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    かけはし2018年10月22日号

脱原発運動と連携して


放射能汚染廃棄物の「試験焼却」許すな

県内各地で取り組み

行政の無責任を厳しく批判

問題の根源は原発だ


 【宮城】石巻市も、三月の仙南地区、五月の黒川地区に続いて東電福島第一原発事故で放射能汚染された稲わらなど放射能汚染廃棄物の「試験焼却」を周辺住民の反対の声を無視して一〇月三日から強行し、一〇月一一日には石巻市河南地区にある「一般廃棄物最終処分場」に埋め立てるために搬送した。
 試験焼却を前に「焼却処分に反対する石巻地域の会」と「放射能汚染廃棄物処分を考える河南の会」は共同で石巻市長に、試験焼却の中止を申し入れ、「一斉焼却反対」宮城県民連絡会も同時に試験焼却の凍結を求めた。石巻市は、この申し入れに対し「保管農家に七年間ご負担をおかけしてきた。焼却は安全に実施し、結果を公表する」と焼却、埋め立てで不安を抱く周辺住民と保管農家の対立を助長する焼却ありきの姿勢であった。

核のゴミ一斉
焼却に抗議を
試験焼却開始日の一〇月三日には、市長立ち合いの下に試験焼却が開始された。石巻の会、河南の会をはじめ「一斉焼却反対」宮城県民連絡会や栗原、黒川、仙台、大崎の県内各地で焼却処分に反対して闘っている多くの仲間たちが駆け付け、試験焼却の中止、凍結を求めて石巻地区広域行政事務組合に抗議の申し入れを行った。
参加者からの質問に対する石巻地区広域行政事務組合の答弁は、「バグフィルターで九九・九%捕捉できるという環境省の指針を信頼している」「石巻市から委託を受けての事業実施であり、すべて石巻市の指示で動いている」と地方自治組織としての自覚が全くなく、「下請け機関」を装い、自主的判断もしない姿勢で「詳細は、石巻市に聞いてほしい」という対応だった。焼却灰は、四〇〇bq/kg以下であれば、最終処分場に搬送して埋め立てるとしている。
そして一〇月一一日、委託会社のトラックに載せられた焼却灰を固化された放射能ゴミは、「一般廃棄物最終処分場」に持ち込まれたのである。本焼却(一一月中旬〜三月末)終了後、覆土し埋め立てられるのである。焼却灰が搬入されたこの日、処分場周辺の住民が駆け付け、「放射能を燃やすな!」「埋め立て反対!」「放射能を埋め立てるな!」と憤りの声を最終処分場の入口で上げ、埋め立て予定地の入口まで移動して作業を監視しながら、石巻市へ埋め立て中止を申し入れた。不安げに作業をのぞき込む周辺住民の思いや声に向き合わず「地方自治の本旨」を捨て、国や県の方向だけを見て動く情けない行政の姿をみた。

住民からの反対
が広がっている
大崎市も一〇月一五日から試験焼却開始を公表し、市内三カ所にある焼却場で実施しようとしている。大崎の市民団体は、一〇月四日に大崎市役所を包囲するデモを行い、試験焼却の凍結を求めた。
焼却処分場周辺の住民が、覚書や協定すら無視して焼却を強行しようとする広域行政事務組合に対して焼却予算の執行を差し止める「住民監査請求」を起こしたが、「覚書は財務会計上の契約行為ではない。支出の違法性、不当性は認められない」と却下された。
それを受けて、「焼却場周辺の地区組織」と広域行政事務組合が交わした「覚書」には「ゴミ焼却場の機能等を変更する場合は地元住民に事前に説明し合意を得ること」とあるのにその手順を踏んでいないなかでの予算執行は不当で許されないと、一〇月一一日、大崎市民ら一二四人が焼却予算の差し止めを求める住民訴訟を仙台地裁に起こした。
栗原市では、放射能汚染廃棄物について、「堆肥化」することで処理しようとしている。堆肥化のための処理施設建設の候補地に上げられた地区の住民は、唐突な市の説明や候補地が水源地であることを理由に建設反対の住民組織を発足させた。これに対して放射能から子どもたちを守る栗原の住民たちは、一たん計画を白紙に戻し、行政、議会、住民、市民の意見交換を積み重ね、合意形成を行うこと、長期の視点で予防措置(余計な被曝は避ける)の立場で安全、安心な方策を示すことなどを栗原市に要望書を出した。住民の反対の動きに栗原市長は、「 一度立ち止まって考える」と再検討を表明せざるをなくなっている。
一方、南三陸町では、放射能汚染牧草の「漉き込み」による減容化実験を町内の牧草地で行おうとしたが、周辺住民の環境への影響や風評被害を心配する声に、見直しすることにして処理計画を中止した。今後、処理方法の変更も含めて再検討するとしており、焼却ありきの自治体と対照的に住民の声により、放射能汚染ゴミの処理方法の見直しが進められている自治体もある。

