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    かけはし2018年10月1日号

積弊清算はじめ社会の大改革を


11月初めにゼネスト総力闘争へ

民主労総委員長に聞く

 民主労総の上半期の戦いを整理し、11月を中心とする民主労総下半期の闘いの方針に対してキム・ミョンフアン委員長がインタビューに答えた。民主労総中央委員会の決議に基づき「闘争と交渉を並行させながら、ムン・ジェイン政府に向き合う」という。ムンジェイン政府との交渉復帰に対して民主労総組合員の中から異論も出ているが、大きな枠組みの中での労働尊重社会へ向かう闘争実現を期待する。(「かけはし」編集部)
 この8月22日、民主労総中央委員会は、労使政代表者会の復帰と「弊害の清算・労組を組織する権利・社会大改革」をスローガンとする11月初めのゼネスト・総力闘争を決議した。
 闘争と交渉を並行しながら、△労働・司法弊の清算と被害労働者原状回復△非正規職撤廃△労働基本権保障△国民年金、健康保険、雇用保険の保障性強化△安全社会の構築△財閥改革△最低賃金法の原状回復を勝ち取るのが目標だ。
 労使政代表者会の復帰の理由は何か、下半期の全面スト・総力闘争で私たちは何を得ようとしているのか。キム・ミョンファン、民主労総委員長の考えを尋ねた。

――最近、悩みは何ですか。

 委員長一人の個人技ではなく、組織的議論を通じて、韓国民主労総の力が発揮されるようにすること。これが悩みです。これがだめなら、四輪の一つだけ転がるようなものです。 故障したり、足踏み状態が続くでしょう。
主張が正しくて時代的課題があるとしても指導力と執行力が自然に作られることでもないと思います。80万組合員の民主労総のプレゼンスに見合う統合的な執行力をどのように作るのかが委員長としての悩みです。

――鉄道労組委員長の時と比べると?

 単位労組は、規模がどうであれ、賃金団体交渉があります。 そして私たちの事業場と関連した産業政策があります。その二つを主要課題として闘争と交渉で配置します。 単位事業場に比べて民主労総は規模も地位も違います。
韓国社会の躍動的変化を事業に反映しなければなりません。最近は労働者の生活と権利を破綻に追い込んだ梁承泰(ヤン・スンテ)の司法壟断にどう対応するか悩みがあります。また、わが社会の争点について絶えず、立場を表明、連帯を模索しなければならないのも違いがあるようです。
いつも政策的に組織的に準備されていなければならないでしょう。職場の内外で性差別と性的暴力に苦しんできた女性たちがミートゥー運動で声を出しています。ここにどのように連帯するのか、韓国社会のまた別の要素である中小商人とどのように共存できるのか、連帯事業を多角的に悩まなければなりません。

――これまで様々な現場を訪れ、組合員らに会いました。 記憶に残るところは?

 蔚山(ウルサン)の現代(ヒョンデ)重工業です。 選挙の時も行って、当選後にも何度も現場に入りました。政権と結託して成長してきた現代財閥が地域政治権力と高位公務員、言論まで握っている姿を見ることができます。また、工場の中には正規職と非正規職、違法派遣、構造調整など歪んだ雇用構造があります。
このすべての問題を現代重工業支部の組合員たちが受けて払わなければならない状況です。単位労組の力だけでは踏ん張ることは難しそうです。今も、会社側の構造調整の試みに対抗して奮闘しています。
一方的譲歩を強要されているという憤り、困難な局面をどうにか渡るべきだという切迫さ、闘争を世論化・社会化してみた経験が多くないということに対する不安感があるはずです。
産別労組が産業的政策要求を作って民主労総がそれを社会的議題に引き上げ、代案を作らなければならないと思います。これ以上現代重工業支部だけの問題にしておいてはいけません。

