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    かけはし2018年11月5日号

「朝鮮敵視政策」に終止符を!


9.18 キャンドル集会

日朝国交正常化実現し
東アジアの平和を作ろう



 【大阪】キャンドル集会実行委員会(戦争させない1000人委員会・戦争あかん!ロックアクション・ヨンデネット大阪)主催、大阪総がかり行動実行委員会協賛のキャンドル集会が九月一八日、エルおおさかシアターで開かれ、六〇〇人の市民が参加した。朝鮮戦争休戦協定発効六五周年の日である七月二七日のキャンドル行動に続く行動として準備されたものである。今年九月一八日は柳条湖事件から八七年、前日の一七日は日朝平壌宣言から一六年、そして一九日は戦争法強行採決から三年の日である。

朝鮮半島情勢
急変の直視を
主催者あいさつをした米田彰男さん(大阪平和人権センター理事長)は「朝鮮戦争終結を実現しようとしている朝鮮半島情勢の急激な変化により、安倍政権がつくった安保関連法の前提条件は失われたが、安倍首相は総裁選で九条改憲の主張をしている。また強行しようとしている辺野古新基地建設もその根拠が失われた」と延べ、東アジアの平和を確実なものにするためにも、日本政府は日朝平壌宣言に基づく日朝国交正常化のための努力を行うべきだと述べた。

沖縄県知事選の
支援をアピール
続いて、大湾宗則さん(元京都沖縄県人会会長)が「東アジアの平和と辺野古新基地は両立しない」と沖縄県知事選支援のアピールを行った後、全員で逝去した翁長沖縄県知事に黙祷をした。そして、八月一一日の沖縄県民大会の様子・玉城デニー沖縄県知事候補のビデオメッセージが上映された。
日朝平壌宣言(二〇〇二年)・ストックホルム合意・今年の南北首脳会談と板門店宣言・朝鮮戦争の終結の意味など情勢の変化の流れを、パワーポイントで服部良一さん(実行委員会)が説明して、二人の講演に入った。    (T・T)

浅井基文さんの講演

南北和解に資する政策を

圧力一辺倒からの転換へ


浅井さんは安倍政権の性格を、パワーポリティックス国際観(対米協調路線)・終戦詔書史観に基づく戦前回帰指向・「北朝鮮脅威論」による軍事大国化路線・二一世紀国際環境(人類史の大方向)に対する逆行、とし、本当にひどい政権だと述べた。

主権者として
責任を果たせ
安倍は「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」というが、この問題は解決済みだと言う朝鮮の主張は正しい。生存している可能性のある被害者の帰国実現は、国交正常化交渉と切り離して扱うべきだ(二〇一四年ストックホルム合意)。安倍政権は、朝鮮の四回目の核実験(二〇一六年一月六日)で日本の独自制裁を再開し、朝鮮は拉致被害者・行方不明者に関する調査を中止し、合意は頓挫した。
「北朝鮮の核ミサイルが飛んできたらどうする?」といわれるが、朝鮮は米国の攻撃に対して核ミサイルで反撃する決意は断固としているが、自らが無謀な戦争を仕掛ける意思はない。朝鮮の核は先制攻撃用のものではない。朝鮮が追い詰められないように手立てを講ずる外交こそが唯一無二の策だ。
「北朝鮮は何をしでかすかわからない」。それこそが、朝鮮蔑視の裏返しだ。何をしでかすかわからない存在だったら、首脳会談などあり得ない。日本の「常識」は国際的「非常識」だ。情報源を多角化する地道な努力が必要だ。
「最大限の圧力を行使して、北朝鮮を交渉に引きずり出す」という政府。それは朝鮮の民族的プライドを無視し、踏みにじる傲慢さそのもの。日本の過去の歴史を無視し、否定する厚顔な態度だ。最悪の場合は核戦争になるという厳然たる結果を国民にひた隠しする政府の犯罪的で無責任な態度だ。
「主権者・国民の政治責任」。私たちの課題は何か。朝鮮は核を完成させたら外交に打って出ると思っていたが、予想は当たった。朝鮮の対日メッセージをしっかり受け止めなければいけない。朝鮮労働党、朝鮮外務省、朝鮮主要メディアの論評がある。朝鮮中央通信に注目しよう。今年の一月から三月までは安倍政権批判だったが、三月から八月までは国交正常化の交渉条件を提起していた。それ以後また、批判の主張に転じた。彼らは、必ずメッセージを出している。安倍政権を批判する人でも、朝鮮が何を言っているかを知っている人は一%ぐらいしかいないのではないか。これではダメだ。今、朝鮮の公式見解がないのは、交渉の余地を残しているからだ。
安倍外交の朝鮮敵視政策の犯罪的誤りを批判し尽くさなければならない。対朝鮮政策の基本認識は、朝鮮半島で起こる戦争は核戦争であるということ、日本を廃墟にしない唯一の道は、戦争を起こさせないこと。日本が米国の戦争政策に協力しないことを明確にすれば、米国は朝鮮に戦争を仕掛けることは不可能になる。
「主権者としての歴史的責任」。朝鮮半島を植民地支配し、敗戦後の南北分断に道を開いた日本の歴史的責任は、主権者であるわれわれにもあること。日本政府が、南北和解に資する朝鮮半島政策を行うことを担保すること。私たち自身の人権感覚を見つめ直さなくてはいけない。

