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    かけはし2018年11月12日号

「身内」での茶番劇に怒り


沖縄報告 11月4日

埋め立て承認撤回効力停止許さぬ

那覇市 T・N

10.30

オール沖縄会議が沖縄防衛局に抗議行動

辺野古の工事再開を許さない

知事選・市長選勝利を引き継ごう

 一〇月一七日、那覇市長選のさなかにもかかわらず、沖縄防衛局は沖縄県の埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止を、国土交通相に申し立てた。
 本来、国や自治体の行政処分から国民の権利を守るための制度を、今まで国家暴力の限りを尽くして基地建設を強行してきた防衛局が、都合が悪くなると私人に成りすまし、同じ内閣の身内に救済を求めるなど、ことあるごとに持ち出す「法治国家」が聞いてあきれる。国が突然私人として身内同士で不服申し立てができるのなら、地方自治体の権限は裁判もなしにすべて奪われてしまう。
 三年前に翁長知事が埋め立て承認を取り消したとき、行政法の専門家から厳しく批判されたこのやり方を、さらに多くの批判を浴びながら再び持ち出したのは、全力で介入しながら大敗した知事選で戦意喪失し、市長選を投げ出しても辺野古への強引な土砂投入で既成事実化を急ぎたいからだろう。
 こうした中でオール沖縄会議は、一〇月三〇日午後二時から嘉手納にある沖縄防衛局に対し、民意を尊重し、審査請求・執行停止申立を取り下げることを求めて抗議行動を行った。
 那覇から平和市民連絡会が準備した県庁前一二時発のバスに乗って嘉手納に向かう。途中、昼のニュースで石井国交大臣が県の埋め立て承認撤回の執行停止を決めたことがわかり、改めて露骨な出来レースに怒りが湧き起る。一時間ほどで、カデナロータリー内の防衛局前広場に着くと、島袋文子さんを始め辺野古の仲間や、ゲート前行動を経由してきた「オール沖縄那覇の会」のバスの仲間も集まり始めた。防衛局の建物には五〜六人の職員が入口を塞いでいる。「誰のために仕事してるんだ」「アメリカ軍防衛局は沖縄から出ていけ」集まった人々から声が上がる。
 予定の二時前、オール沖縄会議事務局長山本さんの進行で抗議文手交の前にシュプレヒコール。「民意を尊重しろ!」「知事選の結果を無視するな!」「工事再開は許さんぞ!」「審査請求を取り下げろ!」「デニー知事を支持するぞ!」「基地建設を阻止するぞ!」怒りの声がこだまする。
 続いて共同代表の稲嶺進さんが、抗議要請文を読み上げる。玄関前に突っ立っていた報道室長が受け取り、「上司、本省に伝えます。ありがとうございました」と言うだけの応対に「フザケルナ」と怒りの罵声が飛ぶ。
 広場に戻って集会を再開。稲嶺さんは「きょう石井大臣が執行停止を決定した。国の機関が『私人』を僭称し、行審法を使うことは多くの専門家が批判している。案の定同じ穴のムジナが防衛局の主張を鵜呑みにして民意を踏みにじった。法治国家じゃない。知事選の圧勝を全く無視する日本は復帰運動が求めた『祖国』ではない。戦後七〇余年、この国は更なる構造的差別を続けるのか。これ以上我慢できない。明日から再び総結集して新基地阻止、普天間返還を勝ち取るまで闘い抜こう」と結集した県民の想いを言葉にした。
 最後に、もう一度「行審法乱用糾弾!」「知事選の結果を尊重せよ!」のシュプレヒコールと工事阻止に向けて団結ガンバロー!で集会を閉じ、一一月三日第一土曜の辺野古での県民大行動への結集を呼びかけた。

11.1

沖縄防衛局が工事再開強行

フロート設置をやめろ

カヌー隊の活躍で阻止

 国交相の決定を受けて、沖縄防衛局は予定通り工事を再開した。先ずは大浦湾側でのフロート再設置から始めたが、抗議船とカヌーチームの頑張りで初日から作業は大幅に滞った。
カヌーチームのメンバーからメールが届いたので、以下に転載する。

