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    かけはし2018年11月12日号

リストラ、国家暴力、損害賠償差し押さえのない世の中に


双龍車闘争10年の意味

整理解雇撤廃の要求を正式化し、闘争に乗り出すべき

 民主労総は11月ゼネストを中心に街頭から声を上げる集中行動を開始している。これ以前、30人の組合員の命を犠牲にしながら闘われた双竜自動車の整理解雇との闘いが10年ぶりに会社と合意を勝ち取り、1年以内に全員の復職をすることになった。この論文で、なぜ労使政委員会参加が労働運動を後退させるものにしかならないかを明らかにしている。(「かけはし」編集部)

 リストラから10年後に双龍車の解雇者復職が合意された。しかし、合意が発表された9月14日はただうれしいばかりではなかった。
文在寅(ムン・ジェイン)政府の労使政委員会が宴会のテーブルに箸を置くかのように合意の席の一角を占め民主労総を労使政委員会に引き込もうという薄っぺらな本音を示したためだ。
1998年のIMF通貨危機の際、民主労総を労使政委員会に引き入れて整理解雇の合意をした後、どれほど多くの労働者が整理解雇の苦痛に苦しんだか。双龍(サンヨン)自動車のリストラで30人が命を失ったのではないか。
しかし、10年間の苦痛と闘争で成し遂げた双龍車の解雇者復職合意の席上を彼らは別の祭りにしようとした。
20年前に民主労総を労使政委員会に引き入れて雇用柔軟化を料理したとすれば、今度は賃金柔軟化を料理しようとしているのだ。喜んで祝うべき双龍車の解雇者復職合意の席上で彼らは生臭い悪臭を放っていた。

リストラ反対を社会的要求に復活させた双龍闘争


招かれざる客がそっと置いた箸のために宴会が覆されるわけにはいかない。
双龍車闘争10年の意味は、「解雇者全員復職」それ以上のものだ。新自由主義攻勢の下で、韓国労働運動が経験した多くの敗北の中で最も痛ましいのが、ほかならぬ「整理解雇の法制化」だ。
整理解雇制から攻勢を受けるや否やすでに市民運動はもちろん、労働運動内部の半分が崩れた。
リストラ制度が貫徹された後、整理解雇の撤廃は韓国労働運動の死文化した要求に転落した。そのような状況で2009年、双龍車の労働者らが、「玉砕スト」でリストラに真っ向から抵抗した。
リストラに抵抗する者たちを根絶やしにするかのように政権は激しい弾圧を行い、双龍車労働者の77日間の工場占拠ストは多くの負傷者と拘束者を出して敗北した。もし闘争がここで終わっていたら、双龍車闘争は一団の英雄的な闘争または敗北した盲動主義で、歴史の一行に記録されたまま忘れられたかも知れない。
双龍車の労働者らは2009年の傷が癒される前に10年マヒンドラ(インド資本)売却をきっかけに、産業銀行の前で闘争に乗り出した。
そして2012年の22人目の犠牲者の死を機に大漢(テハン)門座り込み闘争に突入した。刑務所で刑期を終えて出てきた韓相均(ハン・サンギュン)支部長らが工場前の高空座り込みに突入した。
リストラの苦痛の中で命を捨てる人が列を作る中、本当に切迫した気持ちで止まらずに闘った。 それこそ人にできるあらゆる方法を動員して闘争した。すると世の中が変わってきた。 各界各層の多くの人々が連帯闘争に乗り出した。 彼らをつなぐ共通の声は「解雇は殺人だ」だった。リストラの弊害を直接・間接的に経験した韓国社会で、双龍車闘争をきっかけに、「リストラ反対」が社会的要求で復活したのだ。

