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    かけはし2018年12月3日号

世界で注目を浴びる沖縄の闘い


沖縄報告 11月25日

孤立しているのは日米両政府だ

沖縄 K・S


11.18

玉城デニー知事が訪米を終え帰沖

日米両政府は県ぐるみ
の声を真摯に聞け!

 一一月一八日(日)夕方、玉城デニー知事が一週間の訪米行動を終えて那覇空港に到着した。空港一階ロビーには「玉城知事お帰りなさい。お疲れさま」との手書きの横断幕を手にした出迎えの県民約五〇人が集まり、知事の労をねぎらった。知事は長旅と時差による疲れの色も見せず笑顔で「米政府の壁は厚いが県民と共にくじけずに頑張り抜く」との決意を述べた。

県民の声をハッ
キリ届けた訪米
翁長知事の数度にわたる訪米を引き継ぐ形での玉城知事の今回の訪米行動は、米国メディアの注目度の拡大、在米ウチナーンチュの連帯行動の広がりという目に見える成果を獲得した。何より、沖縄県が日本政府から独立して何度も訪米し県民の要求を伝えるという事実が定着してきたと言える。米国こそが当事者なのだから、いつまでも「辺野古は日本の国内問題」として対話を拒否し続けることができなくなる。
ND(新外交イニシアティブ)代表の猿田佐世さんは、一〇年前ワシントンでネットワーク・フォー・沖縄というNGOで活動した時のことを振り返って「初めて米議会に辺野古を訴えた時、担当議員は、沖縄の人口は二〇〇〇人か?と尋ねた。今日議会でもかなり広く知られるようになった。これまでの蓄積にうちなーの動きをつくり出した今回の訪米の上に、今後さらに働きかけの継続を」と述べた。
今回玉城知事は国連本部を訪問し「沖縄をアジアの平和の緩衝地帯にしたい」と申し入れた。沖縄は行政上は依然として日本の一県だが、その内実では、日本政府から独立して沖縄の独自の外交を推し進めているのだ。今年初めには、日本政府が何もしようとしないのに対し、県がイタリア、ドイツの地位協定の現地調査を行い日米地位協定の改定問題を全国に提起した。翁長知事の埋立承認取り消しに続き、埋め立て承認撤回を引き継いだ玉城デニー知事は、もうこれ以上軍事基地に苦しめられることのない沖縄を求める県民を代表して、活発に行動し続けるだろう。

11.16〜

アイルランド

国際反基地会議
に稲葉さん出席


アイルランドの首都ダブリンで一一月一六日から「全世界から米軍基地とNATO基地の撤去を求める国際会議」が開かれ、騒音、環境汚染、事件事故など基地問題を抱える世界各地の約三〇カ国から二三〇人が参加した。主催したのは国際組織の「全世界の米軍基地・NATO基地の閉鎖を求めるグローバルキャンペーン」。辺野古ゲート前のブロック積みで逮捕・起訴された稲葉博さんが「辺野古の闘いは必ず勝てる。皆さんの力が必要だ」と訴えたのに対し、アメリカ、ドイツ、チェコなど世界各地から連帯の声が上がった。
アメリカのバーマン・アザットさんは「沖縄の人びとには世界が味方に付いていると伝えたい」と述べた。チェコのミラン・クライチャーさんは、米軍のミサイル防衛システムの配備計画に対し大規模な反対運動で中止に追い込んだ一〇年前のチェコの経験を紹介して「沖縄の皆さん、絶対にあきらめないで」と呼びかけた。VFP(ベテランズ・フォー・ピース)のケネス・アッシュさんは「米国は世界中に米軍基地を置いて他国を侵略しているが、米国を侵略した国などない。沖縄の基地建設を止めるために活動したい」と述べた。沖縄は孤立していない。むしろ、世界で孤立しているのは日米両政府だ。

茨城で原電幹部が謝罪

権力者の手から政治
を取り戻す時が来た


つい最近、茨城県の原電の幹部が東海第二原発の再稼働にあたっての安全協定に関して周辺六市村に対し「市村に拒否権はない」と述べたことを撤回・謝罪した。支配者のおごり。そして謝罪しなければならない社会の力関係。沖縄の辺野古新基地建設も同じだ。県民ぐるみの民意を背景にした沖縄県知事の新基地の埋め立て中止の求めを無視し、工事を強行する安倍政権は茨城県の原電と同じだ。安倍、菅、岩屋、石井はそろって辺野古新基地白紙撤回を言明し、謝罪せよ! 政治を地域住民、県民、国民の手に取り戻さなければならない。