纐纈厚さんの講演

「朝鮮半島問題」と
  日本の植民地責任


「明治国家体制の基盤・植民地支配」。天皇制存続により、戦前権力は戦後権力へスライドし、天皇制解体に伴う植民地支配責任を問われることを回避した。天皇制国家日本は、米国の戦後アジアの拠点となり、戦後「新国体」は安保に代わった。
「朝鮮分断と帝国日本の介在」。日本は本土決戦に備え、三八度線以北を関東軍の管轄、三八度線以南を大本営直轄とした。日本敗戦後、関東軍(日本帝国陸軍)はソ連軍により、朝鮮軍(日本帝国陸軍)は米軍により武装解除された。両軍の管轄区域の境界が三八度線で、韓国と朝鮮の境界線だ。日本は英国やフランスとことなり、国民国家化と植民地化が同時進行したため、国民意識の中に植民地化意識が内在化し、植民地を内地の延長として認識された。
「反帝国主義の胎動」。二〇〇〇年金大中・金正日会談、二〇〇七年盧武鉉・金正日会談などに見られる、主権性への自覚的行動。分断の不条理が、米国を筆頭とする大国の国際秩序形成の中で永続することへの異議申し立ての現れである。
「アメリカによるアジア秩序の強制と反発」。米国は、北と南を同時に恫喝している(二重恫喝)。米国による南への核持ち込み。今も在るのかないのか。北は、先軍政策により核武装で対抗することを強いられた。
「脅威論の虚妄性」。米国の脅威と北の脅威は同質ではない。日本は、軍事帝国主義の強大化を支え、そのため自衛隊は拡大する。
「日本の対北朝鮮政策」。制裁に固執するのは、分断固定化が日本の保守層にとって有利だからだ。河野外相の「今は終結宣言の時期ではない……」。発言はその実例だ。だが、戦争終結が北朝鮮の非核化など、日朝間の課題解決にとっても優先事項であることは明確。
「米国と日本の新たな国防戦略」。米国の国家安全保障戦略(二〇一七年一二月)・国家防衛戦略(二〇一八年一月)では、優先課題は対テロではなく、大国間戦争であることが明記されている。自衛隊の総合防衛戦略と防衛計画の大綱は今年末に公表。自衛隊は、米軍の第五軍か?
「脅威論の虚妄性」。作為された脅威に代わる共同の連帯の方向性、アジア平和共同体への展望を語る秋だ。
講演に続いて、協賛団体である大阪総がかり行動実行委員会を代表して大阪憲法会議からあいさつがあった。政党(立憲民主・共産・自由・社民・新社)の代表、在日団体や朝鮮学校オモニ会代表の紹介があった。
最後に川口真由美さんの歌のライブがあり、揺れるキャンドルの灯に合わせ、イムジン河の歌をみんなで合唱して閉幕した。

映画紹介

キム・ジウン監督作品、2016年、韓国映画(DVD)