女川原発再稼働
やめさせよう!
東北電力が女川原発2号機の原子力規制委員会に提出している「適合性審査」の結果が出される時期が近づいている状況のなかで、一〇月二日、「女川原発の再稼働に関する県民投票条例制定の署名運動」が開始した。これは、女川原発の「再稼働同意」を宮城県知事や県議会、立地自治体である石巻市や女川町の首長や議会に任せるのではなく、県民投票で決めるための「県民投票条例制定を求める」運動である。一二月二日までの二カ月で県内の有権者の五〇分の一(四万筆以上)を集め、その署名をもとに県議会で県民投票条例(案)を審議させるものである。「みんなで決める県民投票を実現する会」は、署名協力者の拡大、街頭署名、県内キャラバン等の活動を展開して、運動は盛り上がりを見せておりマスコミも連日報道している。
宮城県や東北電力は平静を装っているが、突然東北電力社長が記者会見で「女川原発1号炉(運転開始三五年目)の廃炉も選択肢の一つ」と語った。老朽原発の「四〇年廃炉問題」も重なり、1号機と2号機の構造上の問題も指摘されているようだが、2号機をなにがなんでも動かそうとする電力サイドの思惑だ。
宮城県内の脱原発を巡るこのような状況のなか、各地自治体で放射能汚染廃棄物の試験焼却が進められているが、この問題の根源に原発が存在している。放射能汚染廃棄物処理問題は、東電福島第一原発事故に由来するものであり、原発を問う問題でもある。県内の脱原発運動と連携した取り組みが求められている。(m)

10.1

辺野古実が防衛省申し入れ

玉城デニーさんの勝利祝う

翁長さんの遺志引き継ごう

 一〇月一日午後六時半から、防衛省に対して「今度こそ沖縄の民意を尊重し、辺野古新基地建設をやめろ! 辺野古の海へ土砂投入するな!」申し入れ行動が、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の呼びかけで行われた。
 前日投開票の沖縄知事選で、辺野古移設に反対する玉城デニー候補が歴代知事選で最高の投票数を獲得し、大差(八万一七四票差)で勝利した。参加した仲間たちは勝利を喜び、握手し合う姿がここかしこに見受けられた。
 最初に日本山妙法寺のいずみ上人が「本日、沖縄から戻って来た。玉城デニーさん当選おめでとう。デニーさんの開票待合室は台風で停電になったが自家発電で対応していた。会場は喜びにあふれていた。選挙に勝つだけではなく、翁長知事の基地を作らせない意志を引き継いでいかなければならない。私たちは沖縄平和行進を開始する」と話した。
 参加者一人一人のリレートーク。沖縄出身者、「涙が出た。デニーが当選してよかった。安倍政権への痛打だ」。「本日、米軍横田基地に五機のオスプレイが配備された。辺野古と共に配備反対の闘いを」。「うれしくてたまらない。東京でもがんばろう」。「護岸の取り壊し運動を始めよう」。「東京から少なくない額のカンパを送った。とても喜ばれた。敵があきらめるまで闘えば勝てる」。「今後安倍政府はあらゆる手を使い、基地建設を進めるだろう。沖縄の闘いを勝たせるには、本土の闘いにかかっている。がんばろう」。

