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    かけはし2018年9月24日号

タブーの隙をくぐって社会主義運動を


社会主義運動の大衆化の可能性と実践課題

キム・テヨン代表

 ろうそく革命で、朴槿恵(パク・クネ)という積弊にまみれた保守政府を倒した韓国社会で社会主義を、危機を深める資本主義の対案として社会変革労働者党が提起する。安倍政権の改憲、戦争国家化=資本主義国家との闘いにとって、オルタナティブとしての社会主義社会を構想する必要があるのではないか。これは今ある様々な生きるための運動をつなぐ運動であり、それぞれの運動を孤立させるのではなく、一つの力につなぐ構想だ。(「かけはし」編集部)

「あいつ社会主義者だ」


 昨年の大統領選挙の時、洪準杓(ホン・ジュンピョ)が土地共有化概念、社会的・経済などを根拠に文在寅(ムン・ジェイン)候補を社会主義者だと決め付けた。
 とんでもない話でどうしようもない洪準杓(ホン・ジュンピョ)の話だからそうかもしれないが、とにかく社会主義理念が損われることはなかった。
 しかし、韓国社会は依然として「社会主義者」の貼り紙さえすれば相手をすぐに倒せると思う社会だ。世界の国々でも、ソ連と東欧圏の社会主義モデルが失敗した後、真の代案体制として社会主義は信頼を完全に回復できていない。
 しかし、社会主義は選択可能な様々な代案の一つであり、韓国社会のように社会主義が特にタブー視されて扱われている国も事実珍しい。
 分断と戦争によって「社会主義」がタブー語にされた韓国で社会主義運動の大衆化は可能か? 2018年の政治陣営でその可能性を判断してみた。韓国の人々は社会主義に対してどう思っているのだろうか?
 6月21日から7月27日まで変革党がチャムセサン(真の世の中)研究所に依頼して進行した「韓国社会の発展方向と理念指向」に対するアンケート調査に1013人が回答した。
 回答者は労働者80%、学生15%などだった。労働組合・政党・社会団体加入の経験がある人が70%であり、回答者の50%は、労組幹部経験があるので標本はかなり進歩的な性向の人たちだと見ることができる。回答者の支持政党別分布を見ると、正義党33%、民主党14%、変革党8%などだ。
 保守性向を含めた韓国社会構成員全体の考えは、グローバルリサーチ企業「イプソスIpsos」の2018年4月(28カ国22万人あまりの回答)の調査結果と変革党アンケート調査の民主党支持の回答者の答弁を根拠と推定した。

資本主義と社会主義に対する考え


 変革党アンケート調査で、全体回答者の70%が資本主義について、絶望的だと答えた。保守性向を含む韓国社会全体構成員の平均的な意識に最も近接するものであると判断される民主党支持の回答者の50%が韓国資本主義について、絶望的だと答えた。
 つまり韓国社会で進歩はもちろん、保守性向の人々までも反資本意識が高いので大衆的反資本運動が可能である。
 それなら非常に高い反資本意識が直ちに社会主義に対する支持とつながるのか、調査結果そうではなかった。全体構成員の70%以上が計画経済よりは、市場経済を支持した。社会主義政治体制の民主主義に対する不信も、世界3位と高かった。
 それなら、韓国社会がどんな社会に進んだらいいか単刀直入に聞いた。 全体構成員70%以上が資本主義を中心に運営される社会を好んだ。まだ韓国社会において社会主義大衆化の可能性が全くないということか? 幸いにもそうではない。
 変革党のアンケートの回答者54%は社会主義社会または社会主義を中心とするものの、資本主義的方式に補完される社会を望んだ。すなわち進歩性向の国民からの社会主義運動の大衆化の可能性が確認されていることだ。「社会主義」をタブー視する社会に隙間が見えている。

内外の情勢を通じて予想した社会主義運動の大衆化の見通し


 韓国社会の特殊性が大きく作用するが、国際的な情勢の流れと無関係だとすることはできない。微視的には複雑な浮き沈みがあるが、世界的な大きな流れを見ると、20世紀前半50年は大恐慌で爆発した資本主義の危機が戦争に方向づけられ、全世界的に社会主義運動が高揚した。
 反面、20世紀後半、約40年間は戦後資本主義が復興したのに対してソ連と東欧の没落など社会主義運動が危機に瀕した。20世紀末から21世紀現在まで30〜40年は資本主義が再び危機に直面して反資本運動がはげしくなっている時期だ。
 世界社会主義運動は、ソ連と東欧圏の社会主義の没落による不信と問題点を完全に克服できなかったが、21世紀に入って南米、南欧、米国などで再び試みられている。世界の多様な地域で前進と後退を繰り返し、21世紀の社会主義運動が展開される見通しだ。このような流れは、韓国社会でも、一定程度影響を及ぼすだろう。
 「社会主義」がタブーである米国で21世紀に入って大衆的な社会主義運動が起きている点を韓国社会主義運動が注目すべきことだ。
 ろうそくの抗争後、保守政治勢力内の変化が起きている。古い反北朝鮮・反共イデオロギーを背中に背負って執権してきた守旧保守勢力は、危機に直面した。彼らは、中絶、性的少数者、普遍的福祉、難民、核問題などを中心に保守の再編を図るだろうが、韓国社会に保守・進歩の対立構図を強化していくのだ。
 ろうそく抗争のおかげで再び政権を握った改革保守勢力は政治改革で支持を得ているが、財閥寄りの政策に急旋回しているのでろうそく抗争、大衆の改革要求に応えることはできないだろう。
 民主労働党分裂事態以後、制度政治圏で角逐した進歩政治勢力は社会正義党が、旧民主労働党の地位を占めており、この変化した政治地形は当分の間続くものと見られる。保守政治勢力と進歩政治勢力内の変化は人間を騙して、韓国社会の政治的志向を悩ませるきっかけになるだろう。
 このような情勢で社会主義運動勢力が自分の路線を大衆的に提出して運動を積極的に展開しないなら、変化された情勢から一歩進むことができる機会を喪失するだろう。

