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    かけはし2018年11月26日号

無法きわまる辺野古工事強行


沖縄報告 11月18日

「基地いらない」の民意に弾圧で応える政府

那覇市 T・N


11.13

山城博治さん、稲葉さん控訴審

弾圧やめろ 勝ちとろう無罪

この日で結審 裁かれるべきは政府

 今日は博治さん、稲葉さんの控訴審第二回公判の日だ。朝からの雨で久しぶりに肌寒い。傍聴抽選券配布が始まる一一時頃には雨が上がった。配布場所の公園に着くと、既に七〇人余りの人が抽選を待っている。いつも思うが、毎回これだけの傍聴希望者が来るのだから、もっと大きい部屋を準備すれば抽選などしなくて済むのに。一一時半過ぎ抽選と結果発表。残念、外れてしまった。
 裁判所前の城岳公園に移動し、集会の開始を待つ。一二時すぎ、平和運動センター大城悟さんの司会で「山城博治さん、稲葉博さんの完全無罪を勝ち取る控訴審支援集会」が始まる。主催はオール沖縄会議他四団体。始めにシュプレヒコール。「市民弾圧をやめろ」「不当判決は許さんぞ」「無罪を勝ち取るぞ」「判決までガンバロー」。
 まず主催者を代表して山内徳信さんが「東京から平和フォーラム、稲葉さんの地元静岡を始めきょうも県内外の仲間が駆けつけてくれた。県民の一貫した『アメリカの無法には屈しない』との思いが広がりつつある。昔の人が言ったように、針の先ほどの沖縄だがアメリカでも日本でも針を飲み込むことは出来ない。デニー知事はニューヨークで県人会ばかりでなく多くの人々に歓迎されている。世界中日本中の仲間と手をつなぎ、私たち県民こそがこの裁判に判決を下そう。次回の判決で無罪の二人を迎えよう」とあいさつ。
 平和フォーラムの福山真劫さんは「不当な拘束、不当な判決にもひるまず、基地押しつけと闘い続ける二人を断固支持する。私たちも東京でオール沖縄に学び、戦争をさせない、9条を変えさせない取り組みを続けている。アメリカに追従し戦争への道を突き進む安倍に、沖縄が最前線で立ちはだかっている。こんな安倍を倒さなければ私たちは沖縄に顔向けできない。デニーさんの勝利で野党の結集が始まった。全国から沖縄と共に安倍の暴走を止めよう」と呼びかけた。

私たちを裁く
ことはできぬ
そして山城博治さんは「昨年三月から始まり一審の不当判決を経てついにきょう、控訴審の結審を迎える。色々思い浮かぶ。一六年七月、私たちは高江の森の破壊に抗議するため県道の路肩に座り込んでいた。そこへ全国から動員された機動隊が大挙押し寄せ、殺人的行為で襲い掛かってきた。私たちの抵抗は正当だがこれ以上のけが人を出さないため降参した。これは明らかに暴力だ。道路管理者でもない国が何の根拠で県民を排除できるのか。こうした真実に目をつぶって私たちを裁くことはできない。高作教授の証言も得て私たちは今日の公判でそれを明らかにする。県民が歴史の証言台に立っている。強く正しく堂々と生きていこう。『本土の無関心を裁くことができるのなら私を獄に繋(つな)げ』と言い放った稲葉さんに感謝する」と決意表明。
恒例の「心騒ぐやんばるの歌」を熱唱した。
続いて稲葉さんは「裁判があと一回で終わるのは寂しい(笑)。三人での裁判を通して安倍と対峙していることを実感してきたから。添田さんも空から見ていることと思う。明後日から博治さんと二人でアイルランド・ダブリンの反米軍基地大会に参加する。辺野古を世界にしっかり訴えてくる」と語り、「ジンギスカン」の替え歌で締めた。

