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    かけはし2018年8月6日号

民主労総が確固として立たなければならない


完全な労働時間の短縮実現のために 組織労働運動の展望と課題

ハン・ジョンウ(忠清南道 社会変革党)



 去る2018年2月には延長労働時間を休日の特別勤務時間を含めて12時間以内に制約する内容の労働基準法が改正された。この改正案の施行は今年7月1日からだったが経総が雇用労働部に指導期間を要請し、政府も待っていたように取り締まりと処罰を6カ月まで猶予することに決定した。
 問題は、このような超過労働時間短縮をめぐる勤務形態の変更と賃金体系の再編に対する労働の政策と対応が準備されているかどうかだ。
 労働界内でも「労働時間の短縮による賃金損失及び事業場別または業種別経営環境や生産時間などの現実を考慮しなければならない」という現実論と「超過労働時間廃棄を通じた週40時間労働を実現しなければならない」という原則論で意見が分かれた。民主労総も現在まで現実論に重みを置いた立場を堅持してきており、民主労総傘下の各産別組織も似たような立場を取っている。
 これは、韓国労働が労働時間短縮をめぐる解決課題やイシューの獲得、対言論戦、個別事業場の交渉などでイニシアチブ(主導権)を経営者側と政府に完全に奪われる決定的な原因を提供しただけでなく、幹部と指導部に自信と確信を失わせる原因となっている。
 このような側面で超過労働時間の短縮と関連した労働界、特に民主労総内の議論の方向性と出発から間違いだったという点を指摘せざるを得ない。
 民主労総が現在まで超過労働時間の短縮と関連した改正勤労基準法の施行がすぐ鼻先に迫っているにもかかわらず、無論理で立場もなく、無対応、無要求の傍観者的立場に留まっているのも、このような理由ではないかと懸念と心配をぬぐえない。
 したがって、筆者は、政府が超過労働の限度に対する改正勤労基準法の取り締まりと処罰時期を延期した状況と局面を超過労働の短縮と関連した改正勤労基準法に対応して完全な週40時間労働を実現するための契機と準備期間としなければならないと思う。

民主労総と各産別組織の対応方針と具体的要求がなければならない

 労働時間短縮は労働・資本・政府間の利害関係が先鋭に対立する議題だ。 その争点と課題も法律分野を含め、各分野別で非常に多様で専門性が要求される。つまり、この議題は基本的に民主労総と各産別組織の中核的な政策課題として扱われなければならない事案であることを認識しなければならないということだ。
まず、労働時間短縮をめぐる情勢と状況認識と問題点を鮮明に導き出さなければならない。これをもとに、最低限政権と資本に対する対応方向と資本に対する要求基準、ただし事業所別の交渉過程でしてはならない合意(労働基準法上、弾力的労働ないし選択的勤労導入や裁量労働や休日、アルバイト労働などの合意の禁止)などの方針を作らなければならない。
各事業所別交渉過程で統一された要求基準がなかったため、組織された労働組合ですら、資本要求を基準として資本に振り回されたり、一部事業場では弾力的労働ないし選択的労働を前提にした勤務形態の変更議論が行われているからである。
また、民主労総と各産別組織が、傘下事業場別組織に一定水準の「介入力」を確保して一部事業場の弾力的・選択的勤労時間などの裁量労働の導入議論を中断させるためにも、労働時間の短縮と関連した対応方針と要求基準は必ず必要だからだ。
さらに労働時間短縮についての対応方針と要求基準を作成する過程で、労働界の現実論と原則論の間での意見の相違を解消するための政策調整能力が発揮されるべきだが、民主労総と各傘下の産別組織の方向と立場がなければ、意見収集や議論の過程でその方向を失って漂流する可能性が濃厚だからだ。
つまり、労働時間短縮に対する認識と中心を正さなければならないことも、民主労総と各産別組織の役割であることを忘れてはならないということだ。