11.21

海上抗議行動

平和丸から埋立工事
中止を訴えた


われわれ島ぐるみは朝一番で汀間漁港から平和丸に乗船し海上抗議行動を行った。この日の海上コンディションは波が二m、風もかなり強くて、カヌーチームの出航は見合された。大浦湾に出ると波が船べりに当たりしぶきが体にかかる。ヘリ基地反対協の仲本興真船長はじめ三人のスタッフは、要領よく波を最小限に避けながら船を進めた。
沖縄県の埋立承認撤回によってフロートと汚濁防止膜の撤去を余儀なくされていた沖縄防衛局は、防衛省と国交省の自作自演劇で埋立承認撤回の執行停止を演出したあと再びフロートと汚濁防止膜を張りだした。大浦湾と辺野古の海に奇怪なオレンジ色の球の数珠つなぎが再び姿を現した。
平和丸がフロートに向かって行くと、ODB(沖縄防衛局)の紫色の旗を掲げた海上警備の小型船が接近して来て、マイクで「ここは臨時制限区域です。近づかないでください」とがなり立てる。その後ろには海保のGB(ゴムボート)が並行して走る。沖縄防衛局が臨時制限区域の標識として設置したブイの周囲には防衛局が配置した地元漁船の警戒船が浮かんでいる。フロート内にはクレーンを二基備えた大型工事船と小型の作業船数隻、さらに台船がある。まもなく砕石の海上搬送に使用されたK9護岸の前に到着した。
K9護岸は辺野古崎一帯を占める米海兵隊基地キャンプ・シュワブの端に位置する。向かって右側は辺野古弾薬庫。なだらかに標高が高くなり、海を見下ろすような断崖上には地下式・半地下式の弾薬庫が並ぶ。復帰前、ここにはヤギが飼育されていた。毒ガス感知用だという。生物化学兵器だけではない。嘉手納弾薬庫(知花弾薬庫)と共に核兵器が貯蔵されていた貯蔵庫は現在もあると言われる。中に実物があるかないか、不明だが、米軍がその気になればいつでも搬入しようとするだろうし、米軍の運用に異議を唱えない日本政府が続く限り、沖縄への核兵器の搬入・貯蔵の危険性はなくならない。
戦争を職業とする米軍にとって、さらに米軍の庇護下で日本の軍国主義の強化を図る安倍政権にとって、青写真通りに滑走路二本、軍港、弾薬庫、弾薬装填場を備えた辺野古新基地はのどから手が出るほど欲しくてたまらない軍事拠点だ。先日岩国の米軍・自衛隊基地を見た。岩国基地も滑走路、軍港、弾薬庫を備えた米海兵隊の総合軍事拠点だ。米軍は強欲だ。岩国も沖縄も欲しい。金は日本政府が全額出すのだからなおさらだ。
船長の仲本さんは防衛局の作業員、警備員、海保に向かって「違法工事を止めなさい。辺野古・大浦湾をこわしてはいけない」と力強く訴えた。島ぐるみも「ここは沖縄だ。県知事の工事中止の指示に従い、埋め立て工事を止め辺野古から撤退せよ」とアピールした。
埋立工事の進み具合は今、辺野古側の護岸プール二カ所の基礎ができた状態である。当初八月一七日以後の土砂投入を目論んでいた防衛局は、県の埋め立て承認撤回により、土砂運搬船や台船に積み込んでいた一万トンを超える土砂を本部塩川港近くの採石場に戻さざるを得なかった。さらに本部塩川港の岸壁は台風により大きく破損し、辺野古への搬出に使っていたバースを含む半数が使用不能になった。来年三月まで使えるめどが立たないという。辺野古の土砂投入のための埠頭使用は認めないという県民ぐるみの声を盛り上げよう。

