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    かけはし2018年12月3日号

日米共同実戦態勢を発動させないぞ


11.9

第4次アーミテージ・ナイ報告とは

深まる対米従属と軍事一体化

関西共同行動・連続学習会第7回

  【大阪】関西共同行動・連続学習講演会の七回目が一一月九日、エルおおさかで開かれた。中北龍太郎さん(関西共同行動代表)が開会のあいさつで、「まさに今自衛隊は専守防衛から脱皮を遂げつつある、一〇月に出された第四次アーミテージ・ナイレポートは、自衛隊基地の米軍と自衛隊の共同使用、日米統合部隊の創設を提言している、ますますの対米従属と日米軍事一体化が進められようとしている」と述べた。
纐纈厚さん(明治大学特任教授、山口大学名誉教授)が、「安保法制定後の自衛隊、日米安保の現在」と題して講演をした(別掲)。
 質疑応答の中での発言を少し追加する。
 日本では、天皇制と安保問題(自衛隊問題)はあまり論議されてこなかったが、安倍一強時代はいつまでも続くわけではない。その時代が終わるとき、天皇制と安保問題について明確な見解を持たねばいけない。先ほど、自衛隊解体といったが、解体された後はどうするのか。皆さんは、自衛隊がクーデターを起こすということを考えたことはあるか。紙の上のクーデターで終わったが、戦後三度ある。三の字が付く三無事件・三矢作戦(昭和三八年)・三島由紀夫事件。三島事件の時などは、総監部のバルコニーからの三島の演説(天皇を元首にする・日本を取り戻す)を聞いていた自衛官は三島をヤジり、国民は批判したが、でもこれからこのような事件はないとは言えない。今の日本は、軍の中に閉じ込められた社会だと思っているほうがあたっている。 (T・T)

纐纈厚さんの講演から

デモクラシーに軍事
主義を注入する試み

 アーミテージ・ナイレポートの話が出たので、そのことから話したい。ナイはデモクラシーの体制と軍事主義は矛盾しないと考える。換言すれば、軍事主義を担保するデモクラシーとも言える。ナイはデモクラシーに軍事を注入することに成功した。日本の自衛隊はナイ的システムに取り込まれた。自衛隊は、米国の陸海空海兵隊の次の第5軍になった。以前は後方支援だったが、集団的自衛権行使ができるようになってからは槍で米軍が後方になった。
米国の防衛戦略の一環としての同盟国分担体制からして、今、自衛隊が専守防衛だと言う人はいないだろう。専守防衛なら、機動部隊を持ったり、足の長い戦力は持てない。米国も持たせようとはしなかったが、今米国は、アジアは韓国と日本に任す戦略に転換した。米軍は可能な限りアジア地域から後退する構想・「沖合」に後退しておき、有事の時のみ紛争地域に出動展開する戦略に転換した。韓国軍・自衛隊は米軍の代替軍として位置づけられる。自衛隊の任務は、防衛出動・治安出動・災害救助だが、原発警備や米軍基地防衛のための警備出動では市民に銃口を向ける。武器も軽空母(いずも等)、F35A・F35B、離島防衛と称し水陸両用戦車などの外征系の武器が装備されていっている。このような状況で、自衛隊を憲法九条に明記することは、そのような自衛隊を憲法として認めるということであり、それは新軍部の成立へと向かう。

陸上総隊司令官
は旧軍参謀総官
陸自の再編の一例として陸上総隊がある。これは、現在の五方面隊を残しながら、その上位部隊で海外展開できる部隊として編成されている。旧軍の陸軍参謀本部に匹敵する。検討されている陸上総隊司令官は、旧軍の参謀総長にあたるものだ。
今、陸上自衛隊は旧陸軍の編成を継承した十三個師団編成で、五方面隊を残している。旧軍の伝統を最もよく継承しているのは海上自衛隊で、現在の統合幕僚長は海自に出身だ。空自はPAC3、海自はイージス艦を持っている、陸自には最新鋭の兵器はなかったのが不満だったが、今度陸上イージスを持つことになる。イージスやオスプレイ、F35にかかわる自衛官は米国の軍事技術を学び、米国ネバダで訓練している、いわば米国の雇い兵だ。これらの自衛隊若手幹部は米国ナイズされていて、尊米隷属だ。自衛隊の中の国粋的幹部は彼らに不満だが、自衛隊の変貌は明らかだ。
今の自衛隊は頭でっかちだ。ベルサイユ条約でドイツ陸軍の規模が一〇万人に縮小されたとき、その多くを幹部で占めるようにし、規模が拡大するときすぐに対応できるようにした。これを考案した大将の名前を付けてクリッパーシステムという。昔、反自衛隊運動がなかった日本で、「自衛隊員と連帯し自衛隊を解体する」運動があった。今、自衛隊の軍縮は話題にならないのか。自衛隊規模は二四万人(定員二四万七〇〇〇人、現員二二万四〇〇〇人)、自衛隊は一元化の方向に向かい、年間予算は五兆三〇〇〇億円、軍人恩給を加えて六兆三〇〇〇億円だ。ドイツやイタリアでは軍人組合があり、軍を監視する第三者機関がある。日本にも一九七三年には、民間の軍事問題研究会(五味川純平会長)ができたが、岩国・三沢・佐世保に支部ができただけで、広がらなかった。
そもそも自衛隊とは何なのか。それは、自衛隊の前身である警察予備隊だ。この警察予備隊七万五〇〇〇人はアメリカ政府の内部文書では、極東特別予備隊と呼称される植民地軍であり、日本にとっては文字どおり「押しつけられた軍隊」であり、ここから戦後の再軍備が始まる。国民との乖離は埋まらず、自衛隊組織拡充に伴い、国民との乖離を埋める努力の一方で、日本国民ではなく国家・政府・米国に従属することで偏狭な自立志向が醸成された。これが自衛隊問題の争点化を抑制する背景のひとつだ。もう一つは、戦後日本に残る軍事アレルギー(軍問題を忌避する意識や感情)である。