労働時間短縮に対する核心的な要求及び対応の見通し


労働時間短縮の要求は大きく2つに要約できる。個々の労働者たちの週当たりの労働時間を40時間に合わせるための新規採用を前提にした勤務形態変更と賃金保全案を含めた毎月の生活賃金を固定的に確保できる賃金体系改編だ。
大韓民国の週当たり法定労働時間は40時間だ。 これはすでに2004年に労働基準法で導入された。ところが、現在メディアや政府はまるで法定週当たりの労働時間が52時間のように歪曲報道している、経営陣は、一歩進んで、守旧マスコミと経済紙を動員してまるで経済が亡びるような中傷謀略と地元の労働者の賃金損失などを大々的に宣伝している。
これは52時間がまるで一週間の法定労働時間であるかのように包装して労働の賃金補填要求を源泉的に遮断するという意図だ。
このような面で、我々は週当たりの労働時間は40時間であって資本と政府が話す超過労働時間を含めた52時間ではないという点を明確にしなければならない。
現在施行を控えている改正勤労基準法の内容はもともと、メイン40時間以外で週超過労働時間を12時間以内に制限していることを政府が28時間までできるようにした不法な行政解釈をようやく正常に戻したことに過ぎない。その週当たり12時間以内の超過労働も過半数以上の労働者たちで組織された労働組合がある場合、その労働組合の同意ないしは書面での合意がなければ、不可能だ。
これが改正勤労基準法で規定した内容だ。
これは労働時間短縮をめぐる週40時間労働の実現と生活賃金を保障するための賃金体系の再編で労働者、特に組織された労働者たちに与えられた最大の武器だ。
今急がれることは労働ではなく、資本だ。
今まで資本が政府の不法な行政解釈を掲げ、従来の超長時間労働・低賃金体系を維持できた防御膜が除去されることで、使用者が取り締まりと処罰を受けるしかない立場に追い込まれたためだ。
このような側面でどの時より週あたり40時間労働の実現を通じた雇用創出とともに、生活賃金を固定的に確保できる賃金体系で改編できる環境が造成され、その勝算も高くなったと思う。
労働時間短縮をめぐる内部の戦線から明確にすると、大韓民国の労働組合組織率が10%未満であることを考慮すると、民主労総と各産別組織が労働時間短縮をめぐる戦線で責任を負うしかない。
ところで未組織労働者の賃金と労働条件の保護に対する社会的な闘争はおろか組織された民主労総産業別組織、傘下事業場ですら対応戦線そのものが皆無の状況であり、むしろ資本が要求する方向に流れている。
まず、民主労総と各傘下の産別組織を中心に、傘下事業場の戦線から構築することが急務だと思う。もちろん、民主労総と産別組織中央で、傘下の全ての事業所をすべて統轄して介入することは事実上不可能だ。しかし、民主労総傘下の地域別、または業種別の代表事業場を指定して要求成案から妥結にいたるまで、すべての過程に中央、地域本部や支部が支会に結合する形で民主労総と各産別組織の教育、宣伝、政策の力量を代表事業場に集中することで、最低限、地域別、または業種別中心拠点と橋頭堡確保は可能だろう。
そうしてこそ、民主労総傘下の事業所に限ってはフレキシブル労働や裁量労働のような労働時間短縮に逆行する議論を中断させて完全な労働時間短縮の道に行かせられるだけでなく、未組織労働者を保護するための戦線に拡大して進むことができるためだ。

労働時間短縮をめぐる本質と議論の方向性を正しくしよう

 労働時間短縮で、現場の組合員たちの最も大きな懸念と心配は、超過労働時間が短縮されるだけに、賃金も減っているのではないかということだ。このような、現場の組合員たちの心配と懸念は、是非の問題ではなく、極めて自然な現象だ。
労働組合は、こうした組合員たちの賃金損失に対する憂慮と心配を組合員全体の要求で受けて抱えて資本に求めて貫徹させなければならない核心目標として考えればいい。しかし、問題はいつも議論の過程で「現実論」が台頭し、労働組合が追求するべき価値と本質がぼやけて議論の方向性は定まらない。これを正して中心を立てなければならない民主労総と産別組織中央もこれに便乗することは同じだ。
どうかこれ以上の組合員たちの憂慮と心配の後ろに隠れないようにしよう。民主労総と産別組織中央幹部、支部および支部幹部、活動家たちから、自信と確信を持とう。そして賃金損失のない完全な週40時間労働を獲得するため、組合員たちに一緒に闘おうと堂々と話そう。
労働組合闘争の歴史は労働時間短縮の歴史と言っても過言ではない。 週40時間労働を実現できる絶好の機会が与えられた。今私たちに最も必要なのは、もしかすると完全な労働時間短縮に対する展望と自信回復にあるのではないか、と考えてみる。
「変革政治68号」より