資本主義STOP!
社会主義YES!

 韓国社会の特殊性、大衆的な準備の程度などを理由に社会主義を遠い未来に留保して迂回することはできない。今回のアンケート調査で確認されるように韓国社会構成員たちは適者生存と弱肉強食の資本主義的方式よりは、協同や共同体的原理を基盤にした社会主義的方式に対する選好度と期待が高い。
このような人生の価値と方式を社会体制としての社会主義に対する信頼と同意へ発展させなければならない。これまでの闘争過程ですでに高い水準を示した大衆的な要求で、傷ついている公共医療と公共教育が志向する価値方式が、まさに社会主義の価値と方式であることを直接的に話をしなければならない。
非正規職のない社会、財閥トップ一族がない労働者、民衆が主人になる社会が社会主義社会であることを述べなければならない。
アンケート調査で、労働者が、財閥の大手企業の実質的な主人だという意識が高いことが分かった。これは財閥オーナー一族の経営権を剥奪して下からの民主的統制意識を拡大できる反資本代案闘争の根拠だ。
ただ、社会主義を叫んだからと言って社会主義ができるわけではない。資本主義による最大の被害者である非正規職労働者と未組織労働者たちの中から、しっかりした反資本大衆闘争の基地を構築しなければならない。青年学生たちを社会主義運動の主体に立てなければならない。
女性と少数者に対する抑圧と差別に対抗する運動に社会主義運動がどのように同行するか絶えず悩んで実践に乗り出さなければならない。
無限貪欲・環境破壊の資本主義STOP! 人・環境が共存する社会主義YES! 社会主義は赤・緑が会う傘にならなければならない。
大衆化に悩む韓国社会主義運動は孤立包囲の局面を突破して友軍を広げる方向に連帯連合戦略を駆使しなければならない。社民主義運動、協同組合運動など諸般の反資本(ビジャボン)共同体志向運動について、その限界に着目して「別物」と決めつけるよりも、社会主義友軍がなれるように幅広く柔軟に連帯しなければならないだろう。
これから3〜4年間公共性と反財閥を中心に社会主義の議題と闘争を大衆化して、非正規労働者と未組織労働者に強固な反資本大衆闘争基地を構築して、幅広い反資本(ビジャボン)共同体の連帯を構築する事業を中心に「資本主義STOP! 社会主義YES!」運動を大衆的に展開していく。
このような基盤の上で2022年に社会主義、合法大衆政党と社会主義の大統領選挙候補戦術を強力に駆使することができるだろう。韓国社会で「社会主義」をタブーリストから消して社会主義大衆化に向けた2段階運動を強力に繰り広げていくことができるだろう。(「変革政治71号」)より。

