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    かけはし2018年7月23日号

安倍自民党の悪政じわり


人口減7年連続が意味するもの

人を死に追いやり、労働強化継承

やめろ「働き方改革」

くどう ひろし

減りつづける出生率

 二〇一七年の出生数から死亡数を引いた自然減は、三九・四万人で、過去最大の減少幅だった。
 日本の総人口が一億二八〇八万人だった二〇〇八年をピークに、一一年以降は減り続けている。子どもが欲しいと考える夫婦からの希望をすべてかなえた場合の出生率(希望出生率)は、一・八になる(政府の推計)。実際の出生率がこの水準を大きく下回るのは、出産、育児と仕事を両立しにくい環境が影響しているとみられる。
 中でも人口の最大多数を占める賃金労働者の四割が非正規で、収入が子育ての負担にたえられない。
 出生率を地域別にみると、大都市圏ほど低い。東京都一・二一、大阪府一・三五、神奈川、千葉も一・三台前半にとどまる。大都市ほど核家族、夫婦共働きが多く、保育所に子どもを預けられないなど、仕事と育児の両立が難しい。企業は女性の結婚、出産を応援し、長時間労働を改め、健康に配慮すべきとの声がある。
 政府は「働き方改革」といいながら、EUで進んでいる育児や時間短縮の観点が欠け、周回おくれの労働強化だけが先行、人口、労働力の供給源になってきた地方、農村への幻想から抜け出ていない。

イギリスで話題

 二〇一五年サセックス大学で開かれたセミナーで、ロナルド・スケルドン名誉教授の言葉「日本の無策は特殊で回復不可能、政策決定者たちの近視眼的な対応が不思議だ」。日本の参加者は言葉を失った。(6・10「朝日」)
示されたのは日本の二〇五〇年の人口ピラミッドの予測。若者に比べて高齢者が異常に多く国が滅びる。そんな意味を込めて“棺おけ型”に表現された。
同日の「朝日新聞」は、「紀伊半島の峡谷にある過疎の村、奈良県上北山村に、五つ以上あった小中学校が統合され続け、今は一カ所だけ、全九学年で六人しか子どもがいない」、今年三月には「二〇四五年に村内に一四歳以下の子どもがいなくなる」との衝撃のニュースが伝えられた。
安倍首相は平然と「少子高齢化に歯止めをかけ、五〇年後も人口一億人を維持する」という。人口減、貧困を自然現象とでも思っているのだろうか。それとも貧困への不感症? 五年前、引きこもり一割の町が「クローズアップ現代」と新聞にとりあげられた。

秋田県藤里町で

 カギ印の調査記事をそのまま記そう。
「町の九割は山林原野、一部は白神山地として世界遺産となっている。二〇一二年二月時点で人口三八九二人、高齢化率三九・七%、同町の社会福祉協議会は二〇〇八年から一一年かけて三次にわたる引きこもりの実態調査をした。把握を目指したのは一八歳から五四歳までの現役世代、該当する二九三人のうち、二年以上定職に就いていないなど、一一三人(八・七四%)が引きこもりか、それに近い状態だと分かった」。(「朝日」2013年9月18日)
「昔と比べ、普通に生きることの幅がとても狭くなった。かつては学歴や特技がない大人にも仕事はあったし、それを一所懸命やることで胸を張って生きていけた。今は安定した仕事に就くことが難しく、空気が読めないだけで仲間外れにされかねない。社会のルールから一度外れると復帰するのがとても難しい。若い世代は普通でなくなってしまうことの恐怖を、日々感じつつ生きていると思います」(藤里町社会福祉協議会事務局長、菊地まゆみ)。
調査を通じて菊地さんは、引きこもりの原因をつきとめたり、悩みのカウンセリングでは、本人や家族が非難しあうこともあり、傷つくだけと気づく。働く場所がないために引きこもり、孤立無業に引きこもっている。
仕事の案内、研修を中心に案内状を出したら、五〇人以上が出席してくれた。その時のことを菊地さんは、ガツンと頭をなぐられた感じ、と言っている。センスのよさに頭がさがる。おかげで三〇数人が仕事につくことができた。TV、新聞にも取りあげられ、話題にもなった。地方に住む潜在失業者が、仕事につく難しさに気づいたところで、実情を統計でみよう。

地方の実勢をつかむ

 第一次産業全般を見なければならないが、とりあえず農業のあり様を大まかにつかんでおこう。
数字を確認すると、就業者が九〇年までに一一四万人、次の二〇〇〇年までに一〇四万人、二〇一〇年までに八六万人、三〇年間に三〇四万人減り、その後の五年間に一万人と減少に歯止めがかかった。
これをコメ農家を例にわかりやすく説明すると、平均的なコメ農家の水田保有面積は一町歩前後。基本的に家族労働で賄ってきた。それを耕作、田植、稲刈、脱穀、精米と農作業がすべて機械化された。
それらの農業機械が一式あれば数百町歩の農地を一戸の農家で耕せる。つまり古い村、集落は、機械化された一農家でまかなえる。
両親はまだ百姓やってるのか、と尋ねると、決まって返ってくるのは、もう老年で働いてない。その通りだが、従来の農業労働は機械に奪われたのである。従来の農村は姿を消しつつある。規模の大きくない農家の後継者は、大規模機械農家に委託耕作が一般的である。
山村や野菜、果樹などの分野も、機械化、電化が進んで、コメ農家と似た情況にある。オランダの農法が盛んに取り入れられ、工場農業、電化が一般化しつつある。
自民党の地方創生。言うはやさしく、皆目見当がつかないのでないか。現実はなりゆきまかせ、弱肉強食になっている。総務省調べで一九七〇年に過疎の認定をうけた市町村は全体の二三%、二〇一七年は四七%に増加。

