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    かけはし2018年8月6日号

政府防衛局は土砂投入を中止しろ


沖縄報告 7月29日

翁長知事が埋立承認撤回を表明(7月27日)

沖縄K・S

7.27

政府の姿勢は容認できない

今すぐ新基地建設撤回を

アジアの「架け橋」となる沖縄へ

 沖縄県の翁長知事は七月二七日午前、県議会で記者会見し、仲井真前知事が二〇一三年一二月に行った公約違反の「埋立承認」を撤回することを明らかにした。翁長知事は幾分痩せ、風邪のため声も少し枯れていたが、以前と変わらぬ強い眼光を放ちながら堂々と辺野古新基地をストップさせると述べた。会見場に設置されたマイクの数は一五本。メディアの関心の高さを示した。
翁長知事は会見の冒頭、県民投票条例を求める署名が七万七〇〇〇にのぼったことの重み、朝鮮半島の緊張緩和へ向けた動きが進んでいることの二点を挙げ、「二〇年以上も前に決定された辺野古新基地を見直すこともなく強引に推し進めようとする政府の姿勢は到底容認できるものではない」と述べた。翁長知事の記者会見の録画は琉球新報、沖縄タイムスのホームページ、七月二七日午前一〇時五二分(新報)、一〇時五五分(タイムス)で見ることができる。
そして知事は、埋立承認の撤回に向けて事業者である沖縄防衛局への聴聞の手続きに入るよう関係部局長に指示をしたとの報道資料を読み上げた。承認撤回の理由は@「環境保全及災害防止ニ付十分配慮」という基幹的な要件が充足されていない、A軟弱地盤による護岸倒壊の危険性、活断層の存在、航空機の安全な航行のための周辺建物の高さ制限違反、辺野古新基地の滑走路が短すぎるため普天間が返還されないこともあるとの稲田前防衛相発言など、承認後に明らかになった事実は「国土利用上適正且合理的」との要件も充足されていない、B埋立承認の効力を存続させることは公益に適合しない、ということだ。さらに、記者との質疑の中で翁長知事は、基地の島から脱してアジアの架け橋となる沖縄を展望し、次のように述べた。

記者会見での翁長知事の発言(抜粋)


「本当に傍若無人なこれまでの工事状況」。
「何が何でも沖縄に新基地を造る、その固い意思決定。とんでもない」。
「おかしくないでしょうか、みなさん。二〇年前に合意したんですよ、新辺野古基地。あの時の抑止力は北朝鮮や中国ですよね」。
「ワシントンDCへ三月に行った時には、ペリー元国防長官に、名前は全部挙げないが、大概の方々がこの辺野古新基地は北朝鮮の抑止力、尖閣の抑止力、そういうことで言われていたが、一番は北朝鮮だと。自分たちは沖縄でなくてもいいと言ったけど、日本政府が沖縄でなければいけないと言った。両院議員それぞれ三〇分ずつ話したが、一番の関心はお金は誰が払うのかだ。一兆円ぐらいかかるけど、日本政府が払いますよと。それだったら、日本政府の国内問題ということでいいんじゃないかというような形でやっている」。
「アジアの中での沖縄の役割、日本とアジアの架け橋、こういうところに沖縄の姿があるべきであって、いつまた切り捨てられるような沖縄であってはいけない」。
「今やっと沖縄が飛び立とうとしている時だから。それが十二分に可能な世の中になってきている。その中で、飛び立とうとしているものを、足を引っ張って、また、沖縄はまあまあ、振興策をもらって基地を預かったらいいですよ、などというのは、これから以降も起こるようだったら、沖縄の政治家としては、私はこれは……容認できない」。
「今の日本の米国への従属は、日本国憲法の上に日米地位協定があり、国会の上に日米合同委員会がある。この二つの中で、日本は米国に何も言えない状況がある」。
「アジアが大きく変わりつつある、アジアの経済は世界のどの地域よりも発展している。アジアは中国、米国とも安保条約を結んでいるところは、ベトナムにしろタイにしろありませんから、それぞれ距離をとりながら国際外交をしている。その意味からすると、司法も行政もなかなか日本国の現状からすると厳しいものがあるかもしれないが、そういう動きが必ず日本を揺り動かす。今の日本の動きではアジアから締め出されるのではないかというものを私は感じている。その辺のところは、撤回以外に何か代わる要素がありますか……」。

8・11県民大会に全県全国から総結集しよう!

