義の審判を依頼できないだろう」と言った。
 教師宣言に参加したチェジョンジェ全教組・全南支部事務処長は「梁承泰(ヤン・スンテ)元最高裁判所長官は、殺人幇助罪を適用しなければならない。政治的取引の判決でKTXの乗務員と双龍(サンヨン)自動車労働者たちが死んだ。殺人罪もある。労働者らにとって生命のような団結権も勝手に奪った。歴史と国民に対し処罰を受けなければならない」と強調した。
そして、教師たちは「人的清算と司法壟断被害の復旧」を要求した。教師たちは「法をろう絡した裁判官たちは、法の審判を受けるべきだ」、「梁承泰元最高裁判所長と司法壟断の賦役勢力を拘束捜査して司法壟断全般について徹底的に調査することで、大々的な司法弊害の清算に乗り出すことだ」と促した。
 同時に、教師らは「司法壟断の被害者たちの名誉を回復して被害を補償する特別な措置がなければならない」と言い▲司法壟断被害救済特別法制定▲持続される被害について法制定前の緊急措置の実施などを提案した。
 特に、教師たちは「全教組の法外労組化取り消し」を要求した。教師たちは「朴槿恵に司法部の独立を譲渡した梁承泰最高裁判所は法外労組関連の裁判を政治的取り引きの対象とした。『不当取引』で権力に引き渡された法外労組の判決は、金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長が言及した『長いプロセス』の一つだった」と批判した。
 教師たちは「もうこれ以上はダメだ。 全教組の法外労組化を直ちに取り消さなければならない」と文在寅(ムン・ジェイン)政府に促した。
 最後に教師らは「じっとしていない」と言った。「偽りを教えられない韓国の教師らは大韓民国の腐敗の現実に目を閉じて『民主共和国』賛歌を暗唱しないだろう」とし、「民主主義の完成のため、学生たちとともに肩を組んで堂々とした民主市民として乗り出すだろう」と約束した。
 今回の教師宣言はこの1日から5日間組織されたが、週末を除けば、事実上3日間で集まったのだ。パク・オクジュ全教組首席副委員長は「短い期間に2万を超える教師らが出席したという事実は朴槿恵大統領府と裁判を取引した梁承泰司法部の憲政蹂躙と司法壟断に対する現場の教師らの憤りがどれほど大きいかを示している」と説明した。
 全教組は今回司法壟断の事態について、市・道支部が裁判所の前1人デモを繰り広げており、同日、全国教職員労働組合の労組専従者の大統領府行進と6月18日から中央執行委員座り込みなどを進めるという計画だ。(「労働と世界」より)

朝鮮半島通信

▲トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は6月12日、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで会談した。米朝首脳による会談は史上初。
▲韓国で6月13日、統一地方選の投開票が行われた。革新系の与党「共に民主党」の候補が、17カ所の広域自治体のうち14カ所を抑えて勝利した。ソウル市長選でも、現職の朴元淳候補が大差で当選。隣接する京畿道や仁川とあわせて、首都圏の首長を革新系の候補が占めた。
▲ロシアのプーチン大統領は6月14日、朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と会談し、金正恩朝鮮労働党委員長に9月にロシアを訪問するよう招待した。金永南氏は金正恩氏からの書簡をプーチン氏に手渡した。
▲韓国の朴槿恵前大統領在任中に国家情報院の特殊活動費を青瓦台に上納したとして、特定犯罪加重処罰法上の国庫損失や贈賄などの罪に問われた元院長3人に対する判決公判が6月15日、ソウル中央地裁であった。地裁は南在俊氏に懲役3年、李丙ギ氏に懲役3年6カ月、李炳浩氏に懲役3年6カ月と資格停止2年の判決をそれぞれ言い渡した。


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