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    かけはし2018年10月29日号

東海第2原発動かすな!


10.20

危険きわまる老朽原発だ

首都圏大集会に730人

運転を断念させる波状的行動へ


東京圏に一番
近い東海第2
 一〇月二〇日、「みんなの力で!とめよう老朽オンボロ原発 東海第二原発運転延長STOP! 首都圏大集会が、東京・神保町の日本教育会館一ツ橋ホールで開催された。地元茨城県や東京、首都圏から七三〇人が集まった。
 東海第二は、運転開始から今年一一月で四〇年となる老朽原発だ。しかもわずか二・八kmの場所に核燃料再処理工場があり、多量の高レベル放射性廃棄物が保存されている。東海第二原発が事故を起こした場合、再処理工場との複合事故も懸念されている。日本でも最高の人口密集地帯である首都圏に隣接した東海第二原発事故は、きわめて重大な人的惨害をもたらす可能性が大きい。
 しかし原子力規制委員会は、さる九月二六日に東海第二の「設置変更許可申請」を認可した。残るは工事計画許可申請、運転期間延長申請であることから、近々に許可される可能性が高いとも言われている。
 この日の集会は、差し迫った東海第二原発再稼働を首都圏の労働者、市民の力でなんとしても止めようとの思いをこめて準備された。

なぜ「東海第2」
にこだわるのか
集会の初めに、VJU(ビデオジャーナリストユニオン)が作成したDVD「恐怖のカウントダウン――東海第二原発を止めたい」の上映と木村雅英さんのクラリネット演奏が行われた。
講演は鎌田慧さんの「プルトニウム社会と六ケ所村、東海村」、原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)会長で城南信用金庫相談役の吉原毅さん、そして元東海村村長の村上達也さん。鎌田さんは、日本の支配層がカネの力で、人びとの心を動かせるとの考え方で巨額のカネで六ケ所村の核施設建設を推進していった傲慢なあり方を批判した。
吉原毅さんは、小泉純一郎元首相らと共に「原発ゼロ社会は可能だ」と訴えた時の反響の大きさについて語りながら、原発が経済合理性の面でも社会的公正さの面でも必要でないと強調した。
村上達也さんは、日本原電と原子力規制委員会が今年一一月二八日までに再稼働と二〇年間運転延長の結論を出そうとしている、と警鐘を乱打した。規制委員会にとって残る作業は「運転延長期間の認可」、「詳細設計と工事計画」の認可、「保安規定」の認可の三点。
東海第二原発はもともと三〇年運転が前提だったが、安倍政権になって逆流が生じ「着実に再稼働にしていく」に変わったという。原子力業界にとって「原子力発祥の地」東海村で「原子力の火」を消すわけにはいかない、との思いがある、という。
村上さんは、東海原発が、核燃料サイクルの拠点づくりを意図したものだと指摘するとともに、東海第二それ自体が、きわめて脆弱な地盤の上に立ち、電気ケーブルの老朽化、そして難燃化の困難性を抱えていること、原電が資金能力のない実質倒産会社であること、住民避難計画の不備など大きな問題を抱えていることを厳しく批判した。

連続した行動で
STOPめざす
三人の講演に続いて、参院議員の山本太郎さんからのビデオメッセージが紹介された。
おしどりマコ&ケンさんの「福島第一原発事故の取材から見えること」と題したトークの後、柳田真さん(たんぽぽ舎、とめよう!東海第二原発首都圏連絡会世話人)が行動提起を行った。首都圏の多くの反原発運動団体が横断幕を連ねて檀上に上がる中で、一〇月二六日の「反原子力の日」に原電包囲のヒューマンチェーン(午後五時半〜七時、日本原電本店前)を行うことを皮切りに連続した行動に取り組むことが訴えられた。     (K)

10.14

福島原発事故緊急会議シンポ

「福島とチェルノブイリ」

白石草さん、黒田節子さんのお話


「復興五輪」の
デタラメぶり
 一〇月一四日、福島原発事故緊急会議は一六回目となる連続シンポジウム「福島とチェルノブイリ」を東京・水道橋のたんぽぽ舎会議室で行った。三〇人が集まった。講師はOur Planet TV代表の白石草さんと、「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さん。
 チェルノブイリ原発事故の実相と今日にまで続くその深刻な被害について、現地取材の映像で明らかにし、チェルノブイリの教訓を福島の被害者の支援と救援にどう生かしていくかの活動を続けてきた白石さんは、今回は「原発事故を終わらせる復興五輪」というテーマで報告。二〇二〇年の「東京五輪」がいかに原発事故を忘れさせる目的でそのキャンペーンが組み立てられているのかを中心に報告した。