「密偵」を観て

S・M

 「密偵」(キム・ジウン監督作品、2016年、韓国映画)のDVDを観た。「密偵」は日本統治時代の1920年代を背景に、日本警察と独立運動団体「義烈団(ウィヨルダン)」との攻防を描いた韓国映画(『キネマ旬報』2017年11月下旬号)だ。韓国では観客動員750万人を超え、年間興業ランキング第4位となったという(『キネマ旬報』2017年11月下旬号)。
 日本統治時代の朝鮮で、朝鮮人警務のイ・ジョンチュル(「弁護人」のソン・ガンホ)は日本警察の東部長(鶴見辰吾)の下で橋下警部(オム・テグ)らと協力して独立運動団体義烈団(ウィヨルダン)のメンバーに近づき情報を得ようとする。だが、義烈団(ウィヨルダン)団長のチョン・チェサン(イ・ビョンホン)と会い、義烈団(ウィヨルダン)に協力することになるのだった。
 「「密偵」の中でソン・ガンホが演じているイ・ジョンチュルは、かつて独立運動家たちとも交流があり、その人脈を買われて日本の警察にスカウトされた人物。1923年に朝鮮独立を目指す組織・義烈団(ウィヨルダン)のメンバーたちと協力して中国から爆弾や文書を持ち込もうとした実在の朝鮮人警官ファン・オクをモデルとしている」(『キネマ旬報』2017年11月下旬号)という。
 私は爆弾闘争については良く分からないが、この映画を観てとても感動した。
 特にキム・ジャンオクが「俺はネズミにはならん」「大韓独立万歳」と言って自決したシーンに感動した。
 また、「義烈団(ウィヨルダン)ここにあり」という刑務所の落書きを見て感動した。
 また、イ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)がヨン・ゲスン(ハン・ジミン)の死体を見て泣くシーンに感動した。
 また、法廷でひっぱられていくイ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)を見てキム・ウジン(コン・ユ)が笑うシーンに感動した。
 また、チョン・チェサン(イ・ビョンホン)がイ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)に「人は誰でも進むべき道を選択する時が来る。イ同志はどちらの歴史に名を刻みますか?」と言うシーンに感動した。
 そして、「我らには前進あるのみ」「幾度もの失敗を踏み台にしてさらなる高みを目指せ」というチョン・チェサン(イ・ビョンホン)の言葉に感動した。
 日本人民と朝鮮人民の連帯万歳。「侵略と植民地支配の真の清算」を。「自由で平等で平和なアジア」の実現を。「自由で平等で平和な世界」の実現を。
(2018年10月22日)

コラム

地球型惑星


 ダイエットと運動不足解消のために、七月から週三〜四日ほどナイトウォークを続けてきた。自宅を出発してK公園通りを南に向かって歩きはじめると、夏の夜空に赤く大きく輝く火星を眺めることができた。
 地球と火星は一七年ほどの間隔で大接近する。その距離は五六〇〇万qほどで、地球と月との距離の一五〇倍ほどである。火星の公転は約二三カ月で、大きく楕円軌道している。しかも火星は地球の質量の一〇%ほどの惑星で、半径も月の二倍弱しかない。地球をバレーボールの大きさだと考えると、火星はソフトボールくらいになるのだろうか。大気はCO2だが極めて薄く、気圧は七hpしかない(地球表面は一〇一三hp=一気圧)。それでも火星の輝きは夜空の小さなルビーのように美しい。
 一〇月一九日に日欧の共同で、探査機を搭載したアリアン5ロケットが水星をめざして打ち上げられた。太陽の一番近くを八八日で公転する水星は地球の質量の五・五%ほどで、先ほどのたとえでいうと野球ボールほどになる。また水星は太陽に近いということもあり、地球の約一〇倍の太陽光線を浴びて、表面温度は四三〇度まで上昇する。
 これまで行われた水星探査は、米国NASAによる一九七四〜七五年のマリナー10号と二〇一一〜一五年のメッセンジャーによる二回である。今回の探査では日本が開発した水星磁気圏探査機MMO「みお」が磁力や荷電微粒子などを観測し、欧州が開発した水星表面探査機MPO「べピ」が表面地形や鉱物・内部構造などを観測する。しかし水星への到着は七年以上先の二〇二五年一二月だ。それまで生きていなければ観測結果を目にすることはできない。
 金星は地球質量の八二%で、地球を若干小ぶりにしたような惑星である。自転は他の惑星と逆向きに回転していて、一周するのに二四三日もかかり、それは公転周期(二二五日)よりも長い。それはたぶん縦向きに回転している天王星と同様に、惑星形成過程で巨大隕石の衝突によってもたらされたのだろう。金星の大気成分はCO2で、硫酸の雲に覆われていて地表温度は四〇〇度で、気圧は一〇〇気圧もある。
 最後に地球の大気成分を記しておきたい。窒素七八%、酸素二一%、アルゴン一%弱・・・二酸化炭素(CO2)〇・〇三二五%・・・。この数字を見ると、温室効果による気象への影響は極めてデリケートだということがわかる。
 金星や火星から地球を眺めるとどんな色で輝いているのだろうか。青くサファイヤのように美しく輝いているのだろうか。
         (星)


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