文在寅政権の後退への対応模索


――上半期の核心争点は、最低賃金でした。

 最低賃金への算入範囲の決定が国会に移った状況で、改悪を防ぎ難い構造がありました。しかし、国民的世論と民主労総の組織した力で最大限に闘って見ようと思いました。ゼネストまでして改悪反対だという頑強な立場を出しました。市民らと最低賃金の当事者たちに与えたメッセージはあったと見ます。
闘争は開始することは容易で、その過程は豊かでも仕上げをどうするかが重要です。仕上げが成果の半分を占めると言えるでしょう。最低賃金闘争過程でそれを逃したようで残念です。最低賃金委員会への対応と関連しては委員長として参加に対する意志はあったが、組織の全体的判断の中で、時期と条件に対する悩みがありました。
法が改悪されたと諦めないと申し上げたいです。今彼らは最低賃金罪人論を掲げ、最低賃金労働者と小商工人・自営業者たちの闘い、乙と乙(改悪を狙う者たちを甲とすると)の争いを煽り立てています。
民主労総はここに対抗する最低賃金に関する新たな議題と内容を準備しようとします。また、最近使用者たちの要求で最低賃金制度の改悪が議論されます。民主労総が積極的に介入しなければならない時期だと思います。
最低賃金法改悪をはじめ、所得主導の成長の後退、規制緩和の試み、全教組、法外労組の継続など、文在寅(ムン・ジェイン)政府の右傾化に対し、懸念する声があります。
政府がろうそくの精神を継承すると言葉では言ったが、労働者や市民たちの期待を100%を満たすだろうと思った人は多分ないはずです。かえって人々が信じたのはミスを繰り返さないという真正性と意志ではないでしょうか?
そのような姿を見せたら、今すぐ結果が遅くても信頼を持って待つことができるでしょう。ところが、全教組、法外労組、公共部門の非正規職の正規職転換問題、財閥改革、最低賃金など主要領域で、現政府は、退行しています。積弊清算も遅延されています。危険信号、赤信号が灯ったのです。

――民主労総はこの前の中央委員会で社会的対話に復帰することに決定しました。

 社会的対話機構への参加については組織的・総合的な判断が必要だと思います。特に、経済社会労働委員会に対する判断は代議員大会でやるべきことです。闘争があれば交渉も必要です。 民主労総は、韓国社会の改革議題を絶えず公論化して社会化しなければなりません。
今は労働法の改正と国民年金改革という重要な課題があり、これを議論し、公論化した労使政代表者会議と議題別委員会があります。民主労総はここに介入して働く人の権利を守るべき責任があります。労使政代表者会の介入、労政協議の実効性を担保するための様々な論議ツールの構成を推進するつもりです

―技巧交渉より闘争が必要という民主労総の内外の話もあります。

 社会的対話に復帰するといって、ひたすら交渉のテーブルだけで話して整理するというわけではありません。民主労総は労働組合の連合体であり、労働組合は闘争で交渉力を高める組織です。
民主労総はこれまでの中央委員会で社会的対話復帰とともに、下半期の全面スト・総力闘争もまた、決定しました。政府が交渉過程で信頼を見せなければ、闘争でわれわれの要求を貫徹させなければなりません。闘争が並行されなければ解決されない問題もあります。民主労総の加盟・傘下組織と交渉過程を共有し、コミュニケーションを図りながら団結を成し、どのように社会的対話とゼネスト・総力闘争を有機的に配置するか悩んでいます。

世の中変える闘いを本気で


――下半期、民主労総の基調「闘争と交渉の並行」についてもっと説明してほしい。

 労政、労使政、対国会などわれわれの要求を貫徹できるすべての空間を活用することと思ってもいいです。譲歩を前提にした交渉はできないです。情勢が良くなければ力を育てても、われわれの要求は萎縮するしかありませんし。
われわれの力が足りなくても情勢や局面を活用できるときはその所で何かをもっと開くこともあります。過去の政権ではそんな余地がなかったのです。今は半分くらいよい状況ではないかと思います。

――ILOの協約の批准など、労働改革立法も切実だが、下半期国会の構成を見ると、期待できます。

 ろうそくの力で変えることができていないところが国会です。 保守与党、積弊政党を一掃しなかったことの限界を認知しなければなりません。民主労総は積弊政党とは闘うという立場を堅持しながら、また改革には消極的で支持率だけを意識する与党を積極的に批判しなければなりません。
改革立法が実現できるように今回の通常国会を皮切りに、来年初めまで推進しなければならないと思います。国民世論を集めて押し出して改革の動力を準備するための大衆闘争が必要です。

――その大衆闘争がこの前の中央委員会で決定した「下半期の全面スト・総力闘争」ですか?