国家的犯罪を
絶対許さない
今日の公判について金高弁護士が「高裁で二回はあっけないと思うかもしれないが、一回で結審のケースも多い。前回の被告人陳述や今回の証人採用など裁判長が変わって一定の前進に見える。民意の反映かも。きょう高作教授が、ブロック積みが一連の抗議行動の一環で表現行為そのものであること、それだけを取り上げて威力業務妨害で裁くことは表現行為の萎縮を招き違憲である、との主張を展開する。この一歩前進を判決に反映させるため弁護団も頑張る」と解説し、決意を述べた。証言に立つ関西大学教授で憲法学者の高作正博さんもひと言「大きな声で皆さんの想いを法廷でしっかり主張してきます」。
オール沖縄会議共同代表の高里鈴代さんは「結審を迎えてこの裁判は一体何だったのだろうと考えてみた。もしゲート前行動がなかったら、ブロックを積まなかったら、座り込みを続けなかったら県民の反対を無視して基地はできていたかもしれない。裁判は私たちが民意を体現して政府の暴走を止めたことへの報復としか思えない。これからも国家犯罪の目撃者として現場に起ち続けよう」と呼びかけた。
会派おきなわの瑞慶覧功県議も「二人の行動は県民民意を体現したものだ。私たち県民全体が裁かれている。裁かれるべきはいったい誰か。グスーヨー ヌチカジリ チバティイチャビラヤーサイ(皆さん、命がけで頑張っていきましょう)」。
最後に司会の大城悟さんから、次回一二月一三日の判決公判への再結集と、その日の一八時から自治会館で報告集会を持つこと、一一月二九日一四時からは目取真俊さんの不当拘束に係る国家賠償請求裁判があることが告知され、団結ガンバローで支援集会を終了した。

11.15

雨をついて辺野古ゲート前集会

工事用資材搬出を強行

「本土」からの土砂搬出止めよう


小雨がぱらつく中、県庁前から平和市民の辺野古バスに乗る。一〇時半頃ゲート前に着くなり八時から来ている仲間たちが、九時に工事ゲートから車両搬入があったと。
一日からの海上でのフロート引き出し作業に続き、陸上からの車両搬入が約三カ月ぶりに再開された。朝の阻止行動に参加した仲間の話では、セメントホッパー車が三台、ダンプ二九台中グリ石が七台、ジャリ砂が二二台で埋め立て用の岩ズリはなく、セメントと砂利はキャンプシュワーブ内の生コンプラント用の資材ではないかとのこと。埋め立て土砂の海上搬送が当面できない中で、隊舎工事や護岸の資材搬入から始めたようだ。四〇人程が座り込み、機動隊が出動してゴボウ抜きも再開された。
バリケードがどけられたままで機動隊も待機しているので一二時、一五時の搬入もあると考え、工事中断中一四時で終了していたゲート前の集会を急遽今日から一六時までに戻すことになった。 
木曜の司会進行はヘリ基地反対協の仲本さん。海は荒天で海上行動が中止になり抗議船の船長とカヌーチームの二人があいさつ。「大浦湾側が終わって辺野古側にもフロートとオイルフェンスが再設置されている。重りのコンクリートブロックが海草藻場を傷つけるため設置しないはずの汚濁防止膜も県の指導を無視してまた設置されている。頑張って作業を遅らせてきたが今の人数では阻止は難しい。可能な方は海上行動にも参加してほしい。日曜の九時からテント2でカヌー教室をやっているので一度は体験してみて」。
「風向きによって第3ゲートからの声援が聞こえる。とても勇気づけられてうれしい。共に頑張りましょう」。
辺野古土砂搬出反対全国連絡協の共同代表で松山市の阿部悦子さんは「埋め立て土砂の七五%は県外から来る。対象の西日本六県すべてにアルゼンチンアリ、セアカゴケグモなどの特定外来生物が生息している。県の土砂条例ができて外来生物の規制ができるようになったが、まだ罰則規定がない。そのため防衛省は『埋め立てが認められているので粛々とやる』と言っている。岩礁破砕の期限切れの時と同じだ。また、検査期間も九〇日では東京ドーム一七杯分の土砂には対応できない。県会議員と協力して早急に条例を改正し、期間延長と罰則規定を実現しよう。全国の取り組みで搬出元六県では沖縄県からの要請があれば搬出土砂の検査に協力すると言っている。防衛省に外来生物対策を尋ねたら、実験室で高熱処理したら死滅したと答えた。実験では死んだだろうが全量を処理できるわけがない。生物多様性条約や外来生物法に反する土砂計画撤回を求める新たな全国署名を始めた。七五%の土砂を止めれば埋め立ては出来ない。一緒に頑張ろう」と呼びかけた。

 