 八月土砂投入に向けた県の行政と現場の運動が連携して、文字通り県民ぐるみの辺野古NO!の闘いの火ぶたが新たに切って落とされた。ラジオで翁長知事の記者会見の様子に聞き入っていた辺野古ゲート前や本部港塩川の現場では、歓呼の声がいっせいに上がった。沖縄を永久に軍事基地のくびきにつなぎとめておこうとする日本政府の国家権力に絶対に負けないぞ! 県民が団結すれば必ず勝利を手にすることができる! 翁長知事の承認撤回声明に鼓舞され、8・11県民大会を頂点とする一連の八月行動の取り組みが全県各地で進んでいる。8・4第一土曜日ゲート前集中行動、8・6〜10一週間連続行動、8・11県民大会に三万人以上結集、さらに土砂投入が通告された8・16〜18の三日間連続行動。全県全国から総結集し、土砂投入阻止、埋め立てストップの闘いのうねりで安倍政権を退陣に追い込もう!

7.27

県庁前緊急集会に300人

承認撤回断固支持!
翁長知事頑張れ!

 翁長知事の記者会見を受けて、一二時過ぎから県庁前広場で、オール沖縄会議主催による緊急集会が開かれ約三〇〇人が参加した。司会はオール沖縄会議事務局長の山本隆司さん(沖教組)。はじめに、翁長知事に対する激励と不法工事を進める日本政府防衛局に対する抗議のシュプレヒコールを行った。
高良鉄美琉大教授、赤嶺政賢衆院議員、糸数慶子参院議員に続き、県議会会派の「社民・社大・結連合」、会派「おきなわ」、会派「共産」の代表がそれぞれ翁長知事支持、埋め立て工事阻止の闘う決意を述べた。そのあと高里鈴代さんが立って手と手を取り合うガンバロー三唱をリードし、最後に「翁長知事を支え埋め立て承認撤回を支持する」との集会アピールを採択して幕を閉じた。三〇分という短時間の集まりだったが、新報、タイムスの号外が届けられ、県民一丸となって政府防衛局に対し闘うという機運の高まりを見せた集会だった。

7.27

本部港塩川で抗議

辺野古の海を埋める土砂を出すな!

 承認撤回声明が発表された七月二七日も早朝から、本部港の塩川地区で埋立に使う土砂の船積みが行われた。土砂を積んだダンプが次々と岸壁に到着し、第一三六伊勢丸に積み込んだ。確認できた運送会社は(資)北部運送、(名)国士運輸、(株)山栄興業、(有)桜運輸の四社。四社のダンプ一〇台がピストン運送で運び込んだ土砂は過去最大の二六三台分。
本部島ぐるみのメンバー一〇人近くが早朝から根気強い抗議行動を続けた。「辺野古埋め立て反対」ののぼりを立ててダンプの前や横で「辺野古の海をこわさないで」との訴えを粘り強く行った。九時前にはワンボックスのレンタカーに乗った防衛局の職員が大挙現われ、抗議行動の前に立ちふさがった。レンタカーの数は早朝からのものも合わせて一一台。五〇人前後の防衛局職員が工事現場のガードマンとして動員された。警察車両は大型バス、指揮車、トイレ車など六〜七台。県警はコンテナの上や指揮車の上など三カ所からビデオ撮影を行い続けた。
今後の土砂投入をめぐる闘いの舞台はひとつは搬出先の本部港塩川地区、もう一つは搬入先の辺野古埋め立て現場に通ずる海域ということになる。

7.25

辺野古ゲート前に100人

決してあきらめない!屈しない!

