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    かけはし2018年7月16日号

リニア新幹線は本当に必要なのか?


6.26

名古屋まで40分? それでいいの?

環境破壊・ムダな公共事業にNO!

ビビール・ビエンプロジェクト第1回セミナー


他者との共生
自然との調和
 六月二六日午後六時半から、東京ウィメンズプラザで、「名古屋まで 40 分で行ける?? リニア新幹線って、本当に必要!?」と題するビビール・ビエン・プロジェクト第一回セミナーが開かれた。
 最初に司会者と秋本陽子さんが「ビビール・ビエン」について説明した。
 「ビビール・ビエンとはスペイン語で“よく生きる”の意味。アンデス先住民の伝統的概念から生まれた一つの考え方で、他者との共生、自然との調和、総体(命あるものないものを含めてこの世にあるものすべて)として豊かさの追求、多様な極の中で生きることを学ぶ、など。今世紀初めに生まれたばかりの、そしていまだ構築途中のこの考え方がいま、競争による成長を是とする今の資本主義社会の中でもう一つの生き方、もう一つの社会の在り方を模索する人々にとっての一つの指針として注目を集め始めている」。
 「私たちは、このビビール・ビエンの考え方を日本社会が抱える様々な実際の問題にあてはめることによってもう一度その問題をとらえなおしてみようという試みを始めた。名付けて、ビビール・ビエン・プロジェクト。私たちの社会の現実を映し出す鏡と言ってもよいこのリニア問題を取り上げた」。

次々に明らか
となる問題点
次に、懸樋哲夫さん(リニア・市民ネット東京)がリニア中央新幹線の全般の問題点を明らかにした。
@電磁場:床上で六〇〇〜四〇〇〇マイクロテスラという強力な電磁波問題Aエネルギー:新幹線の三〜五倍、電力は原発数基分B自然環境破壊:南アルプスにトンネルを掘る問題。沿線に直径三〇mの竪穴を五〜一〇キロに一つずつ掘る。そこから出る残土問題。南アルプスは一年間に四〜五o隆起して山が崩れている。リニアはミリ単位の精度が必要であり、ずれると危ない。C技術的諸問題:超高速のリスク、運転手なしの遠隔操作位置情報、事故の際の救出困難。D財源:建設費九・〇五兆円。大幅赤字必至。財投で三兆円を投入。E都市部の「大深度地下法」の適用問題。
続いて、春日直樹さん(リニア市民ネット・大阪、事業取消訴訟原告団)が「二〇一六年五月に大阪延伸について、最大八年前倒しと資金援助を安倍総理が表明し、七月に資金融資を閣議決定した。財政投融資を活用して三兆円の巨額を融資する。しかし、名古屋・大阪間は中間駅もルートが未定。そして、昨年一二月、大手ゼネコン四社による不正受注と談合が明らかになった。工事ストップが筋だ。さらに、関西でも都市部の工事に大深度法が適用され、地権者や住民が無視される」と問題点を明らかにし、「問題あるリニア新幹線に対して、二〇一六年五月に国が認可したリニア事業計画の取り下げを求めて訴訟を起こし、口頭弁論が東京地裁で行われている。サポートしてほしい」と訴えた。
佐久間章孔さん(リニアを考える静岡市民)が、リニア新幹線が通る静岡県の動きについて報告した。
「静岡県・静岡市、大井川用水を使っている団体と合意が出来ず工事は未着工だった。しかし、六月二〇日静岡市とJR東海がリニア中央新幹線南アルプス工事の工事車両通行ルートについて、同社が市の求めに応じて同市葵区の県道三ツ峰落合線にトンネルを整備し、工事費用も全額負担することで合意した、と発表した」、これに対して県知事は「水問題を理解していない」と市長発言の撤回を求めている。県と利水者団体は「トンネル工事で発生する湧水の全量を恒久的かつ確実に大井川に戻すこと」をJR東海に求めている。これができないと、井川・畑薙第一ダムの貯水量の減少により、節水対策が日常化し、深刻化し市民生活、地域産業に大きな影響を与えるからだ。一方JR東海は「河川流量の減少分を戻す」としているが、「河川流量をリアルタイムに正確に計測することは困難であり、トンネル工事に起因する河川流量の減少量を特定することは不可能」と県側は主張している。