江川紹子さんが
テントを訪問
一一時過ぎからは司会が二見以北住民の会の浦島悦子さんに替わる。
東京日野市議会議員の奥野さんは沖縄市の出身。センター通りで米兵の落としたチップを拾う小学生や、髪を短く切られ男の子の格好をさせられたことなど、子供の頃の悲しい思い出を語り、大浦出身のお母さんを思いながら二見情話を歌って「故郷の海を壊すな」と怒りをぶつけた。
一一時半になり次の搬入に備え工事ゲート前に移動し座り込む。一二時前に基地内から機動隊が現れ七〇人程がゴボウ抜きされ歩道に閉じ込められる。「違法な工事に手を貸すな!」「民意を無視するな!」と怒りのシュプレヒコールを繰り返す。二回目も朝と同じく三〇台ほどが入った。
メインゲート前のテントに戻って昼食休憩。一三時過ぎに木曜恒例西原町の伊集さんのコンサートから午後の集会再開。一〇年余り前の安里正美さんの歌をカバー。「騙されて知った命の尊さ 国の言う平和など信じるものか」今もそのままの沖縄を唄った歌詞だ。
そこへジャーナリストの江川紹子さんがNHKのディレクターと一緒にテントを訪問。
何人かの参加者にインタビュー。あす夜七時からのローカル番組「きんくる」で放送するそうだ。ローカルにとどまらない発信力に期待したい。
一四時半、三回目の搬入に備えてまた工事ゲートへ。突然の搬入再開だったため人数はだいぶ減ってしまったが、二五人程が座り込む。さすがに一〇分と持たず、強制排除されてしまった。朝、昼と同じ車両三〇台余が入っていった。再び雨が降り始め、その場でシュプレヒコールとガンバローで締めてこの日の行動を終了した。明日からはもっと多くの仲間たちが駆けつけてくるだろう。

11.16

琉球新報ホールでシンポジウム

埋め立て承認は不法

「法治主義」を取り戻せ

 午後七時から琉球新報ホールで、辺野古訴訟支援研究会主催の緊急シンポジウム「埋め立て承認をめぐる闘いの現段階と展望」が開かれた。
防衛相が再び私人に成りすまし身内の国交省に審査請求と執行停止を申し立てるという常軌を逸した手段に出たことで、先月下旬の本部町を皮切りに名護市、那覇市、宜野湾市、八重瀬町など各地で学習会・講演会が続々と企画されている。この動きを全国に広げたい。
琉大の徳田博人さんのコーディネートで、名古屋大学紙野健二さんと専修大学白藤博之さん、二人の行政学の専門家が報告を行った。
紙野さんは、一〇月の行政法学者有志一一〇人による、行審法の濫用を憂う声明の中のキーワードとして「国の行為は法治主義に悖る」を紹介し、「安倍・菅が始終口にする『法治国家』とは裏腹に、法治とは憲法に従って統治を行うという権力機関の義務のことだと指摘。行政機関は法律に定めのあること以外はやってはいけない。そのため多くの法律が行政機関は善良であることを前提に組立てられているので、今回のように国が公有水面埋立法や行審法で想定外の挙に出てもそれを規制する明文規定がない」と指摘。
「行政の不法行為を監視するのは司法の役目だが、今の状況では機能していない。有権者の無関心で政治が腐り、行政も腐り司法が機能しなくなる。沖縄では更に地位協定や日米合同委が憲法の支配の外にあり、国に当事者能力がないので無責任な対応に終始している。法治主義に立てば基地は作れないからだ。今後の法廷闘争だけを見ると容易ではないが、日本の政治行政、グローバル世界に発信し、地方の隅々から法治主義を取り戻していこう」、と締めくくった。
白藤さんは、公有水面埋立法で国が受ける「承認」と私人が受ける「免許」の違いを条文に基づいて比較。免許を受けたものが法令に違反した場合の措置や、免許に係る規定の承認への準用を比較検討し、国は明らかに私人とは異なる「固有の資格」を持っているとした。
今後、国地方係争委員会をめぐる法廷闘争では、地方自治法の本旨に従って実質審理すべきだが、行審法を使った採決が国の関与に当たるかの解釈(自治法二四五条三項)によっては門前払いもありうる。司法は閉鎖的だが、民意を気にしているところもある。沖縄を見れば自治力が政府の暴走を防いでいると言える。法廷の内外から民意を突きつけ、事実認識も含め変えさせていく。その点では、国交相の決定に住民訴訟で対抗するのも全国に問題提起する意味ではありではないか。原告適格が一つの壁だが、公水法に反する行為で、公益上の利益に解消されない利益が侵害されたと訴えることはできる、と提案した。 



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