 七月二五日水曜日のゲート前座り込み行動は、工事用ゲート前のフェンスに立つガードマンの列とバリロードと呼ばれるポリタンクの間の狭い空間に座り込んで、沖縄今こそ立ち上がろうの歌を力強く歌ってスタートした。進行は平和市民連絡会の伊波義安さん。名護市議の大城敬人さんが辺野古周辺の建物の高さ制限違反、流弾事件を糾弾しながら「九月の市議選には新基地を止めるため一一期目の立候補を行う」と発言している最中、生コン車が到着し始めるとともに、ゲートの中から防衛局の職員がマイクで「まもなく工事車両が到着します。工事車両の通る道を立ちふさがないでください」などとしゃべり始めた。
ゴボー抜きが始まり歩道上の「臨時留置所」のオリに囲われた後、ゲートの周辺から資材搬入に対する抗議を続けた。ゲート前の歩道に設置されたスピーカーからは平和市民連絡会の城間さん、上間さんらがかわるがわるマイクをとり、「機動隊は帰れ」「基地建設に加担するな」「宝の海をこわすな」と訴えた。朝の搬入が終わるころ、国会の「牛歩戦術」さながら、全員がゲート前に集まり歩道上をゆっくりと横断した。資材搬入を終えゲート内で待機する空のダンプは動けない。警察機動隊の指揮者たちは慌てて「早く移動しなさい」「道交法違反で警告」などと大げさに騒ぎ立てるが、参加者は動ずることなくゆっくり行進を貫徹した。
そのあと、テント前の集会で、北部地区労の与那嶺さんは「翁長知事が承認撤回を行えば工事は止まる。安倍は権力を動員し工事を強行してくるだろうが、もっと取り組みを強化し対決しよう。この闘いは戦争を止める闘いだ。県民のいのちを守る闘いだ。八月連続行動を成功させよう。新基地建設は必ず阻止できるとの信念を持って闘い抜こう」と訴えた。
朝昼午後三回の合計搬入台数は四五一台。八月土砂投入に向けて日本政府防衛局は埋め立て工事の進行ペースを上げようと躍起になっている。

7.25

抗議船「うまんちゅ号」

K4現場で
工事中止を訴え


七月二五日、第一回目の資材搬入が終わった後、抗議船「うまんちゅ」に乗船して埋め立て工事現場に行った。現場では、埋め立て工事区域A―1のK4護岸は右と左からの護岸が捨石でつながった状態で、防衛局が被覆ブロックを並べる作業をしている。カヌーチームは海保の高速ゴムボートに追われながらも数艇がフロートを越えて作業現場に近づき必死の抗議行動を展開しているさ中だった。
この海域は昨年まだ護岸工事が始まっていないときカヌーに乗って何度も行ったところだ。干潮になると海水が腰やひざくらいのところまでしかない。海保との対峙の合間にカヌーから降りて海水につかり浅瀬の海の様子を見たことがある。目を凝らすと、生まれたばかりの色とりどりの小さな魚がたくさんいる。エビ、カニも多い。こういう浅瀬が海の生命をはぐくんでいるんだなということを実感するひと時だった。護岸で閉じられた海は生きた海でなくなる。護岸の中の様々な生物はすべて死に絶える運命だ。生物多様性の宝庫ともいえる辺野古・大浦湾を埋め立てて軍事基地を造ろうとする政治家や幹部官僚は辺野古の海のすばらしさを知らないし、知ろうともしないのだ。
「うまんちゅ号」の船長の仲本興真さんはマイクで「防衛局は不法な埋立て工事を止めなさい。海保は海をこわす手助けを止めて海を守りなさい」と力強く訴えた。参加メンバーも交代で「海保は海を守る本来の仕事をせよ。カヌーチーム頑張れ!」「沖縄県は七月一七日工事の即時中止の指示をした。防衛局は指示に従って工事を止めよ」「仕事上やむなくこの場にいる海保やガードマンのみなさんも来る県民投票では、新基地NO!を意思表示してほしい」などと呼びかけた。
カヌーチームのTさんはこの日の行動について次のように報告している。
「海は穏やか、凪状態、今日もN3?K4間の被覆ブロックを積む作業に対して抗議/阻止行動を行った。午前三回、午後二回フロートを越えた。午後二度目松田ぬ浜に送り返された時は午後三時半を過ぎていたが、現場を確認するため、ぶるーの船で牽引され現場に行くと被覆ブロックの作業は終了していた。私たちはフロートに集結し、ぶるーの船のスピーカーを使ってシュプレヒコールで抗議した」


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