7.13

大統領府前 民主労総決起大会開かれる

最低賃金削減法の廃棄を

削減法の廃棄の署名15万7626筆署名提出


 民主労総が今闘っている最低賃金1万ウォン獲得の闘いは日本の働き方改革との闘いと全く同じ資本との闘いだ、パ―ト、非正規の圧倒的数の労働者を低賃金労働者として社会的に固定化する攻撃との闘いだ(「かけはし」編集部)。

 来年の最低賃金を決定する最低賃金委員会が民主労総の労働者委員と使用者委員が出席した状態で行われている中、民主労総は13日午後3時、大統領府の前で「最低賃金改悪法の廃棄」と「賃金の改悪阻止」に向けた決意大会を開催した。
 民主労総のキム・ミョンファン委員長は大会あいさつを通じて「今の状況が『しかし、』の連続だ。経済が悪いので、最低賃金を上げられない と言う。しかし、月157万ウォンで生きてみたのか。最低賃金法が国会通過したので仕方がないという。しかし、私たちはあきらめないで原状回復に向けて闘ってきた。12日、建設労働者が、13日金属労働者がゼネストに突入して、この決意を繋いでいる」、「今日明日、最低賃金委員会が終われば、すべて終わったと言っているけどしかし、最後の時まで終わりではない。 すべての労働者の団結権と、低賃金労働者の権利のためにわれわれの力で最後まで闘っていく」と話した。
 サービス連盟スーパー産業労組チョンスチャン副委員長は「最近、5大財閥の一つの文書を入手したが、積弊財閥でさえも今回の国会で最低賃金への算入範囲にボーナスだけが含まれると見ていたが、国会はさまざまな福利厚生費まで含めて就業規則特例を与えた」、「最低賃金1万ウォンは文在寅(ムン・ジェイン)大統領の約束だった。この約束を守らなければ、民衆たちと全面戦を行わなければならないのでスーパー労働者たちは先鋒で闘争する」と力強く語った。
 民主一般連盟ソウル一般労組ソウル公務職分会キムジョンウク分会長は「朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、公共部門の正規職転換を正しく行ったと言うが、ソウル市の公務職の職種を施設の整備、環境整備、施設の清掃など6つに包括的にまとめておいて、俸給をなくし業務の難易度に応じて差をおく職務給制で金を与える」と言い「施設掃除、案内、警備などの労働者の給料が157万ウォンだがどう生きていけというのか。最低賃金法が可決されれば、皆が死ぬ。 最低賃金削減法闘争に一番先に先立って闘争する」と決意を明らかにした。
 民主労総の忠清北道(チュンチョンブクド)地域本部チョジョンヒョン本部長は「文在寅大統領は『労働尊重』と話しているが、一生低賃金職種を作り、最低賃金削減法で与えたものを奪って、全教組は法外労組問題で野宿闘争している。双龍(サンヨン)自動車労働者は30番目の遺影の前で、血の涙を流しているのに何が労働尊重なのか」、「梁承泰(ヤン・スンテ)、最高裁の司法積弊と司法殺人、元世勲(ウォン・セフン)国情院の労組破壊などが含まれているが、文在寅政府が、卑怯に避けて行くのは大統領としての資格がない」と皮肉った。
 最低賃金委員会の外で闘っている民主労総の労働者委員たちは「民主労総は最低賃金委員会に復帰して努力を尽くさなければならないという要求と労働界の役割がさらに大きいということをよく知っているが何の担保もなしに最低賃金委員会に復帰することは、低賃金労働者たちのお膳をひっくり返して茶碗を奪った悪法をそのまま認めること」だとし、「キム・ドンヨン経済副首相が最低賃金決定期限を目前にして『最低賃金の引き上げを抑制しなければならない』と立場を明らかにしたのは最低賃金委員会の独立性を毀損し、政府が最低賃金引き上げの抑制、ガイドライン設定を宣言したことに変わりない」と主張した。
 一方、民主労総決起大会参加者らは、大会の最後に「最低賃金削減法の廃棄」要求を盛り込んだ国民署名用紙65箱分(15万7626人)を阻止した警察たちの前に貯めて、「大統領府が直接回収して行け」というパフォーマンスを行った。(「労働と世界」より)


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