住民に破綻の
ツケを回すな
リニア中央新幹線の出発駅は品川であり、大田区の地下をトンネルで通過する大田区議会議員の奈須りえさんが大深度法について、その問題点を明らかにした。「大深度法は地主の許可が必要でなく、工事ができてしまう。通常の工事の場合は損失を予測して賠償をするが、大深度法が適用された場合、損失が起きた場合事後補償すればよいことになっている。大田区の洗足池の所に立坑の非常口が作られる。この工事によって水が抜けたらどうするか。工事との因果関係を証明するのが難しい。JRは民間企業なので公益性はあっても公共性としての縛りが弱い。結局、大企業がもうけるためのリニア新幹線だ」。
この後、質疑応答があった。@JR東海は、リニア新幹線は初めから赤字であることが分かっていると公言しているのになぜやっているのか。答え:工事がそこまで進んでいないのに、すでに三兆円の財投が投入されているので、そのカネを運用し利益が上げられる。さらに、交通会社は損をしないように、運賃の値上げができるようになっている。これは原発と同じで電気料金に原発建設費などを上乗せできる仕組みになっている。Aドイツでリニアの事故があった。ドイツが中国にリニア新幹線を売り込み、開通しているがどうなっているのか。答え:ドイツでは事故後、リニア新幹線は止めている。中国でも一〇分間ぐらい動くリニア新幹線を開通させたが今は運航していないようだ。
環境破壊とムダな巨大事業のツケを住民に押しつけるリニア中央新幹線の問題点を分かりやすく明らかにしたセミナーであった。(M)

7.2

辺野古実が月例防衛省行動

砂浜もつぶされ死の海に

土砂投入・埋め立てをやめろ

 七月二日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員委呼びかけによる月例の防衛省申し入れ行動が行われた。
 一カ月以内に辺野古での座り込みに参加した仲間たちによるリレートークから始められた。
 三鷹の平田一郎さん。「六月二四日から三〇日まで辺野古へ。千メートルまで延ばされた埋め立て用の護岸。三〇メートルの幅が開いているのみだ。深さ四メートル、温度も三〇〜四〇度、砂浜がつぶされ、死の海になっている。産卵に来た海亀が見られたが砂浜で産卵できない。六月二五日、カヌー六八艇、抗議船九隻の一七〇人が海上で一日四回以上抗議した」。
 Stop! 辺野古埋め立てキャンペーンの加藤さんは「六月二三日〜二七日まで辺野古で闘った。六月二五日カヌーの集中抗議の日。最初は工事が止められたが今回は止められない。海に石を入れ、コンクリートブロックで止めて、根固めに袋剤を入れている。海亀など五四〇〇種の生物がいるのに殺されている。抗議行動を行ったがゲートから四〇〇台のトラックが入った」と辺野古での行動の報告をし、続けて「埋め立て工事を行っている大成建設の株主総会に、朝八時から一〇時まで二〇数人で抗議した。株主にはなぜ抗議しているのか伝わっただろう」と今後も抗議を続けることを明らかにした。
 中部地区労働者交流会の小野さんは「六月二五日、四〇人で抗議、ダンプ四〇〇台、二六日も四〇〇台が入り、立ちはだかった仲間が一人不当に逮捕され、抗議の座り込みをした仲間たちが長時間拘束された。二八日、炎天下で一〇〇人、ダンプを止めたが一人逮捕された。二九日、一〇〇人で抗議した。カヌー隊にも参加し、海亀を見た」と報告した。さらに「キャンプ・シュワブゲート前で座り込みをやっているが、そのすぐ後ろの基地内で、米兵による射撃訓練が行われている。少し離れると音も聞こえる。その弾が基地から飛び出し民家のガラスが割られる事件が起きている。名護市議会が抗議し、一時的に訓練を中止した。最前線基地だということが分かる」と指摘した。