「希望」ドーピング
で事故を隠ぺい
一九八六年四月二六日のチェルノブイリ原発事故から五年後に制定された「チェルノブイリ法」は、放射能汚染が年間〇・五ミリシーベルト以上の地域に適用され、毎月の補償金、年金の加算、公共料金割引、無料検診、非汚染食糧の提供、給食費の無料化、大学への優先入学などの措置が適用された。
しかし福島原発事故はどうだったか。安倍首相は「汚染水の影響は福島第一原発に面する湾内の〇・三キロメートル以内で完全にブロックされている。健康問題については今までも、これからも全く問題ない」と嘘っぱちを並べて二〇二〇年の東京五輪を招致した。そして「世界一安全な原子力発電の技術を提供できる」「仮に同じような事故が起きても大丈夫」などというとんでもない主張を今も行っている。
白石さんは、いったん計画するとやめられない日本政府のあり方を厳しく批判し、「豊洲市場も全く同じだ」と厳しく批判した。さらに白石さんは、「自主的避難者」に補償金を支払わず、「帰還」を促し、昨年から多くの地域で避難を解除し、オリンピックに合わせて二〇一九年四月には大熊町の一部でも「準備宿泊」を始めるようにしている、と指摘した。
さらに白石さんは、常磐線の広野駅、竜田駅(楢葉町)などの現状を紹介しながら、来年四月には開業予定のJヴィレッジ駅(楢葉町)などの映像を紹介した。そこに向けて、すでにタイの青少年サッカーチームの合宿も招へいされているという。
こうして二〇二〇年春には常磐線を全通させ、五輪聖火リレーを走らせる(福島県の被災地を通る特別コースは三月二六日〜二八日)計画を、白石さんは厳しく批判した。さらに白石さんは、チェルノブイリ事故よりも甲状腺がん発生の比率が高い、という福島の状況を指摘し、今の流れは五輪を通して「日本なら事故を克服できる」「そもそも避難させる必要などなかった」というキャンペーンになっている、と批判。「『希望』ドーピング」としての東京五輪を厳しく批判した。

官民合同の企業
誘致をもくろむ
次に、黒田節子さんは、郡山の屋内プールで五輪に向けた海外の選手のトレーニングキャンプをやってほしい、という声が上がっているなどの現状を紹介。「官民合同」で企業誘致のキャンペーンが行われている、と批判した。
さらに黒田さんは「熔け落ちたままの核燃料」「増える健康被害」「強いられる帰還と住宅補償打ち切り」「汚染水の海洋投棄」「焼却炉問題」「不足する原発作業員」「住民・市民の分断」「規制委、復興庁、マスコミの結託」など、「もう、話したくないことばかり」と訴えた。
黒田さんは、南相馬市立総合病院のデータでは、病気の増加は「避難生活のストレスのため」と理由づけられていると批判し、さらに復興庁のパンフ『放射線のホント』や『しあわせになるための「福島差別」論』などの書籍・パンフで主張されている中身を厳しく追及した。
「放射線は健康に影響はなく遺伝性はない。100ミリ〜200ミリシーベルトの放射能は野菜不足や塩分取りすぎよりも健康に害はない」、「福島産の食品は学校給食に使っても影響はないとはっきりさせよう」「知るという『復興支援』があります」などの「風評払拭」キャンペーンが行われ、それに文化人・評論家が呼応する、という構図だ。
黒田さんはそれを「ニッコリ笑っている人に放射能は来ない」という言い方と同じ、と批判し、分断された被災者の連帯の回復を訴えた。
さらに現在、除染労働者に外国人が大幅に増加していること、避難地域に戻ってきた人たちの中に若い人が少ないこと(全体の五%)、復興庁が二〇二一年三月に廃止され、二〇二三年には帰還困難区域に指定された双葉町、大熊町の「避難指示」が解除される予定となっている現状を黒田さんは説明した。
除染活動について手配するのは厚労省から来た役人で、その責任が環境省に押しつけられていく構造が進んでいるが、経産省主導の安倍政権の中で、交渉の相手がいなくなる――責任者が消えてしまうという構造がある。
黒田さんは原発事故について「新しい時代の新しい苦悩」を説明するとともに、一二月一日に郡山市で「市民が育てる『チェルノブイリ法日本版』の会」の集会が行われる、と紹介した。最後に黒田さんは、韓国全羅南道霊光(ヨンガン)市で行われた反核集会に参加したことを報告し、ムン・ジェイン政権が「脱核」の公約を破棄したことへの批判が韓国で広がりつつあることを紹介した。
シンポでは最後に、原発事故の収束作業で被ばくした「あらかぶさん」の裁判支援を訴える発言などを受けた。       (K)

朝鮮半島通信

▲欧州を歴訪している韓国の文在寅大統領は10月18日、キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)でローマ法王フランシスコと会談した。文大統領は前日の17日夕、バチカンのサンピエトロ大聖堂で行われた朝鮮半島の平和のためのミサに出席した。
▲日本の朝鮮半島統治下で日本の企業において徴用工として強制されたとして韓国人4人が新日鉄住金を相手取り損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審について、韓国最高裁は10月19日、判決を今月30日に言い渡すことを発表した。同訴訟については現在、朴槿恵前政権で韓国最高裁の所属機関、法院行政所が訴訟の進行を遅らせた疑惑において、韓国検察が調査を行っている。
▲韓国警察庁特別捜査団は10月15日、李明博政府時代に警察にオンライン上の世論操作を指示した容疑(職権乱用権利行使の妨害)で、趙顕五元警察庁長官を拘束し、10人の元警察関係者を在宅起訴の意見を添えて送検したと発表した。
▲朝鮮労働党創建73周年に際して三池淵管弦楽団劇場が平壌市の牡丹峰区域に10月10日、開館した。開館式には、朝鮮労働党の朴光浩副委員長、朴春男文化相、朝鮮文学芸術総同盟中央委員会の安東春委員長、国務委員会の馬園春局長らが参加した。開館の辞を朴光浩副委員長、討論(演説)を三池淵管弦楽団の玄松月団長がそれぞれ行った。


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