カヌーチーム
のメールから
天候、朝曇り午後から晴れ。
今日から法律をねじ曲げごり押しの工事が再開された(怒・怒)。
また辺野古通信というか、辺野古新基地建設の現状を皆さんにお届けします。本来このようなFacebookの投稿がなければ一番好ましいのですが残念ながら今の政府ではとても期待できません。
朝八時四〇分松田ぬ浜を私たち一六人は出発した。今日は午後からフロートの設置があるのじゃないかとの予想だったが、辺野古崎を回り大浦湾の奥深い場所まで行くと海上保安庁のGB(ゴムボート)用の浮桟橋設置が始まっていた。そこにはGBが一六艇待ち構えていた。私たちは抗議と阻止行動を行った。およそ1時間ねばったが全員が拘束された。全員が瀬嵩(せだけ)の浜に送り返されたのは午前一一時二〇分、これから体制を整えさらに抗議するのは時間的に無理なので午前の部はこれで終わりにした。
午後は一二時五〇分瀬嵩の浜を出発した。風も強くなってきて、波はうねりも含み二m位になった。しかし、フロートの設置が始まった。私たちが抗議行動に入ると即、海保に拘束された。拘束が早すぎる。まだ午後一時を少し回ったところだ。そして四〇分以上かけ瀬嵩浜に連れ戻された。通常のスピードで走れば一〇分もかからない所である。ほとんど嫌がらせにしか思えない。瀬嵩の浜に戻ってから即、工事現場に戻った。シュワーブのレジャービーチにはフロートが二〇列ぐらい並べてある。これを順に引き出してタグボートで設置現場まで運ぶ。私たちはその前でカヌーを縦横無尽に漕ぎフロートの引き出しを許さなかった。午後三時半まで粘って彼らは諦め、今日の作業は終了した。午後からの作業は時間にして三分の二以上阻止しました。
久しぶりの投稿なのでただ時系列的に書いてみました。

 一日、二日の工事再開の様子は目取真俊さんのブログ「海鳴りの島から」
https://blog.goo.ne.jp/awamori777に詳しく紹介されている。
一方、埋め立て土砂の積み出し港である本部港塩川地区は先月の台風で岸壁が大破し、新たな使用申請は不受理となっており、防衛局も当面海路での土砂運搬を再開することができなくなっている。

11.3

県民大行動日

キャンプ・シュワブ前に

1000人が結集した!


オール沖縄候補が三連勝した県知事選、豊見城市長選、那覇市長選が終わって最初の第一土曜、オール沖縄会議主催の県民大行動日だ。県庁前八時発の平和市民連絡会の大型バスに乗った。朝からの大雨で結集が心配だったが、九時半頃着くとすでに二〇〇人余りが集まって集会が始まっていた。
平和市民の北上田さんが塩川港の状況について「承認願書には、埋立の土砂(岩ズリ)はすべて海上搬送と明記されている。防衛省も交渉の際何度も確認しており、陸上から運ぶには設計概要変更申請により知事承認が必要だ。六バース中三バースが破損していて修復は台風災害対策国庫補助が出ないとできないが、まだ下見さえ来ていないので年内には無理。しかし無法を繰り返してきた安倍は那覇空港工事に使用している業者を押しのけてバースの横取りを本部町に強要するかもしれない。県・本部町と連携して監視していこう」と呼びかけた。
一〇時半になり県庁前九時発の島ぐるみバスが到着するころにはすでにシュワーブ前のテントは満杯。一一時の県民大行動集会開会を待たず雨合羽に傘を差した人々がテントの周囲を埋め尽くしていた。各地島ぐるみの仲間や、昨年七月ゲート前で頭蓋骨骨折の大けがで搬送された中村さん夫妻も駆けつけ、知事選勝利の喜びやでたらめな工事再開への怒りと、闘う決意を次々に語った。
バスケットの名人としてテレビで紹介された七四歳の宮城さんは、ここではうちなーぐちの名人だ。きょうも最初から最後までうちなーぐちで、野蛮ぐにアメリカの基地を追い出せば観光客倍増でとんでもない収益になる、とユーモアたっぷりにアピールした。そのあと降りやまぬ雨の中「今こそ起ち上がろう」「座り込めここへ」を大合唱して一一時からオール沖縄会議主催の大集会が始まる。