 わが社会の雇用不安、低賃金、非正規職…、皆が同意して変えなければならないという問題です。しかし、これは世の中が変わらなければ、完全に解決されることができません。 今私たちはすべての話の焦点を、世の中を変える点におかなければなりません。民主労総は世の中を変える組職であり、その意志をストと闘争で表現します。

――「なぜストをするか、なぜ今か」という問いにどう答えますか。

 すぐにろうそく抗争2周年です。方向を失っている政府と与党に警戒心を与えて財閥と保守野党、官僚など積弊勢力に警告する時になりました。来年国際労働機構(ILO)創立100周年を迎え、後進的労働関係法を改善させる機会でもあります。
民主労総の闘争は99%・労働者・市民たちのより良い暮らしに向けたものです。非正規職撤廃、国民年金の遵守、労組を組織する権利、自営業者の新しい希望、特殊雇用労働者らの労働者のアイデンティティ確認に向けた闘いです。
皆が同意して変えなければならないという問題であり、民主労総の単位事業所の理解と要求でもあります。
どのように私たちの力を集め、世の中を変えるのか。 それをともに悩みたいと思います。積弊勢力、財閥や官僚の同盟に破裂口を出さなければ私たちは再び守勢に追い込まれかねません。今大衆闘争を通じて世論を作ろうとします。

――ゼネストの原動力があるか、という質問も出てきます。

 単位事業所の賃金交渉の日程を集める方式のストを超えてみようと思います。下半期の全面ストを準備するというと「どこがやるのか」という質問が先に出ます。
さらに進めば、「現代自動車がやるんですか、鉄道がやるんですか」と聞くところもあります。
もちろん、現代自動車支部と鉄道労組は、国民的要求や社会的な名分を受けて、自分の役割を果たしてきた組織です。現代自動車支部が組織的負担を受けていながらも5月の最低賃金の改悪阻止のストをしました。鉄道労組も似たように、悩むだろうと思います。
名分があり、頑強な要求があれば、動力は作られると思います。必ずストという形式ではなくても多様な方式で参加して労働者の切実さを表現することができたりもしてます。
私たち闘争に名分があるのか、労働者らの激しい要求や社会的、切迫感があるのか。 諮問してみました。そうだと思います。
してみようという力が集まった時、新たな闘争の様相を見せられるものであり、その闘争で私たちの団結力と社会的影響力も高まるだろうと思います。「いいだろう?」ではなく、「世の中を変えよう。さてどのように?」から今回のゼネスト、総力闘争を作っていければと思います。

――組合員たちにひとこと、言うとしたら。

 民主労総は韓国社会の矛盾を解決する最前線にいます。不平等を解消すること、差別を克服する時代精神を抱えて最も切迫して、力をもって闘ってきた組織が民主労総です。
世の中と人生を変えるため、もう始まっているゼネスト・総力闘争に意志を集めていただきたいと思います。

朝鮮半島通信

▲文在寅大統領は9月18日、金正恩朝鮮労働党委員長と今年3回目の南北首脳会談に臨むため、専用機で午前10時前に平壌の順安空港に到着した。今回の訪朝には、李在鎔・サムスン電子副会長ら韓国四大財閥のトップ級を含む約200人が同行した。18日午後、朝鮮労働党本部庁舎で3度目の首脳会談が開かれた。文大統領と金委員長は19日の首脳会談後に「9月平壌共同宣言」に署名した。文大統領と金委員長は20日、中国との国境にある白頭山を訪問した。訪問後文大統領は、午後に三池淵空港を出発して軍用空港である京畿道・城南のソウル空港に到着した。


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