連帯闘争の「一歩前進」をもたらした双龍車闘争


10年間の双龍車闘争は、韓国社会の連帯闘争の幅と深さを一段階グレードアップさせた。労働者闘争に単純に参加したり、上層レベルの世論事業を越えて、各界各層の特性による自己実践を発展させていった連帯であり、きらきらと消え去る一時的な連帯ではなく数年間粘り強く持続した連帯闘争だった。
歴史的に独裁政権の暴圧的な労働弾圧を経由した韓国労働運動で宗教界の影響力は大きい。そのような影響かどうかはわからないが双龍車闘争でも宗教界の積極的な連帯が行われた。
個別縦断別の連帯も行われたが、時には5大縦断が連帯し、双龍車闘争にともなった。しかし宗教界の連帯は解雇された労働者の人権を擁護するレベルにとどまらなかった。資本の利潤のための整理解雇自体に反対する声を宗教界が労働者とともに出したという点で整理解雇に対抗した双龍車闘争の連帯は、幅だけが広まったのではなく、内容も深まった。
文化芸術をする人たちは絵、詩、小説、音楽、公演、映画、放送など各自の文化芸術で連帯の内容を豊かにし、双龍車闘争に対する共感の幅と深さを増した。労働人権弁護士をはじめ法律家らが加わり、資本や政権の会計操作や警察暴力など、不法行為を一つ一つ突き止めた。大漢門の立てこもり場を中心に、未組織市民の連帯が発展するきっかけとなった。

労働運動の担い手となった課題


遅くとも来年までに解雇者全員が復職する。双竜車の解雇労働者は喜びと共に、もう一つの負担を負って工場へ戻るだろう。工場で押されて争ったこの10年間、双龍(サンヨン)自動車支部は民主労組の旗を街頭で守った。その旗を持って工場に帰る彼らは、工場の中に民主労組の旗を堂々と立てなければならない課題を抱えている。
10年間の双龍車闘争で整理解雇撤廃の社会的コンセンサスが形成された。警察をはじめ、国家機関の暴力的な労働弾圧の実状が満天下にあらわれた。損害賠償差押の問題点も再び社会的に喚起した。双竜車解雇労働者ができるのはここまでだ。
民主労総をはじめとする韓国労働運動がこの闘争課題を抱えていかなければならない。 民主労総は整理解雇撤廃の要求を正式化し、闘争に乗り出すべきだ。国家暴力と損害賠償の差し押さえを根絶する制度の獲得に向けた闘争に乗り出すべきだ。
ここ10年間の双龍車闘争の過程で、民主労総や金属労組はさまざまな面で努力してきたが、双龍車のリストラ阻止に向けた労働者ゼネストなど、労働者階級らしい闘争ができなかったのも事実だ。労使政委員会のような虚妄から手を引いて双龍車闘争が残した課題を抱えて労働者階級らしく闘争していくことを願う。
(「変革政治74号」社会変革労働者党)