岐路に立つ

 内閣府の調査で一五〜三九歳の引きこもりが推計五四万人、四〇歳以上は、池上正樹著『大人のひきこもり』から引用すれば、時期に若干のずれはあるが、推計百万人、合算すると推計一五四万人が、孤立無業をかこっている。
これを表の数字とかさねあわせ、一次産業の驚くべき変貌と人口減の対策には、賃金労働者の四割、二千数百万人を占める非正規雇用を正規に改め、当然女性の活躍できる社会、障害者も大切な労働力として参画できる労働のあり方、労働行政の模索が急務である。
口を開けば、あたりかまわずすぐれた人材を欲しがる口ぶりは、厳につつしむべきである。人材である以前に、人間なのだ!
中曽根元首相の国労つぶしや、企業に丸がかえされた電力総連のように、危険でも金もうけのために原発推進をよしとするのか、それとも労働組合を賃金労働者が健全に仕事をする上で欠かせない必要条件とみるのか、で意見がわかれる。労働組合を資本(企業)の敵としか見ないのでは、社会の健全な発展はない。安倍自民党は残念ながら後者である。北欧が労組の高い組織率をほこり、充実した社会保障を実現している姿を見習うべきである。
保育所、老健施設など社会保障の充実に関心をもたず、労働強化を旨とする働き方改悪だけを無理矢理おしつける安倍政権は、時代錯誤である。
二〇一七年“心の病”で労災認定された五〇六人は、過去最多、うち自殺や自殺未遂が九八人、脳・心臓疾患で過労死した人を含めると計一九〇人が亡くなった。(「朝日」7・7)
これだけ働く人間を死に追いやって、なおかつ労働強化を続ける政府を何んとよぶべきか!

コラム

七 〇 超

 五月末に叔母さんの家で約一年ぶりに体重計に乗ることになった。七一キロである。何度か乗り直してはみたが数字は正直であった。自己ベスト、生涯初の七〇キロ越えである。
 過酷な肉体労働をリタイヤして一一カ月、食事は相変わらずの一日二合飯。これといった運動もしていない。当然の結果だというしかない。それでもこの数字は私にとっては衝撃だったのだ。
 それで二カ月かけて五キロ減量する目標を立てた。闘いは六月の第二週から始まった。減量の論理はいたって簡単である。摂取するエネルギー以上に消費するエネルギーを増やせばいいのである。
 まずは摂取するエネルギーを減らす闘いだ。こんにゃくとところてんが最強の武器となる。こんにゃくは脱色していないもので一〇〇グラム五キロカロリー、寒天で作られているところてんは黒酢のカロリーを入れてもひとパック一一キロカロリーだ。夜中に小腹がすいたらところてんを食べる。インスタントラーメンならば四〇〇キロカロリーほどなので、その差はてき面である。二パック食べても二二キロカロリーである。
 こんにゃくはしらたま、糸こんにゃくが使いやすい。小麦で作られている麺の代用品としてだ。青のりなどで緑色に着色した「そうめんこんにゃく」なる食材も発見してしまった。おすすめはさっとゆでたしらたきをザルに取り、はさみを二度入れて短くカットしてから皿に盛り、そこにレトルトのカルボナーラを絞り乗せて粉チーズとコショウをサッと降りかけた料理だ。たまご成分がこんにゃくによく絡んで実に美味なのだ。
 米、小麦、イモ類などのでんぷん質は極力避けながらも、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどはしっかりと摂取しなければならない。野菜たっぷりのしゃぶしゃぶ、たまご料理、豆腐、納豆、枝豆、ヨーグルト、自作の漬物など。鶏の胸肉は安くて低脂肪なので重宝している。
 エネルギー消費のための闘いは、夜中の涼しくなった時間帯の早歩きでのウォーキングである。いまではいくつかのコースがあり、雨の日も傘を差しながら歩く。ウインドブレイカーを引っかけてたっぷりと汗をかく。四〜五キロ歩いてゴールは近所のスーパー。そこで汗を乾かしながら食材や寝酒を買うのである。
 残念ながら酒だけは減らせない。アルコール九%の酎ハイロング缶二缶で五三〇キロカロリー。これが毎日摂取する最大のカロリーで、私のエネルギー源になってしまっている。それでも最初の三週間で二キロ減量した。でばったお腹が少しは軽くなったようだ。  (星)
 

 


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