11.21

ゲート前座り込みに150人

強制排除に抗し資材
搬入阻止を訴える

 辺野古ゲート前の座り込みを始めて一五九九日目。早朝の強制排除・資材搬入に抗議するゲート前座り込みを終え次の資材搬入までの時間を利用して、キャンプ・シュワブ前のテントで休憩を兼ねた集会がもたれた。辺野古の島袋文子オバァや稲嶺進前名護市長も参加した。糸満、八重瀬、那覇など県内各地の島ぐるみの報告のほか、京都の歌姫・川口真由美さんが「沖縄今こそ立ち上がろう」「沖縄を返せ」をギター演奏と共に熱唱した。北海道旭川市からの市議を含む三人は「旭川は戦前陸軍の街だったが、今は陸上自衛隊が駐屯している。沖縄のことは全国の問題だ」と述べた。
関東から二四人で参加した「基地のない平和な沖縄をめざす会(略称沖縄の会)」は、沖縄の地図が印刷された旗を広げて、トランペットの伴奏で歌を歌ったあと、千葉、埼玉、東京板橋区・小金井市・三鷹市などから参加した一人ひとりがマイクをとって自分の思いを口にした。共同代表でうるま市出身の長谷部洋子さんは「県民の民意が無視される日本の政治を終わらせよう」と訴えた。そしてかわるがわる「沖縄は3回目。あせらず、あわてず、あきらめずをモットーに頑張る」「集団就職で関東に出てきて埼玉に住み着いた。孫も沖縄に来てきれいな海に感動している。美しい海を残したい」「沖縄から基地をなくさない限り日本の基地はなくならない」「沖縄は今年に入って六回目。辺野古新基地何としても阻止」などと述べた。
キャンプ・シュワブ第1ゲートからパトカーが出ていったのを合図に、参加者は工事用ゲートに移動した。座り込みの数は朝に比べて二〜三倍に膨れ上がり、ゲート前の路上を三列に埋めつくした。救護班には山口県と鳥取県から看護師の女性二人が詰め、ゲート前を見守った。座り込みの参加者が増えたためか警察機動隊の動きも朝に比べて慎重になっていたが、二見方面から到着するダンプが第2ゲートを過ぎて第3ゲート方面まで列をなしてくるや、指揮官の白い棒の「かかれ」の合図とともに、強制排除が始まった。
基地の金網と車道の段差に設置された柵でつくられた「臨時留置場」にゲート前からゴボー抜きで排除された参加者が運び込まれる。留置される人があふれ、中には柵を乗りこえて再びゲート前に走る人も続出。県警機動隊はカマボコ車を柵に接続し「臨時留置場」の空間を拡大し不当な拘束を続けた。この日、朝昼午後三回の資材搬入で搬入されたのは、砕石を積んだダンプなど一三八台。カヌーチームの報告によると、ダンプは「辺野古崎の作業ヤードに砕石を次々に降ろし戻っていった。ここを一時置き場にして護岸工事などに使う」とのことだ。

11.16

カヌーメンバーTさんの報告

若い海上保安官に
問いかけてみたい


朝は風雨があり、雷警報も出ていた。海も荒れ気味で波が高い。午前中の抗議&阻止行動は中止になった。午後は抗議船に乗り辺野古側を見て回った。オイルフェンス及びフロートの設置が始まった一一月一日から、私は毎日その作業に対し抗議&阻止行動をした。本当に長い闘いだった。最初の1本から最後の1本まで関わったことが結果としてこれほど虚しいとは想像もしていなかった。
フロートが完成した今、私はぜひ海上保安官の若者に聞いてみたい。「美しい海が破壊されることに対して、海が好きで保安官になったあなたはどのように思いますか?」。

 11月17日

 曇り時々晴れ間、風弱く波も穏やか〈午前〉松田ぬ浜からカヌーを漕いで長島の海峡を越えその先のオイルフェンスに取り付き作業の監視をした。〈午後〉抗議船で瀬嵩に回った。船上から汚濁防止膜を布設しているのが目撃された。私たちはフロートを乗り越えて阻止行動をした。距離がありすぎて到達することはできず全員海保GBに拘束されてしまう。抗議・抵抗の姿勢を見せることが重要だ。
水面に白いつぶつぶが漂っている。最初は泡かと思ったが、よく見ると発泡スチロールの粒である。オイルフェンスやフロートが傷つきそこから出てきているのではないか。今世界的にマイクロプラスチックが問題となっている。もしこれが大浦湾で発生してるとしたら即工事を中止し調査しなければならないと思う。


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