民主労総が、11月ゼネスト突入を宣言

「積弊清算 労働組合の権利 社会大改革」掲げ

 民主労総は積弊清算とすべての労働者の団結する権利、社会大改革を勝ち取るために11月にゼネストに突入する。民主労総は10月25日午前、ソウル貞洞(チョンドン)にある全国民主労働組合総連盟(民主労総)の大会議室で記者会見を開き、このように明らかにした。同日の記者会見には、金明桓(キム・ミョンファン)民主労総委員長をはじめ、各産別連盟の代表者らが参加した。
 全国民主労働組合総連盟が提示する11月のゼネストの要求は5つだ。@ILO中核協約の批准、公共部門の非正規職ゼロ化など文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選公約の年内履行A交渉窓口の一本化制度、タイムオフ制など後進的な労働関係法改正B全教組法外労組通知処分の職権取り消し。
 民主労総は記者会見文で「11月のゼネストはILO中核協約の批准と労働法改正の争奪のためのゼネストだ。国民年金の保障性を強化し、公共部門の非正規職の完全な正規職化に向けたゼネストだ。一つ二つと破棄される大統領公約の履行を要求し、かなり財閥に傾いている文在寅(ムン・ジェイン)政権の後退を防ぐゼネストだ」と趣旨を説明した。
 金属労組、公共運輸労組、建設産業連盟、保健医療労組、公務員労組、サービス連盟など民主労総の主要産別・連盟はすでに決議を終え、ストと闘争を組織中だ。民主労総の各地域本部は11月27日、「積弊清算―団結する権利―社会大改革ゼネスト闘争勝利決意大会」を地域別に開催する。
 すでに闘争を本格化した組織もある。10月19日には、雇用労働部の傘下機関ジョブワールドの非正規職労働者が無期限全面ストに突入した。特殊雇用労働者は10月20日、ILO中核協約批准と労組法2条の改正を要求し、6千人以上が参加した「特殊雇用労働者の総力闘争決意大会」を開いた。
 今年10月30日には公共運輸労組国民年金支部の警告ストを主軸に国民年金改革と社会安全網争取民主労総決議大会を開く。11月9日には、公務員労組の組合員6千人余りが、10年ぶりの大規模な年次休暇闘争を繰り広げる。
 11月10日には「全泰壹(チョン・テイル)烈士精神継承全国労働者大会」が開かれる。同日、民主労総組合員は土曜勤務を拒否し、ソウル都心集会の場所に集結する。建設産業連盟の総力決意大会と学校非正規職の労働者の上京闘争も、同日予定されている。
 積弊清算・労組の権利・社会大改革ゼネスト大会が開かれる11月21日に民主労総所属の組合員たちが4時間以上ストをうち、ソウル都心(または国会前)に集結する。各地域でもゼネスト大会が開かれる予定だ。
 民主労総のキム・ミョンファン委員長は「政府が公約をきちんと実践させ、法と制度を改め、労働者の労働基本権、団結する権利を保障し、国民年金制度の改革を実現する。11月を貫くストと闘争でろうそくデモの精神を引き継ぎ、改革の流れを作り出す」と述べた。

公務員労働者の完全な労働三権保障せよ

 公務員労組特別法廃棄!ヘジクジャ原職復帰!

(略)2002年の公務員労働者が全国公務員労働組合を設立し、宣言した創立宣言文のフレーズだ。権力に服従する下手人になることを拒否し、労働組合を立てた公務員労働者に、政府は、懲戒と解雇、「不法団体」烙印で答えた。2004年盧武鉉政府は、公務員労組特別法(公務員の労働組合設立及び運営等に関する法律)の制定を強行したが、この法律は、事実上、公務員の労働三権を封鎖することであった。労働組合と組合員の政治活動を禁止する念を押して、団体行動権は初めから剥奪し、労働者が自主的に決定する必要がある組合員の範囲と交渉事項についても制限を置いた。これに対抗し、全国公務員労働組合がストライキ闘争を展開すると盧武鉉政府は400人を大量解職した。2002年公務員労組設立以来、労組活動で解職された労働者は500人を超える。このうち136人はまだ解雇状態にあり、原職復帰を叫んで、大統領府前で座り込み闘争を続けている。
 (略)ムン・ジェイン政府は、国際労働機関(ILO)のコア条約批准を公約し、それに応じて教師・公務員の労働三権保障とヘジクジャ原職復帰を約束した。しかし、ILO条約関連の立法課題を扱った労使政代表者会議では、「公務員と教員の団結権は、原則として、国際労働基準に合致するレベルに保証する」は、抽象的なフレーズのみ提出された。公務員労働者の労働三権を総体的に抑圧する公務員労組特別法には一言半句もない。きたる11月9日、公務員労働者が年次休暇闘争を決意し、行動に出る。社会変革労働者党は、全国公務員労働組合の年次休暇闘争を積極的に支持し、不当に解雇された公務員労働者の原職復帰と公務員労組特別法廃棄・完全労働三権争奪のために一緒に闘う。
 2018年10月26日
社会変革労働者党


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