建設労働者3万人総ストの上京闘争

「建設労働を尊重する世の中へ」

 現場で地域で闘争した結果と2018年建設労組ストを通じて私たちは多くの成果をもたらした。土木建築分科委員会は賃上げ暫定合意案とともに、包括賃金制の廃止などについて、政府の立場が発表され次第、特別交渉を進めることで合意した。
 タワークレーン分科委員会は、国土部と小型タワー規制案や高層の使用制限について要求して検討することにした。電気分科委員会は、産資部と交渉を通じて直接活線作業(通電している電線)について、廃止を原則的にもう一度確認してその後、現場適用についてスマートスティック工法を完成する前に安全保障のための管理監督と送電現場についての安全管理を徹底的に行うことで合意した。
 建設機械分科委員会はこれまで労災保険の恩恵を受けられなかった建設機械27機種労働者について、労災保険の適用に向けて施行令の改正案を公布した。労災保険の適用とともに、求償権請求も原則的に廃止する。
 また、建設現場のタワークレーン事故と建設機械の事故に対し、元請が責任を負うように産業安全法改正案を立法することにした。特殊雇用労働者に対する労働基本権保障について、雇用労働部は具体的な方策をまとめることにした。また、労働組合の活動を妨害する会社側の不法行為を法と原則に則って厳しく処罰して指導監督することにした。
 労組は国土交通部と建設産業革新委を構成して、適正な賃金、賃貸料の保障と建設労働者と建設機械装備の労働者の生計保障に向けて適正工事費の確保と不法多段階の根絶、公共工事の発注者の直接支払い制、適正賃金制の早急な定着に向けて政府と建設労働者と建設会社が、労使政合意を通じて、昨年12月12日、雇用委員会建設分科で発表された内容と共に、今年9月まで関連法案の改正に向けた労使政大妥協を成し遂げた。
 全国建設労働組合イヨンチョル委員長職務代行が8月12日、光化門広場で開かれた2018年建設労働者ゼネスト―総力闘争大会で舞台に上がって、全国から上京した3万人の組合員たちにこのように話した。同日、30度を超える蒸し暑い天気にもかかわらず、建設労組10年のゼネストの過程に最も多くの労働者が参加した。
 同日、建設労組は「開こう! 建設労働尊重の世の中」というスローガンのもとゼネスト大会を開き、△建設労働者法改正△労働基本権を獲得△安全な建設現場△、賃金アップ(賃金交渉の勝利)△雇用安定の保証など「質のよい青年雇用創出に向けた法制度改善」を促した。
 労組は、青年たちの建設現場進入に向けて最も改善しなければならない点として「社会的認識」を挙げた。また、日曜日にも帰る建設現場、時間外手当てのない賃金体系や長時間の重労働、不法多段階下請いじめの行動など建設労働者を尊重しない社会が根本的な原因だと診断した。
 光化門(クァンファムン)広場を埋め尽くした建設労働者たちは「本当の労働民生法案、建設労働者法を改正せよ」、「労働基本権を保障せよ」などのスローガンを叫んだ。また、「産業災害」、「不法運搬請負」、「直接活線」、「危険工法」、「低賃金」、「雇用不安」などのスローガンが書かれた氷を叩き壊すパフォーマンスをした。
 イ・ヨンチョル建設労組委員長職務代行は大会あいさつを通じて「文在寅(ムン・ジェイン)政府は国らしい国を作るとした。 労働が尊重される世の中を作るとした。しかし、建設労働者たちが考えるには国らしい国ではない。国らしい国なら、建設労働が尊重される世の中にならなければならない」、「ここに集まった建設労働者が願う世の中は建設労働が尊重される世の中だ。働く楽しさがあるがっちりした建設現場を設置し、青年たちが誇らしく建設現場に来るようにすることだ」と話した。
 さらに、「1年に500人以上死んでいく建設現場。なぜ私たちは戦地で仕事をしなければならないのか。世の中は52時間労働を行うと言っているが、建設現場はどうして長時間労働に苦しめられなければならないのか。建設機械労働者らは労働基本権もなく現場で未払いが発生して労災事故が発生しても、どこにも哀訴できずに現場で雇用不安に苦しんでいる」、「変えるために闘争してきた。人間らしく生きるために闘争した。建設労働が尊重される世の中、建設労働者が尊敬される世界を作るために闘争する」と声を高めた。
 金明煥(キム・ミョンファン)民主労総委員長は「建設労働者も人間だ、建設労働者が尊重されてこそ建設現場が安全で建物が安全でその建物で働く人たちが安全なのだと叫んできた。建設労働者たちのスト闘争は仕事を止めて命を救う闘争」だとし、「こんなに現場を止めてゼネストに取り組んでいる同志らの安全に働く権利と暮らして労働権を獲得する権利に向けたこの闘い、必ず勝利する」と強調した。
 一方、本大会に先立ち、ソウル都心各地で建設労働者たちの事前集会が開かれた。ソウル市役所前の広場でダンプトラック・掘削機・レミコン・クレーンなどを運転する特殊雇用職の建設労働者らが労働基本権の獲得などを要求した。
 また、ソウル駅広場では型枠大工・打設などの建設労働者たちが包括賃金の廃止と週休手当ての保障などを要求して、タワークレーンの建設労働者らは建設現場の安全対策の強化を促した。
 孝子洞の治安センターの前では外線電気を扱っている建設労動者たちが2万2900ボルトが流れる電線を素手で扱う直接活線工の廃止など安全な労働現場の実現どを促した。

朝鮮半島通信

▲韓国と朝鮮による南北共同連絡事務所が9月14日、朝鮮側の開城工業団地内で開所した。同事務所には双方の担当者が常駐する。
▲朝鮮は9月9日、建国70年を迎え、平壌の金日成広場で軍事パレードを行った。6月の米朝首脳会談以降、最初の軍事パレード。パレードでは大陸間弾道ミサイル(ICBM)の公開は行われなかった。パレードには、金正恩朝鮮労働党委員長や栗戦書全国人民代表大会常務委員長らが出席した。金党委員長の発言はなく、金永南最高人民会議常任委員長が演説した。
▲韓国の国立海洋調査院が9月10日に公表した報告書によると、同院は昨年3〜11月、「竹島(独島)」周辺に無人観測機器「自律型海洋観測装置(AOV)」を配備し、海底の地形や海流の調査を行った。日本政府は同調査が日本の領海や排他的経済水域(EEZ)で行われたと主張。


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