「本土」の責任を
自覚し連帯を!
嘉手納出身の沖縄の仲間は、「嘉手納基地前での毎週抗議行動は一〇〇回を超えた。私が住んでいたころ、学校の授業が中止させられる程のひどい騒音だった。基地撤去の運動は世界の平和運動につながっている」と語った。
キリスト者ネットは「体が丈夫でないので、沖縄には行けないが沖縄の闘いと連帯し、声をあげたい。戦争反対、基地を絶対になくせ。本土の責任は重い」と話した。
うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会とジュゴン保護キャンペーンセンターが防衛省への申し入れを行った。
最後に、今後の行動予定を確認して、ここに座り込めを歌いながら、座り込みのウエーブを行った。(M)

 今後の予定。7月10日、オスプレイ配備抗議防衛省への抗議・申し入れデモ。7月25日、八月土砂投入阻止集会、26日、防衛省・環境庁への申し入れ。8月11日、県民大会に連帯し、首都圏でも連帯行動。翁長知事が「埋め立て承認の撤回表明」をした場合、翌日、首相官邸前で午後4時から座り込み、6時半から集会。8月5日、月例防衛省申し入れ行動。

コラム

ゴミ問題と人間のあり方

 都心で日中三三℃の猛暑が続いている。「暑いですね」これが朝のあいさつ。いつも燃えないゴミを集めに来ている業者はこの言葉に続き「最近ゴミが多いですね。ここだけでなく他でもそうです。景気がよくなっているんですかね?」「そういう、実感ないですけど。それにしても毎日毎日たくさんのゴミが出るものですね」「その通り。何とかならないですかね」。
 アメリカのシアトル市でプラスチック製のストローを禁止することを罰則付きで決めたとの報道が最近あったばかり。プラスチックゴミは分解されないので、太平洋をさまよい南洋の島に大量に打ち上げられている。深海汚染、魚が食べて死に至らしめるなど環境破壊を行っている。
 そして、中国が世界の六割の廃プラスチックを輸入して再生事業を行っていたが汚れを落とす過程で、川などを汚染するとして、中国政府が廃ペットボトルの輸入を全面禁止した。日本は九〇〇万トンのプラスチックゴミが溜まっており、廃プラ輸出の七割(100万トン)を中国へ輸出していた。困った日本は今後、タイやベトナムなどへ輸出先を探すという。環境汚染が別の国へ流れていく。日本の川に少なくとも四〇〇〇万本のペットボトルが捨てられているという。
 なぜ人間はこんなことを起こすのか。
 「第三のチンパンジー」(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫)によると、人間とチンパンジーの遺伝子的違いは一・六%。人間は猿と同じ祖先を持つが七〇〇万年前に枝分かれし、直立歩行と道具を使うことにより、人間として進化してきたと考えられてきた。
 原人からホモ・サピエンス(現代人)へと変化するきっかけは言葉を使えるようになったからだと著者は言う。そして、ホモ・サピエンスは、狩猟から農耕へと生活を変えることにより、定住生活を獲得し余剰生産物を作り出し、人間関係に支配・被支配の関係を作りだした。
 ホモ・サピエンスは他者を排除する傾向を強く持っていた。他者たる人間を大量に殺害する歴史を繰り返してきた。それは人間だけでなく、哺乳動物などにも同じことをし、絶滅させてきた。その究極のものが人間を何度も絶滅させることのできる核兵器の完成だ。そして、もう一つが地球温暖化など環境破壊を進め、地球の生命を絶滅させかねない状況を作り出している。
 この本で、南北アメリカ、オーストラリアなどへヨーロッパ人が侵入し、先住民族を絶滅、あるいはその寸前にまで追い込んだ歴史的事実。具体的事例を示しながら大型哺乳類が絶滅させられたことを明らかにしている。
 人間はものすごく身勝手で理不尽なことを平然と行うものであることを何度も何度も自覚すること、それをコントロールする人間社会を作っていかなければならないことを考えさらせれた。決して「人間の性善説」を前提にしてはならない。(滝)



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