自衛隊の暴走を
止めるために
しかし、自衛隊に守られる民主主義でいいのか、という根源的問題がある。中国は脅威なのか。列強に侵略された教訓から、ある程度の軍事力を持たなければと考えているだけだと思う。朝鮮も同じだ。私は脅威ではないと思う。
現代の民主主義国家は武力によって担保されている。それでいいのか。現状では実力組織を“素手”で統制するには、文民統制という方法が用意されている。欧米のような強力な議会統制、中国や旧ソ連のような「党軍」といわれる党権力による統制ではなく、日本型統制としての文民統制が常態化してきたが、それも内側から食い破られてきている。文民統制は、軍事と民主の上下関係を示したものだが、現在は下克上が起きている。河野統幕議長は安保関連法がまだ国会で審議される前から、その法案の成立に言及する発言を米国で行った。文民統制は諸刃の刃だ。軍事の側も民主の側も自らを正当化するために文民統制を持ち出す。
自衛隊制服組高級幹部が抱くプロ意識が世論と乖離していく。国民の中には自衛隊への期待感(災害出動)と不安感(海外派兵による戦争巻き込まれ論)との複雑な感情が交錯している。その点で、米国独立運動時の市民軍をルーツとし、二つの大戦を勝利に導いた米軍への国民的信頼が一定程度存在している米国の文民統制と大きく異なる。前述したように、自衛隊は、朝鮮戦争時の天皇による請願に対応する形式を踏みながらも、基本的には植民地軍として創設された“押しつけられた軍隊”である。戦後平和憲法下で、自衛隊制服組にとっては、自粛を強いるものとして文民統制が存在し、そのことが制服組にとって不満として蓄積された。戦前の明治憲法下では、天皇が直接旧軍を統帥(統制)するとし、旧軍は皇軍とよばれ皇軍意識が育まれ、天皇の命令のみに従う存在と自己規定し、政党や議会の介入を排除した。戦後の文民統制は、首相が最高指揮官であるという形式になり、戦前と同様に政党や国会の介入を排除する傾向が露骨化している。戦前の日本の統帥権独立制度が軍部の政治化を促したように、文民統制が自衛隊制服組の軍事化を誘引している。

「文民統制」の
論理再構築へ
誰から何をどのようにして守るのか、なぜ守るのかという問題を論ずる過程で文民統制を俎上にあげるべきであって、文民統制という制度の機能状態をせんさくするのは、議論の立て方としては合理的でない。
文民統制は、自衛隊の最高指揮官(文民)に直接統制されることを担保した制度であり、その間に存在する防衛官僚(文官)への従属は、文民統制の主旨に反するという論理の顕在化がある。文民を広く捉え、市民の付託を得た国会議員から構成される議会が自衛隊組織・制服組・武官を統制することで、民主主義を破壊する可能性の高い実力組織を常時統制する、つまり民主統制・文民優越の論理の再検証と再確認が必要だ。(発言要旨、文責編集部)

11.5

辺野古実が防衛省申し入れ行動

埋め立て工事再開に強く抗議

沖縄の人権・平和・自己決定権を

 一一月五日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が月例の防衛省申し入れ行動を行った。一一月一日から、辺野古基地建設のための埋め立て工事再開を受けての抗議行動。
 この間、沖縄に行き現地行動に参加した仲間たちから発言があった。「工事がストップしていた時は、晴れた空と美しい海だった。工事が再開し、心が痛い」。
 「一〇月三〇日から辺野古に入った。一一月一日から海上ではフロートの設置が始められたがゲート前は何もなかった。三日に県民大会があり、すごい熱気につつまれた。東京では官邸前で闘った」。

玉城知事を支え
声を上げ続ける
沖縄から安次富浩さんが電話でアピールした。
「本部の塩川港を見てきた。六カ所の岸壁のうち四カ所が破損していた。埠頭の修理には時間がかかるだろう。本部の土砂を埋立てに使うことにしているが、海上輸送は当面できない。陸上輸送には県知事の許可が必要になり、これもできない。台風24号の影響はわれわれに有利に働いている。玉城知事を支えて闘う。軟弱地盤、活断層、高さ制限など辺野古基地建設には難題が山積みだ」。
「われわれは非暴力・抵抗運動をねばり強く闘っていく。沖縄の未来はウチナンチュで決めていく。人権、平和、自己決定権の確立に向けて闘う」。
座間市のバスストップから基地ストップの会の仲間は「工事再開を受けて、腹が立って一人でも駆けつけずにはいられなかった。基地ストップの会は毎週水曜日の座り込み、月一回のデモを九年以上続けている。おかしいことはおかしいと声を上げなければならない」と語った。
ストップ辺野古埋立てキャンペーンは「大成・五洋建設に向けて抗議行動を続けて四年になる。大成建設は埋立ての受注をどんどん行っている。会社はうっとおしいと思っているだろうが今後も抗議を続ける。参加を」と訴えた。
辺野古実が「11月24日(日)午後2時から、新宿東口アルタ前に集まり、午後3時から新宿駅一周デモ、12月3日(月)午後6時半から、月例の防衛省申し入れ行動」への参加を呼びかけた。今回はふぇみん婦人民主クラブが申し入れを行った。     (M)


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