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    かけはし2018年7月30日号

人身保護理念すら空洞化


イスラエル

進行する権威主義化

市民を根拠なく恣意的に拘留

マディル・デンドウン

 

 パレスチナ系フランス人弁護士のサラー・ハモウリはイスラエルで、三〇〇日間恣意的に拘留されてきた。「われわれは、彼の刑期が終わる僅か前になっても、刑期の延長が依然心配な中、彼が釈放されるだろうとはまったく保証されていない。フランス国家が最終的に彼の解放を得るべきだ」、彼の支援委員会はこう主張する。
 サラー・ハモウリは、弁護士資格を得た三日後の二〇一七年八月二三日、エルサレムの彼の家でイスラエル軍により逮捕され、「裁判も起訴もないまま」イスラエルの法により無期限に更新可能だと規定された六ヵ月間、恣意的に行政拘留所にとどめられた。そして二月二八日、四カ月の更新が宣告された。
 サラー・ハモウリは公式には六月三〇日に釈放されることになっている。しかしパリ圏のフランス市民である彼の妻のエルサ・レフォートは、この刑期がさらに更新されるのでは、と恐れている。
 彼女は「五月二二日の『いわゆる中間尋問』に際して、イスラエルの判事は私の夫の刑期について三ヵ月延長という見通しを匂わせた」と悲しげに語った。
 エルサ・レフォートは今も心配し、「この勝手気ままは非道な仕組みだ。彼らは、証拠を示すこともなくものごとを決めつけ、際限なく刑期を加えることができる」と強く非難する。
 サラー・ハモウリがイスラエルの司法と向き合ったのはこれがはじめてではない。当時学生であった彼は、二〇〇五年から二〇一一年まで投獄された。
 サラー・ハモウリは軍事法廷によって、ラビ・オヴェディアを暗殺しようとしたと、またイスラエルからテロリストと見られていた一組織、パレスチナ民族解放戦線(PFLP)に加わっている、と宣告されたのだ。ハモウリによれば、それは間違った嫌疑だ。
 彼の刑期が終わる二、三カ月前、当時のフランス外相であったアラン・ジュペは結局、サラー・ハモウリに対する告発に実体はなかった、と認めた。(「インターナショナルビューポイント」二〇一八年六月号)


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