今度は「本土」
がこたえる番
伊波洋一さん(参議院議員、沖縄の風)が電話でアピールした。
「玉城さんは県民の力によって大差で勝利した。沖縄・日本の政治がよくなっていくだろう。命を削って闘った翁長さんの意志をつぐ。玉城デニーさんは明確に辺野古基地建設を止めていくと決意している。アメリカ政府・日本政府に配備をあきらめさせる。沖縄県は埋立て承認を撤回した。基地の押しつけはもうできない。知事を支えがんばっていこう」。
次に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックと基地・軍隊はいらない4・29集会実行委が防衛省への申し入れ書を読み上げ手渡した。最後に、辺野古実が今後の行動提起を行った。
「県知事選の結果を受けても、政府は辺野古移設が唯一の選択肢という態度を変えていない。法的対抗措置を取ってくるだろう。@県の撤回を無効にする仮処分A違法確認訴訟を起こす、ことが考えられる。また、土砂投入が止まっているがどうなるか分からない。一〇月九日の翁長さんの県民葬が行われるが、それまでは自粛する、という動きもある。今度は本土の側が応える番だ。動きが起きたら、緊急行動を起こす。とりあえず、一〇月二五日文京区民センターで緊急集会を持つ」。
最後に、全員でカチャーシーを踊り、玉城さんの知事当選を祝い、今後の闘いの決意を示した。 (M)

コラム

ゲノム編集と箸休め

 いきなり秋になった。ついこの前までは危険な猛暑の中で終日エアコンの中にいた。昼間外出すれば立ちくらみがした。今日は窓を開けて寝ると寒いくらいだ。季節のメリハリどころではなく激変である。
 エアコンといえば、阪神・淡路大震災から二〇年以上が経過しその役割をほとんど果たさなくなっていた。昨年売れ残っていたエアコンがバーゲンで売りに出ていた。思い切って買い換えることにした。驚いた。最近のエアコンがこんなにも快適だとは正直知らなかった。これが無ければこの夏を越すことができなかったかもしれない。
 秋ともなれば私は食事を春夏バージョンから秋冬のものに転換させる。要因は様々あるが気分転換が最大である。
 先日、ジャガイモのゲノム編集の研究成果が公表された。ジャガイモの芽や太陽の光にさらされて緑色に変色した皮には有毒な物質が含まれていることはよく知られている。「ソラニン」や「チャコニン」などという名である。食べると 神経の異常や腹痛、吐き気など食中毒の症状を引き起こすという。
 大阪大学や理化学研究所のチームは有毒成分の生成に関わる遺伝子を特定。ゲノム編集の技術を使ってこの遺伝子を除去、毒性をほとんど作らないジャガイモの開発に成功した。
 室内での栽培では毒性は通常のジャガイモの一割以下に抑えられることが確認された。今後は屋外での栽培で他の病気や害虫などに対する強さなどを確認する必要があるという。
 今後このような製品が増えていくだろう。いずれにしてもゲノム編集製品であるという明示は必要だ。
 さて手短に作ることができ、箸休めで酒の肴にも好適な一品に移ろう。ピーマンのツナ詰め煮。これで五品目だ。ピーマンは大きめが良い。縦に二つに割り舟を作る。かさぶたの硬い所は取っておいたほうが良い。ワタも取る。この舟にツナ缶のツナを詰める。私は水煮を使うがどちらでも良い。これを鍋に舟が転げないようにできるだけ詰めて並べる。鍋の大きさは作る数による。
 味付けは市販のだししょうゆ類で十分。小さじ一杯弱をツナに振りかける。煮物用の倍率に薄めた煮汁を舟に入り込まないような水位で鍋に入れる。煮るというよりもピーマンを柔らかくするために蒸し煮にするのである。煮汁を沸騰させてはいけない。沸騰させればツナが舟から流れ出てしまう。
 煮る時間は約一五分ほどだがピーマンの肉厚さによってかなりの幅がある。ピーマンが焦げつかないように気をつける。火を止めた後は鍋が冷えるまでそのままにしておく。冷温どちらで食べるのも好みだ。ちなみにピーマンは未だゲノム編集の対象にはなっていないようだ。
 一言つけくわえれば舟にのせるものは和洋中なんでも良い。オレ流を乗せればちょっと小粋なものが出来上がるだろう。
 秋の夜ながに冷やおろしで一杯やるにはうってつけの一品である。
                                     (灘)



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