雨風はねかえし
基地建設止める
司会の大城悟さんが「雨、風を跳ね返して全国の仲間と連帯し、未来のために基地建設を止めよう」と開会宣言。
はじめに共同代表の稲嶺進前名護市長が「選挙ではオール沖縄が圧勝し、新基地NOのぶれない民意を示した。それでも国は恥もなく都合のいい解釈をして民意を無視する。二〇面相のように公私を使い分け行審法を悪用する。世界の恥だ」「雨風が強いが、これが私たちを強くする。逆風をとらえて前進するヨットのように心を一つにして頑張っていこう」とあいさつ。
次は沖縄選出野党国会議員で構成する「うりずんの会」。照屋寛徳さんは「ハイサイ、ウチナーウマンチュヌグスーヨー、チャーガンジューヤミセーガヤ―。この雨は長い闘いの中で倒れた多くの先輩方の怒りと涙のようだ。無法な決定による工事再開を断じて許さず、反対の強い怒りを固めよう。うりずんの会と野党国対委員長は防衛大臣に抗議の申し入れを行った。国交相の決定が出ても『留意事項』に基づく県との『協議』を行わなければ工事再開はできない、との追及に、岩屋大臣は『留意する』と言ったが、翌日に再開とは許し難い」。
赤嶺政賢さんは「予算委で行審法適用の違法を追及した。米軍基地を造る私人がどこにいるのか。多くの行政法専門家の批判がある。安倍首相は『言わせておけ』との態度だ。石井国交相は『中立・公正に判断』というが、『辺野古唯一』の閣議決定に縛られる立場だ。辺野古はあと一〇年たってもできないのに『五年以内の運用停止』に知らん顔する政府。『普天間の危険性除去』を言う資格があるのか。『沖縄に寄り添う』と言い張るうそつき政府を打倒しよう」。
伊波洋一さんは「皆さんの力で選挙に勝利した。辺野古現場での闘いがあってこその勝利だ。米国のメディアがデニー知事に注目している。中間選挙を前にデニー知事が訪米して世論に訴えるチャンスだ。現場で団結して工事強行を跳ね返し、知事の言うように司法の場ではなく、話し合いでの政治解決の道を切り拓こう」。
糸数慶子さんからは「勝つまで諦めない」のメッセージ。

オール沖縄が
日本を変える
続いて、八日から就任する山川仁豊見城新市長が拍手で迎えられマイクをとる。「オール沖縄の力で二〇年ぶりに市政を取り戻せた。翁長知事が遺したアイデンティティーを若い世代に伝え、新しい豊見城を創る。強いられた分断を乗り越え、心ひとつに新基地を止めていこう」と決意表明。
城間幹子那覇市長からの「ぶれずにチバラナヤータイ」のメッセージ紹介の後、デニー県政を支える県議の発言が続く。照屋大河さん「知事選の総決起大会も雨だった。翁長樹子さんが県民に寄り添わない相手には負けられないと言った。翁長知事ばかりでなく大きな犠牲を払いながら沖縄は闘い続けてきた。決して負けない。ウシェーラッテナイビラン(見くびられてはなりません)」。
比嘉みずきさん「県民葬で、菅官房長官が安倍首相のあいさつを代読し『基地集中の現状は是認できない。できることはすべてやる』と言って、やったのが執行停止。許せない」。
親川敬さんも、普天間第二小の異様なシェルターと、辺野古ができても普天間は返還しないとの稲田発言を指摘した。
最後に主催団体から高良鉄美共同代表が「きょうは憲法公布の日。間違った政治を正すために憲法ができた。私たちがこうして行動しているのは人権が侵害されているから。復帰後も憲法の恩恵のない沖縄だが、憲法を守らない政府に対峙して、実現しようとしているのが私たちだ。オール沖縄が日本を変える」。
ヘリ基地反対協の仲本さんは「撤回で元の姿の戻った大浦湾にまたフロートを出そうとしている。三一日から海上行動で抵抗している。みんなの支えで闘ってこられた。『県民に寄り添う』はもうやめろ。『一日二〇〇〇万の損害』は国の無駄遣いで国民の損害だ。基地建設止めるまでこれからも頑張ろう」と呼びかけた。
最後に統一連の中村司さんが、金秀グループ呉屋会長のメッセージと韓国チェジュ島の中学生八人が引率の先生と参加していることを報告。「国家暴力を行使して米軍基地を造る防衛局が私人に成りすますのは詐欺行為だ。九日に本部町町民ホールで行審法の問題と塩川港での取り組みの学習会をやる。結集を!」と行動提起。結集した一〇〇〇人余の団結ガンバローで熱気あふれる集会を閉じた。



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